「学び合い月間~子どものために一丸となって取り組む学校づくり~」
5年社会「自動車工業」~体験学習~見えてきたものと共に~
八日市北小学校で大切にしてることの1つに「子どものために一丸となって取り組む学校づくり」があります。この1つとして、私たち教員が互いに授業を参観し、自分の指導力アップをめざす取組をしています。
1学期にも授業を参観し、事後の研修会をもち授業研究を進めてきていますし、夏休み期間中もいろいろな研修をしていますが、今回は学年もバラバラで教科も様々です。授業を参観し合って、放課後などに質問したり感想を伝えたりと少し気軽な感じです。事後の研修会はしませんが互いの授業から学ばせていただき、自分の実践につなげます。
2学期は行事も多いですが、私(校長)としては、校外学習や出前授業、校内ペース走大会がある中にもかかわらず、先生方が互いの授業力アップをめざして取り組んでくださることに感謝しかありません。先生方の意識の高さも感じます。実際に授業を参観することは、教科指導に関する参考資料を読むだけではわからないことに気づくことができます。教材の作り方や動画等の活用方法、授業の流れ、子どもへの声のかけ方、単元構成など、学ぶことがとても多く、私も先輩方の授業を参観させていただき、勉強をさせていただいてきました。また、公開する方も質問に答えることや説明することで勉強になります。

さて、5年生のY先生が社会の授業を公開してくれました。社会科「自動車工業の未来」の単元です。この単元では、自動車工業について学びます。子どもたちにとっては普段利用することの多い自動車ですが、自動車ができるまでの製造工程や働く人々の工夫や努力等について知ったり考えたりする機会は少ないです。そこで5年生のY先生やM先生は、TOYOTA出張授業やDAIHATSU出前授業、鈴鹿ジクソー体験を通して学習できるように仕組んでくださいました。今回は、鈴鹿ジクソー体験で学んだことをもとに未来の自動車について考える勉強です。
教室に入るとまず子どもたちの「やる気」というか「集中力」を感じました。活気(よい意味の・・)があるんです。学習プリントには、体験してきた内容がいっぱい書いてあったり、友達の発表をメモする時も聞き逃さないように集中し書き込んだりという子どもたちのやる気を授業の最後までずっと感じました。そんな子どもたちを見ていると、Y先生が仕組まれた体験を通して学ぶことの大切さを感じました。子どもたちは、教科書で自動車工業について知り、工程なども学ぶことができます。しかし、様々な体験をすることでしか分からないことも多いですし、体験することでまた調べてみたいこともでてきて、こうして学習が深まっていくんだなあと思いました。
Y先生はいつも子どもたちの考えを上手に引き出されて授業をされます。自分が体験したことをまとめた学習プリントを使って学習できないか、みんなが発表できないか、他の体験のことも知るにはどうしたらいいのか・・・と考えてグループ発表会をされました。様々なジクソー体験の子どもたちがグループになって、発表し合うことでいろいろな考えを交流させようと工夫してくださいました。こうすると、みんなが発表できますし、質問もしやすいです。またグループ交流の前には、体験してきた写真を見せてイメージも膨らませてくださいました。さすが、Y先生です。グループ交流が始まると困っている子どもたちを見つけ、全体に「ポイントを絞って伝えるといいね」「分からないことは質問するといいよね」「発表が終わったグループは大切だと思ったところに線を引くとあとでまとめやすいね」などのアドバイスもしてくださいます。そのアドバイス通りに、発表する時にはポイントを絞って伝えたり分かるように学習プリントの絵を見せたり、分からない時は分かるまで質問をしたりとみんなは真剣です。
グループ交流で終わりではありません。この単元の最後は「自動車工業の未来」についての自分の考えをもつことです。Y先生が、「未来の自動車について何が大切か書いてみてね。その理由も書いてみよう」と言われたことで子どもたちがグッと自分に向き合って考え始めたなあと感じました。
早い段階で授業の流れを考え、単元全体を見通して授業の準備をしなくてはいけません。校外学習も含めた学習計画を早くから準備をされていたことがわかりました。Y先生の授業では、いつも子どもたちが意欲的に学んでいていきいきとしています。高学年になっても男女が仲良くグループ交流ができるクラスの雰囲気もうれしかったです。Y先生からは、子どもたちのやる気を引き出す学習方法や学級づくりを学ばせていただきました。

