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2024/11/29

「森の楽しさと大切さを知る~4年生やまのこ学習~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

滋賀県では、すべての小学4年生が「森林の役割や大切さ」を学ぶ「やまのこ学習」に取り組んでいます。県が指定している「やまのこ体験学習施設」において、子どもたちがたっぷりと体験学習をします。県の事業なので、移動のバス借り上げ代は全額県が補助してくれます。今日は、4年生が「やまのこ学習」として、河辺いきものの森に一日出かけました。

本来、「森林の役割」には、①:水を蓄え、水害を防ぐ「水源かん養機能」、②:土壌の流出や土砂崩れを防ぐ「土砂災害防止・土壌保全機能」、③:二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を防ぐ「地球環境保全機能」、④:生き物のすみかや生態系を守る「生物多様性保全機能」、⑤:音や風などを防ぎ、快適な生活環境を作る「快適環境形成機能」、⑥:健康増進や気分転換に効果的な「保健・レクリエーション機能」、⑦:行楽や芸術の対象としての「文化・教育機能」、⑧:木材やキノコなどを生み出す「物質生産機能」など、多くの機能があるのですが、もともと「河辺いきものの森」は、愛知川の氾濫(越水)に備える「防災林」の役割を果たしながら、同時に燃料としての木材や、食料としてのキノコや植物を提供してくれる「里山」として、この地域の人々の生活と密接な関係(持ちつ持たれつ)にあり、人々の努力によって保全されてきたという歴史があります。

現在の「河辺いきものの森」は、上記した「森林の役割」のうち、④:生き物のすみかや生態系を守る「生物多様性保全機能」という役割がメインの森ですが、子どもたちが四季折々の森の様子や、たくさんの「いきもの」の生態に触れられる貴重な学びのフィールドになっています。


午前中は、森の中を巡りながら「クイズラリー」をしました。いきものの森の専門員(先生)がいろんな「森の不思議」を教えてくださいました。「どんぐり虫はいつどんぐりに入るのか?」という問題の答えを、私(校長)はこの歳になるまで知りませんでした。実は、どんぐり虫の成虫である「ゾウムシ」がまだ青くて若いどんぐりに卵を産みつけているらしいのです。地面に落ちたどんぐりに、どんぐり虫が穴を空けて入っているのではなく、まだ樹の上にあるうちから、すでにどんぐり虫は潜んでいるわけです。穴の空いていないどんぐりを見つけて、「ラッキー!このどんぐり、虫入ってないわ。」と喜んでいた自分が恥ずかしいです。

午前中の後半は、子どもたちが「自分のテーマ(課題)」について、森を探索し、課題を探求していく「森探検」でした。「水辺の生きもの」に一直線の子どもたちや、キノコを探し回る子たちなど、それぞれに自由に活動していました。私(校長)は、森に生えている「ヤブニッケイ」という樹の葉っぱに興味を持ちました。葉っぱを折って嗅いでみると、「コショウ」というか、スパイシーな香りがします。「ニッケイ」は「ニッキ」のことらしいです。調べると、漢字では「藪肉桂」と書き、「肉桂」=シナモンです。いわゆる「月桂樹」の仲間です。いい香りがするはずです。「でもこの匂い、なんかどこかで嗅いだことあるなあ・・・。」と少しもやもやが残ります。「どっかで、嗅いだことあるよなあ…。あ~思い出せない。」


 ある女の子たちのグループがやってきて、「この葉っぱ、嗅いでみて。」と言うと、「なんかコショウみたいな匂いや。」、「緑の若い葉っぱは、レモンみたい匂いもする。」など、なかなか的確な感想を言ってくれる中で、一人の子が、「なんか虫よけの匂いがする…。」とつぶやきました。その瞬間、私の中ですごく「合点」がいきました。「そうや、そうや、そういう類の匂いや!」…私のもやもやは、その女の子の鋭い嗅覚のおかげですっきりしました。

 思い出したのは、「クスノキ(楠)」の葉っぱ。クスノキの葉っぱは、半分に折って割れ目を嗅ぐと、「樟脳(しょうのう)」の匂いがします。「樟脳」とは、昔タンスの中に衣類の虫よけとして入れてたやつです。いわゆる「防虫剤」です。キャンプで使う「虫よけキャンドル」なんかも同じような匂いがします。ということは、「ヤブニッケイ」も「クスノキ」も同じような仲間なのでは?…と予想できました。調べてみると、やはり「ヤブニッケイ」は「クスノキ科」の樹木でした。きっとこんなふうに、一つの疑問から、いろんなことが分かってくると、「探求学習って楽しいなあ。」と思えるんでしょうね。

午後は、里山の保全活動に取り組みました。この豊かな生態系を維持できているのは、日頃の地道な「保全活動」のたまものです。今日は、「竹林の間伐」と「木の葉かき」、そして「下草刈り」と「柴刈り」の4つの作業をグループに分かれて体験させてもらいました。


「森の中によく日光が届くように下草を刈ったり、地面の小さな花(植物)が木の葉に埋もれて育たなくなったりするのを防ぐために…。」子どもたちはその作業の意味をきちんと分かって作業していました。「昔むかし、あるところに…おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川に洗濯へ…」という桃太郎の冒頭のくだりの意味が、実感として初めて分かった子どもたちでした。

 

 

 

 

 

のこぎりで竹や小枝を切ったり、集めた柴をひもでくくったり…現代の日常ではなかなかできない体験をさせてもらって、子どもたちは午後の方が生き生きと活動していたように感じています。

河辺いきものの森の「もみじの林」には、永源寺からやってきたという、立派なイロハモミジの母樹があります。そのイロハモミジの紅葉が秋晴れの空に鮮やかに輝き、子どもたちの笑顔を照らしてくれていました。

 

 


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