暑い日が続いていますが、田んぼの稲はぐんぐん育ち、収穫の時期を迎えています。本校の米づくり体験田も、建部南町の種村さんのお世話になり、9月20日(金)に無事に稲刈りができる運びとなりました。
子どもたちは、春に田植え体験をさせていただきましたが、その後の田んぼの管理や稲の世話はすべて種村さんにお任せし…つまり子どもたちは、米づくりの本当に大変な部分や苦労は知らないまま、お米の収穫だけをさせてもらうことになります。(いわゆる「いいとこ取り」です)
今日まで子どもたちは、総合的な学習の時間の「探求学習」として、体験田に出かけて、稲の生長や田んぼの環境について観察したり、インターネットで「米づくり」について調べたりしながら学習を進めてきました。
今日は、田んぼをお世話いただいている種村さんや、地域の農業委員さんやJAさんの力をお借りして、自分たちの観察や学習を通して、出てきた疑問や調べてもわからなかったことについて、質問に答えていただく機会を作っていただきました。
「植えたときは3~5本ぐらいだった苗が、今はとてもたくさん増えているのはなぜか?」、「なぜ、お米はいくつも種類(品種)があるのか?」、「田んぼに水をいれたり、抜いたりする理由はなんですか?」、「稲が大きくなるまでに一番工夫(苦労)したことは何ですか?」などなど、いろんな質問をぶつけて、地域の米づくりの専門家たちに、一つひとつ丁寧に教えてもらいました。
意外だったのは、説明の中に、昔から農業においては普通に使われている「数の単位」が出てくるのですが、子どもたちはもちろん、先生たちも初めて聞く言葉がありました。
例えば、田んぼや畑の広さを表す「1反(たん)」や「1畝(せ)」、「1町(ちょう)」という単位。田んぼは「反」で表すのが基本で1反=およそ20m×50m=1000㎡です。1反の10分の1、つまり10m×10m=100㎡の広さを「1畝」といいます。逆に1反の10倍=10反のことを「1町」とよんで、広さは100m×100m=10000㎡になります。
子どもたちが習う算数の「広さの単位」でいえば、「1a(アール)」=10m×10m=100㎡=「1畝」、「1ha(ヘクタール)」=100m×100m=10000㎡=「1町」=「10反」ということになります。
このことがわかってないと、「…みんなが田植えをしてくれた田んぼはだいだい「1反」やけど、みんなが植えた部分だけでいうと、だいたい「2畝」くらいかな…」という説明が「?????」になってしまいます。
子どもたちは、説明を聞きながら、一生懸命メモに取っていました。
田んぼの観察の時に撮った写真を見せて、「この虫はなんですか?」とか「この赤いものはなんですか?」といった質問もあり、こういう時にはタブレットは、とても便利だなと思いました。
でも、子どもたちには「もう少し、自分たちで探求してほしいな」と思う部分もありました。
例えば、「稲一束から何粒くらいお米がとれますか?」とか「体験田でとれるお米は、ごはん茶碗何杯分くらいになりますか?」という質問。一束にできる米粒の数は、実際に自分で数えてみれば分かりますし、それがわかれば田んぼ全体でとれる米の数や量もわかります。あとはインターネット等で、ごはん茶碗一杯分のごはん(米)の量や粒数を調べれば、5年生なら十分計算で求められます。
「わからないことは質問する」というのは、それ自体「正解」だと思いますが、まず自分たちで「考えられるだけ考える」ことが大事だと思います。「本当にわからないことなのか?」、「今の自分たちの力で解決できるのではないか?」と検討、吟味、探求できる力をつけてほしいなと思っています。国語にしても算数にしても、今まで学んできたことを活用すれば、結構なことができたり、わかったりすると思っています。
子どもたちの「探求心」をどうかきたてるか、「活用力」をどう伸ばすか…これは我々「先生」の授業(構想)力にかかっているところでもあります。
子どもたちのために、たくさんの質問に対応してくださった種村さん、高村さん、梅原さん、雲林院さん、本当にありがとうございました。