本校の教育目標(スローガン)「みんなが楽しい!八日市北小」をめざして、6年生や児童会を中心に、子どもたち自身が「自分たちで楽しいことを創り出す」活動をしていてくれます。今や校内のアイドルとなった「ボランティアマン(ウーマン)」による校内ボランティア活動も定例化しつつあり、毎回多くのボランティア隊員を募り、校内の清掃・整頓活動を頑張っていてくれます。うれしい限りです。
こんな子どもたちの積極的な動きに負けじと、先生たちの方も「みんなが楽しい!」に近づく楽しい企画を考え、実行してくれています。そのひとつにK先生の発想で始まった「ぬりえチャレンジ」があります。職員室前の掲示板に「ぬりえコーナー」を設置し、そこにぬりえの用紙(下絵)が置いてあって、「参加したい人はご自由に!」って感じになってます。子どもたちのやる気を掻き立てるために、K先生やI支援員さん、そして私(校長)が「見本作品」を掲示しています。(というか、K先生に「はい。これ校長先生の分ですよ。」としれっと下絵を渡された感じですが…汗)
しかし、こういう企画には、私(校長)は俄然燃えてしまいます。先祖代々の職人(左官)棟梁の家に生まれた私ですから、DNAレベルで「職人気質」が騒ぎます。子どもたちに、「色鉛筆の極意を教えてやらなければ…。」と決意し、「色鉛筆での彩色は、混色(重ね塗り)が基本で、色の濃淡でグラデーションをつけたりすることで、色鉛筆の良さが引き出される!」ということが伝わるようにぬりえを完成させました。特にバラの質感にこだわりました。K先生やI支援員さんの作品は丁寧かつ繊細かつ、やわらかで素晴らしく、それは「見本」ではなく、立派な「お手本」でした。
さて、どんな子どもたちが「ぬりえコーナー」に引き寄せられて、ぬりえの用紙(下絵)をもっていくのか…こっそり見ていると、2~6年の子どもたちがぽつぽつやってきて、じ~~~~っと「見本(手本)のぬりえ」を見ています。「わぁ~すごい(きれい)!」とつぶやいた後、ぬりえに顔を近づけて、「赤だけでなくて、上からピンクも塗ってるんかあ…。」、「薄く塗ったところは、遠くから見ると光ってるように見えるなあ・・。」などと、何やらぼそぼそ言いながら、最後は「よしっ!」と決心したかのように、ぬりえの用紙(下絵)に手を伸ばして、持って帰りました。
一週間もすると、いろんな子どもたちができた作品をもってきて、それらはすべて、廊下に掲示されました。
学年によって甲斐性は違いますから、作品の出来は色々ですが、全力で仕上げた作品が、並べて貼ってあると、全体で一つのアート作品のように見え、とてもきれいです。中には、かなり「混色」と「グラデーション」にこだわって、時間をかけて仕上げただろう作品もあって、見ごたえがありました。ある番組風にコメントするなら、「才能あり!」とか「特待生~!」と叫びたくなるような作品がたくさんでした。
この「ぬりえコーナー」にK先生が託した思いはどこにあるのでしょうか。私(校長)は、子どもたちの興味関心に従って、「見てまねる(盗む)」という学び方をさせたかったのではないかなと考えました。たかが「ぬりえ」ですが、逐一、手取り足取り教えてもらうのではなく、「力をつけたかったら、よくよく見て、真似て、真似て…自分でやってみて…その努力を続けて、自分自身の力にする」という、昔の「師弟(徒弟)制度」のような貪欲な学びがそこにあるような気がしました。「学ぶ」という言葉は「まねぶ」つまり「まねをする」ところから生まれました。これからも自分が気に入った色合いや塗り方を、「よく見て、まねて」、自分の引き出しを増やし、さらに自分の力を伸ばしていってほしいなと思います。
第1弾の「バラ」のぬりえで、すっかり「グラデーション」の虜になった6年生のMさんは、第2弾の七夕」ぬりえが始まるや否や、さっそくきれいに仕上げてきました。その作品は、今見本(手本)作品と並べて掲示されています…もやは「お手本」レベルです。「特待生~~~~!」