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八日市北小子どもの様子

八日市北ニュース
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2024/11/20

「谷川俊太郎さんを偲んで」~写真なしのブログですが…~

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今日の朝も気温が低く、寒い朝になりましたが、昨日みたいに“北風びゅんびゅん”ではないので、体感的にはあまり寒くありませんでした。今日は、低学年の子たちに「校長先生の手、温めてあげよう。」と言われなくていいように、ちゃんと手袋をして子どもたちの登校を迎えました。

みんなより少し早く登校した6年生のSNさんが、校門の門扉の溝にたまったゴミや砂を見つめ、しばらく指で集めた後、掃除用具倉庫からほうきや塵取り、溝からゴミが掻き出せるような細めの棒をもってきて、一人でせっせと掃除し始めました。たくさんの子どもたちが校門をくぐっていく中、一人で黙々とゴミや砂を掻き出し、塵取りに集めてくれました。

ずいぶん前に、一度だけSNさんに「暇やったら溝の砂を取ってくれるか。ほうきや塵取り用意するし、お願いしていい?」と頼んで、掃除をしてもらったことがあるのですが、SNさんはその時のことを鮮明に覚えているのでしょうか、今日は自分ひとりですべてを完結してくれました。SNさんの奉仕の心、自主性、行動力がとてもうれしくて、とても気持ちのいい朝になりました。

 

ところで、今日の朝刊の一面にとても悲しい記事を見つけました。「谷川俊太郎さん死去」…。悲しいことですが、老衰のために亡くなられたということで、心には「今まで数々の素晴らしい作品(詩)をありがとうございました。たくさん楽しませてもらいましたし、生きるということについて、たくさん考えさせられました。本当にありがとうございました。」という感謝の気持ちも大きい気がします。

谷川俊太郎さんの作品は、今まで国語の教科書にたくさん載っていました。また、子どもたちと音読を楽しむために谷川さんの作品をよく読みました。特に、「ことばあそびうた」という、ひらがなだけでかかれたリズミカルな詩に子どもたちは夢中になり、早口言葉のように、何度も何度も口ずさみ、延々と唱え続けるほど人気の詩でした。

 

ののはな  はなののののはな はなのななあに なずななのはな なもないのばな

 

かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった とってちってた

 

いるかいるか いないかいるか いないいないいるか 

いつならいるか よるならいるか またきてみるか

いるかいるか いないかいるか いるいるいるか 

いっぱいいるか ねているいるか ゆめみているか

 

平仮名ばかりで読みにくいことこの上ないのですが、一度覚えてしまうと、そのリズミカルで、まあるくやさしい言葉の響きの虜になります。いつの時代も子どもたちが大好きな詩です。

それから、前まで6年の国語の教科書に載っていた(今の東京書籍の教科書には非掲載、光村図書の教科書には現在も載っている)『生きる』という詩は、卒業を間近に控えた6年生の心に強烈なインパクトを与えました。どの子にとっても、生まれて初めて「生きる…生きているとはどういうことなのか。」を真剣に考える機会になったはずです。

 

生きる        谷川俊太郎

 

生きているということ  いま生きているということ

それはのどがかわくということ  木もれ陽がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ  くしゃみすること

あなたと手をつなぐこと

 

生きているということ  いま生きているということ

それはミニスカート  それはプラネタリウム

それはヨハン・シュトラウス  それはピカソ  それはアルプス

すべての美しいものに出会うということ

そして  かくされた悪を注意深くこばむこと

 

生きているということ  いま生きているということ

泣けるということ  笑えるということ  怒れるということ  自由ということ

 

生きているということ  いま生きているということ

いま遠くで犬が吠えるということ  いま地球が廻っているということ

いまどこかで産声があがるということ  いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこがゆれているということ  いまいまが過ぎてゆくこと

 

生きているということ  いま生きているということ

鳥ははばたくということ  海はとどろくということ

かたつむりははうということ  人は愛するということ

あなたの手のぬくみ  いのちということ

 

第1連では「生きているとは生体反応である」、第2連では「生きているとは美しいものに出会うこと、そして隠れた悪をこばむことである」、第3連では「生きているとは感情表現を自由にできることである」、第4連では「生きているとは他者と世界を認識することである」そして最後、第5連では「生きているとは命そのものであり、それぞれの命はみなつながりあっていること」が、淡々と「~ということ」という語りで綴られていきます。

この詩は、子どもだけでなく大人にも、生きることの意味を問い直し、心の豊かさを取り戻す機会を提供してくれる貴重な作品と言えます。生きていることの有難さを、改めて感じさせてくれるすばらしい詩だと思っています。谷川俊太郎さんの詩からは、本当にいろんなことを学ばせていただきました。

謹んでご冥福をお祈りいたします。


12:50
2024/11/19

「自分のペースで走り切る ~校内ペース走大会 試走~」

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今日は一段と冷え込み、校門(昇降口)には朝から冷たい北風が容赦なく吹きつけていました。

防寒着は着ているものの、手は凍えてきますし、鼻水がちょちょぎれます。

子どもたちにいつも通りあいさつしながら、「今日はほんまに寒いなあ。手がめっちゃ冷たいわ。」などと話しかけていると、低学年の子たちが、私(校長)の手を握ってきて、「ほんまやぁ。めっちゃ冷たいやん。私の手、温かいから温めてあげるわ。」、…「私もあっためてあげる。」と二人の子がしばらくの間手をこすりながら温めてくれました。おじいちゃんと孫のようなやり取りですが、おじいちゃん(私)はこんなことでも最近涙腺が緩みます。

 

さて、今年度「校内マラソン大会」から「校内ペース走大会」と変更した持久走の取組…「長い距離を走り順位を競う」のではなく、「適切な距離を同じペースで走り切る」ことを目的にし、中休みの「行間ペース走」などの取組を始めています。子どもたちの中には、従来の「校内マラソン大会」を楽しみにし練習を積み上げてきた子どもたちもいますので、今年度と来年度の2か年は移行期間として、従来の「長い距離のコース」と、学習指導要領の指導内容にあった「適切な距離のコース」の2コースから、子どもたちが自分で選択して取り組むことになっています。


そして、今日は「校内ペース走大会 試走」の1回目。全学年が実際のコースを走りました。

中学年から試走しましたが、驚いたのは従来の「距離の長いコース」を選択した子が多いことです。長距離走が得意でない子(どちらかと言えば苦手)も結構いるので、一人の子に「なんでこっちのコースにしたん?」と聞くと、「長い距離でも自分のペースで最後まで走り切りたいねん。」と答えてくれました。その子は、順位は最後でしたが、ゴールした後、はあはあ言いながら、「ぼく、歩かんと走れたし。」と答えた満足そうな表情に、とても力強さを感じました。

また、初めて挑戦する1年生の子どもたちのがんばりにも驚かされました。まだ十分にコースやペース配分も分かってないだろうに、ほとんどの子が歩かずに最後まで走り切っていました。あの運動会を全力でやり切った自信がエネルギーになっているのか、どの子も「ぼく(わたし)は、最後までがんばる!」という表情で、私の前を走りすぎていきました。入学してまだ一年もたってないのに、本当に力強くたくましく成長しているなあと感心しきりです。

 

最後は、高学年でした。特に6年生は、子どもたち一人ひとりの「自分の目標」を明確にして試走に挑んでいる気概みたいなものを感じました。従来の「長距離コース」を選択した子どもたちは、やはり今までの「マラソン大会」と同じ「真剣勝負」って気持ちで挑んでいるなという感じがしました。しかし中には、「私たちは、長い距離も『楽しく走る!』をめざしています。」と笑顔で言って、自分のペースで走り続ける子たちもいて、それぞれの目標に向かって、それぞれ一生懸命にペース走に向き合っている姿がとても素敵だなと思いました。

どの子にとっても、「自分は、自分なりに精一杯がんばれたな。楽な方に逃げないで、弱い自分に負けないで、ちゃんと自分としての全力尽くせたよな。」と満足できるような校内ペース走大会になるといいなと願います。

 

 


17:22
2024/11/18

「『なぜ?』から始まる探求学習 ~自由研究 県科学賞受賞!~

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この度、本校4年生のKSさんの研究「鉛筆の種類のひみつ」が、第78回滋賀県児童生徒科学研究発表会に、東近江市代表児童として出場し、第68回滋賀県学生科学賞県展と合わせて、賞(表彰状)をいただくことになりました。 

本校児童が東近江市代表として、大きな舞台で研究の成果を発表できたことは、本当に素晴らしいことであり、本校の誇りでもあります。KSさん、本当におめでとうございます。

昔から、夏休みの課題の定番だった「自由研究」。他にも「自由工作(アイデア貯金箱)」や「読書感想文」などが誰もがくぐってきた「夏休みの宿題」だと思います。私(校長)が子どもの頃は、これらすべてが「宿題」として出されていましたが、今は「選択制の宿題」になっている方が多いような気がします。特に「科学自由研究」については、年々取り組む子どもが少なくなりました。「理科離れ」という言葉の表れの一場面かもしれません。「科学自由研究」は確かに、子どもたちにとって少々ハードルが高い課題かもしれません。「なぜだろう?」から始まって、もった疑問を解決するために、どんな「実験」をすればいいのか、それをどう「分析」し、「まとめ」ればいいのか、最後にそれらをどう「表現・発表」すればいいのか?・・・「探求心」を持つところまでは、いいのですが、それをどう「調べ」、どう「分析」し、どう「まとめ」、「表現」するのか・・・最後まで完結するには「思考力」「判断力」「表現力」等たくさんの力が必要になります。正直、この研究の過程をすべて経るためには、子どもの「甲斐性」に合わない部分は大人がサポートする必要もあるでしょう。お家の方もある程度覚悟を決めなければなりません。

そういえば、私の長女が小学生の時「アリの研究」にはまっていて、「アリの集団行動を追う」目的で、何百匹というアリのお尻に「蛍光インク」をつけるのを一日中手伝わされた記憶があります。また、三女が「クモの巣をぶっ壊したらどうなるか?」という自由研究をした時は、娘が壊したクモの巣が、クモによって修繕されていく写真を、定点で何百枚も撮らされた記憶があります。「娘たちの研究のため」とはいえ、一日中、また何日も付き合わされるのはしんどかったですが、現在の娘たちの仕事ぶりを見ていると、子どもが小さい時に、それをしてあげておいてやっぱりよかったなと思います。

 

さて、KSさんの研究に話を戻して・・・。まず、KSさんが「なぜ?」って思ったことが、とても日常的で素朴なところがいいなと思います。確かに鉛筆と言えば、小学校では「Bか2B」が定番です。この「あたりまえ」を改めて「なんで?」と思うところからKSさんの「探求学習」が始まります。「そもそもBとか2B以外にどんな種類があるのか?」、「それらの違いは何?」、「実際いろんな種類の鉛筆を試したい!」、「結局、一番使いやすいのはどれ?」・・・KSさんの「探求」はどんどん広がります。


「実験」の方法を考え、それぞれを比較するときは「条件をそろえる」という実験の鉄則も頭に入っています。このへんは学校での「理科」の学習が活きています。

実際に字を書いて比べる時には、「1学期に習った漢字82字」を書くっていうのが、漢字の復習にもなっていて、効率的というか、抜け目がないというか、とにかく素晴らしい!

実験して分かったことを、表にまとめたり、グラフにしたり…算数で習ったことも活用させながら、「結局、どの種類の鉛筆が総合的に使いやすいのか?」という自分の課題に迫っていきます。


 

 

「小学校で使う鉛筆はBか2Bがふさわしい」という学校の「あたりまえ」について、自分で徹底的に調べ、自分自身で「Bか2Bが最も使いやすい!」という最適解(納得解)を導き出したことが何よりも価値ある学びだったと思います。

 ちなみに、「小学校ではなんでシャープペンシルを使ってはいけないの?」という質問をされますが、この質問については、私(校長)は明確な「最適解」をもっています。それは、「鉛筆を使う方が、筆圧にも気をつけないといけないし、鉛筆を適度に回しながら常に先端が丸まらないように使わないといけないという『不便さ』が手先を器用にしてくれるから」です。「便利」だからいいとは限りません。「不便」だからこそ、後々役に立つ『不便益』というものがあると思っています。

 KSさんを校長室で「特別表彰」しました。拍手係で一緒に来てくれた友だちととてもいい記念写真が取れました。KSさん、本当におめでとう!


