最近、1,2年生が登校すると、真っ先にすることがあります。それは、1年生は朝顔の水やり、2年生は野菜苗の水やりです。それぞれ自分が育てている鉢に水やりをします。毎年、この時期の恒例の風景ですが、私(校長)は、この風景がとても好きです。ランリュックを背負ったまま、ペットボトルじょうろに水を入れて走っていく姿や、「早く芽を出してね…。」「もっともっと伸びろ伸びろ…。」そんな声が聞こえてきそうな水やりの姿…見ていてとてもほんわかした気持ちになります。
「校長先生、見てみて!もうトマトの実がなってるねん。」、「キュウリの葉っぱ、めっちゃ大きいやん!」などと、得意そうにいろいろ話しかけてくれるところも好きです。「自分で世話をして育てる」体験は、命あるものへのやさしさを育て、時間をかけて続けることの大切さを教えてくれます。
水やりをしている時は、自然(動植物)に目が向いている時でもあり、周りにいる虫たちにも興味が行ったりします。
「校長先生、見て見て!ぼく、ダンゴムシを袖につけて登らせてるねん。」と、肝心の水やりも忘れて、虫と戯れている子どもらしい姿も好きです。この子はしっかり「あっ!水やりまだやった…。」と気づいて、急いで水やりをしていました。
教室では、野菜の成長記録を書いています。「色は?形は?大きさは?数は?においは?…」などと、担任の先生が上手に「観察の視点」を子どもたちに与えます。子どもたちは、その「観察の視点」を大切にしながら、自分の気づいたことを記録として書き込んでいきます。
「ハートの形の葉っぱがあっておもしろかった。」、「最初からトマトのにおいがした…。」など子どもらしい表現がなんともかわいいです。こうやって「観察の視点」をもって、記録をとるという学習経験が、3年生からの「理科」の学習につながっていくわけです。
子どもたちには、動植物を育てたり、土を触ったりする経験をたくさんしてほしいと思っています。それは「自然は嘘をつかない。心と手間をかけた分だけ、その恩恵がある。」という喜びや「自然は人間の思うようにはならない。」という厳しさの両面を学べるからです。そして何よりも「注意深く見る(観る・看る)力と豊かに繊細に感じる力」をつけてほしいなと願っています。