私(校長)の一日は、朝7時前に出勤し、新聞に目を通すところから始まります。今日の新聞折込の滋賀報知新聞の一面には、「県内小5女子が全国最下位に」という見出しで体力・運動能力調査の結果が報じられていて、少し気落ちしましたが、続いて3面を見ると「空手で県勢ジュニア選手ら好成績~入賞13人が副知事を表敬訪問~」という文字が飛び込んできて、「文部科学大臣杯全国ジュニア空手道選手権大会」において、本校3年生のFさんが全国3位に入賞したことが写真入りで報じられていて、気分一転!なんだかとても嬉しく誇らしい気持ちになりました。全日本大会で3位の好成績…すごすぎます。Fさんは日頃の厳しい練習の成果が発揮できたんですね。本当におめでとうございます。
1時間目、いつものように校舎をうろうろしながら子どもたちの学習の様子をのぞきにいきます。階段を上がって廊下を見渡すと、なんだかとてもすっきり整っていてとてもいい気持ちになります。
校舎が古くて、教室も廊下も狭く、収納スペースがほとんどなくて、どうしてもいろんなものが散らかりがちですが、それなりにすっきりしていて、ゴミも落ちていなくて、気持ちのいい風景です。担任の先生たちのきめ細かな指導と、子どもたちのそうじでのがんばりの成果です。「ぼろく(古く)てもすっきりしている校舎」…それはとてもかっこいいことだと思っています。
あまりにも静かなので、「学年体育なのかな・・・。」と思いましたが、教室を覗くとちゃんと子どもたちがいます。低学年は、マジック(フエルト)ペンでの書き初めです。担任の先生の「今日は本番です。集中して、心を込めて書きましょう。」の声に、子どもたちが全力で応えます。教室は、水を打ったように静まり返っています。低学年と思えない「集中力」を見せてもらいました。
5年1組では、例の「国スポ・障スポ」の応援のぼりづくりが進んでいます。それぞれの県の名物や名勝を盛り込んだ自信作です。のぼりづくりに対する真剣さと、仲間同士の協力ぶりが、ひしひしと伝わってきます。5年2組は、国語で「新聞のよさや特徴をさぐる」学習をしています。子どもたちがしっかりと地に足をつけて、落ち着いて学習に向かっている教室空間にいると、とても安心した気持ちになります。
6年生教室では、学年で集まって「学年集会」です。卒業まであと46日。卒業までにすべきことは山ほどあります。これから「卒業プロジェクト」と称して、たくさんのことに取り組んでいきます。最も大切なことは、それらのことを「先生主導(先生任せ)」で「やらされる(やってもらう)」のではなく、卒業の意味を自覚し、一人ひとりが「主体」として、「自分たちの力」でやり切るということです。
担任のK先生が、卒業式までのタイムスケジュールを提示し、取組の見通しを持たせてくれました。あとは、「卒業アルバムグループ」、「カウントダウンカレンダー&給食感謝週間グループ」、「在校生へのプレゼント&卒業式の呼びかけグループ」、「6年生を送る会発表グループ」、「感謝の会グループ」の6つのグループに分かれて、それぞれに役割分担をしながら計画的に取組を進めていくのみです。見通しをもって、自分で計画的に物事を進めていく力は、中学校で最も必要とされる力でもあります。
子どもたち一人ひとりの様子を見ていると、まだまだ意識のばらつきを感じます。「自分ごと」としてとらえられていない表情や言動があちらこちらに…。まずは「卒業」の意味をしっかりと自覚するところからだと思います。人生を「竹」に例えると、小学校卒業は大きな「節目」の一つです。「竹」は「節」がしっかりしているからこそ、しなやかで倒れません。自分の12年間の成長をしっかりと振り返り、残り少ない日々でその「成長の姿」を余すことなく全力で発揮(表現)することが大事です。…それは下級生たちにとって「手本」となり、「憧れ」の姿を見せることになり、誇るべき北小文化(北小プライド)を築き上げるための「足跡」をしっかりと残すことになります。そしてもう一つは、12年間の成長を支えてくれた家族をはじめ自分の周りの人たちに精一杯「感謝の気持ち」を持ち、その気持ちを伝えることです。
それが「卒業」の意味であり、人生における確かな「節目」をつくることになると思っています。まずは、そのことを子どもたち一人ひとりがしっかりと自覚しないと、本当の意味での「すばらしい卒業式」を迎えることはできないと思っています。北小の最高学年である6年生の子どもたちの「底力」を信じたいと思います。必ず「本気」になってやりとげてくれる子どもたちだと思っています。