今日の給食の献立は、「焼きししゃも」「お浸し」「野菜とがんもの煮物」でした。「魚に、煮物…今日は残食が多いかなあ…。」と労務員さんが心配していたので、ちょっと1,2年生の教室をのぞきに行きました。
それぞれの教室をのぞいてみると、意外に子どもたちはおいしそうにししゃもにかぶりついています。「ししゃも、好きな人?」と聞いてみても、けっこうたくさん手が挙がりました。すると今度は逆に「校長先生は、ししゃもは頭から食べる?尻尾から食べる?」と質問してくるので、「えっ?どうしてそんなこと聞くの?」と聞き返すと、「ししゃもは、頭から食べると頭がよくなって、尻尾から食べると足が速くなるって言われてるんやで。」と教えてくれました。そういえばそんなこと聞いたことあるなあと思いながら…、「校長先生は頭から食べるけど、みんなは?」とさらに聞くと、ほとんどの子が「頭から食べる。」と答えていました。「へぇ~、子どもたちって『足が速い』より、『頭がよい』のほうがお望みなのか…。」と少し意外に思いました。
しかし、「頭から食べると頭がよくなる、尻尾から食べると足が速くなる…。」根拠は何なんだろう…。おそらくこれは、ししゃもの「栄養価の高さ」が根底にあるのだろうと予想します。ししゃもに含まれている栄養にはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸といったビタミン類や、カルシウム、リン、亜鉛、マグネシウム、鉄などのミネラル類がバランスよく含まれています。さらには、体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」DHA、EPAなども含まれているんだとか…あんな小さな身にこんなにたくさんの栄養が詰まっているんですね。
「頭がよくなる」栄養素としてDHA(ドコサヘキサエン酸)は有名で、魚の目の周りの脂肪に多くあることから、「頭から食べると頭がよくなる」ということになったのではと推測します。
また、「足が速い」につながるのは、ししゃもの尻尾の方に多いカルシウムやたんぱく質が運動能力に作用するというかんがえからではないでしょうか。
まあ、これらの説の真偽はさておき、魚嫌いな子どもに、なんとかして魚を食べさせようとして考えた大人の「苦肉の策」であることには間違いないでしょう。
しかし、私(校長)はいつも思うのです。みんなが「ししゃも」と言って、食べている魚は、ほぼほぼ「ししゃも」ではなく、「カペリン」という全く別の魚であるということを、みんなは知っているのだろうかと…。「樺太ししゃも」という名前で売られているから「ししゃも」だと思っていますが、本当の「ししゃも」は、今はほとんど獲れません。「樺太ししゃも(カペリン)」は10匹300円ぐらいですが、「本ししゃも」は10匹3,000円ぐらいするそうです。
私(校長)って、生まれてこの方、ひょっとして本物の「ししゃも」を食べたことがないかもしれない…と最近思っています。ずっと、「カペリン」を食べてきたのかな…まあ、美味しいからそれでも全然いいんですが…。「本ししゃも」ってどんな味がするんだろ…。