今年のNHKの大河ドラマは、浅井三姉妹の「江」が主人公に
なっています。
滋賀県も関係があり、県や湖北の方では、観光に力を入れて
おられます。
先週の放送は、「本能寺の変」で信長が光秀に討たれる場面
でした。
織田信長と言えば、幸若『敦盛』の一節「人間五十年、下天の
内をくらぶれば夢幻の如くなり・・・」は有名な話です。
この、「人間五十年、・・・」とは、「人の寿命は五十年くらいで、
その間の出来事は夢やまぼろしのようにはかないものである」
ととらえている方が多いようです。私も、その一人なのですが。
『敦盛』のこの一節は、『倶舎論』の「人間五十年、下天一昼
夜」という言葉に基づいています。
人間五十年とは、人の寿命が五十年だからはかないということ
ではなく、人間の一生五十年は、いちばん下の天界である下天
の一昼夜にすぎないという意味なのです。
私たちの数十年の営みなど、ごくごく短く、ちっぽけなものにす
ぎないことになります。人間界に比べて下天は気が遠くなるほ
ど尺度が長いのですが、その下天が逆立ちしてもかなわない
のが地獄なのです。なにしろ下天の五百年が地獄では一昼夜
にすぎないのですから。
私たちが、日々、苦しんだり悩んだりして悲しんでいても、人生
の苦しみなど、地獄での苦しみに比べたら何ほどのものではな
いのです。
地獄の苦しみを考えると、人生の苦しみなどちっぽけに見えて
きます。