10:41
2024/11/15

琵琶湖一周環状線の旅~4年校外学習~

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今日は雨こそ降りませんでしたが、本当はスカッと晴れていてほしい日でした。なぜなら、4年生が電車に乗って、琵琶湖をぐるっと一周するのに、電車から見える「様々な素敵な滋賀」をしっかりと美しく見せてあげたかったからです。残念ながら朝から雲や霧が厚く、鈴鹿や比良の山々の稜線や、湖西線から見下ろす雄大なびわ湖の風景はぼんやりとしか見えませんでしたが、旅の後半、近江舞子あたりでは身近に美しい琵琶湖を望むことができ、子どもたちも車窓からその雄大さに見入っていました。








この「琵琶湖一周環状線の旅」は滋賀県が推奨している事業で、電車賃がかなり補助されます。おまけに、偶然にも今の期間、近江鉄道は「10円切符」が発売されていて、子どもは乗り放題10円で行けるので、かなり「お得な校外学習」になりました。



今回の校外学習で大事にしたかったことは、一つは、実際に電車で琵琶湖を一周することで、ふるさと滋賀の名所を眺めたり、湖東・湖北・湖西・湖南、それぞれの特徴に気づいたりすること。二つ目は、公共交通機関を利用する際のマナーをしっかりと守り、周り(=一般の乗客)に迷惑がかからないようにすることでした。





電車の中では、車窓からの景色を見ながら、「びわ湖一周クイズ」に答えたり、琵琶湖の風景を眺めたりしました。ただ、電車に乗っている時間が長く、集中力が切れてきて、いつの間にか電車の中が「公」であることを忘れ、学校での休み時間のように、動き回ったり、大きな声を出したりして、他の乗客の皆さんに結構な迷惑をかけてしまいました。



途中「近江高島駅」で下車し、高島市街にあるビレッジ館で「オリジナルキャンドルづくり」を体験しました。この体験は子どもたちも楽しみしていたようで、どの子も躊躇することなく、どんどん自分好みのキャンドルを作っていきました。この体験での子どもたちの積極性や創造性には、とても感心しました。工房の先生も、「この子たちは、自分のイメージを大切にしながら、自由に創作していくので見ていて気持ちよかったです。」とほめてくださいました。4年生のよさが生かされる創作体験ができてよかったです。







「明日、弟の誕生日やから、そのプレゼントにするね。」・・・、「こんなきれいな蝋燭、絶対火をつけられへんわ。ずっと、飾っとくね。」・・・そんな子どもたちの会話を聞いていて、とても心が温かくなりました。キャンドルづくりの後、みんなでひしめき合いながらおいしいお弁当をいただきました。お弁当を食べ終わるころには、キャンドルもしっかり固まって仕上がり、自分の作品を袋に入れ、壊れないように大事そうに手に持っている子どもたちの姿が印象的でした。



日頃から、電車に乗る経験もあまりないであろう4年生。電車の旅がどんなものになるか、電車の中でどう過ごせばよいのか・・・、事前に指導されていたとはいえ、実際に「びわ湖一周環状線の旅」を体験してみて、分かったことや感じたことがたくさんあったと思います。マナーなどではいろいろと「失敗」があったと思いますが、今日の体験をこれからの自分の生活に生かすことが今回の目的でもあるので、来週にまたしっかりと振り返りをしてほしいと思います。慣れない電車の旅、子どもたちはかなり疲れたと思います。この校外学習を金曜日に設定しておいてよかったと思います。土日しっかり休んで、また月曜日、元気な顔を見せてほしいです。
19:15
2024/11/14

「歯は一生もの ~1.3.5年歯科指導~」

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火曜日のことになりますが、この日は1,3,5年生を対象に歯科指導が行われました。学年ごとに歯科衛生士さんに来ていただき、各学年に応じた「歯科(歯みがき)指導」をしていただきました。

1年生は、第一大臼歯を観察することから永久歯について理解し、歯みがき行動につなげることをめあてに学習しました。乳歯が20本あることを自分で確認し、その奥に4本の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えてきているか鏡を使ってじっくり見てみました。「あっ、この歯や~。もう生えてるわ。」、「私は、生えてないわ。まだこれからなんやな。」、「あっ、なんかちょっとだけ頭出してる・・・これからもっと出てくるんかな。」など、子どもたちのつぶやきを聞いているのが楽しかったです。後半は、歯の染め出しをして、染まったところがきれいになるように、ブラッシングの仕方を教えてもらいながら念入りに歯みがきをしました。多くの子が普段からしっかりと歯みがきができていることや、保護者の皆さんが、最後「仕上げみがき」をしてくださっていることがわかり、歯科衛生士さんも感心されていました。



 

3年生は、「歯の汚れ(歯垢)を確認し、歯みがき行動の意欲につなげる」ことを目標に学習しました。歯垢はバイ菌のかたまりであることや、磨き残しのところに歯垢がたまってくることを学びました。後半は、染め出しをして、自分の歯垢の状態をよく確認しながら、正しい磨き方で丁寧に歯みがきしました。1年生同様に、「日頃の歯みがきがしっかりしていますね。」と歯科衛生士さんに褒めていただきました。

 

 

最後は5年生の歯科指導です。「歯ぐきの健康を通して、自分の体は、自分で守れることを学び、歯ぐきの観察の習慣化を促し、正しい歯みがき習慣を身につける」ことを目標に学習しました。歯肉炎の原因について知ったり、歯ぐきのサインの見分け方を教えてもらいながら、染め出しの状況を自分で確認しながら、歯みがきをしました。歯科衛生士さんが、それぞれの子どもたちの葉や歯茎の状況を診て、アドバイスをしてくださいました。

 

私(校長)は子どもの頃から、口の中の健康管理や歯みがきをかなりいい加減にしてきたために、すでに数本の歯が欠損しています。失った歯は二度と元には戻りません。「なんでもっとちゃんとしてこなかったんだろう。」ととても後悔していますが、「時すでに遅し」です。

今の子どもたちは園時代から、確実に「歯科指導(歯や歯茎の健康を守る学習)」を積み上げてきています。だからこそ、私が子どもの頃に比べて、歯のことについてちゃんと関心が持てていますし、歯みがき習慣もきちんとしているのだなと感じています。自分の歯は一生の宝物です。子どもたちには、これからも高い意識をもって、自分の歯を守る知識と習慣を身につけてほしいと心から願います。

 


14:57
2024/11/13

「ものづくりの心を知る ~6年ものづくり職業体験~」

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今年度も滋賀県職業能力開発協会さんのご協力を得て、「ものづくりマイスター(プロ職人)」の指導のもと、6年生が「ものづくり職業体験」をさせてもらいました。滋賀県職業能力開発協会とは、いろんな職業の技能検定(国家資格)を行うところですが、「ものづくりの魅力」を伝え広め、「ものづくり」に関係する職業の後継者育成にも力を尽くされています。
今回、本校の6年生が体験させてもらった職業(ものづくり)は、「建築大工」、「造園」、「建築建具」、「板金」、「和裁・着付」、全部で5つです。子どもたちは、自分の興味に合わせて、いずれか一つの職業(ものづくり)をじっくりと体験させてもらいました。




 「建築大工」は、「タブレットスタンド」を作るために、木材の①寸法取り②のこぎりを使っての切り出し③釘打ち④やすり掛けのすべての工程を自分でやりました。直角が取れる「曲尺(差金)」という専用のものさしを使って、ミリ単位で切る位置(線)や釘を打つ位置の寸歩取りをしました。鋸を使うと当然おがくずも出ますが、その辺のこともちゃんとわかって、せっせと箒ではく子どもたちの姿に感心しました。






 「造園」では、立派な孟宗竹を用意してくださり、その竹を器にして、その中に「ミニ庭園」を造りました。「仕事」で一番大事なのは「安全」。職員の皆さんは、服装も手袋もきちんとされています。作業している間に暑くなってきて、Tシャツ姿になっている子がいましたが、「仕事の根本」が分かっていません。鉈(なた)を使って竹を縦に割りましたが、「鉈は危険だから使わさない。」ではなく、「鉈が危ないことをちゃんと分かって、安全に使う。」ことを大切に、子どもたちにきちんと指導してくださいました。子どもたちは、お好みの「庭石」や「植栽(花)」、「苔」などを選んで、自分なりに「ミニ庭園」をレイアウトしました。どの子もそれぞれに「趣」のあるミニ庭園が仕上がりました。家の玄関に置くととても様になりそうでした。




 
次は「板金」です。下絵に書いた「文字」の周りを叩いて凹ませることで、文字を浮き上がらせます。背景の余白は、「点描」のように小さなくぼみをすき間なくつけて、文字が強調されるように仕上げます。最後に銅板を磨き、額に入れれば完成です。丁寧さと根気のいる作業ですから、それぞれの子どもたちの性格がもろに現れます。銅板に凹みをつけるのはかなり力作業なので、しばらくやっていると疲れてきます。そこで作業が雑になる子と、あくまで細かく、均一に銅板を打ち続ける子に分かれてきます。作品をよ~く見ると、仕上がりの差が分かりますが、ぱっと見はどの作品もきれいでかっこいいので子どもたちは大喜びでした。


「建築建具」では、木材を格子状に組み立てて、紙を張り「ミニ障子」を作ります。木材を組み合わせるための溝はすでに職人さんが彫っておいてくださいます。木材の溝と溝を合わせて組み立てるのですが、これがびっくりするほど正確で、ピタッと少しの隙間も段差もなく、組みあがります。あまりにもピッタリはまるので、ある子が思わず、「わあ~、気持ちいい‼」と声を漏らしました。きっとこの「気持ちよさ」が建具仕事の魅力(醍醐味)だと気づいた瞬間でした。この「ミニ障子」は、単品でも飾りになりますし、みんなの作品を合わせてひとつの大きな「障子」の作品にもなってとても素敵でした。
最後は「和裁・着付」です。

きれいな和風柄の生地を使って、ポケットティッシュ入れを手縫いしました。着物を着た師匠(先生)が、丁寧に上品に教えてくださるので、会場の空気そのものが落ち着いた和室のような雰囲気を醸し出します。後半は着付け教室となり、全員が新品の浴衣を着せてもらいました。



子どもたちのために、これだけの体験とものづくりの材料を用意してくださる「ものづくりマイスター」の先生方には、本当に感謝しかありません。「子どもたちに『ものづくり』のよさを知ってもらいたい。」・・・その一心で、ここまで至れり尽くせりでやってくださることに、心からお礼申しあげます。
本来「ものづくり(職人)」の仕事の基本は、「習うより慣れろ」。師匠(先生)は何も教えてくれないのが普通です。「自分で師匠の仕事を見て、まねて、まねて、まねて・・・そして自分のものにする。」・・・それが仕事の基本です。そしてそれは、「学ぶ」姿勢の基本でもあります。「学ぶ」という言葉は「まねぶ」=「まねる」が語源です。親切丁寧に教えてもらって当たり前、できなかったら手伝ってもらうのが当たり前・・・そんな「学び方」に子どもたちが慣れてしまっているとすれば、それは本当の「生きる力」にはなりえないかもしれません。「学ぶ意味」や「学び方」のあり方を、子どもたちと一緒に考えながら「学校での学び」を充実させていきたいと思います。
18:45
2024/11/12

「滋賀の誇りであり責任でもある~5年フローティングスクール~」

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先週の話になりますが、6日(水)・7日(木)の2日間、5年生がフローティングスクールに出かけました。航海を共にしたのは、布引小学校と八日市養護学校、そして八日市北小の3校です。お天気は申し分なかったのですが、2日目は予想以上の強風と冷え込みで、かなり揺れる船旅と初冬のびわ湖の厳しさを、身をもって体験することができました。

そもそもフローティングスクールは、約40年前の昭和58年に始まりました。初めて乗ったのは今51歳の人です。つまり51歳以下の人で小学5年生を滋賀で過ごした人はほぼみんな、この「うみのこ」に乗船し、フローティングスクールを経験していることになります。今日までに「うみのこ」に乗船した5年生は、約63万人。数だけで言えば、およそ滋賀県の人口の半分弱になります。

フローティングスクール=「琵琶湖に浮かぶ船の学校」・・・こんな学校は全国で唯一です。(ちなみに近江八幡市の沖島は、「湖」に浮かぶ唯一の「有人島」で、これまた全国で唯一です。)日本一の大きさを誇る琵琶湖自身も、その湖上で40年間脈々と続いてきたフローティングスクールも、滋賀県の誇りだと思っています。

 

子どもたちにとってフローティングスクールは、とても「特別な校外学習」です。そう思えるのは、一つは、大きな学習船「うみのこ」に乗れること、2つ目に「宿泊」を伴うこと、3つ目に他の学校の友だちと同じ班で共に行動することなどでしょう。ドキドキワクワク・・・楽しみでもあり、ドキドキハラハラ・・・大変不安でもあり・・・とにかくフローティングスクールは他の行事とは一線を画す「特別なもの」なのです。

「うみのこ」の生活は、1日目は、琵琶湖大橋港からの出航見学に始まり、開校式→避難訓練→船内見学・昼食→寄港地活動「長浜タウンウォークラリー」→夕食・シャワー→夕べの集い(交流活動)→就寝。







2日目は、起床→荷物整理→朝食→びわ湖学習→昼食→船内掃除→閉校式→下船(琵琶湖大橋港)と、割とタイトな分刻みのスケジュールで進んでいきます。

今回の子どもたちの乗船人数は、八日市北小62人、布引小31人、八日市養護16人、合計109人でした。圧倒的与党の立場にある本校の子どもたちは、他の2校の子どもたちよりも気楽な気持ちでいられたことだと思いますが、今日まで全く知らなかった他校の子どもたちと、いきなり同じ船の中で過ごし、同じグループで一緒に活動しながら積極的に仲良くなるというのは、そう簡単なことではなかったようです。「うみのこ」ですることすべてが初めてのことで、活動自体にも緊張しますし、ましてや「知らない仲間」と一緒にすることはもっと緊張します。最初の昼食は、別に楽しくしゃべりながら食べればいいのに、なぜか「黙食」を指示されたかのようになっていました。長浜でのウォークラリーでも、なんとなく一緒にぞろぞろ歩いている感じはありますが、学校の垣根を越えて会話が弾んだかと言えばそんな感じでもなく・・・。

そんな子どもたちの「硬さ」が取れてきたのは、ウォークラリーから「うみのこ」に帰ってきた時に、できた「すき間時間」で班ごとに「びわこかるた」を楽しんだ時だったような気がします。班で円になり、「かるた」というとてもシンプルな遊びをする・・・これが意外に盛り上がり、子どもたち同士の距離を一気に縮めることになりました。夜の集いでは、「ボッチャ」というパラスポーツを班対抗でやったのですが、八日市養護学校の友だちも一緒になって、とてもとても盛り上がりました。

男子は全体で40人ほどですが、一番大きな部屋で「40人全員」が寝ました。おまけに男の先生たち(本校で言えば、T先生、H先生、M先生)も一緒の部屋で寝てくれました。おそらくこんな大勢で一緒に寝ることは人生において最初で最後になるでしょう。本当にいい思い出になると思います。引率の先生たちはみんな、部屋ごとに分かれて、全員の子どもたちが眠るのを見届けてから、就寝しました。特に女性の先生方には十分に休んでもらえず申し訳なかったです。

 

2日目は、「びわ湖」について学び、考える「びわ湖学習」がメインの活動でした。びわ湖の水や水道水の透明度(透視度)調査、魚の観察、プランクトン顕鏡、湖底の観察、プラスチックごみ調査、びわ湖の漁業と食文化の6つのテーマ学習にローテーション方式で取り組みました。びわ湖の現状や課題について、新たな発見や気づきのある価値ある学習になりました。

 




私(校長)は今まで10回以上フローティングスクールに同行していますが、いつもいつも思うことがあります。フローティングの最大の魅力は、普段の生活では絶対できない「びわ湖側からふるさと滋賀を眺められる」という貴重な体験ではないかと・・・。沖の白石や多景島を間近に展望できることや、びわ湖から見る鈴鹿や比良の山々の連なり、そして伊吹山。甲板の凛とした空気の中で眺める朝焼け・・・。びわ湖越しに見るそれらの風景は、滋賀の宝物です。感動するくらい本当に美しいです。



 

