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2024/09/20

「稲刈りから、ご飯がお口に入るまで ~5年生稲刈り体験~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は5年生の稲刈り体験の日。晴れることは分かっていましたが、心配なのは「暑くなりすぎる」こと…。熱中症指数が「危険域」になると、外での活動はすべて中止することになります。

朝から少し風が吹いていて、指数も27~28℃に収まっていてくれたので、水分補給をまめに取りながら何とか稲刈り体験をすることができました。

今日もたくさんの地域の方々にお世話になりました。たんぼの管理をしてくださっている種村さん、地域学校協働活動推進員の奥さん、農業委員会の高村さん、梅原さんをはじめ、写真にあるように、JAの皆さんや市の農業水産課の職員さんなど、たくさんの方々のサポートを受けて、稲刈り体験をさせていただきました。子どもたちのためにこれだけの方々が汗をかいてくださることに本当に感謝しないといけません。このへんの「地域の温かさ」や「有難さ」を子どもたちは、どう感じていてくれているのだろうと…いつも思います。「してもらう」ことに慣れてしまっている子どもたちは、ひょっとしてこの「稲刈り体験」も、「自分ごととしての学習」ではなく、「お客さん意識で参加するイベント」みたいにとらえているんじゃないだろうかと不安になったります。常にものや人の「有難さ」がわかる子どもたちでいてほしいと願っています。

 

田んぼに行き、稲刈りの仕方を聞いて、早速作業に入ります。3人一組になって、①稲を刈る人②稲を束ねて、麻ひもでくくる人③くくった稲束を軽トラに運ぶ人、役割を分担し、また役割を交代しながら、自分たちが植えた稲を収穫していきます。

 

鋸鎌(のこぎりがま)を使って、稲を刈り取ることは割とたやすくできるのですが、刈った稲を数束集めて、根元の方を麻ひもでくくるという作業に子どもたちは悪戦苦闘している様子でした。軍手をしているのでやりにくさはあるものの、やはり「しっかりくくる」という作業は、今の子どもたちの生活の中にはほとんどないので、ほとんどの子がうまくできません。運動靴のひもがほどけている子を見かけて、「靴のひもがほどけてるよ。」と教えてあげても、「はーい、だいじょうぶでーす!」と言って、一向に結びなおすこともしないまま、そのままでいる子が結構います。「ひょっとして、ひもがくくれないのではないか…。」と疑ってしまいます。例えば、「新聞紙の山を十字に縛る」…それができるこどもがどれくらいいるのか…この子どもたちの「生活経験」や「甲斐性」の課題を私(校長)は結構気にしています。

熱中症予防のため、稲を刈る作業は最小限にして、残った稲は種村さんに、コンバインで刈ってもらいました。コンバインは、明らかに「手作業で刈る」数十倍のスピードで次々に稲を刈っていきます。おまけに、刈った稲から穂・籾(もみ)だけをとり、コンバイン内のタンクに貯めていき、残りの稲藁(わら)は粉砕して、たんぼにまいていきます。コンバイン内に貯めた籾(もみ)は、コンバインの煙突のようなところから出るようになっていて、袋に入れたり、軽トラに積んだりできるようになっています。まさに「一石五鳥」くらいの働きをするスーパーマシンです。コンバインが見事に「あっけなく」稲刈りをしていく様子を見て、子どもたちは何を思ったでしょうか。

こんなに暑くなかったら、自分たちが田植えをした分は、責任をもって自分たちが全部刈る…というところまでさせてあげたかったのですが…致し方ないです。本当は、腕や腰が痛くなるまでひたすら稲刈りをすることを経験しないと、「機械のありがたさ」も、なぜ、昔のおばあちゃんたちは「腰が曲がった方が多いのか」…ということも深く考えたり感じたりすることはできない気がしています。

 

 担任のY先生とT先生の強い思いがあって、今年は稲刈りだけでなく、刈った稲を「稲架(はさ)がけ」に乾燥し、昔ながらの「足踏み脱穀機」で稲から籾(もみ)を外す作業も体験します。毎日「あたりまえ」に食べている「白ごはん」が、どんな過程や作業を経て、ようやく「白米」になるのか、そして白米になるまでに、どんな人のどんな苦労をくぐってきているのか…しっかりと探求心をもって学んでほしいと思います。生活の「あたりまえ」を深く掘り起こし、「あたりまえ」でないことを知る…とどのつまり「有難み」を知ることが学習のゴールだと思います。

今日の子どもたちの姿を見ていて、興味深げにコンバインを凝視する子や、稲を刈った後に、落ちている穂(落穂)をもったいなさそうに拾い集める子など、関心をもって、意欲的に最後まで働き続ける子と、そうでない子の差が結構大きいなと正直感じました。「ものや人に対する興味関心」や、「勤労意欲」を、学校はどう育てていけばいいのだろう…と、新たに課題意識を持った稲刈り体験でした。酷暑の中、子どもたちのためにきめ細かにサポートしていただいた地域の皆さん、本当にお世話になりました。


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