今日は3月3日、桃の節句です。給食にも菱餅に見立てた「ひなまつりゼリー」がつきました。でもなぜか色は「桃・白・緑」ではなく「桃・白・赤」の三色でした。
さて、いよいよ3月に入り、いよいよ本格的に年度末です。今日から6年生…いや卒業生は、卒業式の練習に入りました。今日はオリエンテーションだけでしたが、卒業生の顔つきや姿勢は、先週までとは明らかに違い、少し緊張感のある凛とした表情でした。
この時期になると、進学・進級を意識するようになり、少し浮足立った感じになるのですが、今子どもたちにしっかりと「振り返り(確認)」してほしいのは、今の学年の「学習」はしっかりとマスターできたかと言うことです。「一年で習った漢字は全部覚えて、読みも書きもできるのか?」、完全積み上げ教科である算数では、その学年でマスターしておかないと計算や図形などの理解はだいじょうぶか?」…このへんをいい加減にしたまま次の学年に上がると、後からどんどんしんどくなってきます。
中でも、絶対に完璧にしておかないと、後々本当に困ってしまうのが、2年生の「かけ算の九九」です。これだけは得意・苦手に関係なく、どの子もすらすら唱えることができないといけません。
そこで、「算数の九九」をより完璧なものにするために、2年生の子たちは、最終校長室に来て、私(校長)の「九九テスト」を受け、それに合格してから3年生に進級しようということになりました。

中休みと昼休み、各学級の「九九検定」に合格した子たちが、最終関門として校長室にやってきます。
コンコン…と校長室のドアをノックして、「失礼します。2年○組の○○です。九九のテストを受けに来ました。」
1人ずつ校長室の中に入り、私(校長)の「バラバラ九九 10問読み上げテスト」を受けます。子どもたちは、普段と違ってとても緊張しますが、緊張の中で力を出し切るというのも大事な勉強です。場数を踏んでいかなければなりません。子どもたちは緊張とプレッシャーに耐えながら、1分以内に九九を読み上げていきます。
無事に10問を正確に唱えられると、とてもほっとした表情になり、合格の賞状をもらうと、とたんに満面の笑顔になります。緊張のせいか、実力が発揮できず「不合格」になる子もいますが、「大丈夫。明日は行けるさ!練習を積んでまた挑戦しにおいで!」と声をかけます。一発合格だろうが、十回目合格だろうが構わない。大事なのは、時間がかかっても今学期中に自分の力でマスターすることですから。


今日は初日でしたが、早くも14名の子たちが「かけ算九九名人」の認定証を手にしました。合格した子たちは、今度は学級の全員が認定証をもらえるように、友だちと一緒に唱える練習をしてあげてほしいと思います。


少し話は変わりますが、「かけ算の九九」は、意味や理屈をちゃんと理解していることはもちろん、瞬時に唱えられないと、実際の計算には役に立たないというシビアな一面がありますが、実は「数の不思議」的なことも結構あって「ちょっと楽しい!」と思える面もあります。
例えば、「9の段を忘れてしまった!?」と言う時に、下の写真のように両手を出して、左手の親指から順に、9×①(左手親指)→9×②(左手人差し指)→9×③(左手中指)→…→9×⑧(右手中指)→9×⑨(右手人差し指)→9×⑩(右手親指)と並んでいると思いましょう。

ここで例えば9×4を知りたい時は④の指(=左手の薬指)を折ります。すると折った指の左側には、3本の指が残ります。指1本を10と数えて3本で30です。次に折った指の右側には、左手の小指と右手の5本の指、合計6本ありますから。これはそのまま6と数えます。
折った指の左側の指3本が30、右側の指6本が6、合わせて30+6=36です。つまり9×4=36と言うことが、指を1本折るだけですぐに分かります。

同じように、9×8を考えると、左から8番目だから右手の中指を折って・・・、折った指の左は7本の指だから70、折った指の右の指は2本で2、合わせて72。9×8=72となります。

実際に、こんな方法で9の段が求められない…では困りますが、覚え始めの頃には役に立つかもしれませんし、なんだかちょっと不思議で、数=算数のおもしろさに触れたような気になります。
2年生の子どもたち、がんばるんですよ!とことんお付き合いしますからね!