いよいよ2学期も終わりが見えてきました。今、市内の学校においてはインフルエンザ等が猛威を振るっていて学年閉鎖等も出ているような状況がありますが、本校は今のところ風邪欠が多いものの、インフルエンザ等の流行、感染拡大の状況には至っていません。このままひどい状況に至らず、無事に2学期が終えられることを願っています。
さて、この時期の子どもたちは、何となく浮足立ってくるというか、目の前に迫った冬休みやクリスマス、家族行事が待ち遠しくてしかたない様子が伺えます。登校の様子はいつもより活気があって、あいさつの声もいつもより少し元気になっています。先生方の指導もあって、ちゃんと手袋をしてくる子が増え、ポケットに手を突っ込んで歩いている子はかなり減りました。6年生のSNさんとTTさんの「朝のボランティアそうじ」もきちんと続いていて、最近はS兄弟も仲間に加わり、寒い中でせっせと落ち葉の始末をしていてくれます。彼らのがんばりが嬉しい限りです。
どこの教室も「学習のまとめ」や「2学期の振り返り」をしている風景が増えました。1年生の教室は、「まとめのテスト」に集中して挑んだり、「クリスマスカード」づくりをしたり…そしていつもの通り「すき間時間」には落ち着いて「読書」に浸る子どもたちの姿がありました。
そのとなり、2年生教室をのぞくと、何やら楽しそうな声がしてきます。子どもたちが「昔遊び」を楽しんでいました。私(校長)は、前から「昔遊び」って言葉がなんとなく気に入りません。「昔遊び」と言われると、「昔はやっていたけど、今はしていない遊び」みたいなイメージを持ってしまうからです。だから正確には「昔ながらの遊び」とか「昔から伝わる遊び」=「伝承遊び」と言うべきものだと思っています。「昔遊び」…いや「伝承遊び」は、今も子どもたちの「健やかな育ち」にとても有効な遊びだと思っています。
今日、子どもたちが楽しんでいたのは、「こま回し」と「けん玉」と「あやとり」の3つ。「けん玉」や「こま」はそれぞれの子どもたちが自分で用意したものだったのか、いろんなタイプのものがありました。「こま」は園時代から使っていたものでしょうか。芯も木でできた木製の軽いこまが多く、鉄芯のこまを持っている子は少なかったような気がします。
しばらく遊んでいる様子を見ていましたが、まだまだ子どもたちは「へたっぴ」で“初心者マーク”って感じです。もう少し練習して、上達しないと「楽しむ」というところまで到達できません。
たまりかねて、「ちょっと校長先生に貸してみ。」といって、「こま」を手に取り、一瞬でひもを巻いて、ぶるんと腕を一振りして、宙に舞った「こま」をそのまま手のひらで受けて、手のひらの上で回したかと思うと、そのまま手に渡したひもの上で「こま」を綱渡りさせてみる…。次の瞬間、子どもたちから大きな歓声が上がります。「すげ~っ!校長先生、名人や~!神業や~!!」と大絶賛の声。ほんの数秒で私(校長)は子どもたちのヒーローになれました。
次は、「けん玉」コーナーに行って、同じように「ちょっと校長先生に貸してみ。」と言って、一発で「止め剣=持ち手の「剣」を、玉の穴に入れる技」を決めてみる。またもや、子どもたちから「校長先生、すご~い‼一発で入れやった~。達人や~‼」と称賛の嵐…ここでもスーパーヒーローになれました。
私(校長)の世代にしてみたら「造作もない簡単なこと」が、子どもたちにしてみたら「魔法」に見えてしまうのがなんだかおかしかったです。「昔取った杵柄」という言葉がありますが、それではなくて、「小さいころから、遊びで鍛えてきた甲斐性がちゃいますわ!」って言いたい感じです。
「昔遊び」改め「伝承遊び」には、大きく「5つの効果」があると言われています。
効果1:脳の発達を促す…昔遊びには、五感を刺激する遊びが多くあります。また手先を細かく使うものも多数あるため、脳への良い刺激となり、脳の発達を促してくれます。
効果2:創造力を育む…昔遊びはおおまかなルールは決まっていても、遊ぶ人数や場所などに応じて、臨機応変にルールを変えやすいものが多いです。いっしょに遊ぶみんなが楽しめるよう、遊び方を変える経験は創造力を伸ばすことにもつながります。
効果3:集中力を伸ばす…あやとりやけん玉など、昔遊びには初めのうちは上手くいかないものも多いですが、練習を重ねれば上達していくもの。そうして努力する中で、楽しみながら集中力を鍛えられます。
効果4:身体を鍛える…昔遊びには、身体全体を使う遊びも多くあります。そんな遊びを繰り返す中で、子どもの身体能力やバランス感覚などを鍛えることができます。特にこま回しやけん玉は、体幹を鍛え、バランス感覚や協調運動能力を高めます。
効果5:コミュニケーション能力を育む…昔遊びは複数で遊ぶものが多く、友だちといっしょに遊ぶ中で、協調性やコミュニケーション能力の向上も期待できます。
(知育・幼児教育情報 oriori HPより一部引用)
年が明けると、1年生が「凧づくり・凧あげ」に挑戦すると聞いています。凧を作るだけでなく、自然の「風」に対する理解や感覚も身につけながら、がんばって楽しく遊んでほしいなと思います。
まあ、私(校長)は、百均の園芸ポール(180cmぐらい)なんかを骨にして、「巨大凧」でも作ってやって、1年生みんなで揚げられるようにしようと思います。また今度もヒーローになれるでしょうか…。