11月25日(月)から12月6日(金)までの2週間を、本校では「北小人権週間」に設定しています。全国的、いや世界的には、12月10日の「世界人権デー」を含む12月4日(水)~12月10日(火)までを「人権週間」に定めているのですが、本校は「人権=みんなが安心して、幸せに生きられる権利」について、じっくり考えられる機会にしたいと、長めに2週間取り組むことにしています。
各教室前の掲示板には、子どもたちが「人権」について考えた標語(低学年)やポスター(中学年)、作文(高学年)が貼られていて、「人権」について全校で考える雰囲気が醸成されています。3年生の描いたポスターには、先日CAPプログラムを体験した際にファシリテーターの先生から教えてもらった「自分たちの大切な権利とは、安心・自信・自由である。」ということが、しっかりと心に残っていることが分かり、嬉しく思いました。
低学年の人権標語には、普段の何気ない友だちとのやり取りの中から、実はとっても大切なことに気づいてくれていることが嬉しかったです。「だいじょうぶ?」と心配してもらえること、友だちがそばでニコニコと笑っていてくれてること、話しかけてくれること、話を聞いてくれること…あたりまえのことだけど、それらはみんな「ありがとう」「だいすき」という気持ちさせてくれるもの。その大切さをかみしめてくれています。
高学年の作文には、「友だちの存在」のありがたさを改めて感じさせられたエピソードが綴られています。
6年生のORさんの作文は、「私は運動会が苦手だ。でも、小学校最後の運動会は、練習も準備も本番も全部楽しかった。」という書き出しから始まります。運動会の応援パネルを制作する担当だったORさんは、ある日、大切なパネルにうっかり墨をこぼしてしまいます。「どうしよう…みんなで一生懸命作ったのに。」と泣きそうになります。そんなにORさんに友だちは優しかった。「みんなはパネルのことより、私を心配してくれた。」…その時のORさんの気持ちがよくよく伝わってきます。
もうひとり、OSさんの作文は、「小学校生活で最後の運動会に出たかったのですが、体調不良で出られませんでした。悔しかったし、悲しかったです。」から始まります。しかしそのすぐ後に、「運動会の練習で、たくさんの思い出ができました。」と、運動会の取組が充実したものになったと自分で結論づけます。OSさんの作文は、苦手でしんどい組体操のことを中心に展開します。「…体の硬い私には、とてもつらい練習でした。…私の気持ちが動いたのは、…友だちの言葉を聞いた時です。『大丈夫?無理してない?』という気遣いの言葉や、『がんばれ!最後の運動会。かっこよくキメよう!』などの応援の言葉が心に響きました。それからは前向きな気持ちで練習に取り組めるようになり、体を動かすのが少しずつ『楽しい』と思えるようになりました。」…と、友だちの言葉で自分が前向きに、強くなれたことが書かれていました。
どの作品も、「人権」=「みんなが安心して幸せに生きられる権利」について、身近なところから考え直すきっかけを与えてくれる素敵な作品ばかりでした。
最後に、私(校長)がもっとも感心した3年生のSさんのポスターを紹介します。「自分のカタチは、自分で決める」…とても力強く、とても素敵な言葉です。あえて右斜め下向きに「自分」を描いていることがいいです。「自分は自分。みんなが決めた『自分』じゃない。自分らしさや、自分の生き方は、自分で決める!自分のカタチは自分で決める!」…すばらしい言葉ですね。