2年生の生活科の学習に「まち探検」があります。そして3年生の社会科や総合的な学習の時間にも「まち探検」の学習があります。2学年にわたる「まち探検」…どう違うのでしょう?
2年生の生活科の「まち探検」の目的を簡単に書くと、
「まち探検を通して、自分たちのまちに対して親しみや愛着をもち、まちの特徴やよさ、季節による自然の変化、そこに暮らしたり働いたりする人々の様子など気付いたことをまとめ、伝えることができる。」ということです。大切なのは、いろんな人やものに出会って、「親しみや愛着をもつ」ということと、いろんなことに「気づく」という点です。自分の身近な地域「まち」でのいろんな「出会い」と「気づき(発見)」を通して、自分の「まち」を好きになるということがねらいだと私(校長)は思っています。また、自分の「まち」で見つけたことと、国語や算数などの他の教科の学習が結び付けられるとさらに値打ちのある学習になります。
2年生の学級通信を読ませてもらうと、F先生は「まち探検」のことを、こんなふうに書いていました。
「意識して歩いたり友だちと一緒に歩いたりすることで、今まで気づかなかったことに気づきました。また、まち探検をしながら、国語で学習した「たんぽぽ」の様子の違いについて話し合う姿や、音楽で学習している「ぷっかりくじら」そっくりの雲を見つけて雲の形を色々と想像している姿が見られました。最近教室では、運動場やおうちの周りのたんぽぽをつんできて、教科書に書いてあったことが本当か、花の数を確かめている子や、綿毛の下には種が確かに1つひとつついていることを調べている子がいます。一人の学習がみんなの興味をくすぐって、みんなの学びになっていくことがおもしろいです。」
生活科の学習の値打ちや、いろんな教科の学習がつながっていく大切さを実にうまく書いています。
一方、3年生の「まち探検」の目標は、
〇自分たちの住んでいる身近な地域(まち)の特色ある地形、土地利用の様子、主な公共施設の場所とはたらき、交通の様子などを調べ、地域の様子は場所によって違いがあることに気づく。
〇地域に対する愛着をもち、地域社会の一員としての自覚を育んでいく。
〇集めた情報や自分の考えを発表し合い、全体で共有したり目的をもって発信したりする。(総合的な学習の時間)
といった感じです。2年生の学習とは違い、「まち」の特色(土地、公共施設、交通など)について調べ、地域によっての「特色」や「違い」を考えてまとめる…つまり、目的(探求)意識をもって、「調べる」「考える」「まとめる」「発信する」という学習過程が大切になってきます。さらに、4年生になると、学習過程はそのままに、扱う「地域」が「まち」から「滋賀県全体」に広がり、5年生では「日本全国」、最後に6年生では「世界」へといった具合に学習対象が広がっていくわけです。
本校の校区は、東近江市の中心で官庁街や商店街があり、八日市駅を起点とした公共交通も発達しています。同時に、田園風景が広がる自然豊かな地域(まち)で、日吉神社などの歴史的財産もたくさんある非常に恵まれた校区です。地域(まち)全体に、子どもたちの「学習教材(教育資源)」があふれている…そんなふうに思っています。地域の方々のお力を借りながら「地域(まち)教材」を少しずつ掘り起こし、子どもたちの体験学習を充実させていけたらと常々考えています。
そんなことが進めていけるよう、学校では子どもたちの学習に関わっていただける「北小支援ボランティアさん」の裾野を広げようと努めています。地域の方々が気軽に学校に来て、子どもたちに関わってもらえるそんな「みんなが楽しい八日市北小」をめざします。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。