今年の9月~10月には、昭和56年(1981年)の「びわこ国体」以来44年ぶり(2度目)に、滋賀県で国民スポーツ大会および全国障がい者スポーツ大会が開催されます。ここ東近江市でもサッカーやボクシング、自転車ロードレースなど7種目が行われます。毎回国スポ・障スポでは、全国から集まった選手たちにエール(応援)を送るために、コース上の道路脇に「応援のぼり旗」が設置されます。東近江市でもそれぞれの小学校で47都道府県を分担し、それぞれの都道府県を応援するのぼり旗を作製することになりました。
本校が任されたのは、近畿地方2府5県と、福井県、そして四国4県の全部で12府県。のぼり旗を目にした選手に、元気と勇気が湧いてくるようなそんな思いのこもった「応援のぼり旗」を、責任をもって作らなければなりません。私(校長)はこの大きなミッションを5年生に任せることにしました。5年生は社会科で全国いろんなところの地理や気候、産業等の特徴を学習します。それらの学習の発展として、応援を任された12府県についてしっかりと調べ、選手を元気づける「ご当地エキス」のいっぱい詰まったのぼり旗を作ってもらおうと考えました。
先週に入って、「応援のぼり旗」を完成させた班が、順に校長室まで「完成報告」に来てくれました。
最初に報告にきてくれた班は、「報告」というより、完成したのぼり旗を早く私に見てもらいたくて校長室にやってきた感じでした。「校長先生、できました~!」と喜び勇んで校長室に入ってきて、のぼり旗を披露してくれましたが、のぼり旗に込めた「熱い思い」はなかなか語ってくれません…。しかたないので、私(校長)のほうから、「そもそもこの旗は何のための旗?」、「この県の特産物は他にどんなものがあるの?」、「越前ガニって、図鑑に載ってる名前?」などなど、いろいろと突っ込んで聞くものだから子どもたちは、だんだんたじたじになって、しゅんとなって意気消沈…。
最初の方に報告に来てくれた班が、教室で校長室でのやり取りを伝えてくれたのでしょう…。だんだん子どもたちは、旗に描いたものの説明や、自分たちの思いについて、きちんと準備して、説明の練習もしてきてくれるようになりました。どんどん報告が上手になっていきます。
中には本当に感心する解説もありました。
「大阪のグリコの看板のポーズは、グリコの江崎社長が子どもの時に、駆けっこをしていた子供が両手を大きく上げてゴールインした姿が印象的だったのであのポーズになったそうです。」
「太陽の塔は、前の大阪万博の時に、岡本太郎さんがデザインされたものです。」
「三重県は、イセエビやカキの名産地でもあります。」
「道後温泉は、夏目漱石の小説の坊ちゃんの舞台になったところです。」
「香川県は、うどんだけでなくオリーブも有名です。それは主に小豆島で作られています。」
などなど、自分の出身県のように、自慢げに説明してくれました。私(校長)は、子どもたちのその自慢げな表情がとても嬉しかったです。
ひとつの県を応援するなら、「まずは自分たちがその県のことを好きになってほしい、誇りに思ってほしい。自慢したい気持ちになってほしい。そのためにその県のことをいろいろと調べて、知ってほしい。」と思っていました。そうすることがこの「応援のぼり旗」をつくる学習の「値打ち」だと思っていました。だからこそ、子どもたちの「自慢げに解説する顔」が、私(校長)にとっては一番の喜びだったのです。5年生の子どもたちは、本当によく頑張ってくれました。素敵な「応援のぼり旗」がたくさん完成しました。5年生の子どもたちに任せて、本当に良かったと思っています。ありがとうございました。