本校の学校教育目標は、「豊かな心と学ぶ力をもち 共に活きる子どもの育成」です。少し言葉が硬いので、子どもたちには「みんなが楽しい!八日市北小学校」というスローガンにして目標を伝えています。この学校目標にある3つの大切なこと…「豊かな心」=「人権尊重の心」と「学ぶ力」=「確かな基礎学力と、自ら学ぶ意欲」、そして「共に活きる」=「互いを理解しあい、支え合う力、自治能力を養い、主体的に社会(集団)に参画する力」…、これらの力を育むために日々、教育活動を進めています。
大切な3つのことを確実に、そしてバランスよく育てるために、本校では教職員を3つのチームに分けています。「心づくり」チーム、「学びづくり」チーム、そして「仲間づくり」チームの3つです。それぞれのチームが、本校の子どもたちの現状や課題に沿って、「心」と「学び」、そして「仲間」をつくる取組を全校的に進めるプロジェクトを展開しています。
今日紹介する「心の扉を開こう~みんな知って こんな私です~」いう取組は、「心づくり」チームが計画してくれたプロジェクトです。
チームリーダーを務める4年生担任のK先生の学級通信に、このプロジェクトの目的等が明確に書かれていたので、引用させてもらいます。
<4年生の学級通信より引用>
『運動会という大きな行事を終え、子どもたちは大変成長しました。個々の成長はもちろんのこと、学級・学年集団としてもまとまりがでてきました。子どもたちは、全員で大きな山を乗り越えたことでお互いを認め合い、関係性を深めることができたように思います。
このような時期をさらに成長できる好機と捉え、全校で人権の取組「心の扉を開こう」を始めました。
本校では、毎年、11月後半から人権に関わる取組を行って「他者理解」に努めていますが、今回は自分から「私は、こんな人間なのです」というふうに自分のことをみんなに知ってもらう取組を始めました。自己開示のテーマとして「私がすきなもの・お気に入りのもの」「得意なこと・がんばっていること」「将来のゆめ」「休みの日や自由な時間によくやること」「おすすめのものや場所」「わたしのヒミツ」の6つがあります。子どもたちは『これならみんなに教えてもいい』というものを選んでカードに書き、自分の写真の下に貼ります。1枚だけの子もいれば、10枚くらい書いた子もいます。廊下を通る他の学年の子どもたちも、立ち止まって見入っています。ここから次の人間関係が広がり、深まるといいなあと思っています。 』
毎年、12月の「人権週間」を中心に、人権に関わるいろんな取組をしていますが、K先生が言うように、どうしても「他者理解」の視点が中心になりがちです。「相手の気持ちを考えよう」や「友だちのいいところを見つけよう」というような取組を積み重ねてきています。
しかし、「共に活きる力」を育むためには、「自分を開くこと」=「自己開示する」「自分発信ができる」を大切にすることで、より「自己理解」や「相互理解」が進むと考えられます。
「私がすきなもの・お気に入りのもの」…ぐらいの軽い「自己開示」をきっかけに、「自分を知ってもらうこと」、「自分をわかってほしいこと」が発信できる子どもたちの心や、互いの仲間関係が育つといいなと考えています。
「私を見て!」「私を分かって!」というポジティブな発信だけでなく、苦しくてつらい時に、「苦しい」、「助けてほしい」などのHELPが発信できる子どもたちになってほしいと願っています。