
写真は1年生の下駄箱です。入学して2週間、学校生活のしかたについて一つずつ学んでいる1年生。担任の先生から「靴はきれいにそろえましょう。」と教えてもらって、今意識して頑張っているところです。では、他の学年の下駄箱の様子がどうなっているのかというと…、

写真は〇年生の下駄箱です。1年生以外で、この学年が最も整っている下駄箱の様子でした。その他の学年は…、残念ながら、ちょっと写真ではお見せできない感じでした。「子どもたちが落ち着いているかどうかは、下駄箱の靴やトイレのスリッパを見れば分かる。」と私(校長)は思っています。これはほぼ真理だと確信しています。「はきもの(靴)をそろえる」という文化はひょっとしたら日本だけかもしれませんが、とても大切な文化だと思います。下駄箱に靴を入れる時、靴を整えるにはひと手間がいります。靴のかかとを揃えたり、下駄箱の端と靴のかかとを揃えたり…、このひと手間をかける時が「心が整う」瞬間だと思います。「はきもの(靴)を整える」ことは「心を整える」こと…間違いないと思います。
長野市の円福寺の住職だった藤本幸邦(ふじもとこうほう)さんがつくった「はきものをそろえる」という詩があります。
はきものをそろえる
はきものをそろえると心もそろう 心がそろうとはきものがそろう
ぬぐときにそろえておくと はくときに心がみだれない
だれかがみだしておいたら だまってそろえておいてあげよう
そうすればきっと 世の中の人の心もそろうでしょう
私(校長)が小さかった頃、祖父からしきりに言われていたことがあります。「靴のかかとを踏むな。靴のかかとを平気で踏むやつは、人の気持ちも平気で踏みつける人間になる。」…。この言葉が妙に心に沁みついていて、今でも靴のかかとを踏めない自分がいます。急いでいて、かかとを踏みそうな時も、必ず頭に祖父の顔が浮かんできて、自分にブレーキをかけてくれます。祖父が残してくれた美しい「躾」だと感謝しています。
明日から本格的に下駄箱の子どもたちの靴をそっと揃えてまわろうと思います。あいさつと一緒で、子どもたちに「しなさい!」とは言いません。下駄箱が整っている気持ちよさを感じてくれたら、子どもたちの心の内から少しずつ何かが変わってくるのだと思います。子どもたちに根負けしないように、こつこつ無理なく頑張ります。