私(校長)の願いは、子どもたちに「びわ湖」や「ふるさと滋賀」を素敵だと思ってほしいこと。びわ湖や滋賀をめいっぱい好きになってほしいこと。そして、誇りに思ってほしいことです。

日本一大きな湖「びわ湖」・・・周りの山々からは460本ほどの川が琵琶湖に流れ込んでいます。びわ湖の水は、私たちの大切な命の水となっています。そして、瀬田川から宇治川へ、最後は淀川となって、大阪湾に流れ出ていきます。びわ湖の水は私たち滋賀県だけでなく、京都や大阪の人たちの大切な水、近畿1,300万人の「水がめ」となっています。そんなすばらしいびわ湖がある滋賀県に住んでいることは、私たちの自慢であり誇りです。それと同時に、我々滋賀に住む者には、この母なるびわ湖の美しさを未来永劫守っていく責任があります。大切なびわ湖を「預かっている」という認識を持つことが大切だと思います。大げさに言えば、その「誇り」と「責任」を感じるために、「うみのこ」フローティングスクールはあると思っています。

2日目は、木枯らしを思わせる「北西からの強い風」が吹きました。予定の航路を行くと強風を真横から受けることになり、船が大きく揺れるため、航路を変更し、長浜から一旦マキノ方向に北上し、湖西の岸を舐めるように南下し、途中白髭神社を展望し、琵琶湖大橋港へと船を進めていただきました。船長さんはじめ、船員さんやフローティング所員の子どもたちに対する「安心・安全」の意識と心遣いには感謝しかありません。

最後に、2日目の最高気温は12~13℃にしか上がらず、大変寒い日になりましたが、朝の空気の冷え込みと温かな湖面(湖水)との大きな「差」のおかげで、びわ湖の湖面に蜃気楼を見ることができました。長いフローティング経験の中で初めて見る「自然の奇跡」でした。最後に、蜃気楼の写真を載せておきます。びわ湖の水面から少し浮くような形で、どこかの街並み?木立の風景が見えています。

 

 


16:15
2024/11/11

「芸術の秋です!~校長の図工作品解説シリーズ③~」

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先週は、フローティングスクールや出張等、学校を留守にする日が多かったので、3日ほど校長ブログが途絶えてしまいました。今日からまた毎日更新を目指したいと思いますので、よろしくお願いします。「校長の図工作品解説シリーズ」も3回目。今回は高学年の平面作品の紹介です。

まずは、5年生の作品です。

 

「銀河鉄道の夜」の世界を描いた作品です。主役となる機関車をしっかりと描き、背景は幻想的、ファンタジックな宇宙を表現しています。背景の描くのに「スパッタリング」と言われる、目の細かい金網を歯ブラシ等で扱いて、絵の具を飛沫状に飛ばす技法を使ったり、「タンポ」を使って機関車の煙や輝きを表現したりしています。

5年生ですから機関車の重厚感のあるメカニックな部分はしっかりと描きたいところです。特に「車輪の部分」もしっかりと丁寧に描くことで迫力や躍動感が出ています。どうしても「寒色系」の色ばかりになりがちなので、そこにどう「暖色系」・・・黄、橙、赤、茶等を入れていくかが大事なポイントで、「機関車のヘッドライト」や「窓」に暖かい色を入れたり、機関車の一部分に暖色のラインを入れたりするとうんと絵が明るく、生き生きとしてきます。また、背景の色数が少ないので、「スパッタリング」の技法で、ピンクや紫色の「天の川」的なものを入れたり、綿棒を「タンポ」にして、橙や黄緑の「星雲」的なものを入れたりすると、銀河(宇宙)の世界がより幻想的でファンタジックなものになるような気がします。

最後は6年生の作品です。6年生はタブレットPCを持ち帰り、自分のお気に入りの風景を撮影して、その写真を見ながら風景画を完成させました。



私(校長)が若い時は、図工の授業時間数がもう少し多くて、一年に一回は必ず「写生会」をして、じっくりと時間をかけて風景などを描いていたのですが、「総合」や「外国語」などの新しい教科も入ってきた今、図工の時間数は減ってしまい、時間をかけて「写生」するような学習はしにくくなりました。逆に、ICTの活用が進み、理科の観察記録や、図工の描きたい「被写体」探したり、撮ったりする場面ではタブレットが活躍するようになりました。


さて、6年生の作品ですが、どれも大変丁寧に描かれていて、また水彩絵の具のよさである「透明感」のある着色ができているので、とても美しい作品に仕上がっています。

こういう作品づくりをする時に、一番気をつけなければならないのは、「自分の好きな風景」を写真に撮る時です。

「何が絵の主役なのか。」=「自分は何に心を惹かれたのか」、「何を中心に描きたいのか」が明確になってないと、「なんとなくきれいだけど、どこを見ていいかわからない」作品になってしまいます。一番分かりやすい構図の取り方は、「一番描きたいもの=近景(大きく)と、中景、遠景(小さく)」を取り込むような構図にすると、主役がはっきりしますし、画面に奥行きも出ます。「あれもこれも写真に取り込みたい。」と欲張ると結果的に、主役のぼけた平面的な寂しい絵になってしまいがちです。

「永源寺」を描いた作品は、永源寺の「静寂さ」を表そうとする作者の意図がはっきりとわかるので、これといった主役はないのに、心が惹きつけられる作品になりました。淡くて陰影のある着色が秀逸です。次の「神社」の作品は、神社の荘厳な雰囲気に、参拝する家族を取り込むことでとても温かな雰囲気を醸し出しています。もう一つの「神社」の作品は、神社の「歴史と美しさを感じる細工彫り」の部分に心惹かれたことがよくわかります。描きたいもの(主役)が明確になった作品だと思います。

高学年になると、子どもたちも「絵のうまさ」=写実性に関心が行きがちになりますが、「絵の主役」が引き立っている作品や「描きたい思い(気持ち)」が伝わってくるような作品がやっぱりいいなあと思います。

保護者の皆様、学習参観日に子どもたちの力作をじっくりと見てあげてください。


14:32
2024/11/05

「芸術の秋です!~校長の図工作品解説シリーズ②~」

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11月に入り秋らしい日が続いています。今週は明日から5年生のフローティングスクールがあるので、なんとか安定した「秋晴れ」を期待したいところです。

前回から始まった「校長の図工作品解説シリーズ」。今日は中学年の作品を紹介したいと思います。

 


最初は3年生の作品です。ネットの生きもの図鑑等を参考にしながら、「好きな虫をドカーンと描いてみた!」的な作品づくりです。絵の「主役」がはっきりしていますから、そこは細部までしっかり描きこんで、色付けも丁寧にしていきたいところです。難しいのは背景の処理です。主役の虫は図鑑を見てしっかり描写しましたが、その虫を「どんなところ(世界)」に置くのかは、子どもたちの想像力にかかっています。あまり具体的なものを、あれこれと欲張ってがっつり描きこむと、せっかくの「主役」がぼけてしまいます。主役が引き立つように考えながら、水彩絵の具のよさを生かして、透明感のある背景に仕上げたいところです。写真の絵は、下手をすると画面を汚してしまう「黒色」を使いながらも他の色とのバランスを考えて、すっきりと楽しい世界を描いています。何よりも「主役」がしっかり主張できているのがいいなと思います。

 

次は4年生の作品です。「虫眼鏡を覗いてみたら・・・」みたいなテーマでしょうか。私(校長)の経験則ですが、中学年の発達段階として、「細かなものを、画面を敷き詰めるようにいっぱい描きこむ」というのが得意な特性があるような気がします。根気よく、丁寧に描きこんで、自分の世界を広げていくというようなイメージです。そういった意味で、写真の作品は、その特性をうまく活かせた作品だと思います。思わず虫眼鏡の中の世界をじっくり覗き込みたくなります。そして、たくさん描きこまれた小さな一つひとつをじっくりと眺めていると、子どもたちが楽しんで「虫眼鏡の中の世界」を描き広げていった気持ちがよく分かります。また、4年生ですから「虫眼鏡」の描写や、それを持つ「手」の描写は、稚拙にならないようにしっかりとよく見て描きたいところです。

子どもの絵の作品というのは、描きたいもの=「主役」が、“ば~~ん!”と明確になっているものが迫力があって素敵だと思いますし、子どもが楽しみながら描いている風景や気持ちが見えてくるような作品が「子どもらしく、子どもにしか創れない」魅力的な作品だと思います。


14:26
2024/11/01

「芸術の秋です!~校長の図工作品解説シリーズ①~」

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ハロウィンの時期も過ぎ、今日から11月「霜月」に入りました。季節はすっかり秋らしくなり、今学校は図工の作品づくりの時期を迎えています。まさに「芸術の秋」真っ只中という感じです。教室や廊下の掲示板には、子どもたちの図工平面作品が貼られ始めています。

そこで、これから何回かに分けて各学年の子どもたちの作品づくりのポイントを私(校長)なりの解釈で解説していきたいと思います。

今日は、まず1年生の作品を紹介しましょう。


先日のブログでも紹介しましたが、「鼻の孔」から描き始めた運動会の絵です。どうですか、この迫力!運動会での「全力ぶり」が伝わってきます。クレヨン(クレパス)も力強くしっかり塗り込めて、いい作品に仕上がったと思います。

 次は同じく1年生の「ふしぎな世界の列車」?みたいなテーマの絵でしょうか。とても色鮮やかに、楽しい世界が描けています。1年生の子どもたちは、園時代にスタンピング(はんこあそび)やローラーを使った色遊びなんかをたくさん経験していいますから、しっかりとその辺のスキルは身につけています。その経験を存分に生かして、さらに列車は「スクラッチ」の技法を使って、黒色でしっかりと列車を描くのと同時に、不思議な世界の色とりどりの美しさを見事に表現できました。とっても楽しみながら絵を仕上げていった子どもたちの思いが伝わってくる秀逸作品です。

 

 

 

 

 次は2年生の作品です。

 


 2年生は、電車で出かけた校外学習の様子を絵で表現しました。あっさりとしたスケッチ的な作品ですが、それらの作品には子どもたちの様々な思いがこもっています。駅見学で見つけた電車やホームの「ひみつ」…例えば「点字ブロック」や「乗降位置のマーク」、「電車のヘッドマーク」などが、印象に残ったのでしょう。そのことをしっかりと伝えようとしています。また、「みんなで電車に乗ったんだ!」という気持ちをたくさんの子どもを描くことで表現しようとしています。子どもたちの「思い出」がいっぱい詰まった図工作品…個人的に私(校長)は大好きです。

 

 最後に、付録として…

 いつも季節に合わせた素敵な「書」や掲示物を作ってくださっているH先生。H先生の教室の前には、子どもたちの「これぞ秋!」というような美しい、また美味しそうな作品が飾られています。本当にセンスが良くて見入ってしまいます。次回は中学年の作品を紹介します。

 

 

 


13:06
2024/11/01

「いつもと違う朝の風景~ひとりの大きさ~」

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ここ2,3日、朝一番早く学校に来るのが私(校長)になっていて、警備システムを解除して学校に入るところから一日が始まります。普段は労務員のKさんが、6時半には学校に来て警備を解除し、学校の朝の支度をいろいろとしてくださっているのですが、事情があって連休明けまでお休みされているので、結果として、だれか他の職員が学校に来るまで学校は閉じたまま、眠ったままになっているということです。

日頃は、毎朝学校に出勤すると学校はすでに開いていて、子どもたちを迎えるために昇降口や校門がきちんと開けられていて、職員室にたくさんあるゴミ箱は全部空っぽになっていて、校舎の周りはゴミひとつない状態に整っていて、そして、私(校長)の机には、当たり前のようにその日の新聞が置かれていて…。そんな風景が毎日の「当たり前」だったのですが、Kさんがお休みされるとそのすべてが止まってしまいます。そしてようやく「そのことを誰かがやらないと、学校の一日が始まらない。」と気づかされます。


13:03
2024/10/31

「大切な権利、大切な自分を守る!~3年生CAPプログラム~」

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今日は3年生がCAPプログラムを行ないました。

CAP(キャップ)とは、「Child Assault Prevention=子どもへの暴力防止」の頭文字をとってそう呼ばれています。子どもがいじめ・虐待・体罰・誘拐・痴漢・性暴力など様々な暴力から自分の心とからだを守る暴力防止のための予防教育プログラムです。本校では、毎年、CAPスペシャリストの寺井さん、高橋さん、鶴野さんの3名にお世話になりながら、この参加体験型プログラムを実施しています。

 

このプログラムは、ロールプレイ部分と話し合い(振り返り)の部分に分かれています。最初に「権利」(基本的人権)について学びました。「生きるためにどうしても必要なもの」…食べること、寝ること、トイレに行くこと、家があること、愛情をかけてもらうこと…、子どもたちが考えた「権利」の中で、“子どもの特別に大切な3つの権利「Safe(安心)、Strong(自信)、Free(自由)」について学びました。

「大切な自分の権利」(人権)について学んだ後、特別に大切な3つの権利安心・自信・自由を奪われる寸劇(ロールプレイ)を見たり、自分たち自身もロールプレイに参加したりしながら、その後話し合い、権利を奪われたときの気持ちや、その権利を守るために何ができるかを一緒に考えていきます。

 

CAPプログラムを見ていると、いつも思います。

「子どもをあらゆる暴力から守る」、「子どもの人権を守る」というのは、それは確かに「大人の責務」であることに間違いないのですが、それだけではなく、子どもたち自身に「大切な自分を自分で守る」という意識や力を育てることが大事だなと感じさせられます。

「子どもは大人が守るべき弱い存在」とみるのではなく、「子どもは無力で何もできない」と考えるのではなく、子ども自身の問題を解決する力を信じ、その内なる力を活性化(エンパワメント)させてあげることが大事なんだなと思います。自分の大切さを知り、大切な自分を守るための行動の選択肢と、それを使って自分を守ろうとする意志が働くことで、心とからだを傷つけること(暴力)から自分を守ることができます。

今日のCAPプログラムを通じて、子どもたちは、ただ「いやっ!」と言えることも、友だちや周りの大人に相談するということも、それらはすべて「大切な自分を守る」有効な手立てなんだと気づいてくれたと思います。これからも、子どもたち自身が、自分は大切な存在と思う感覚(人権意識)をもち、自分に迫る危険な状況を「いやっ!」という感覚で察知し、その危険な状況から自分を守るための行動の選択肢「No(イヤという)」「Go(その場を離れる)」「Tell(誰かに話す)」が選べるようになってほしいと思います。


