サルビアとマリーゴールドの苗も大きく成長してきました。なかなかポットに移し
替えるのも大変な作業ですね。私は、担任をしていた時は植物や生き物を育てること
は苦手で、いつも枯らしていたものです。だのに、こんな私が花の苗の世話をしてい
るなんて・・・。
それは、この五個荘小学校に教頭として勤務した時に覚えたのでした。
もう、7年も前のことになります。
放課後、中庭に面した職員室のベランダでマリーゴールドの苗をセルトレーに移し
替えながら、ある先生と話していました。「花の世話も大変だなぁ・・・、何度も何
度もセルトレーに移し替えながら大きくしていくのは・・・。いっそのこと、最初か
ら大きなポットに移し替えたら手間がはぶけるのに・・・」と。
年度末異動で今まで花の世話をされていた事務の大久保先生が転勤されて、
「花の世話を誰がするのかなぁ」と思いながら、町費の事務の方とマリーゴールド
苗の植え替えをしていました。
小さなセルトレーで育った苗を少し大きめのセルトレーに移し替えました。小さな
セルトレーのままでは、根が窮屈になってしまい大きく成長してくれないので、少し
大きなセルトレーに移し替えたのです。
移し替えた苗は、2日ほどするとぐんと大きくなったような気がしました。確かに
大きくなっているのです。
昨年までは、私も、大久保先生が何度も何度も苗を移し替えているのを見ながら、
大変だなぁと思っていました。大久保先生が転勤され、自分でやってみると、その大
変さを実感したのですが、それよりも、花を育てることは子ども達を育てることにも
通じるのだなぁと思いました。
小さな器に大きな苗を植えても程よく育ちませんし、大きな器に小さな苗を植えて
も程よく育ちません。やはり、その時その時に応じて苗に合った器に
してやることが大切です。また、水をやり過ぎれば根が枯れる。
やり足らなければ枯れる。程よい水やりも大切です。
ある方が、こんなことを言っておられました。
「小雪が舞散る中、チューリップの芽が伸びています。チューリ
ップは冬の寒さに当てなければ花が咲きません。花を育てるこ
とには、子育てに通じることがたくさんあります。種や球根を植えるのには、最適
な時期があること。種や球根を見ただけではどんな花がいつ咲くのか全くわからな
いけれど、種や球根はそれをちゃんと知っていて、自分なりの花を咲かせること。
どんなに水や肥料を与えても急には育たず、与えるものが多すぎたり少なすぎると
成長に悪影響を及ぼすこと。パンジーのように芽を摘んで枝葉を広げるものもあれ
ば、チューリップのようにひとつの芽を大事に育てるものもあること。太陽と、土
と、水があれば元気に育つこと。そう、植物も人間の子どもも育てるのではなく、
育っていくのではないでしょうか。私たちにできることは、その育ちの声を聞き、
状態を確かめ、環境を整えてやることくらいなのでしょう。草花を育てることは、
人を育てることにつながり、自然の恵みや移ろいは、人間の営みに通じます。」
1学期も後半に入っています。子ども達は、今後はどんな育ちをしてくれるでしょ
うか。学年として、学級として、それぞれの子ども達に、どんなめあてを持たせて臨
ませればいいのでしょうか。そして、教師として、子ども達一人ひとりに、どんな器
を用意すればいいのでしょうか。
人間には、得意・不得意があります。その子にあった器を用意し、その子なりの頑
張りを認めてあげ、『がんばっているね』と努力を認め、『前より上手になったね』と
喜びの言葉をかけ続けることが大切ではないでしょうか。