今、校長名でちょっと堅めの文書を作るとき、暦の上では、「秋涼の候 皆様におかれましては…」と書き出すのが礼儀なのですが、まだまだ強烈な暑さが続く毎日、どこにも「秋」も「涼」も感じられなくて、なんとなくまぬけな文章に思えてきます。
今日も朝から太陽が容赦なくじりじりと照りつけてきます。こんな暑さにはやはり「日傘」がもっとも有効で、陰を作るだけでうんと暑さが和らぎます。登校時に日傘をさしてくる子が増えてきたように思います。
逆に、ハンディファン(手持ち扇風機)を持つ子は減りました。ファンを回したところで「熱風」しかこないのであまり効果がありません。熱暴走や突発的な発火なども心配です。暑さ対策を思うと、やはり「日傘」をお勧めします。「暑さ寒さも彼岸まで…」という言葉がありますが、その言葉通り、来週くらいからは涼しくなってほしいと心から願っています。
さて、学校では「運動会」モードが高まりつつありますが、通常の教科学習にも落ち着いて取り組んでいます。特に秋は「芸術の秋」ですから、図画工作での作品づくりにも力を入れています。
2年生教室を覗くと、何やら楽しそうに絵づくりに取り組んでいる姿がありました。作品のテーマは「はさみアート」。まず白画用紙を思いのままに切ります。ぐにゃぐにゃに切ったり、ぎざぎざに切ったり、ぐるぐる丸く切ったり…何か「具体物」をイメージして形を切り取るのではなく、とにかく「自由に思いのままに…」です。次に、自由に切った白画用紙を、黒い画用紙に、置いたり並べたりしながら、そこからイメージできる「世界」を絵にしていきます。例えば、「海の中」だったり、「宇宙」だったり…自分のイメージで世界を設定し、あとはその世界が楽しくなるように、いろんなものを描き加えていく…そんな絵の作り方です。
思いのままに切った画用紙の形を「何に見立てて画面を構成するか」が最も大切なポイントですが、作品を楽しくしてくれるのは、やはり「変化」だと思います。「大きさ」に変化をつけて、画面の中に「大きなもの」「中くらいのもの」「小さなもの」を配置すると、画面に迫力が出たり、奥行きが生まれたりします。また、「向き」に変化を持たせて、「まっすぐ」ではなく、「ななめに」、「曲げて」配置することで、動きが生まれたり、スピード感が出たりします。写真の作品はとっても「変化」があって、楽しい作品に仕上がっています。
決裁をとるために回議に回っていた、4年生の学級通信の中にも「芸術の秋」を見つけました。
いわゆる「クロッキー」と呼ばれる速写の作品です。「スケッチ」との違いは、やはり「速く」描くところです。だいたい10分以内に描き上げます。対象をよく見て、できるだけシンプルな線(1本線)で描きます。美術の世界では、「ものの形を素早くとらえる」訓練としてする「クロッキー」ですが、小学校においては、「よく観察する」「集中力を持続させる」という点でも効果があります。写真の作品は、かなりよく見て描いたのでしょう。形もとれていますし、上靴特有の柔らかな感じも出ています。すばらしい作品です。
運動会に、芸術に、教科学習に…大変忙しい2学期ですが、子どもたちの学習や活動が、しっかりと実を結ぶよう、子どもたちの楽しさや成長につながるよう、我々教職員一同、しっかりと指導・サポートしていきます。