昨日、各学年の週案(1週間の時間割が書いてある表)を見ていると、3年の週案に体育「ソフトバレーボール」と書いてあるのを見つけて…。「3年生にバレーボールってできるんかなあ?ちゃんとゲームになるんやろか?」と思って、体育の時間に見学に行きました。
私(校長)はてっきり基本の練習として、「レシーブ」とか「トス」の練習から繰り返し練習するのかなと想像していたのですが、体育館に行ってみると、なんともうすでに試合を始めているではありませんか!おまけにちゃんと「ラリー」が続いていて…めっちゃ盛り上がってるではありませんか!?

実は、これには少し「しかけ」があって…。今の段階では「キャッチバレーボール」と言う方が正しいのかもしれません。「レシーブ」をする代わりにボールを「キャッチ」するのです。そして「サーブ」や「パス」、「トス」は「投げる」というルールにしてあるのです。それからルールとして、相手コートから来たボールは、①「レシーブ」=キャッチして、セッターにパス(投げる)②セッターが「トス」を上げる(投げる)③アタッカーが相手コートにアタック(スパイク)する(これはちゃんと打ちます)という3回で攻撃するのが約束です。「レシーブ」や「トス」の代わりに「キャッチ&スロー」ですから、今の子どもたちの力で十分にラリーが続きます。ゲームの「動き」はちゃんとした「バレーボール」の動きになっていくわけです。

この「ラリーが続く」と言うのが、バレーボールなどのネット型ゲーム(スポーツ)の醍醐味であり、楽しさですから、子どもたちは大喜びで、「楽しくて楽しくてしかたない!」と言わんばかりに盛り上がりますし、子どもたちの動きがだんだんバレーボールらしくなっていきます。
今日の授業を見ていて、「やっぱり授業と言うのは、工夫次第で『子どもたちが夢中になる授業』になるんだなあ。発想の転換が大事やな。」と今更ながら思い知らされました。「ゲームを楽しむにはまずは基礎基本から。」という考え方で、始めのうちはゲームなどしないで、ひたすらレシーブやトスの練習ばかりしていたら、苦手な子にはバレーボールが「辛いもの」になってしまうでしょうし、バレーだからと言ってレシーブやトスありきのゲームにすると、とてもじゃないけどラリーは続かず、結局ゲームが面白くない…バレーボールなんかしたくないということになってしまいそうです。
そうではなく、「まずはバレーボールの楽しさを味わう!」という視点で「キャッチバレーボール」から始めて、バレーの「楽しさ」と「動き」を先に知る…というのが今回の授業のねらいだったんだと思いました。これだけ子どもたちが楽しそうに頑張っているのですから、放っておいても、「次はちゃんとレシーブやトスができるようになりたい!」と思って、主体的に本格的なバレーボールに向かっていくんだろうなと思いました。この授業を考えた担任の先生も「あっぱれ!」なら、めいっぱい楽しく、全力で運動している子どもたちの姿も「あっぱれ!」です。


「あっぱれ!」な姿は他にもありました。例えば、ゲームをしているメンバーを全力で応援する仲間の姿です。「ナイス~!」「ドンマイ!」「おしい!」などのポジティブな言葉ばかりが飛び交います。この仲間への温かな関わりが3年生の子どもたちの一番素晴らしいところです。さらには、M先生が「集合~!」と声をかけた時の、子どもたちの動きの速さと聴く姿勢も見事なものです。いつの間にか「切り替える力」「メリハリの力」がしっかりと身についています。前にもブログで3年生の体育の様子を書いたことがありましたが、やっぱり3年生の体育の学習は、「本当にすばらしい!」のひと言に尽きます。本当に「あっぱれ!」でした。