朝から気持ちのいい秋晴れ。カラッとしていて、熱中症指数も20台前半で、外での運動もしっかりできます。今まで体育館で練習してきた団体演技も、今週からは外での練習です。人と人との間隔も広くなり、動く範囲も広がりますし、隊形移動の場所を覚えるのも大変です。
先生たちは「完成(ゴール)」のイメージが持てていますから、今の演技の出来具合や子どもたちの意識の状態が、順調なのか、遅れているのか…経験的にわかりますから、指導の「熱」も変わってきます。いわゆる「檄を飛ばす」的な熱血指導になりがちなのですが、この「先生たちの熱量」に子どもたちの気持ち(思い・意識)がついてくるかが重要です。子どもたちの意識がついてこないと、だんだんと「やらされ感」ばかりが増してきます。先生たちの気持ちと子どもたちの気持ちを「そろえる」…今、一番大事なことです。
中学年の練習…。М先生が今日の練習の目的などを子どもたちに伝えた後、「さあ、行こかっ!」の先生のかけ声に、子どもたちが一斉に駆け出します。「走ろう!」、「早うしよう!」、「静かにしよう!」…子どもたち同士が声をかけあいます。М先生の「今日はここまでやりたい!」という思いと、子どもたちの「時間を大切にしてしっかり練習しよう!」という思いがかみ合います。
子どもたちの中にはいろんな子がいて…集団行動が苦手だったり、集中力が続かなかったり、じっとしていることがどうしても難しかったり…、自分たちの仲間は「いろいろ」なのです。みんなに「気合い」が入ってくるとどうしても「厳しい声」が飛びがちになりますが、そのことも分かったうえでいろんな先生から「お互い元気になる、温かい声かけをしようなあ!」という言葉が飛んできます。運動場にいる「みんな」の気持ちがちゃんとつながっているなと思える中学年の練習風景でした。
体育館では、高学年が組体操の「大技」の練習に入っています。もうそろそろ成功させたい時期に来ていますが、あと少しのところで「本気」がそろいません。
組体操は、どこか一か所がうまくいかないだけで、いとも簡単に全体が崩れてしまいます。先生たちは、「本気」の表情と声で「絶対、次は成功させるで!いいか!」と伝え続けますが、どこからかまだ無駄な「話し声」が聞こえてきたり、「へらへらした表情」が見えたり…「気持ち」がそろいきりません。
全員の「気持ちをそろえる」ことは簡単なことではないですが、そろわないことには決して技は完成しません。逆に全員の気持ちがそろった時の「力」はとてつもなく大きなものになり、そこに「完成(成功)」が生まれ、観衆の「拍手喝采」に包まれた時、一人では決して手に入らない、大きな「感動」や「達成感」、仲間との「一体感」を得ることになるのです。それが組体操の醍醐味であり、運動会でしか手に入らない大きな成長と学びです。大げさに言うならそれが「学校」の値打ちです。
でも、私(校長)は期待しています。先週に比べ、高学年らしい「きりっとした」かっこいい表情は増えてきていますし、子どもたち同士の声かけも増えてきています。子どもたちの思いと力を信じつつ、明日からの練習も楽しみにしたいと思います。あまりたくさん写真をお見せすると「ネタバレ」になってしまうのですが、こちらの演技はきれいに仕上がってきています。完成が楽しみです。