14:51
2024/10/30

「引き渡し訓練 ~いざという時のために~」

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今日は、不審者が学校に侵入したという想定の避難訓練と、その後不審者(危険人物)が学校周辺(校区)になお潜伏しているという想定で、保護者への引き渡し訓練を行いました。

不審者対応訓練としては、玄関から不審者が侵入したと想定して、警察への通報、退去を求める対応や教室に近づけない対応について訓練を行いました。

 

子どもたちは、教室に鍵をかけ、できるだけ出入り口から離れたところで、静かに息をひそめるようにかたまってじっとしている行動をとります。

 

不審者を校舎から追い出し、校舎内の安全が確認できたところで、二次避難として全児童体育館に避難します。その後、保護者の皆さんに、「引き渡し」の連絡(メール)を配信し、引き渡しへと進めていきます。

引き渡し訓練とは、子どもたちが学校にいる時に地震などの大きな自然災害や事件などが起こった時を想定して行う訓練です。もし、子どもが学校にいるときに自然災害や事件が起こったときは、保護者に学校まで来ていただき、学校側は安全に子どもを保護者に引き渡さなければいけません。

非常変災はいつ、どんな形でやってくるか分かりません。今回は「不審者から子どもを守る」という想定なので、主に自動車で迎えに来ていただきましたが、これが大地震で道路が使えなくなるという事態なら徒歩で迎えに来てもらわなければなりません。

 

学校としては、今回の引き渡し訓練で、「駐車場の少ない本校で、果たしてスムーズに自動車による引き渡しに対応できるのか。」、「一度にたくさんの保護者が来られた時に、体育館においてスムーズな引き渡しが行えるのか。」…事前に段取りや役割分担をしていても、実際にやってみないとどんな事態になるか分からない…そんなことについてしっかりと検証しておく必要があると考えて実施させていただきました。

 

ある程度予想していましたが、思っていた以上に道路は渋滞し、運動場での誘導もうまくいきませんでした。学校の対応のまずさにご立腹された方も多かったのではと思っています。大変申し訳ございませんでした。しかし、やってみて初めていろいろな問題点が浮き彫りになったので、これらのことを今後の「引き渡し訓練」等に生かしていきたいと思いますので、どうぞご容赦くださいますようお願いいたします。

保護者の皆様にはお忙しい中、仕事等の都合をつけていただき、引き渡し訓練に参加いただいたこと、深く感謝申しあげます。また、各地区の民生委員児童委員さんにも、徒歩で帰る子どもたちの引率などで大変お世話になりました。本当にありがとうございました。


17:02
2024/10/29

「緊張する~!でもがんばった!~5年生研究授業~」

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今日は、東近江市の「三方よし学力向上プラン」の研究指定を受けて、本校を代表して5年生のT先生がたくさんの先生方の前で国語科「注文の多い料理店」の授業を公開してくれました。参観するのは、市内小学校の研究主任の先生や教育委員会の先生たち、そして講師には東京から大学の先生も招聘しています。大変大きな研究授業なので、いつもの教室では、参観者が入りきりません。そこで今回は体育館の軽運動室を教室にして、国語の授業を行いました。

 


授業を提案するT先生はもちろん緊張していますが、大勢の大人に囲まれて授業を受ける子どもたちはもっと緊張しています。「大人だらけやけど、大丈夫やでぇ~。いつもどおり頑張りや~。」、「T先生が緊張してるから、みんなの方が助けたってや~。」などと子どもたちに声をかけながら授業を迎えました。

 


T先生も子どもたちもいつも一生懸命頑張っていますから、緊張のせいでその頑張りが参観する先生たちに伝わらないと残念だなあと心配していましたが、心配無用でした。子どもたちはとても集中していて、自分ひとりでワークシートに向かったり、友だちと意見を交流し合ったりしながら学習を進めていきました。

今回、T先生が提案したかったのは、自分ひとりで課題に向かう「個別最適な学習」と、友だちと交流しながら、考えを比較したり、深めたりする「協働的な学習」を、それぞれの子どもたちが自由に行き来しながら学びを深めていくという授業のスタイルです。つまり、「学び方」を自分で選択しながら学習を進めるというものです。いつも前向きで創造的なT先生の授業づくりへの努力の姿勢にはいつも感心させられます。

 公開授業の後は、参観者が集まって今日の授業について研究協議を行いました。今日の授業について、その成果と課題をみんなで追究していきます。子どもたちが知らない先生たちの「よりよい授業づくり」のための努力の風景です。熱心に論議する北小の先生たちの研究会の風景は、私(校長)の自慢の一つです。

 

T先生と5年生の子どもたち、今日は本当にお疲れさまでした。先生たちのいい学びになりました。


19:25
2024/10/28

「ひとつの花 ~4年生国語~」

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今日は、4年生のG先生が国語の研究授業を公開してくれました。単元(題材)は「ひとつの花」。昔から教科書にある物語教材です。

だれでも小学校の時の「物語教材」は、大人になっても、印象深くずっと心に残っているものです。人によって好みは違うと思いますが、「ごんぎつね」とか「スイミー」とか…昭和世代なら、「スーホの白い馬」とか「石うすの歌」なんかも忘れない物語です。

今回の「ひとつの花」も昔からある教材で、戦時下での家族の愛情や願いを描いた作品です。簡単にあらすじを紹介すると、

 

…幼い少女・ゆみ子の口癖は「ひとつだけちょうだい」でした。戦争が激しい時代で、食料不足であり、ゆみ子の両親は育ち盛りの彼女にお腹いっぱい食べさせたくても食べさせてあげる事ができず、いつも「一つだけよ。」と言って聞かせていました。いつしか「ひとつだけちょうだい。」がゆみ子の口癖となり、「ひとつだけちょうだい。」と言えば、何でももらえると思っているのでした。

そんなある日、ゆみ子の父にも召集令状が来て出征することになりました。出征の日、見送りに来たお母さんとゆみ子。ゆみ子はお父さんのカバンの中にはおにぎりが入っていることを知っていました。それはお母さんが出征するお父さんのために家に残っていた貴重なお米で作ったおにぎりだったのですが、ゆみ子のいつもの「ひとつだけちょうだい。」が始まるのでした。ゆみ子はおにぎりを一つ食べた後も、何度も「一つだけ。一つだけ。」とねだり、とうとうお父さんのおにぎりを全部食べてしまいました。ゆみ子はその後もおにぎりを「ひとつちょうだい」とねだりますが、もう彼女にあげるおにぎりはありません。ゆみ子は機嫌を損ねて泣き出します。

困ったお父さんは周囲を見渡し、ホームの端に忘れ去られたように咲いた一輪のコスモスの花を摘んでゆみ子に渡しました。「さあ、一つだけあげよう。一つのお花、大切にするんだよう…。」と言ってお父さんは汽車に乗って出征するのでした。

10年後、お母さんと2人暮らしのゆみ子は成長して家の手伝いをするしっかり者の女の子になっていました。今日も元気におつかいに出かけるゆみ子の姿がありました。彼女が暮らす家の庭にはコスモスの花がたくさん咲いていました。

 

子どもたちはそれぞれに学習課題をもって、物語の叙述(言葉)から登場人物の心情を読み取っていきます。例えば、「お父さんはなぜ、一輪のコスモスをゆみ子に手渡したんだろうか。」という課題に対して、お父さんの気持ちがわかる(気持ちを表す)を文章の叙述から抜き出し、その心情について自分でまとめていきます。プリント(ワークシート)に自分の考えが書けたら、それをタブレットで撮影し、タブレットの共有アプリ「Padlet」を使って、それぞれのプリントを閲覧できるようにします。子どもたちは、自分と同じ課題に取り組んでいる友だちのプリントをタブレットで見ながら、自分の考えやその根拠になる叙述などについて、比較したり、参考にしたりしながら、さらに考えを深めていきます。

「自分で学習課題を選択して、いろんな情報を手掛かりにしながら、自分で解決していく」という『個別最適な学習』と実際にグループや全体で考えを交流したり、一緒に考えたりする『協働的な学習』の二つの学習を、子どもたちは自由に行ったり来たりしながら学習を進めていました。

 

今、求められている授業像は「子どもたちが主体的に、夢中になって課題に向かう授業」です。そのために「個別最適な学習と協働的な学習が一体化した授業」や「ICTを有効的に活用する授業」について研究を進めています。そういう意味において、今日のG先生の研究授業はよく考えられた授業で、子どもたちは主体的に学習に向かっていたと思います。私(校長)はICTがとても苦手なので、タブレットPCをささっと使いこなす若い先生たち(気の若い先生たちも含む)や子どもたち自身に置いてきぼりを食っていますが、学習のスタイルは明らかに変わってきているなと感じています。

 

「さあ、一つだけあげよう。一つのお花、大切にするんだよう…。」の言葉を最後に、お父さんは出征し、そのまま帰らぬ人となります。『ひとつだけあげよう』、『大切にするんだよ…』という言葉の意味、そしてお父さんの思いを、子どもたちはどのように考えてくれるでしょう…。

戦争にまつわる物語教材は、文章だけでなく、当時の状況や生活についてもきちんと理解しないと、登場人物の思いや、作者の意図(主題)に迫り切れません。

石垣りんの詩「弔辞」の中でおっしゃっている言葉、

『戦争の記憶が遠ざかるとき 戦争がまた 私たちに近づく』が再び頭をよぎります。「ひとつの花」は、国語の学習ではあるのですが、とてもとても大切な「平和学習」でもあると思います。

「かわいそうな象」、「ちいちゃんのかげおくり」、「ひとつの花」、「石うすの歌」などなど・・・改めてじっくり読んでみたくなりました。


16:48
2024/10/23

「将来の自分を描く ~6年生キャリア教育『夢訪問』~」

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 運動会の余韻に浸っている間もなく、各学年、次の学習や行事に向けて取り組み始めたところです。6年生は、毎年この時期に、「自分の将来や職業に対する関心を高め、これからの自分の生き方を考える」キャリア教育の一環として、あらゆる分野のプロの方を講師に招き、お話を聞く機会を設けています。その職業の概要ややりがい、苦労、そしてその方の職業に対する思いや生き様について、直接お話を伺うことで、自分の職業観を高め、仕事(職業)に対する憧れや目標をもつことで、これからの自分の生き方を考えるための学習です。何も今、自分が目指す「職業」を決めるということではなく、「仕事というものは、何のためにしているのか」、「その仕事のやりがいや社会における役割は何なのか」、「その職業に就くためには、どんなことが必要なのか」…などなど、いろんな分野の方にお話を伺う中で、自分の中の職業観、つまり「自分がこれから働くということ」を少し具体的にイメージする機会になればと思います。


第1回「夢訪問」のゲストは、東近江警察署八日市駅前交番 河原さんの「警察官として自分」について、自ご自身の人生も振り返りながら丁寧に話していただきました。

「市民(国民)の生命・身体・財産を守るのが、警察官の使命です!」…話の冒頭に、一番大切な「警察官の使命」について、話してくださいました。

テレビなんかを見ていると、警察=刑事、「犯人を捕まえる」みたいな印象が強くなりますが、交通安全やネット被害防止、獣被害対策、認知症患者の捜索等々、「市民を守る」仕事は多岐にわたることがわかりました。

仕事というものは、単に「お金を稼ぐ手段」だけなのではなく、自分自身のやりがい(充実感)や他者や社会への貢献(有用感)を感じてこそ一生懸命働けるということを、子どもたちは感じてくれたと思います。

「夢訪問」では、これからいろんなゲストに来ていただく予定をしています。たくさんのプロの方の話から、子どもたち一人ひとりの中に、「それって素敵…。私もそうなりたい…。」というような、憧れや目標が生まれることを願っています。「夢訪問」については、またブログで報告します。

 

<追伸>本日午後より私(校長)は徳島に出張に出なければならないので、ブログの再開は来週28日(月)になります。


12:43
2024/10/22

「心の扉を開こう~みんな知って こんな私です~」

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本校の学校教育目標は、「豊かな心と学ぶ力をもち 共に活きる子どもの育成」です。少し言葉が硬いので、子どもたちには「みんなが楽しい!八日市北小学校」というスローガンにして目標を伝えています。この学校目標にある3つの大切なこと…「豊かな心」=「人権尊重の心」と「学ぶ力」=「確かな基礎学力と、自ら学ぶ意欲」、そして「共に活きる」=「互いを理解しあい、支え合う力、自治能力を養い、主体的に社会(集団)に参画する力」…、これらの力を育むために日々、教育活動を進めています。

大切な3つのことを確実に、そしてバランスよく育てるために、本校では教職員を3つのチームに分けています。「心づくり」チーム、「学びづくり」チーム、そして「仲間づくり」チームの3つです。それぞれのチームが、本校の子どもたちの現状や課題に沿って、「心」と「学び」、そして「仲間」をつくる取組を全校的に進めるプロジェクトを展開しています。

今日紹介する「心の扉を開こう~みんな知って こんな私です~」いう取組は、「心づくり」チームが計画してくれたプロジェクトです。

 

チームリーダーを務める4年生担任のK先生の学級通信に、このプロジェクトの目的等が明確に書かれていたので、引用させてもらいます。

 

<4年生の学級通信より引用>

『運動会という大きな行事を終え、子どもたちは大変成長しました。個々の成長はもちろんのこと、学級・学年集団としてもまとまりがでてきました。子どもたちは、全員で大きな山を乗り越えたことでお互いを認め合い、関係性を深めることができたように思います。

 このような時期をさらに成長できる好機と捉え、全校で人権の取組「心の扉を開こう」を始めました。

 本校では、毎年、11月後半から人権に関わる取組を行って「他者理解」に努めていますが、今回は自分から「私は、こんな人間なのです」というふうに自分のことをみんなに知ってもらう取組を始めました。自己開示のテーマとして「私がすきなもの・お気に入りのもの」「得意なこと・がんばっていること」「将来のゆめ」「休みの日や自由な時間によくやること」「おすすめのものや場所」「わたしのヒミツ」の6つがあります。子どもたちは『これならみんなに教えてもいい』というものを選んでカードに書き、自分の写真の下に貼ります。1枚だけの子もいれば、10枚くらい書いた子もいます。廊下を通る他の学年の子どもたちも、立ち止まって見入っています。ここから次の人間関係が広がり、深まるといいなあと思っています。 』

