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2025/02/03

「60歳…12歳に敗れる~6年算数 おおよその面積~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長
 毎年、全国学力・学習状況調査や、学校の「学校アンケート(児童対象)」の質問に、「算数の学習はよく分かりますか。」や「算数の学習は楽しいですか。」というのが必ずあります。そして、その調査結果を見ると、「算数が分かる」という回答に比べて、「算数が楽しい」と回答する数(割合)が少ないことが課題として挙げられます。極端に言えば「算数は分かるけど、別に楽しくない」と思っている子どもが多いということです。


それは、なぜか…?まあ私(校長)のように「算数(数学)に芸術的な美しさを感じる」と思う変わり者は別として、多くの場合は、子どもたちの意識の中で「算数で学習していることと、日常にある事象がつながっていない」ことが原因じゃないかなと私(校長)は思っています。つまり、算数が日常生活の事象や課題(疑問)に役立っている…生かされているという実感がないのではないかと…。




高学年の算数を「算数専科教員」として担当しているF先生の授業を見ていると、いつも2つのことをねらいにしているんだなと感じます。ひとつは前述したとおり、「算数の世界と日常の世界をつなげる」ことを大事にして、子どもたちが自ら課題(探求)意識をもって、自分たちで「自走」するような授業をめざしていること。ふたつ目は、「筋道を立てて説明する力(論理的思考)」や「多角的に考える力」を育てるために、自分の考えだけでなく、「人の考え」を説明させること(Aさんの解答を、Bさんに説明させること)を大事にしていること。明確なねらいをもって、日々教材研究と授業改善に努める姿に頭が下がります。




今、学校では、一昔前の「先生の説明をよく聞いて、知識を理解し、やり方を学び、正しい答えを導き出す」というような授業ではなく、「自らの課題意識をもって、今まで学んだ知識や方法を駆使しながら、自分自身の答えを導き出し、また他者の考えも理解・比較しながら、さらに多様・多角的に解決策を模索していく。」…そんな授業スタイルをめざしながら授業改善に取り組んでいます。





さて、今日の6年生の算数では、今まで学んだ「面積の求め方」を活かして、実際にある「びわ湖の面積」や「都道府県の面積」を求めるという授業でした。方眼(1マス5km)に描かれたびわ湖のおおよその面積を求めるために子どもたちはいろんな方法を考えます。

びわ湖の面積は約670㎢です。そんなことネットでちょっと調べれば分かることなのですが、「それを今までに学んだ知識と技能だけで求めることができるのか…」という挑戦です。「算数」と「日常」をつなぐ典型的な課題です。子どもたちの解答(考え)は、タブレット端末を介して、リアルタイムで前のモニターで閲覧できます。(いわゆるICTの活用です。)


考え方は大きく2つあって、手間はかかっても「マス目」の数を数えて、「マス目の数×1マスの面積(5×5㎢)」で面積を導き出す方法と、びわ湖の形を自分たちが知っている多角形に見立てて、その多角形の面積を求めることでびわ湖の面積を出そうとする考え方。



しかし、子どもたちは気がついていきます。「今はマス目があるから数えられるけど、琵琶湖が白紙(無地)に描かれていたら数えられない…。」ってことを。現実的には、「何かの多角形に見立てる」という方法がいいということに落ち着いていきます。


実際、「びわ湖の形」は単純ではありませんから、多角形に見立てても「はみだす部分」と「欠ける部分」がでてきます。「このはみだしでここの足らん部分を埋めて…。」などと、折り合いを考えながら、思い切って「えい!やぁー」と簡単な図形に見立てて、その図形の面積を「びわ湖の面積」の近似値として自分の結論を導き出すわけです。


写真の場合は、思い切って「直角三角形」に見立てました。底辺は11マス分で55km、高さは5マス分で25km、つまり面積は55×25÷2=687.5㎢と予想しました。実際の面積は670㎢ですから、その誤差わずか17.5㎢…。大雑把に見立てても、この誤差…「我ながらなかなかやるやん!」って自分を誉めたくなります。この感覚が子どもたちに不足していた「算数って楽しい」って感覚なんだろうなと感じました。


その後、問題は発展問題と続いていきました。今度は「埼玉県」そして「岐阜県高山市」の面積を求める問題。「埼玉県」は誰が見ても「台形」に見立てられますが、「岐阜県高山市」の形は少々複雑です。


さあ、どうするか・・・。「ここらで実力の違いを見せつけてやろうじゃないか。」と私(校長)もプリントもらって問題に挑戦することにしました。その結果・・・。







高山市の形を2つの「台形」の組み合わせに見立てて、ごちゃごちゃ計算した私(校長)と、大胆に潔く「直角三角形」に見立てて、1~2行ですっきり計算した子どもたち…なんと誤差は子どもたちの方が小さいという結果に…あ~なんてこった…!?


私(校長)が座らせてもらった席のとなりにいたTNさんは、さらっと言いました。「校長先生って60年生きてるんやね。私らの5倍もってことか…。なのに私らの計算の方が正解に近いやん、校長先生に勝ったぁ!」と喜び勇んでいます。真面目にちょっと悔しかったです。せっかく「人生5倍」の実力を見せつけて、尊敬のまなざしで見つめさせようとしたのに…。でも最後につぶやいたTNさんの一言を私(校長)は聞き洩らしませんでした。「あ~、算数って楽しい!」…それを聞いた時、なんともいえず嬉しい気分になりました。結果オーライです。




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