まちづくりのためにつくられた「あかね運動」を本校でも推進しています。下記に校長より子どもたちに伝えたことを掲載いたします。
あいさつわたしは、あいさつを3つの種類に分けてお話しすることがよくあります。「現在」と「過去」と「未来」です。「現在」のあいさつは、今このときのことを相手に伝える言葉です。出会ったときに使う挨拶がこれに当たります。出会ったときに使う挨拶ってどんなものでしょう。「おはよう」とか「こんにちは」「こんばんは」がこれにあたります。これらのあいさつは、出会ったときにうれしいよとか、ここにきてくれて助かるよという気持ちを込めています。言われた人は、「ここにいてよかった」ということを確認できます。このことは安心につながります。例えば、学校にお客さんが来られた時、みんなが「こんにちは」とあいさつするとそのお客さんは、学校に来てもよかったんだと安心されますが、だれからもあいさつされなかったら、来てはいけないところに来てしまったと嫌な気持ちになるでしょう。
次に過去のあいさつです。前の出来事に対するあいさつです。何かしたことに対して言うあいさつです。「ありがとう」の言葉がこれに当てはまります。過去になにかしてもらったことに対して感謝の気持ちを表す言葉です。言われた人は、自分は人のために役に立ったという思いを持つことができ、自分は大切な人として認められているという思いがもてます。
未来のあいさつは、次につながるような言葉がけです。「さようなら」がそれにあたります。「さようなら」は、別れの時に使う言葉ですが、どういう意味があるか考えたことはありますか。
校長先生が子供たちに言う「さようなら」の意味は、「今日も一日一緒に楽しく過ごせましたね。そうであるならば(さようであるなら)、明日もまた、元気に来るんですよ。」の思いがこもっていて、二つの文をつなぐ「さようであるなら」だけが残って、「さようなら」と言うようになっています。友だちに言う場合も、「今日も一日一緒に楽しく過ごせましたね。さようであるなら、明日もまた、一緒にがんばろうね。」、さようならだけが残っています。
「さようなら」には、明日も元気に来てほしいと期待する思いが込められています。未来のあいさつは、人から期待されているという思いを持つことができます。「さようなら」でなく、「また頼むで」とか、「明日もお願いします。」というような声かけだと、より、期待されている感じが直接伝わるかもしれません。
このように、あいさつをされた人は、安心や認められている、期待されているという気持ちを持つことができます。このことで、人は、幸せで生き生きとした生活を送ることができると考えます。そんな人が増えれば、仲良くてやる気満々の学級になると思います。
2学期の終業式で言ったようにあかね運動は、まちづくりの合言葉です。「安心できる。」「認められている。」「期待されている。」ということは、私たちが、幸せに暮らしていくためには、絶対に必要なものです。
だから、あいさつは、とても大切です。みなさんは、しっかりあいさつができるようになってください。「おはよう」や「こんにちは」だけでなく、過去や未来へのあいさつの正しい使い方を身につけられるよう努力してください。
人は、人の中で成長します。人と人をつなぐ魔法の言葉、「あいさつ」を大切にしてください。
かんしゃ
あかねの 「か」 感謝について少し詳しくお話しします。
朝、校門の前信号のところで立っていますと、わたり終わった班長が止まっている車に深々とお礼する姿が見られます。車の運転手は信号が赤のために止まっているだけで、当たり前のことだから、お礼をする必要はないと思う人も多いと思いますが、私は、当たり前のことに感謝の気持ちを持っこと、その気持ちを表現することは、とても大切なことだと思いますので、お礼をしている班長がとてもかっこよく見えます。別の場所、信号のない横断歩道で止まっていただいた車に対しては、もっと多くの人がお礼をしていると思います。下校時のパトロールのとき、低学年の人が、とてもいいお礼をしていたことに感激しました。きっといつも班長さんのお礼を見てたんだと思います。
実は、信号のない横断歩道で、渡ろうとしている人がいたら、車は止まらなければならないことを皆さんは知っていますか。法律で決められています。ですから、横断歩道の前で止まっていただいた車にお礼をするということは、これも当たり前のことに感謝の気持ちを示していることになります。
しかし、実際には、横断歩道で待っているのに止まらずそのまま通り過ぎる車もたくさんあります。交通ルールに違反していることになるのですが。
新聞で面白い記事が載っていました。横断歩道で止まった車に対して、お礼をすることの多い地域ほど、横断歩道で止まる車が多いということがわかっています。つまり、お礼をすること、そして感謝の気持ちを示すことで、運転する人のマナーもよくなる、つまり世の中がよくなるということです。
横断歩道で止まる車の例を話しましたが、みなさんが生活する中で、当たり前と思っていることで、感謝の心を持つべきことがいっぱいあると思います。起きた時、朝食の時、家を出るとき、登校中、学校についた時、などなど
あたり前にしか思っていないことから、感謝の気持ちを見つけてください。そして、感謝の気持ちを示すことができるといいですね。難しいことかもしれませんが、校長先生からの宿題と思って心がけてください。あたり前なことに、感謝の気持ちを持てるということはとても大切な力でありやさしさにつながります。、感謝の気持ちを示せるということは、友達や人とうまく付き合えることにつながります。
このことがうまくいくときっと、家庭が明るくなりますよ。
あかね運動は、まちづくりのためです。子どもも大人も、みんなが感謝の気持ちをもち、それを伝えることができれば、とてもいいまちになるということなのです。
ねばりづよく ベストをつくすこと(ねばりづよく)について少し詳しく説明します。
「ベストをつくす」とは、いろいろな場面で自分にできる精いっぱいの努力・チャレンジをするということです。
日本のプロ野球からアメリカのメジャーリーグに行って、数々の新記録を作ったイチローという選手を知っていますか。天才打者として有名ですね。そのイチローは、インタビューなどですばらしい言葉、名言を残しています。
「努力した結果、何かができるようになる人のことを『天才』という。」
天才とは、もともとすごい力を持っている人、才能にあふれている人のことを言うのではないのですね。努力を続けることで、天才が生まれるのですね。今自分がすべきことをしっかりと行うことで自分の中に確実な力がつくのです。
努力することは、大切だということは、わかったと思いますし、この話を聞く前からわかっていたという人もいるかと思います。
しかし、しんどいなとかむずかしそうだなとかにがてだなと思ってしまったことに対して皆さんはがんばれますか。なかなか難しいことですね。でもイチローは
「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている。」
壁というのは、難しいこと・やりきるには大きな努力の必要なことです。
困難なことに直面した時こそ、自分の力を伸ばす最大のチャンスとしてあきらめずにねばりづよくやりきれたので、イチローという天才バッターが誕生したんですね。
「発明王」とも称されるトーマス・エジソンは、その生涯で蓄音機や電球、蒲生地区で有名なガリ版印刷機など1300を超える発明を成し遂げたとされる人物であり、エジソンがいなければ、機械の発達した便利な生活は100年は遅れていただろうと言われています。
エジソンは、「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」と言っています。エジソンは、発明にたどりつく前には、何度も失敗を繰り返してきたそうです。エジソンは、「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまく行かない方法を見つけただけだ」と言っています。一つひとつの努力の積み重ねにより、成功を導き、人々の暮らしをよくしてくれたのです。今皆さんが頑張っていることは、無駄ではなくて、意味のあるものであることを知っておいてください。
今日皆さんに伝えたかったことをまとめます。
やってみようと思ったことに、力いっぱい頑張ってください。しんどくなったりうまくいかなくなったりすることがあるかもしれませんが、その時こそ、皆さんが大きく成長するチャンスです。努力したことは、確実に自分の力になります。