 


毎年、12月の「人権週間」を中心に、人権に関わるいろんな取組をしていますが、K先生が言うように、どうしても「他者理解」の視点が中心になりがちです。「相手の気持ちを考えよう」や「友だちのいいところを見つけよう」というような取組を積み重ねてきています。

しかし、「共に活きる力」を育むためには、「自分を開くこと」=「自己開示する」「自分発信ができる」を大切にすることで、より「自己理解」や「相互理解」が進むと考えられます。

「私がすきなもの・お気に入りのもの」…ぐらいの軽い「自己開示」をきっかけに、「自分を知ってもらうこと」、「自分をわかってほしいこと」が発信できる子どもたちの心や、互いの仲間関係が育つといいなと考えています。

「私を見て!」「私を分かって!」というポジティブな発信だけでなく、苦しくてつらい時に、「苦しい」、「助けてほしい」などのHELPが発信できる子どもたちになってほしいと願っています。


12:48
2024/10/21

「『見えないこと』が多い今の時代だから」

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今日は朝からダイハツ工業さんから8名ものスタッフ(職人さん)が来てくださって、体育館を使って、自動車の製造工程を実際に体験しながら学べる出前授業「ダイハツものづくり体験教室」をしてくださいました。教科書では伝えにくい製造工程の原理を、実物の部品や工具を「見て」「触って」「使って」もらって体験できるので本当に「生きた学習」になります。

鉄板を500tの圧力でプレスして、車のフレームやパーツを作る「プレス工程」については、アルミ箔を金型にはめてプレスすることによって、プレスの原理を理解しながらパーツ作りを体験しました。

車のボディを塗装する「塗装工程」では、実際のスプレーガンを使って、車のドアを塗装する体験をしました。(吹き付けるのは塗料でなく水ですが…)

 

部品の「組付工程」では、実物のタイヤを、インパクトドライバーを使って組み付けました。

 

そして、「組付工程」の流れ作業(ライン作業)は、レゴブロックを使って、流れ作業で順に自動車を組み立てていき、製品検査も行う体験をしました。時間内に決められた部品を組み付け、次の担当に送る担当、部品が切れないように、部品を管理し補充する担当、出来上がった製品を検査する担当に分かれて、作業をしました。チームワークが問われる仕事です。一人でも間違ったり、遅かったりすると全体のラインが止まってしまいます。各自の仕事がそれぞれ責任重大です。
 

 

「ものづくり」と、あえてひらがなで書くことに大きな意味があると思っています。「ものづくり」=「製造業」ではないと考えます。生活に必要だったり、生活を豊かにしてくれたりする「もの」をつくる大切さや、それをつくる人の思いや願いも含めて「ものづくり」、「こんなものがあったらいいな…。」と願う想像力や、「もっとこうできたらいいな。」という改善意欲も含めて、みんな「ものづくり」なんだろうと思います。

 

「もの」があふれていて、「完成品」で埋め尽くされている今の時代。何もかも便利で気軽にできる時代ゆえに、「もの」の向こう側にある「大切なもの」が見えにくい時代でもあるような気がします。だからこそ「ものづくり」体験を通して、「もの」にじっくり触れ合い、その向こうにある「人」「努力」「願い」「夢」なんかを、しっかりと感じ取ってほしいなと思います。


14:28
2024/10/18

「電車でGO! ~2年生校外学習~」

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<10月17日(木)分です。昨日はサーバーエラーでアップできませんでした。楽しみにしていただいていた方々、申し訳ありません。 ホームページ担当より>

 今日は、2年生と電車に乗って、五個荘に行ってきました。私(校長)の「お天気男パワー」完全復活で、朝から快晴、むしろ暑いぐらいのお天気でした。


 学校を出発し、近江鉄道八日市駅に向かい、駅見学をした後、電車に乗って五箇荘駅へ向かいます。五箇荘駅についたら再び駅見学をし、その後は五個荘中央公園に行って、みんなでお弁当を食べて、めいっぱい遊びました。

朝、八日市駅に向かう2年生。グリーンベルトや歩道を歩くマナーはなかなかお利口さんです。何回も注意しなくても、みんなきちんとしています。

個人的には、やっぱり八日市駅はとても芸術的で美しい駅だと思いました。さすが映画「君の〇〇を食べたい」のロケ地になるだけはあります。

2年生は、生活科で「みんなでつかうまちのしせつ」というテーマで、公共交通機関について体験的に学びます。今日は「電車・駅」を学びます。旅行や買い物等で、家族で電車を利用することはあっても、自分で切符を買ったり、駅のしくみや工夫について、主体的に考えたりすることはないと思います。今日は実際に自分で切符を買ったり、駅の秘密について自分で見つけたり、駅員さんに聞いたりしながら、公共交通機関の役割や、利用する側のマナー等について体験的に学びました。

 

校外学習のしおりは、2年生にしてはボリューミーです。駅長さんから聞いた話をメモするページ、「謎解き」のように、しおりに書かれた「お題(ミッション)」に対して、自分で「ひみつ」を見つけ出し、解いていく形になっています。2年生の子どもたちの感心するところは、どんどん文字(文)が書いていけるところです。日頃から何の教科でも「書くこと」を大事に、「書くこと」の積み上げができているので、書くことに抵抗が少なく、どんどんしおりを「文字」で埋めていきます。確かな力をつけてくれていることをとてもうれしく思いました。

みんなで一緒に電車に乗る機会もそうそうないでしょう。今日は1両をほぼ「貸し切り状態」にさせてもらえました。近江鉄道ならではの、少し大きめの「ガタン、ゴト~ン、ガタン、ゴト~ン」の音と、車両の揺れがなんとも心地よく感じられました。今日は北小の子どもたちのために、特別に電車の昇降時は、すべてのドアを開けていただきました。

 

五個荘中央公園では、家族の愛情のこもったお弁当を楽しく美味しくいただいて、その後は元気いっぱい全力で遊びました。結構長い時間でしたが、誰も大きなけがをすることなく楽しく遊べて何よりでした。

ほとんどの子どもたちは、大型遊具を楽しんでいましたが、一部の子たちは遊具には見向きもせず、公園内に流れている小さな小川で、水を堰き止めようと何やらいろいろと試していました。どうやら国語で習っている「ビーバーの大工事」というお話で、ビーバーが懸命にダムをつくることが心に残っているようで、公園内の葉っぱや小枝、小石などをいろいろ持ち込んでダムを造ろうとしています。


「あかんなあ、石を置いても流されるわ…難しいなぁ。もっとたくさん石置かなあかん。」

「けっこう水冷たいなぁ、ビーバーは一回潜ったら15分ぐらい潜ってるって、すごいな。」

子どもたちの会話を聞いていると、国語の学習と目の前の遊びがリンクしていることが感じられて、とても楽しませてもらいました。

途中、竹の笹で「笹舟」を作ってあげたら、男の子も交じって小川で何回も「笹舟競争」を楽しんでいました。「校長先生、ぼく(わたし)にも笹舟作って~。」と何人もがおねだりしてきました。本当は「校長先生、笹舟の作り方教えて~!」と言ってほしかったのですが…。もっともっと子どもたちの「自分でチャレンジする!」という気持ちを育てないといけないなと改めて思いました。

 

全員、元気に八日市に帰ってこられて何よりでした。いっぱい歩いて、いっぱい学んで、いっぱい遊んだ一日、暑さもあってかなり疲れたと思うので、今夜は早めに休んでほしいなと思います。

 

明日は、朝から一日学校を空けますので、次の校長ブログは来週になります。今週もだらだらと長いブログを読んできただき、ありがとうございました。



14:08
2024/10/16

「道徳という勉強 ~1年生 ひつじかいのこども~」

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今日は、2校時に1年生の道徳の授業を参観に行くことになっていたので、そのことをブログに書きます。2日連続1年生ネタになりますがお許しを…。

高学年の子どもたちや中学生に、「道徳の勉強は好きですか?」と聞くと、結構な割合で「あんまり好きではない。」と返ってきます。「どうして、きらい?」と聞いて、「だって…分かり切っていることを、わざわざ時間かけてやるから…。」と返ってきたとしたなら、残念ながらそれは、その子が今まで受けてきた授業が「ちゃんとした道徳」ではなかったということ…。道徳の授業がまずかったというしかないと思っています。

以前ブログに書いた気もしますが、道徳という勉強の目的は、「よく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。」です。「道徳的価値」を学ぶ勉強ではなく、すでに分かっている「道徳的価値」についてより深く考え、自分の生き方に生かす勉強です。教える教師側にちゃんとした「授業力(指導力)」と「子どもたちとの心の交流」がないと、なかなかこういう勉強にはなりません。

今日の1年生の道徳は、「ひつじかいのこども」というお話を使って、「正直・誠実」=「嘘をついてはいけない」という道徳的価値について考えを深めていきます。

「嘘をつくことは悪いこと」…1年生だって、そんなことはあたりまえにわかっています。道徳の授業では、この「わかっていること」を改めてじっくりと深く考えていきます。つまり、お話の人物の心情を考えていくことで、「どうして嘘はいけないのか。」「嘘をつくとどんなことがおこるのか。」「嘘をつかないことでどんないいことがあるのか。」などをどんどん掘り下げていきます。そうすることで、今まで単なるお題目だった「嘘をついてはいけない」が、「わかってるけど、なかなかそうできない人の気持ち(弱さ)があるよな…。だれだって逃げたい時や、調子に乗ってしまう時があるもの…。」と人間の弱さに共感したり、「でもやっぱり嘘をつくことは、結局は信用を失うことになるから、余計に自分の値打ちを下げることになる…。」と、「自分ごと」として正面から向き合ったりしながら、そんな思いの積み重ねが、自分の生き方を少しずつ決めることにつながっていきます。

「ひつじかいのこども」のお話は、誰でも知っているお話で、いわゆる「オオカミが出た~!」とほらを吹いて、村の大人たちを振り回すお話で、最後には本当にオオカミが出たのに、誰も助けてくれなかったというお話です。子どもたちは「村の大人たち」になったつもりで気持ちを一生懸命考えます。道徳では「〇〇さんだったら、どうする?どう思う?」とは質問しません。すでに道徳的な価値はわかっているのですから、「あなただったらどう思う?」と聞かれて、マイナスな心情(弱い部分)をさらけ出せるほど、人は強くありません。だからあくまで「村の大人たちはどう思ったんかなあ?」と問います。そうすることで、誰もが持つマイナスな心情も正直に出せます。答えているのは「村の大人たちの気持ち」ですが、その気持ちには「子どもたちの気持ち」が反映されているのです。

1年生はまだ「多くの言葉」を持ちませんから、気持ちを言葉に表すことはまだまだ苦手です。だから自分の気持ちの「位置」を黒板に名札を貼ることで表したり、「動作化」といって、登場人物になり切って演じたりします。そんな子どもたちの「動作」や「動き」を的確にとらえて、「〇〇さんは今どうして、走ったんかな?」とか「名札貼るのを迷ってたね…何と何で迷ったん?」などと、問い直すことで子どもたちの心情を拾い出していきます。この辺のところが教師の「プロの技」の部分です。T先生は、子どもたちの何気ない「つぶやき」や「動き」を確実に拾い、全体に広げていき、村の大人たちの心情の変化を子どもたちと共有していきます。T先生、さすが!お見事でした!

 

子どもたちの振り返りの言葉を見ると、「嘘をつくのは悪いこと」という道徳的価値を深く考え、「嘘をつくと、信じてもらえなくなる。」とか「ほんとうの時(いざという時)、来てくれない(助けてもらえない)から嘘はだめ。」という具合に、自分ごととして考えられるようになっていました。

「道徳の授業は、好きとはいえないけど、とっても大事な勉強だと思う…。」子どもたちがそう言ってくれるように、我々(教師)が腕を磨かないといけません。


14:31
2024/10/15

はい!まず鼻の孔(あな)を描いて⁉1年生 運動会を頑張った自分

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1年生担任のT先生が、にっこり微笑みながら「はい!まずは鼻の穴を描きます~!」とあっけらかんと言うもんだから、子どもたちの方が「鼻の孔から…?」ときょとんとした表情になっていました。

1年生の図工。今日は運動会を精一杯頑張った自分自身の顔を画用紙いっぱいに描きます。でもスタートは「鼻の孔」から…。子どもたちは「顔」を描くのに、まさか「鼻の孔」から描くなんてこと今までしたことがないのでしょう。頭が???のまま、それでも先生を信じて、おそるおそる描き始めます。

「鼻の孔が描けたら、鼻を描いて、その次は口です。まずは唇があるでしょう…それから歯も見えるね…。」実際に、子どもたちに鼻や口や目の形を自分で確認させながら、描き進めていきます。

 

はじめは、半信半疑の子どもたちでしたが、次第に思い切りがよくなってきました。「なんやこれ!気持ちわる~!」なんて言いながらも、描くのが楽しくなってきたのかどんどん笑顔になっていきます。

 顔を描くのに鼻から、つまり真ん中から描いていく…。一見、普通じゃないように思えますが、小学校の図工の世界では、昭和の時代からの「常識」です。「酒井式」と呼ばれる方法で、顔を描く時に、「鼻→口→目→眉毛→顎→輪郭→耳→髪の毛…」という順番で、中から外へ外へと描き進める方法です。この順番で描くことによって、どの子の絵も小さくならず、めいっぱい大きく、ダイナミックになっていきます。


 

そして、「酒井式」の大事なところは、子どもたちに顔のパーツをひとつずつ触らせて、形や大きさを確認させながら描かせるところです。「口には、唇があるね。」「目にはまつ毛が生えている。」「首の太さは、口の幅より広いねえ。」「髪の毛はどこから生えてきてる?」…きちんと自分の顔を触って、顔のパーツを確認しながら描き進めていきます。

そうすると不思議なことに、どの子の絵(顔)にも生命感というか、生き生き感があふれてきます。大きすぎて、頭なんかはみ出している絵もたくさんありますが、なんとも言えず「子どもらしい(=子どもしか描けない)作品」に仕上がっていきます。

子どもの絵というのは、描く対象に対しての「思い」やその時の「気持ち」がはっきりと現れます。目の前で見た「牛の大きさ」が印象的なら、牛の絵はめっちゃ大きく描きます。収穫したさつまいもがずしんと重い大きなものだったら、その絵も大きくずっしりしたものに自然となります。「見たまんま」「感じたまんま」が絵になります。

