今日は、朝から全校児童が体育館に集まり、いつもの児童集会(全校集会)をしたあと、そのまま人権週間のまとめ的な集会となる「友だち集会」が開かれました。
冒頭、「校長先生の話」の時間をもらったので、いつものように「歌から始まる♪校長講話」をさせてもらいました。
歌った歌は、野口雨情作詞の「しゃぼん玉」です。♪しゃぼん玉とんだ 屋根まで飛んだ・・・♪という童謡です。♪しゃぼん玉 消えた 飛ばずに消えた 生まれてすぐに 壊れて消えた 風風吹くな しゃぼん玉とばそ♪…しゃぼん玉というのは「生まれてすぐ亡くなった赤ちゃんの命」だと話しました。「家族や先生たちは、皆さんの小さな命がこのまま健やかに育ってくれることを心から願っています。あなたたちの命を脅かす“風”=「病気」や「犯罪」、「事故」、「災害」、「子どもたちの心を傷つけるもの」…そんなものが吹かないように、いつもいつも心から願っています。」そんな話をしました。低学年の子には少し難しかったかもしれません…よく分からず笑っている子もいましたが、さすがに上学年は、歌詞の意味を知って、歌に込められた家族や周りの大人の思いを分かって、少しじぶんの「命」について見つめ直してくれたようでした。
次に、にじ教室に通う外国にルーツをもつ子どもたちが、自分たちの国について紹介してくれました。母国語で流暢に説明してくれた後、それを日本語に翻訳してもう一度説明してくれました。翻訳がなかったら、私たちには、なにも意味が分からない説明になっていたと思います。よく考えてみれば外国にルーツを持つ子どもたちは、毎日よく意味の分からない日本語の説明ばかりを聞き、十分に翻訳もしてもらえない中で、それでも必死で理解しようと頑張っているんだということが再認識できました。にじ教室の子どもたちが、堂々と流暢に母国語で話す姿がとても格好よく見えました。彼らはすでにバイリンガルです。すごいです。彼らの母国の生活や学校について、大きな世界地図の中にまとめられたものが職員室前に掲示されました。日本との千賀がよくわかるようにまとめられています。ぜひ、見てあげてほしいと思います。
最後は、各学級の代表者が、それぞれの人権作品(標語・ポスター・作文)を発表してくれました。特に、運動会の応援パネルづくりの時の「心の成長」を書いた6年生のYYさんの作文がとても心に残ったので紹介します。
「みんなで協力したパネル作り」
私は、運動会の準備で、「パネル作り」グループに入りました。もちろん最初は、みんなの意見がまとまりませんでした。「もっとこうがいい。」「これはいやだ。」など、自分の意見ばかり言って、ほかの意見を聞こうとしませんでした。私もその中の一人でした。他のグループはどんどん完成に近づいていくのに。私は、パネルを作る時間がいやになりました。ですが、ある時、自分の意見しか言っていなかった自分に気が付きました。周りには、私に負けず自分の意見を言っている人や、あきらめかけている人もいました。私は、以前の自分に後悔しました。ですが、後悔よりも、そのことに気づけたことのほうがうれしかったです。あのまま言い合いを続けていたらどうなっていたか、考えただけで怖くなってしまいます。私は、みんなの意見をたくさん聞きました。私の変化に気づいたのか、あきらめかけていた人も自分の意見を言っていた人も、みんなで協力するようになりました。
パネルに色をぬり始めたころ、私は改めてパネルの出来栄えを見ようとしました。ですが、パネルを見るよりも先に、みんなの真剣な眼差しに驚いてしまいました。もちろん、パネルの絵もすごく上手でした。私も、みんなのおかげで、やる気やうれしさが込み上げてきました。そして、運動会が終わり、パネルの前に立ってみると、パネルを作っていた一日一日が頭の中で音楽みたいに流れてきました。私は、パネルグループに入ってよかったと思います。パネルグループにいたみんなもそう思っていてくれるといいなと思います。
これからは、自分の意見も言うけど、相手の意見もちゃんと聞こうと思います。そのパネルは、今でもきっと光り続けていると思います。
運動会という大きな行事、ややもすると競技や演技ばかりに関心がいきがちですが、「応援」の中の一つの役割である「パネルづくり」に一生懸命取り組む中で、いろんな心の葛藤にもがきながらも、自分の心をひとつ成長させることができたと思えるYYさんが素敵です。
集会の終わりは、K先生が締めくくってくれました。「みんなが楽しく、幸せに学校生活を送るためには、『見えないもの』を見ようとする気持ちが大事である。」とまとめてくれました。見えているものだけに振り回されているようではだめですね。よく見ようとしなければ決して見えてこない「教室の仲間の気持ち」…そこがちゃんと見えてくると、みんなで支え合えるんですよね・・・。K先生の言葉が身に沁みます。今日の「友だち集会」の子どもたちの感想や、人権学習のまとめとして一人ひとりが書いた「人権宣言」が楽しみです。