「学び合い月間~子どものために一丸となって取り組む学校づくり~」
1年道徳 ~かぼちゃのつる「わがままをすると・・・」~
八日市北小学校で大切にしてることの1つに「子どものために一丸となって取り組む学校づくり」があります。この1つとして、私たち教員が互いに授業を参観し、自分の指導力アップをめざす取組をしています。
さて、この日は、F先生が道徳の授業を公開してくれました。道徳「かぼちゃのつる」の学習です。まず初めに「かぼちゃのつる」を紙芝居のようにしながらお話を読んでくださるので子どもたちもお話に集中してよく聞いています。
この学習で考えることは「わがまま」についてです。1年生の発達段階で大切にしたいのは、「周りのことを気にせずに自分勝手に行動したことが、周りの人を困らせていることに気づかないことが多くあります。だから、わがままをしないで、ルールを守って生活することが大切です。そして、快適な毎日を送りましょう。」ということです。これは簡単なようで難しいです。私たちはこのことに気づかせ、この気持ちを大切にしていきたいと常々思っています。
道徳の授業のはじめに、F先生から「わがままって、どんなことか分かる?」と聞いてくださると、「ぼくがおばあちゃんとお風呂に入って背中を洗っていたら、おばあちゃんが『もっと洗ってほしいなあ』って言うねん。手がだるくなるから困るよ。大変やで。」「私の妹が私のおもちゃをとって遊ぶから、いやなの。困るの。」とかわいい答えが返ってきて、聞いていた私たち大人は、かわいい発表に家庭での様子も想像されて、あたたかい気持ちにもなりましたし、ほほえましくも感じてしまいました。他の子どもたちのつぶやきも聞いていると、「わがまま」という言葉については、わかってくれていたので、「かぼちゃのつる」のお話をもとに「わがまま」について考えていきます。
F先生の授業は、いつも子どもから上手に考えを引き出してくださいます。この日も、かぼちゃ、はち、ちょう、すいか等の気持ちを考える時には、いろいろな表情のイラストを用意してくださっていました。まだまだ1年生は、気持ちを表現することが難しい時期です。でも、表情イラストがあると、その表情から気持ちを想像することができ、考えはどんどん出てきました。


このお話では、かぼちゃが自分勝手につるを道路等に伸ばしていき、最後にはトラックに踏まれてしまう場面があります。さあ、まとめです。その場面からかぼちゃの気持ちを考えます。はじめは、「トラックが悪い」と考えていた子どもたちも「こんなことなら、みんなが言うことを聞いておいたらよかった。」「ぼくが悪かったなあ。これからはわがままをしない方がいい。」と考えが変わってきました。
そのタイミングでF先生は、「じゃあ、どうしたらよいのかなあ」と自分の行動と重ねて考えさせる時間をとってくださいました。子どもたちは、「わがままをしたら、自分は楽しいけど、他の人はいやな気持ちになる。だからこれからは、わがまましないで他の人のことを考える。」と自分のこととして考えることもできました。なかには、「ぼくが順番を抜かしたときに『抜かしたらあかん』と言われたのに抜かしてしまったから、次は注意されたらやめる。」とつぶやいている姿も見られました。
でもこれで終わりではありません。もっと自分の生活と結び付けて考えられるように、F先生は、授業の終わりにお話をしてくださいました。「小学生のころ、先生は机の周りに自分の教科書やプリント、かばん、大好きな自由帳を広げて準備をしていたんです。『私の周りだから何をしてもいいのよ。好きに使おう。』と考えていました。ある日、友達が横を通った時に、先生の大好きな自由帳がビリっと破れてしまいました。その時に思ったのは、担任の先生に『〇〇ちゃん、机の横はみんなが使うし通るところだから荷物は置いてはいけませんよ』という注意を聞いていたらよかったなあということです。それから、学校の約束は守ろうと考えるようになりました。」
最後に聞いたこのお話は、今の1年生の子どもたちの生活の中でよくあることです。だからこそ、「自分もやっているかも。」「私も前にあったなあ。」と自分の生活に振り返って考えることができました。これは、F先生が作られたお話ですが、子どもたちによくある場面のお話をされたことで「わがままをしない」ということが、自分の生活と結びつくことができました。F先生の授業に学ばせていただきました。