今や年末の恒例行事となり、清水寺の奥の院舞台にて、森清範貫主により
巨大な和紙に漢字一字が揮毫される「今年の漢字」に、「絆」が選ばれまし
た。
東日本大震災をはじめ台風やタイの大洪水など災害が相次ぎ、人と人の絆
の大切さが見直されたことや、サッカー女子ワールドカップ(W杯)で初優勝
した「なでしこジャパン」のチームワークなどによるものだそうです。
東近江市役所では、毎朝、職員が順送りで朝のスピーチを行っています。
以前、学校教育課にいたときに、北崎先生のスピーチがあり、橘曙覧(たち
ばなのあけみ)の話をされました。
橘曙覧は、福井県出身の国学者で歌人です。曙覧は、中央の歌壇と交わる
ことなくひっそりと一地方の歌人として生涯を送り、国を愛し、平和を尊び、家
族を愛した人でもありました。
その歌の特徴といえば、日常生活に題材をとり身近な言葉で詠んだことです。
特に「独楽吟」と呼ばれる「たのしみは」で始り「のとき」で終わる短歌はわか
りやすい言葉でストレートに日常の様子を詠っています。
「たのしみは まれに魚にて児等皆が うましうましと いひて食ふ時」
「たのしみは 機織りたてて 新しき衣を縫いて 妻が着する時」
1994年に、天皇皇后両陛下のご訪米の歓迎式典で、クリントン大統領が
「たのしみは 朝起きいでて昨日まで なかりし花の咲ける見る時」
と歓迎スピーチの締めくくりをしたことで、曙覧は一躍脚光を浴びることになり
ました。
ぜひ、皆さんも、「たのしみは」で始まり「のとき」で終わる短歌を詠んでみられ
てはいかがでしょうか。きっと、前向きの思考が自然に身についていくことと思
います。
間もなく今年も終わります。この1年を振り返ると、
「ふり向けば 曲がりし 下駄の 爪の跡」
(一生懸命にまっすぐ歩いて来たつもりですが、右に左にフラフラしていたの
だと思われます。)
続けて、
「ふり向けば おかげを受けし 人ばかり」
(この一年、多くの先生方・保護者の方や地域の方々にお世話になりました。
ありがとうございました。)
ぜひ、皆さんも、「ふり向けば」で始まる短歌を詠んでみられてはいかがでしょう
か。