昨日は、東近江市大凧会館の鳥居館長さんに来校いただき、1年生が「四角凧づくり」と凧あげを教えていただきました。ご存じの通り、大凧会館は本校の校区にある博物館です。八日市の伝統文化である大凧づくりや、世界の凧などについて展示されている貴重な施設であり、本校の自慢すべき「教育資源」でもあります。ところが、学校として、なかなか「大凧会館」を学習に活かすことができていなくて、校長としては物足りなく思っていました。そこで今回、「出前授業」という形ですが、大凧会館と連携を図り、1年生が「凧」にふれる機会を設けた次第です。
1年生ですから、「凧の骨から作る…」というような本格的な凧づくりはできませんが、自分で凧に絵を描いたり、しっぽをつけたり、凧の糸目に凧糸を結んだり、1年生にとってはなかなかの作業です。子どもたちは、今年の干支「巳年」にちなんだデザインなど、自分で好きな絵柄を考えて、楽しくカラフルな凧を作っていきました。
凧に絵を描いて、のりで凧のしっぽをつけるところまでは、どの子も順調に作業を進められたのですが…、その後に「難関」が待っていたのでした。それは、「凧の糸目」に凧糸を結びつけること。凧の糸目の輪っかに、凧糸を通して、「かた結び」するだけなのですが、これがかなり難しいようでした。「凧糸が細くて結びにくい…」といった困り感ではなくて、「結ぶということ自体が分からない…やったことがない…」というようなものでした。考えてみれば、今の子どもたちの生活や遊びの中で「結ぶ」という作業はほとんどなくなっているような気がします。「切る」や「貼る」、「折る」…などの作業は、それなりに経験が多いのですが、「結ぶ」だけは、子どもたちの経験の中から消えてしまいそうな気がします。
ほとんどの子が、凧糸を「結ぶ」ことができず、先生や支援員さんが総出で、子どもたちのお手伝いをしました。
何とか凧を完成させることができた子どもたちは、早速運動場に飛び出しました。凧を揚げるためには、「風下から風上に向かって走ること」、「糸が絡まるので、友だちと距離を取って揚げること」など、最低限度の「揚げ方」と「約束」をレクチャーしてもらって、いざ凧揚げに!
昨日はとてもお天気が良く、風は凧揚げをするには少し弱めの「そよ風」程度でしたが、そこそこ糸を伸ばして、一気に高いところまで凧をもっていくと、うまく風をとらえられてよく揚がりました。本当なら、何度も、何日も凧揚げを楽しんで、そのうちに「走りながら糸を出していく(伸ばしていく)感覚」や「糸をしゃくりながら、風が吹いている層まで凧を引っ張り揚げていく技」などの甲斐性を獲得していくのですが、学校ではそこまで時間が取れないので、どうしても「凧揚げ」が一時的なイベントで終わってしまいます。できることなら、お休みの日なんかにお家の人と、田んぼなどの安全で広い場所で、凧揚げが楽しめるといいなと思います。
最後に、これも「凧揚げあるある」ですが、みんなで凧揚げをしていると必ず発生するトラブルが「友だち同士、糸が絡む」という事態…。でもこれも経験で、いい学びの場です。昨日も子どもたちは、自分たちで丁寧に根気よく、糸の絡みを直していました。その姿にとても感心しました。
来週には、私(校長)が作った「2mくらいの大凧」を1年生の子どもたちと一緒に揚げて、「凧揚げの醍醐味」と「風の力のすさまじさ」を十分に味わってもらおうと思います。