この時期になると、たいてい1校時の体育館では、卒業生が卒業式練習をしています。今日は、「卒業証書授与」(卒業証書を受け取る)の練習をしていました。「卒業証書授与」は卒業式のメインとなる場面ですから、呼名をされて「はい。」と返事するところから始まり、壇上にあがり証書を受け取り、また自席に戻るという一連の動きの中で、しっかりと「自分自身の12年間の成長」のすべてを表さなければなりません。


一人当たりの時間は少しですが、今年は78名の証書授与ですから、トータルするとかなり長い時間になります。自分の授与はもちろん、仲間の授与の間もしっかりと見守り、椅子の背もたれには触れない、まっすぐな背筋を維持し続けなければなりません。それはかなりしんどいことですが、それを「自分の意志でやり通せる」ということ自体が、「卒業」に値する立派な成長の姿だと思います。
子どもたちもそれがよく分かっていて、ほとんど姿勢を崩さず、凛々しさを維持していました。練習とは言え、担任の先生たちは「本気モード」です。呼名するのも本気、私(校長)のかわりに証書を授与するのも本気。この期に及んで、まだ気持ちがピリッとせず、隣とおしゃべりしてしまう子たちには、本気の「叱り」がとびます。当然の「叱り」です。先生たちの「本気」が子どもたちに響き、子どもたちの「本気」と一体化していきます。


写真は最後列の子どもたちの姿勢です。授与の時間30分ほど、全く姿勢を崩しません。最初の練習からこの「気合い」ですから、今年の卒業生の意識の高さがよく分かります。本当に立派な子たちだなと感心するばかりです。
3校時は、保護者の皆さんに来ていただいて「感謝の会」を開催しました。今まで育ててもらった感謝の気持ちを込めて、あと少しの小学校生活を親子で楽しみます。自分たちの成長を示すべく、自分たちで会を運営していきます。オープニングダンスや想い出ムービー、親子ドッジボール対決・・・楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。


最後は「ひまわりの約束」を保護者の前で、気持ちを込めて歌いました。保護者の皆さんには、我が子の12年間の成長の足跡が、走馬灯のように駆け巡り、目頭を熱くされている方も多かったと思います。卒業前のいい時間が過ごせたようで本当に良かったです。
午後は、漢字のまとめテストや、卒業記念制作に取り組んでいました。卒業前で自然と感傷的になってしまいますが、学習のまとめだけはしっかりとしておいてほしいと思います。6年間で習う漢字は全部で1,026字です。しっかりと総復習して、中学校で困らないようにしてほしいです。


卒業記念制作は「オルゴール付きのフォトフレーム」でした。フレームには彫刻を施し、着色して裏面にオルゴールを貼り付けるタイプのようでした。小学校の時の「卒業記念制作」で作ったものは、何となくいつまでも手元に置いておくものです。私(校長)自身のものはありませんが、うちの3人娘の「卒業記念制作」は、彼女たちの部屋に今もしっかり残っています。
いつの間にか、6年教室前の廊下には、支援員のI先生が時間をかけて描いてくれたイラスト入りのお祝い・はなむけメッセージが掲示されています。いろんな立場のスタッフが、6年生の旅立ちを心から応援しています。こんな温かなメッセージがあるのも本校ならではだと思います。子どもたちは本当に幸せです。