今回は、自分の顔を触りながら、顔をメインにどか~んと描いていきますから、当然腕や足を描くスペースはほとんどなくなります。でも子どもたちは、少しの空いたスペースに腕や足を、ねじ込んで描きます。曲がっていようが歪んでいようが、無理やり押し込みます。これがまた、子どもらしい「味」になって、素晴らしい作品が生まれます。子どもしかできない名人芸であり、神業です。
 

 最近は、タブレットがありますから調べたいことを調べたり、描きたいものの画像を検索して、それを画用紙に描き写すことが手軽にできるようになりました。しかし、タブレットにある画像を見て、それを画用紙に描くのは、単なる「描き写し」、所詮「2次元→2次元」ですから、そこにはなかなか「味」や「面白さ」は出てきません。やはり子どもの絵は、目の前にある「3次元」の本物を、その本物に対する「思い」も含めて、無理やり「2次元」の画用紙にぶち込むからこそ、「味」と「魅力」が生まれてくるのだと思っています。

 1年生の作品の仕上がりがとても楽しみです。きっと、めっちゃがんばった運動会への満足感も絵に現れてくるでしょう。


15:05
2024/10/11

「運動会のねうち ~競技や演技でないところで~」

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1週間も「延期」になってしまった運動会が、秋晴れのもと予定通りのプログラムで実施することができて、心からほっとしています。一度は意気消沈した子どもたちが、ここまで見事に輝ける運動会ができたこと…子どもたちの力は本当にすごいなと驚いています。

運動会当日、私(校長)はできるだけプログラム以外のところをしっかり見ようと心がけています。

 

例えば、各組のスローガンが書かれた団旗…あたりまえのように掲げられていますが、この団旗をつくるのにも6年生の苦労が見えてきたり、「たぶん、絵の上手な子とか、字がきれいな子が活躍してくれたんだろうな…。」と想像できたりします。

 


高学年が役割分担してくれている係の仕事。得点係の仕事は目立ちませんが、迅速で正確な計算が求められる結構タイトな仕事です。徒走やリレーで活躍できなくても、こんなところでめっちゃ活躍している子どもたちがいます。


競技前に子どもたちを招集、集合、整列させる招集係の子どもたち…。大きな声で、低学年にもよくわかるように言葉選びや指示の仕方を工夫しています。たてわり班別に並ばせることもけっこう大変ですが、しっかりとリーダーシップをとって号令も明確です。こんなところにも子どもたちのがんばりと輝きがあることを忘れてはいけません。

競技後の退場にまぎれて、これもまた目立ちませんが、競技に使った道具を腕いっぱいに抱え、片づけてくれている用具係の子どもたちのがんばりも見逃せません。

他にもたくさんの係があって、それぞれのところで、子どもたちが運動会を支えていてくれました。競技や演技ばかりに目が行ってしまう運動会ですが、運動会を支える仕事を懸命にやっている子どもたちの姿にも大きな称賛を送りたいと思います。

 今年度の運動会は、とても「常時応援」が盛り上がった運動会でした。「仲間を精一杯応援する」という気持ちと行動は、運動会で得られる大切な成長です。特に6年生の競技の時、5年生が音頭をとって、チームで応援する姿がたくさん見られたことがとても価値ある風景だと感じました。5年生にも来年の自分たちの姿が見え始めています。

 


子どもたちが主役の運動会ですが、子どもたちを主役にするための先生たちの「黒子のサポート」もなくてはならないものでした。

 

高学年の組体操の演技を裏から見て見ると、先生たちの姿勢や目線に子どもたちに対する思いがしみじみ見えてきます。何としても「成功させてやりたい…」、先生たちの子どもたちに対する愛情がいたるところに垣間見える運動会でもありました。

最後に、開会式であいさつをしてくれたKさんと閉会式であいさつをしてくれたTさんのあいさつが本当に立派でした。Kさんはふざけた校長挨拶の代わりに、式をビシッと締めくくってくれました。こんなに立派にあいさつできる子たちがいるのも北小の自慢です。これがあいさつの「手本」=「ゴールイメージ」となり、それが毎年受け継がれることによって、校風が創られていきます。

それにしても、閉会式のTさんのあいさつは心にしみました。自分たちのがんばりを称えるとともに、最後は周りの人への「感謝」の気持ちでしめくくる…本当に気持ちのこもったあいさつであり、自分たちをきちんと「主役」として認識しているところが素晴らしかったです。

閉会式の最後まで、たくさんの保護者の方に残っていただきました。競技が終わると閉会式を待たずにぞろぞろと帰られる…他の学校ではよくある風景ですが、本校の閉会式はたくさんの保護者の皆様に見守られながら、子どもたちが最後の最後までやり通せた、あたたかな運動会でした。

本当にありがとうございました。

3連休はゆっくりと休んでほしいなと思います。北小のこどもたち…本当にお疲れさまでした。


17:10
2024/10/10

「本当にお待たせしました。いよいよ明日です!」

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運動会、最初の実施予定日から8日。三度「延期」をさせてもらった今年度の運動会が、ようやく明日実施できます。子どもたちはモチベーションを維持するのが難しかったですし、先生たちは予定が大きく変わったことで、運動会のことを気にしながら、次々と次の学習や学年行事もこなしていかなくてはならなくなりました。保護者の皆様には、変更のたびに仕事の都合をつけていただくというご負担をかけることになり…1週間、運動会が延びることが、「あらゆる負担」を増大させることになること…校長の責任の大きさを痛感しております。

待ちに待った分、明日は爽やかな秋晴れの下、フルプログラムで運動会ができそうです。本番に強い本校の子どもたちですから、1週間のブランクを感じさせない「全力」と「協力」の姿を見せてくれると信じています。

 

低学年は、団体演技のおさらいと、1年生は50m走、2年生は団体競技の練習を行いました。勝っても負けても、友だちに声援を送り続けられるのが低学年の素敵なところです。「仲間を応援する」という低学年なりの「協力」の姿がしっかりと見られます。1年生の50m走のスタート時には、名前を呼ばれて「はい!」と元気に返事をする1年生の「全力」も見ていてとても気持ちがいいです。

 

中学年は最後まで「達成感」や「美しさ」にこだわって、しっかりと練習を繰り返しました。自分たちで感想を出し合いながら、「気をつけること」「改善すること」を明確にしながら練習していました。モチベーションの低下を感じさせない、元気な声ときびきびとした動きがとても気持ちよかったです。

 

高学年は、組体操の動きを確認したり、不安な部分について重点的に練習したりしました。残念ながら明日どうしても参加できない友だちの役割を、誰が代わりに行うのか、ペア・グループの組みなおし等も含めて、細かな調整をしていました。先生たちのサポートの動きも確認しながら、明日の本番が「成功」するよう、最後の練習を行いました。本番の成功に向けて、本気で練習に取り組む高学年の凛々しい表情がとても輝いて見えました。


最後にミーティングでは、私(校長)から、「貴方たちは、明日の運動会の主役の中の主役です。貴方たちには、主役中の主役を張る「誇り」と「責任」があります。競技、演技、応援、係の仕事…すべてにおいて、下学年のあこがれとなる姿を見せる責任があります…。」そんな話をしました。学校文化を創るべく「あこがれ」の存在でいるという高学年の自覚と責任感、そしてそのことのかっこよさを「自分ごと」としてとらえられている子どもたちが多くいることを願います。下学年がいくらがんばっても、はるか及ばない高学年の「雄姿」と「威厳」を誇示できる運動会であってほしいです。

 

あとは、子どもたちの力を信じるだけです。どうか、「みんな」にとって最高の運動会になりますように…。

 


18:53
2024/10/09

「たくさんの学びがある『もりのこ学習』」

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今日は4年生が、河辺いきものの森に「もりのこ学習」に出かけました。「秋の自然を探求する」というのが今日の学習の目的だった気がします。

そもそも「河辺いきものの森」は、もともとは愛知川の川沿いに広がった「河辺林(かへんりん)」です。「河辺林」というのは、そこで生まれる植物や樹々、農作物が人々の生活と深く結びついていた「里山」としての役割と、川の氾濫(洪水)の被害をくい止める「防災林」の役割があり、人々の手でその自然は大切に守られてきました。ところが、人々の生活が変化して、「里山」の自然をあまり必要としなくなったため、「河辺林」は放置状態となり、保たれていた生態系は崩れ、やがて生命力の強い竹林に覆われ、荒廃していきました。

そんな荒れた「河辺林」を昔のような「里山」に戻そうと、心ある人たちが長い時間をかけて整備、保全してくださり、今の「河辺いきものの森」になったという経緯があります。「河辺いきものの森」で自然について学習するというのが主たる目的ですが、別の角度から考えると、この地域の宝である「里山(河辺林)」について知り、その魅力を実感し、これからもその「里山」を守っていくという心を育てることもとても大切な学習の目的になります。

今日は、子どもたちが「探検地図」をもって、「秋の自然」を探索に行く学習です。それぞれがタブレットをもって、見つけたもの、興味を持ったものを写真で記録していきます。

服装は長袖、長ズボン、そして長靴。今日の「いき森」に入るには必須のアイテムです。担任の先生の指示ですが、本当は、なぜこの「服装」でないとだめなのかを自分たちで考えられる、判断できる力をつけてほしいと思っています。いわゆる「危機回避能力」です。子どもたちからすべての「危険」を事前に取り除くことは不可能です。これから生きていくうえで大切なのは、「何が危険なのか。」、「なぜ危険なのか。」、「その危険を避けるためにはどうすればいいのか。」を自分で考えることが大切だと思います。そういう意味で「もりのこ学習」は「安全教育(学習)」としての側面も持っています。

 

今日の場合、一番の危険は何か?・・・大きく3つ。秋とはいえ、まだまだ気温が高いので、「スズメバチ」の活動が盛んであること、今は「マムシ」の繁殖期で、とても神経質になっていること、雨上がりで特に「木(橋、木道等)の上」が非常に滑りやすいこと・・・です。

そのことを考えると、今日の「服装」が見えてきます。例えば、長靴を履いていれば、万が一「マムシ」を知らずに踏んづけても、「マムシ」は体調が短いので、鎌首を持ち上げたところで、足をかまれることはありません。ハチや蚊、「ウルシ」などの有害植物から身を守るためには長袖、長ズボンは必須です。今日、黒い服を着ている子が結構いましたが、本当はあまりよくありません。「ハチ」やムシは「黒」によってきます。


 

子どもたちは、興味を持った植物やムシたちを写真に収めていきました。「いき森」の井田先生が、しっかりと安全を確保しながら、「スズメバチ」の観察もさせてくださいました。「危険」をきちんと教われる貴重な経験でした。

教室に帰ってから、自分たちの「タブレットに収めてきた生きものは何なのか?」について、ネットなどで詳しく調べていました。

これからは、自分の興味を持ったテーマごとに、自分で探求学習を進めていきます。テーマは、①森にすむ動物・虫等について②森に自生する植物について③森(の自然)の役割について④森(の自然)を守ることについて、の4つです。自分でテーマを選びます。子どもたちがどんなところに「関心」をもち、どれだけ自分の考えを深めていけるか…楽しみです。

 

 

話は変わりますが、3階の廊下から運動場を見下ろすと、一人黙々とロープを張る作業をするH先生の姿がありました。「ロープ張りはH先生の仕事」と決まっているわけでもないのに、H先生のように少しの隙間時間に人知れず「仕事」をしてくれる先生が多いのが本校です。

そして大切なことは、その「人知れずの仕事」を周りの者(教職員)がきちんと知っていることだと思っています。いろんな「隙間の仕事」は、できる人、それに気が付く人がやればいい・・・ただそのことをみんながきちんと知っていることが大事で、そこにお互いに「感謝」の気持ちが生まれ、組織の「同僚性」が高まり、結果として強力な「チーム力」=「学校力」が発揮できる…そんな北小の先生たちです。

 H先生、本当にいつもありがとうございます。


18:09
2024/10/08

「勢いありすぎてびっくり! 静かすぎてびっくり!」

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運動会当日までがやたらと長く感じる今週です。「子どもたちの達成感や満足感」を真ん中に据えて、運動会実施の可否を考えると決意したものの、度重なる延期で、保護者の皆様には大変ご迷惑をおかけしています。いろんな都合でどうしても11日(金)に観覧していただけないご家庭もあるかと思います。本当に申し訳ありません。

学校としては、当日観覧いただけない保護者の方々に、「団体演技の前日リハ」を自由に参観していただけるようにしたいと思います。(完全な発表ではなく、あくまで通し練習ですが…)また、運動会の当日の演技や応援合戦をビデオに録り、それを後日、YouTubeで限定公開配信したいと思います。運動会に来ていただけなかった方々に、少しでも運動会の雰囲気が味わっていただければと考えています。詳しくは「コドモン」で案内させていただきます。

 

さて、運動会が延期になったからと言って、まだまだ練習できるというものではありません。教育課程上、もうほとんど「運動会の練習」に費やす時間はありません。あとは前日リハ練習ぐらいです。子どもたちのモチベーションの維持がなかなか大変なところです。

そんな中、応援団長さんをはじめとする応援リーダーが頑張っていてくれます。今日の朝いちは、応援練習がありました。

 

私(校長)は、朝遅刻してくる子どもたちを迎えてから、雨合羽を着たまま急いで各教室で行われている応援練習を見て回りました。今日一番驚いたのは、3年生の応援の声の大きさと勢いでした。前で応援を仕切ってくれる6年生の声がとても大きく堂々としていて、それだけで気持ちいいのですが、それに負けじと3年生が「ド真剣」に声を出したり、ペットボトルを叩いたりするのが、本当にすさまじい勢いで、お腹にどーんと響いてきました。「この感覚って、甲子園の1塁側スタンドにいる感覚に似てるな…。」と思いました。子どもたちのテンションがぐーんと上がった感じがとても楽しかったです。

 

一方、本校の午後いちは「読書タイム」から始まります。掃除が終わった後、「気持ちを落ち着けて15分間読書に浸る…」そんな時間です。担任の先生も一緒に読書をします。読書タイムの時間に校舎を見回っていると、とびきり静かに読書に没頭している学級を見つけました。2年生の教室です。本当に静かに、子どもたちが読書に浸っています。低学年ですから、ほとんどが絵本なのですが、中にはかなり文字数の多い本を読んでいる子たちもいてびっくりしました。

