今日は3年生がCAPプログラムを行ないました。
CAP(キャップ)とは、「Child Assault Prevention=子どもへの暴力防止」の頭文字をとってそう呼ばれています。子どもがいじめ・虐待・体罰・誘拐・痴漢・性暴力など様々な暴力から自分の心とからだを守る暴力防止のための予防教育プログラムです。本校では、毎年、CAPスペシャリストの寺井さん、高橋さん、鶴野さんの3名にお世話になりながら、この参加体験型プログラムを実施しています。
このプログラムは、ロールプレイ部分と話し合い(振り返り)の部分に分かれています。最初に「権利」(基本的人権)について学びました。「生きるためにどうしても必要なもの」…食べること、寝ること、トイレに行くこと、家があること、愛情をかけてもらうこと…、子どもたちが考えた「権利」の中で、“子どもの特別に大切な3つの権利「Safe(安心)、Strong(自信)、Free(自由)」“について学びました。
「大切な自分の権利」(人権)について学んだ後、特別に大切な3つの権利“安心・自信・自由”を奪われる寸劇(ロールプレイ)を見たり、自分たち自身もロールプレイに参加したりしながら、その後話し合い、権利を奪われたときの気持ちや、その権利を守るために何ができるかを一緒に考えていきます。
CAPプログラムを見ていると、いつも思います。
「子どもをあらゆる暴力から守る」、「子どもの人権を守る」というのは、それは確かに「大人の責務」であることに間違いないのですが、それだけではなく、子どもたち自身に「大切な自分を自分で守る」という意識や力を育てることが大事だなと感じさせられます。
「子どもは大人が守るべき弱い存在」とみるのではなく、「子どもは無力で何もできない」と考えるのではなく、子ども自身の問題を解決する力を信じ、その内なる力を活性化(エンパワメント)させてあげることが大事なんだなと思います。自分の大切さを知り、大切な自分を守るための行動の選択肢と、それを使って自分を守ろうとする意志が働くことで、心とからだを傷つけること(暴力)から自分を守ることができます。
今日のCAPプログラムを通じて、子どもたちは、ただ「いやっ!」と言えることも、友だちや周りの大人に相談するということも、それらはすべて「大切な自分を守る」有効な手立てなんだと気づいてくれたと思います。これからも、子どもたち自身が、自分は大切な存在と思う感覚(人権意識)をもち、自分に迫る危険な状況を「いやっ!」という感覚で察知し、その危険な状況から自分を守るための行動の選択肢「No(イヤという)」「Go(その場を離れる)」「Tell(誰かに話す)」が選べるようになってほしいと思います。