「いざという時のために」
不審者が学校に侵入したという想定の避難訓練を行いました。不審者対応訓練として、玄関から不審者が侵入したと想定して、警察への通報、退去を求める対応や教室に近づけない対応について訓練を行いました。
子どもたちは、教室に鍵をかけ、できるだけ出入り口から離れたところで、静かに息をひそめるようにかたまってじっとしている行動をとります。
不審者を校舎から追い出し、校舎内の安全が確認できたところで、二次避難として全児童が体育館に避難します。本来ならばこの後、保護者の方に引き渡しとなりますので、私たち教員は、安全に子どもを保護者に引き渡すことも想定しながら避難訓練を行いました。
体育館に子どもたちが二次避難してくれた際に次のことを伝えました。
みんなに一番に大切にしてほしいことは「自分の命は自分で守る」ということです。だから学校で起こった場合は「先生の指示に従い、落ち着いて行動する」ことが、みんなの命を守るために何より大切です。不審者が学校に入った場合、不審者を刺激しないために、先生方だけに分かる「合い言葉」の放送をします。今日の場合は、「北先生、出席簿をもって、玄関まで来てください。」という放送で、どこにいても先生たちには不審者が侵入したことが分かるのです。先生たちは、みんなの命を守ります。そのためにも絶対に先生の指示に従ってください。
学校以外の場で今日のように不審者に出会ったらどうするといいでしょうか。1年生のみんなは1学期に防犯教室でも勉強しましたね。自分で考えて行動しなければいけません。自分を守るための「合言葉」がありました。玄関前にもはっていますね。「いかのおすし」という言葉は、しっかりと覚えていると思います。
いか:知らない人についていかない。
の:知らない人の車に乗らない。
お:「助けて」と大声を出したり、防犯ブザーを活用したりする。
す:大人のいる方へすぐ逃げる。
し:周りの人にすぐしらせる。
このことを大切に自分の命を守ってください。特に、「す」大人がいるほうにすぐ逃げてください。「し」周りの人に知らせてください。今日の訓練は、しっかりと真剣にできてよかったと思います。
この不審者対応訓練は、私たちの訓練でもあります。犯人を煽らないように話して校舎外に出すこと、校舎内に侵入させないこと、緊急放送で警察に通報すること、児童や先生方に緊急放送で伝え、安全面が確保できるまで待機させること、保護者に引き渡すこと等、実践につながるように私たちも真剣に行いました。
犯人役の先生も止める先生も真剣です。今回は、玄関前で対応した教員は手元に刺股がない想定で、身の回りにあるもの(掲示板)で校舎内に侵入できないように必死に止めてくださいました。各階には、刺股を持った先生方がこれ以上、侵入できないように構え、犯人役の先生を止めてくださいました。教室の子どもたちは、廊下側の入り口の鍵をかけ、入れないように机や椅子でバリケードを作り、教室の1か所に集まり静かに隠れます。先生方はほうきなどを持ち、待機してくださっていました。
しかし、訓練を行ってみるといろいろな課題が見つかりました。何より一番の課題は、伝達をする速さです。不審者かと思った時点で校舎内に緊急放送を流さないと犯人役の先生はあっという間に各階に侵入できることが分かりました。刺股がないと不審者との距離がとれず危険であり、玄関にも刺股が必要だということや放送機器の使い方、体育館に集まった時の人数確認方法等、誰でもいつでも同じような行動ができないといけないと感じました。でも、考えてみるとこれらは先生方が真剣にしてくださったからこそ、わかったことです。今後も「命」を守るための訓練を行うとともに防犯対策には今回の課題をいかしたいと感じました。