 

読書が習慣になって、「生活の一部」にまでなってくれるといいなと思います。「たかが15分、されど15分」…毎日の15分の積み上げが「確かな力」として育っていきます。「タブレット(スマホ)もいいけど、読書もね!」そんな風に言える子どもたちに育ってほしいです。

 

明日からは「秋晴れ」が戻ってくるかな…あと少しの辛抱です。


18:18
2024/10/07

「ぐっとこらえて、力をためて…」

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秋晴れのもと、最後まできっちりとやり切らせてあげたい…そんな思いを真ん中において、再々延期を決めました。「今日は何とかできたのでは…」という声も多く、心苦しく思いますが、本校の子どもたちの頑張りにふさわしい「秋晴れの運動会」をあきらめきれない…そんな思いでいます。結果として保護者の皆様を振り回すような形になってしまい本当に申し訳ございません。

朝の校内放送で、子どもたちに延期したわけを説明し、運動会までの4日間、①やる気と力を蓄えておいてほしいこと、②けがや病気がないように気をつけて生活してほしいこと③授業や他の行事のことも同時進行になるので、けじめをつけてがんばってほしいこと、の3つをお願いしました。

何度も延期になって、気持ちがダレてきそうですが、今まで本当に一生懸命頑張ってきたのだから、ここはぐっとこらえて、そして力をためて…すべての力を、すべてのエネルギーを11日(金)の運動会で爆発させてほしいと思います。

 

給食前の時間には、ふたりの団長さんに来てもらって少しお話ししました。

「団長が中心になって一生懸命やってくれているのに、なかなか運動会が実施できず申し訳ない。」ことを謝った後、ふたりの気持ちを聞きました。

「やっぱり晴れた日に、最後までしっかりやり切りたい。」、「全部出し切ったと思える運動会にしたい。」

ちゃんと前を向いていてくれる二人のまなざしは力強くまっすぐでした。

「副団長や周りのリーダーは頼りになりますか?」と聞くと、二人とも即答で「はい!」と返事をしてくれました。「最高の運動会になるよう、それぞれの団を盛り上げてしっかり頑張り切ってください。」とお願いして、話を終わりました。頼りがいのある二人の団長の背中を見送りながら、少し心がすっきりしました。

 

昼休みの運動場には、リレーの練習をする子どもたちの姿がありました。一生懸命なんだけど、みんな笑顔で練習しています。「やらされ感」のない感じがなんともいいです。特に6年生は体も大きくなり、走りに力強さとスピードが増し、とても見ごたえがありました。

5年生は、校外学習の計画をしていました。今年度はホンダ自動車工場の見学なので、もれなく「鈴鹿サーキット」がついてきます。「運動会をめっちゃ頑張るから、そのご褒美旅行やあ。」と子どもたち…。校外学習は15日(火)。運動会が終わって、三連休明けの校外学習…まさに「打ち上げ」的な校外学習になりそうです。子どもたちの声がうきうき弾んでいました。

 

今日から、教育実習の受け入れが始まりました。教諭志望のY先生と、栄養教諭志望のS先生です。S先生は、今日までもボランティアで学校に来ていてくれているので、子どもたちもよく知っています。お昼休みは、さっそく子どもたちに囲まれていました。運動会の助っ人としても頼りにしています。Y先生は4週間、S先生は1週間の実習になります。よろしくお願いします。
 

 


18:16
2024/10/04

それぞれのふんばり・忍耐が報われますように~延期の続く運動会~

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今日も予報通り、朝からしっかり雨が降り、運動会は再延期となりました。子どもたちの運動会に対する意気込みや目標意識が次第に弱まっていくのではないかな…と不安な気持ちが膨らんでいきます。先生たちは、「子どもたちのために…」と一生懸命頑張っていてくれますが、運動会が延期が長くなるほど、毎日の授業計画や校外学習の準備・事前学習が圧迫されて、本当にすべてがきちんとやりきれるのか…不安と焦りの気持ちが大きくなり、それが精神的なしんどさになっていると思っています。保護者の皆様にとっては、「早く実施日を確定させてほしい。でないと、仕事の都合もつかない…。」とイライラする気持ちをぐっとこらえて、じっと学校からの案内を待っていてくださるのだろうと思うと、それも大変申し訳なく思っています。

今日は、朝から応援練習をして、その後どの学年も少し運動会の練習を入れました。

 

低学年は、今までと同じように笑顔いっぱいにダンスを踊ります。「発表の練習」というよりも、今は踊っていることが純粋に「楽しい!」いった表情に見えます。私(校長)がちょっとお邪魔して、子どもたちに交じって不細工なダンスをすると、子どもたちは余計にニコニコ顔になって、さらに張り切って踊ってくれます。雨が続くせいで悶々としている気持ちが、一気に楽しい気持ちに変わります。本当に低学年の子どもたちに元気をもらっているな…と心から感謝したい気持ちになります。

 

中学年は、変わらず「いい緊張感」を保ったまま、きびきびとした動きでフラッグの演技のおさらいをしています。中学年の子どもたちは、「このダンスとフラッグを早く多くの人たちに見てほしい!」という気持ちでいっぱいです。中学年の子どもたちの自信に満ち溢れている表情に、「たくましさ」と「大きな心の成長」を感じずにはいられません。これが運動会の力だなと思います。


 

高学年の大技は、子どもたち一人ひとりの「気合い」や「タイミング」、「息」がぴたっと全員揃わないと成功しません。下段の子どもたちは、上に乗る人の「重み=命」をずっしりと感じながら、重みや痛みに耐えます。上段の子どもたちは、下段の人たちの「必死の支え」を感じながら、その支えを信じて「勇気」をもってジャンプして上に乗り、しっかりと顔を上げます。すべてが揃わないと完成しないのが組体操の難しさですが、難しいからこそ、大技が決まった(完成した)時の達成感と一体感はとてつもなく大きなものになります。「つながり、支え合い、信じあう」ことの向こうにある「達成感・一体感」を実感する経験は、間違いなくこれから生きていくうえでの大きな目標にもなり、エネルギーにもなります。大技「学年ピラミッド」の本番での成功を祈っています。

来週こそ、子どもたちがすべてを出し切れる運動会をきっちりとやりたい。


13:14
2024/10/03

「天気には抗えず… ~運動会延期に子どもたちは何を思う?~」

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朝6時前、校長室に集まった教頭先生、体育主任のT先生、教務部の2人のH先生。職員室には、会場準備に備えてたくさんの先生たちが来ていてくれました。まだ空は明るく、「ほんとにこの後降ってくるのか…?」、「ひょっとしてこのまま降らないのでは…。」…ついついそう思ってしまうほど、先生たちは「何とか運動会をさせてあげたい。」という気持ちが前のめりになっていました。

いろんな天気予報を手掛かりにしながら「やはり今日は雨がずっと降り続く」と判断し、「延期」を決定し、教頭先生に「コドモン」配信をお願いしました。

 

登校時刻になって校門で子どもたちを迎えます。昨日はたくさんの子が「校長先生、明日は絶対運動会してや!雨が降ってもしてや!」とお願いにきたので、今朝は、「校長先生!なんで延期にしたんよー‼」と責められる覚悟で立っていましたが、誰一人私(校長)を責める子はいませんでした。子どもたちも、先生たちと一緒で、雨が降るまでは、「雨で延期になることは覚悟してるけど、なんか奇跡が起こりそう…」というわずかな望みを持っていながらも、雨が降り出した道を歩いてくる間に、「まあ、しかたないよな。」と「延期」を受け止めてくれたんだなと思いました。今日が本当は「運動会」だとは思えないほど、子どもたちは「平常通り」登校して、「平常通り」あいさつをして、校舎に入っていきました。


 

子どもたちは「運動会延期」に落胆し、力が抜けるというか、空虚感みたいなものを感じながら力なく授業を受けているのかな…と心配していましたが、教室での授業の風景も「平常通り」でした。気持ちを切り替えて、学習に向かっている子どもたちの意外な「落ち着き」にとても感心しました。いろんな経験をくぐりながら、子どもたちはちゃんと「成長」しているんだなと思いました。

6年生の副団長Kさんの机の隅には、「てるてる坊主」と鉢巻がそっと置かれていました。授業中に「学習に関係ないものは出さない」というのがルールですが、今はKさんの気持ちが痛いほどよくわかるので、そこには触れないでいることにしました。

子どもたちは、「中途半端」な形ではなく、「フルスペック」で全競技をやり切りたいと強く思っています。特に6年生の子どもたちは…。

そんな思いをぜひとも叶えてあげたいと強く思っているのですが、明日の運動会実施も厳しそうです。雨が降らなくても、今日これだけ降ると、水はけの悪い本校の運動場は、使い物にならない状態になります。来週もまだ天気が回復しない予報になっています。校長としては、大変判断に悩みます。

 

児童昇降口の「ありがとう&すごいなメッセージ」には、運動会に関する「ありがとう」がたくさん貼られています。特に最近は運動会の指導をしてもらっている先生たちに対する「ありがとう」が多くあります。先生たちと子どもたちの「運動会にかける思い」が一つにつながっている様子がうかがえてうれしくなりました。


そして、最後に最高にうれしい「ありがとう」メッセージを見つけました。4年生の
Nさんが書いてくれたものです。

「ささえてくれたひとへ… ささえてくれたひとのおかげで、いい運動会がむかえられそうです。

ぼくは運動会を楽しみにしています。」

 

「全力」と「協力」がテーマ(目標)の運動会。Nさんのメッセージはまさにこのテーマを具現化した

とてもあたたかなメッセージだなと、心がほっこりしました。

子どもたちのために、いい運動会にしてあげたいです。

 


15:15
2024/10/02

「心が苦しい一日 ~運動会前日~」

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3週間前ぐらいから、毎日週間天気予報を気にしながら、「何とか10月の1週目は、いい天気サイクルにはまってほしい。」と切に願ってきましたが、無情にも「明日から雨」、「来週一週間もずっと雨…」という予報に天を恨みたい気持ちになっています。

朝、登校してくる子どもたちからは、「校長先生、明日雨らしいけど、雨が降っても運動会してや。どうせ着替え持っていくから濡れても大丈夫!」とまっすぐなまなざしでお願いされ、「子どもたちのやる気や期待」と「最悪な天気予報」の真逆さに、心がちくちくと痛みだしました。

「ごめんな。校長先生のパワーが足らなくて、明日までお天気をもたせることができんかった…。申し訳ない。」と子どもたちに謝ると、「そんなん、校長先生のせいやないやん。お天気を決めてる空の誰かのせいやわ!」と返してくれる言葉に、心がじーんとするやら、余計に痛くなるやら…。

 

「校長先生、どうしても運動会したいから、てるてる坊主作ってきたんやで。」とランリュックからてるてる坊主を取り出して見せてくれる子どもたちの笑顔を、愛おしく思うのと同時に…「こんな素敵な子どもたちばかりやのに、なんで明日晴れさせてくれないんだ…!」と心の中の憤りが膨れ上がります。

 

運動会前日の今日は、子どもたちの天井知らずの「元気はつらつさ」と、運動会に向けた「やる気と自信」、そして子どもたちの「会心の笑顔」が満ちあふれていました。

昨年度、なかなか運動会の取組に参加できなかった子どもたちも今年度は「自分のがんばりどころ」や「ちょっと楽しみにできるところ」を手に入れられたようで、友だちと一緒に一生懸命練習に取り組んでいる様子が見られ、とてもうれしく思います。もちろん、運動会に「大きな不安」を抱いて、悩み葛藤している子どもたちもいます。そんな不安が少しでも取り除けるよう、学校としての組織的なサポートや、子どもたち同士が支え合える仲間づくりに力を入れて取り組んでいます。

 

最後のリハーサル練習。低学年の子どもたちに「ダンスをやっていて楽しいか?」、「このダンスを家族や上級生に見てほしい?」と尋ねると、みんなが「は~い!」と元気よく自信満々に答えてくれました。「見てほしい!」と思える気持ちこそが、今日までのがんばりの証であり、自分の成長の実感なのだと思います。

 

中学年は、さらに動きに「キレ」が出てきて、フラッグの動きや振る音が「見事にそろう」美しさを表現できるようになりました。高学年に負けない、いやその上をいく「元気な声」「きびきびとした動き」「演技への集中力」、動きが「そろう美しさ」…心から「いやぁ、かっこいい~!」と唸ってしまうほど、演技の質を高めました。中学年の演技を見て高学年は、そのプライドに火をつけられることになるでしょう。

 

演技の仕上がりの遅れを心配した高学年ですが、さすが高学年。本番までにきちんと仕上げてきました。子どもたちの表情も「凛」としたものに変わってきて、下級生の「あこがれ」となる、見ごたえのある組体操を披露してくれることになるでしょう。

昼休みも自主的にリレーの練習をしたり、組体操の練習をしたりする子どもたちの姿が見られました。そんな子どもたちの表情からは、「明日は雨が降って、運動会ができないし…。」というような「あきらめ感」や「がっかり感」は微塵も感じられませんでした。明日のお天気に関係なく、子どもたちのボルテージは最高潮に達している…そんな子どもたちの思いの強さがまた一段と私(校長)の心を苦しめます…「なんとしても運動会をしっかりやってやりたい…」。

最悪な天気予報に心を折られそうになりながらも、奇跡的な「予報外れ」を期待する自分がいます。当日朝の実施判断になり、保護者の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、なにとぞご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。


16:09
2024/10/01

「書籍で調べるよさ~ものしりライブラリー~」

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いよいよ明後日が運動会。各学年、仕上げの練習に励んでいるところです。校内の雰囲気は運動会一色ですが、昼休みに図書室を覗きに行くと、ちゃんと読書に浸っている子どもたちがいることに安心します。

この2学期から図書室前の少しスペース(元3階給食配膳室)を改装して、「ものしりライブラリー」という「調べ学習」のためのコーナーを設置してもらいました。このコーナーの企画は、図書司書のY先生。そして部屋のレイアウト(内装)を考えてくれたのはスクールサポートスタッフのSさんです。いわゆる「先生=教員」ではない学校スタッフの皆さんが、子どもたちのために労を惜しまず、進んでいろんな仕事や気配りをしてくださることにいつもいつも感謝しています。このような「縁の下の力持ち」的なスタッフがたくさんいてくれるのが、北小の強みというか温かさです。

 

 

