朝の登校での出来事。
通学路の途中にある用水路のところで、しゃがみ込む子どもたちの姿がありました。
何かあったのかたずねてみると、用水路の中の石かべで、ヤゴがトンボに羽化しているとのこと。
いつも登校の見守りで立ってくださっているご近所の方が見つけて、子どもたちに見せてくださっていたそうです。
「昔はいっぱいいたけれど、この頃、あまり見かけなくなった。久しぶりに見かけたから、子どもらにも見せてやろうと思ってな」と。あんなに小さなヤゴの中から、どうやって羽の生えたあんなに大きな体が出てくるのか、まるで手品のようです。
帰り道に、2年生の男の子が、朝のことを覚えていて、また同じところをのぞいていましたが、もうトンボの姿はありません。抜け殻をそっと取ってあげると、不思議そうに見たあと、足で踏んで、中身が空っぽなのを確かめていました。
「自然」という偉大な先生が、今日も子どもの知的好奇心をくすぐってくれました。