昨日、6年生が彦根にある荒神山自然の家に校外学習に出かけました。本来6年生に秋の校外学習はないのですが、毎年行われている布引スタジアム(陸上競技場)での市内児童陸上記録大会が国スポ・障スポの関係で実施できなくなったので、その代わりにということで特別に校外学習を実施することにしました。
彦根市立荒神山少年の家は、数年前までは「滋賀県立荒神山少年自然の家」という県教委主管の施設でしたが、今は彦根市に移管され、「彦根市荒神山自然の家」になっています。実は私(校長)は、平成17~19年度の3年間「県立荒神山少年自然の家」時代に勤務していて、子どもたちや親子の野外活動(キャンプやアウトドアクッキング)の指導や、子どもたちの仲間づくりの仕事をさせてもらっていました。中でもPA(プロジェクト・アドベンチャー)というアメリカ由来のチームづくりの手法のライセンスを取得して、PAの活動を通して学級集団のチームワークの向上、高校の部活動や生徒会役員組織のチームビルディングに関わる仕事に力を入れていました。
今回、久しぶりに荒神山でのPA活動を通して、6年生の子どもたちのチームワークづくり、絆づくりを行うことになりました。荒神山自然の家の皆さんに、かなり無理をお願いして、PAプログラムを提供、そして指導をしてもらえることになりました。荒神山のPAトレーナー全員(3名)に指導してもらえることができ、6年生の各学級を2チームずつに分けて、合計4チームでPAプログラムを行なうことができました。一人足りないPAトレーナーは、私(校長)が担当することにしました。一つの学校にスタッフが3名もついてくださるのも「特別」ですし、午前中、子どもセンターの体育館を借り切って、しかも減免(無料)で使わせていただいたことも「特別」でした。「今日は『特別』だらけですよ。そのことを分かって、有意義な一日にしてくださいね。」と子どもたちに話しました。
午前中前半は、簡単なゲームを通して、子どもたちの緊張をほぐしたり、みんなで仲良く遊び、楽しめたりできる雰囲気づくりを進めていきます。次第に、活動に慣れてきて、子どもたちの距離(身体・心)が縮まってくるにしたがって、チームで協力して挑戦する「課題解決型のゲーム」に移っていきます。
4チームに分かれていますので、それぞれのチームで挑戦するゲームも違いますが、私(校長)が担当する6-2Bチームでは「仲間とのつながりと一体感!」をテーマ(目的)にたくさんのゲームに挑戦しました。「男子も女子も関係なく、チームとしての力が最大限になるようにそれぞれが、力を発揮し仲間と支え合う」ことができるチームにしようという意識を高めていきました。
午後は、荒神山自然の家に移動し、「エレメント」という大型装置を使った冒険的ゲームに挑戦しました。「冒険的要素」が強いのがPAの一つの特徴で、仲間との信頼関係を高めていくことで、「できるはずがない」という意識を、「できるかもしれない」そして「絶対できるはず!」に変えていきます。
「ジャイアントシーソー」という木製の大きなシーソーに20人が乗り、バランスを取りながら人が移動したり、両端にかたまったりします。微妙なバランスの崩れだけで、シーソーは傾き、「ガタン!」とアウトになります。「モホークウォーク」は、ケーブルの上を綱渡りしていくチャレンジです。チャレンジの目的は「自分が渡り切ることではなく、チーム全員が渡り切ること」ですから、互いに手を取り合い支えながら綱渡りをしていきます。
「ニトロクロッシング」は、ターザンロープを使って全員が、向こうにある島に乗るというチャレンジです。「ターザンロープでビヨ~ンと行くだけやん。」と思うかもしれませんが、輪っかにかけた足がなかなか外れなかったり、ビヨ~ンといった先に乗るスペースがなかったり…、個人の力では何ともなりません。仲間でサポートし合いながら、仲間のためにぐっとこらえながら、1m四方の台(島)に20人が乗っていきます。「1m四方に20人が乗る?…絶対無理やん!」とはじめ思っていた子どもたちは、いつしかみんなでつながり合い、肩を組み合い、しがみつき合い、最後はやってのけてしまうのでした。
難関チャレンジを突破した子どもたちは、何とも言えない達成感と一体感を、仲間とつないだ手、組んだ肩、しがみき寄せ合った体から感じます。先日校門を掃除してくれたSN君の振り返り日記には、「この仲間でよかった。みんなありがとう。」と書き綴られていました。
つないだ手のぬくもり、寄せ合った体の温かさと力強さ…仲間と本気になれば、「たいていのこと」は絶対やり遂げられる…そんな思いを持っていてくれたらうれしいなと思います。