まだまだ暑い日が続いています。今日みたいに朝から太陽が照っている日は、運動場の熱中症計の数値はどんどん上がります。体育ができるのは、2校時ぐらいが限界で、3校時からは「活動禁止」になる日が多いです。
一方、体育館の方は、今まで熱中症指数が31℃を越え、「活動禁止」になったことはありません。本校の体育館は、午前中の日光をカーテンで遮光していることと、わりと風通しがよいことが功を奏して、暑い日でも熱中症指数が27℃~29℃くらいに収まっていてくれています。こまめな休憩と水分補給を心がけながら、なんとか運動会の練習ができています。
今日は全校が体育館に集まって、運動会の「たてわり種目」である「綱引き」の練習を少ししました。実は、本校の運動会で「綱引き」を行うのは本当に久しぶりで、おそらく全校児童が初めて「綱引き」をすることになります。
本校の運動会で「綱引き」が行われてこなかった理由が二つあります。一つはもちろん新型コロナ感染予防の理由。そしてもう一つは「芝生の運動場」であることです。「芝生」の上で全校が綱引きを行えば、確実に芝生は傷み、はげます。芝生運動場では「綱引きはご法度」というのが常識です。しかし、今年度は考えました。
運動会は一大学校行事ですが、子どもたちみんなが運動が得意で、運動会を楽しみにしているわけではありません。走ること(走の力)が苦手な子、リズムよく踊ったり、思い切り自分を表現したりすること(ダンス・表現の力)が苦手な子もたくさんいます。それなら「走」や「表現」以外にも、力を発揮できる場面(運動)があった方が、どの子も頑張れる楽しい運動会になるだろうと考えたのが「綱引き」=「力の競技」です。ただ、「芝生」の上では「綱引き」はご法度…難しいところです。
しかし、私(校長)と教頭先生は決めました。
「子どもと芝生とどっちが大事?」、「もちろん子ども。綱引き、させてやろ。」、「芝生がはげたら、責任とって、ふたりで芝生苗を植えなおそうや。」…二人の協議は終了。
教頭先生は、すぐに教育委員会に電話して、「うちは綱引きやります!」という有無を言わせない宣言と、「それで…何とかあとで芝生苗用意してもらうことってできますかね…。なんとかお願いします!」という厚かましいおねだりもしてくれました。運動会では超定番の「綱引き」も、本校でやる場合は、結構な覚悟がいります…。
さて、「綱引き」が初めての子どもたちに、「綱の持ち方」から「綱の引き方」、「綱への移動の仕方」などを丁寧に指導しなければなりません。仕切ってくれるのは「たてわり活動」担当のK先生です。K先生の指導は、いつも「みなさん、体操服はちゃんと着られてますか?」、「ちゃんと体操帽はかぶれてますか?」、「マスクは外していますか?」という小気味よいコマンド(確認)から始まります。活動の前に、きちんと「身なりが整っているか」をしっかり確認することで、子どもたちの気持ちもシャキッとして、「心の準備」も整います。
「綱引き」の説明の後、早速子どもたちは、実際に綱引きをしてみました。体育館なので、チームを小分けにして、何回かに分けて試してみました。綱のそばで、子どもたちを指導したり応援したりする先生や支援員さん、綱の後ろで、けがをしないように安全確保する先生たち、熱中症等、具合が悪くなっている子がいないか、始終子どもたちの様子を確認する先生、支援員さんたち…臨機応変にそれぞれが子どもたちを支えます。いつも心強い「チーム北小」のスタッフたちです。
子どもたちは、初めて行う「たてわり綱引き」に大興奮!そして何よりもとても楽しそうな表情。運動会で大切にしたい「全力」と「協力」のふたつの力を象徴するような雰囲気でした。
そもそも芝生運動場では御法度の「綱引き」…。そう何回も練習はできません。あとはリハーサルくらいしか練習できません。ここからは6年生の力が重要になってきます。最上級生として、下学年の子どもたちにわかりやすく指示し、リード(牽引)し、団(チーム)の力を結集させられるよう頑張ってほしいと思います。