さて、「ものしりライブラリー」は調べ学習に特化した図書スペース。図書の分類別、調べるもののテーマ別に調べ学習用の書籍が分類されています。一人1台タブレットPCが日常化した今、教室での調べ学習ではタブレットのネット情報に頼ることが多くなっているのが現実ですが、それはやはり「効率化」や「個別最適化」をねらいにしたものであって、果たして本来の「調べ学習の値打ち」に叶ったものであるかどうかは微妙なところです。

ネット情報は知りたいことに「ピンポイント」にアプローチできる「速さ」「気軽さ」があり、便利なことは間違いないのですが、その情報の「確からしさ(信憑性・信頼性)」にはかなり怪しいところもあります。また、調べたいことに瞬時にアプローチできますが、その範囲は狭く、限定されたものになりがちです。一点集中…狭く深く…的なアプローチのような気がします。

一方、書籍の情報は「正確」ですし、出典(情報の出どころ)がはっきりしていて信頼性があります。

そして一番いいのは、ネットよりも「広角」に情報が見えるということです。わかりやすく言えば、調べたいことについてだけでなく、その周囲にある「ついでの情報(周辺情報)」まで見えることで、子どもたちの興味や探求心をより広げてくれます。(新聞を見ていて、いろんな情報が目に入ってくる効果と同じ)

 

昼休みに「ものしりライブラリー」に来ていた子どもたちに、「ここの部屋の居心地はどう?」と聞いてみると、「めっちゃくつろぎながら本が読めるから好き。」という返事が返ってきました。下に敷いたマットの感触が心地よくて、ついつい寝そべってしまうようです。子どもたちの評判も上々です。

 

ネットで検索をかけるより、書籍を開いて、ページをめくっていくのは一見「効率的」ではない「手間のかかる」学習かもしれませんが、「必要な情報は何か?」を考えたり、「適切な資料」を選んだりする力も自然と身についていきます。今の時代に合った「ICTの活用」も進めながら、学びの「不易」の部分としての、「読書」や「書籍による調べ学習」を大切にしていきたいと思います。


16:42
2024/09/30

「正々堂々と競い合う! ~たてわり綱引き~」

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今日は、朝7時過ぎから、何人かの先生で緊急ミーティングをしました。議題は「たてわり種目の綱引き」についてです。

実は、先週の金曜日に、運動場で「たてわり綱引き」の練習をしたのですが…、その時は入退場や移動の仕方をマスターすることに意識を置いていたので、練習試合の結果にはあんまり気を留めていなかったのが正直なところです。

ところが、結果を見てみると、ほぼほぼ「田んぼ側」に陣取ったチームが圧勝していたことがわかって…。「ひょっとして、本校の運動場は校舎側が高くて、田んぼ側が低い…かなり高低差がある?」、「場所によって有利不利があったら、子どもたちも結果に納得いかないんじゃない?」、「かといって場所を入れ替えて2セットずつ試合をすると、時間がかかりすぎる…」、「一生懸命頑張っている運動会が、こういうことが原因で、気持ち悪さが残るのは絶対よくない。」…などなど。

金曜日の夜は、職員室で先生たちが意見や改善案を出し合いながら、長い時間議論をしてくれていたようです。しかしどの案も一長一短でなかなか結論は出ませんでした。

今日の朝、「何が一番大切にするか、それで改善策を決めましょう。ベストはないのでベターにしかなりませんが…思い切って決めましょう。」といってミーティングを始めました。

担当のK先生も、この土日の間、悶々としながらいろいろと考えてくれていたようでした。K先生の思いを尊重しつつ、「子どもたちの納得感を第一に考える」、「子どもたちが混乱しないように大きな変更を加えない」ことを共通理解して、各試合を「一本勝負」ではなく、「場所を入れ替えての2セット勝負」に変更しました。もちろんその分「時間」は伸びることになりますが、入れ替えの方法を工夫し、また他の競技の競技時間を厳守することで、大きな時間超過にならないよう配慮することを確認しました。

 

子どもたちが登校し、朝の校内放送でK先生から「たえわり綱引きのルール変更」について案内がありました。それを受けて3校時、「たてわり綱引き」の練習をもう一度行いました。思いのほか、校舎側チームが勝つことも多くあり、結果として「運動場の高低差」はあまり考えなくてよかったようです。それでも「場所を入れ替えての2セットマッチ」には納得感がありますし、何よりも子どもたちにさらに気合いが入ります。先生たちの旗振り応援にも次第に力が入ってきます。

 

「たてわり綱引き」はただの綱引きではなくて、「お助け綱引き」といって、「よーいどん!」で1~3年生は綱引きを始めますが、4~6年はトラックを少し走ってからコーンを回り、綱のところに行き、そこから1~3年生に加勢することになります。

 

ところが、ここに新たな問題が生まれてきます。4~6年生の「勝ちたいがためのルール違反」が横行するわけです。「走り出しのフライング」、「既定のコーンを回らず、内回りをする」…そして相手チームの反則を見つけては、お互いその文句を「先生に言いつける」という調子…。

「正々堂々」と勝負できるように2セットマッチに変えたのですが、・・・別のところで自分たち自身が「正々堂々」でないところを作り出してます。そしてその解決を「先生」に求めてきます。

主役は自分たちです。先生たちは、子どもたちにできない状況判断や環境づくりはしますが、「自分たちの問題(課題)」は自分たちで解決しようとしてほしいと切に願います。上学年なら、自分たちで振り返り(話し合い)を行い、「正々堂々」と競い合う大切さや気持ちよさを、みんなで確認したうえで、最大限の「全力」と「協力」が発揮できる運動会にしてほしいなと思います。勝っても負けてもきちんと納得がいくように…。

 

 お天気が心配でなりませんが、木曜日以降天気は悪くなる一方なので、何とか予定通り木曜日に運動会を実施できたらなと、ずっと祈っています。

 


17:42
2024/09/27

「それぞれの“よさ”が輝いている!~団体演技~」

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運動会を来週に控え、団体演技も運動場での練習に入っています。ダンスの振りや隊形移動などもほぼマスターできたようで、演技している子どもたちの顔が、自信ありげで楽しそうな表情に変わってきました。

 

 

低学年の団体演技といえば、何をしていても「かわいい~!」、「楽しそう~!」となるものですが、本校の低学年の子どもたちは、それだけでなく、「一生懸命」さと「全力で頑張る!楽しむ!」という姿が光っています。小さな体をめいっぱい動かして、全力でダンスをする子どもたちの誇らしげな表情を見ていると、「よくここまで頑張りぬいたなぁ。」と、その健気でまっすぐな一生懸命さを愛おしく思わずにはいられません。

 

中学年の団体演技(ダンス&フラッグ)は「連繋・挑戦・達成」を合言葉に、中学年の「総力を表現する」ことを目標に取り組んできました。中学年の団体演技といえば、「元気いっぱい!」「大きなかけ声!」のようなイメージを描きますが、本校の中学年の団体演技のよさは、それだけではなく、子どもたちの「気合い」と「集中力」を強く感じられるところにあります。


 演技中だけでなく、演技前の「構えている」瞬間も、演技が終わった後、「整列している」瞬間も、全身からみなぎる「気合い」と「集中力」を感じるのです。「一人ひとりが持てる力を余すことなく全力で挑む!」、「中学年全員で一つの大きな作品を完成させる!」そんな強い決意と仲間意識が伝わってきます。中学年のはつらつとした動きがとても気持ちよかったです。

 

運動会当日、保護者や地域の皆さんにも「感動」してもらえる団体演技になりそうです。演技の「できばえ」だけでなく、子どもたちや先生たちの演技に込めた「思い」が伝わるような団体演技になることを願っています。お天気が心配ですが、子どもたちの頑張りと思いがお天道様に伝わりますように…。


16:50
2024/09/26

「子どもたちの 子どもたちによる 子どもたちのための『応援合戦』」

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運動会というと、徒走や団体競技(リレーや綱引き)、そして団体演技がメインの種目で、保護者の皆さんの関心も高いと思います。それに比べ、「応援合戦」というのは、どことなくアトラクション(余興)的なイメージがあるかもしれません。確かに種目として行われる「色別応援合戦」は赤組・青組が互いの「団結力」を見せ合うという色が濃いような気がします。

 

 

私(校長)は運動会において、「応援」というものはとても大切だと思っています。「応援合戦」だけでなく、他の種目(競技)中の「常時応援」こそが、「応援」そのものの目的だと考えています。「一生懸命頑張っている仲間を、称え励まし、元気にし、仲間の力を最大限パワーアップするための「声かけ」が応援です。精一杯の「頑張り(挑戦)」に精一杯の「声援」を送る…そんな子どもたちの姿こそが「全力と協力」という目標を具現化したものだと思っています。特に、6年生の徒走やリレーの時の「応援」が楽しみです。チームを引っ張る6年生がいない児童テント席でいったいどんな動きが起こるのか…代わりに5年生がリーダーとなってチームを導くのか、それとも自然とチームでまとまった応援ができるのか…常に「応援」の絶えない児童テント席であってほしいなと節に願います。

もう一つ、運動会の応援には、「学校文化の伝承」という大きな役割があります。それは端的に言うと「応援団長」や「応援リーダー」の存在です。子どもたちにとって「応援団長(リーダー)」には特別な輝きを放つ「憧れの存在」となります。「6年生になったら、自分もあんなふうになりたい!」と思える憧れであり目標です。毎年「応援団長(リーダー)」を決定する過程でいろんなドラマが生まれ、立候補する者の強い思いと責任感に共感する中で、彼らを称え、支える仲間意識が大きく育ちます。そして運動会という大舞台で、応援団長(リーダー)を中心とした「あるべき最高学年」としての6年生の姿がはっきりと見えてくるのです。そのような「かっこいい6年生」の姿が代々受け継がれていくことで学校文化=校風が創られていきます。そういう意味で「運動会の応援合戦」というものは、子どもたちにとって、とても大切なものだと思っています。


 コロナ禍以降、いろんなことが「簡略化」される傾向にあるのかなと感じています。少しでもリスクのあるもの、余計な手間がかかるものがどんどん省かれて、無難化・効率化一辺倒になっている気がします。時代の流れ的にしかたがない部分もあると思いつつ、「手間をかけなければ育たないもの」も多くあると強く思っています。学校という世界は「子どもたちが育ちあう」ところです。いつも子どもたちを「主語」にしながら、かけてあげられる「手間」はしっかりかけてあげたいと思っています。八日市北小学校はそんな学校です。


15:27
2024/09/25

「気もち(思い・意識)をそろえる ~運動会練習も佳境に~」

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朝から気持ちのいい秋晴れ。カラッとしていて、熱中症指数も20台前半で、外での運動もしっかりできます。今まで体育館で練習してきた団体演技も、今週からは外での練習です。人と人との間隔も広くなり、動く範囲も広がりますし、隊形移動の場所を覚えるのも大変です。

先生たちは「完成(ゴール)」のイメージが持てていますから、今の演技の出来具合や子どもたちの意識の状態が、順調なのか、遅れているのか…経験的にわかりますから、指導の「熱」も変わってきます。いわゆる「檄を飛ばす」的な熱血指導になりがちなのですが、この「先生たちの熱量」に子どもたちの気持ち(思い・意識)がついてくるかが重要です。子どもたちの意識がついてこないと、だんだんと「やらされ感」ばかりが増してきます。先生たちの気持ちと子どもたちの気持ちを「そろえる」…今、一番大事なことです。

中学年の練習…。М先生が今日の練習の目的などを子どもたちに伝えた後、「さあ、行こかっ!」の先生のかけ声に、子どもたちが一斉に駆け出します。「走ろう!」、「早うしよう!」、「静かにしよう!」…子どもたち同士が声をかけあいます。М先生の「今日はここまでやりたい!」という思いと、子どもたちの「時間を大切にしてしっかり練習しよう!」という思いがかみ合います。

子どもたちの中にはいろんな子がいて…集団行動が苦手だったり、集中力が続かなかったり、じっとしていることがどうしても難しかったり…、自分たちの仲間は「いろいろ」なのです。みんなに「気合い」が入ってくるとどうしても「厳しい声」が飛びがちになりますが、そのことも分かったうえでいろんな先生から「お互い元気になる、温かい声かけをしようなあ!」という言葉が飛んできます。運動場にいる「みんな」の気持ちがちゃんとつながっているなと思える中学年の練習風景でした。

 

体育館では、高学年が組体操の「大技」の練習に入っています。もうそろそろ成功させたい時期に来ていますが、あと少しのところで「本気」がそろいません。


 

組体操は、どこか一か所がうまくいかないだけで、いとも簡単に全体が崩れてしまいます。先生たちは、「本気」の表情と声で「絶対、次は成功させるで!いいか!」と伝え続けますが、どこからかまだ無駄な「話し声」が聞こえてきたり、「へらへらした表情」が見えたり…「気持ち」がそろいきりません。

全員の「気持ちをそろえる」ことは簡単なことではないですが、そろわないことには決して技は完成しません。逆に全員の気持ちがそろった時の「力」はとてつもなく大きなものになり、そこに「完成(成功)」が生まれ、観衆の「拍手喝采」に包まれた時、一人では決して手に入らない、大きな「感動」や「達成感」、仲間との「一体感」を得ることになるのです。それが組体操の醍醐味であり、運動会でしか手に入らない大きな成長と学びです。大げさに言うならそれが「学校」の値打ちです。

でも、私(校長)は期待しています。先週に比べ、高学年らしい「きりっとした」かっこいい表情は増えてきていますし、子どもたち同士の声かけも増えてきています。子どもたちの思いと力を信じつつ、明日からの練習も楽しみにしたいと思います。あまりたくさん写真をお見せすると「ネタバレ」になってしまうのですが、こちらの演技はきれいに仕上がってきています。完成が楽しみです。

 


14:45
2024/09/24

「みんなが楽しい!北小学校をめざして 校内環境にもひと工夫」

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2週連続で3連休となり、今週も火曜日スタートとなりました。少し連休疲れを感じる子どもたちですが、今週も運動会の練習に一生懸命取り組んでいます。

最近の校長ブログは、やはり「運動会」ネタが多くなる傾向にありますが、本校には「子どもたちのために」、「学校に来てくださる人のために」、ひいては「みんなが楽しい学校づくり」の一助になればという思いで、人知れず「校内環境の充実」のために頑張ってくれているスタッフがいます。

さて、最近の校内環境の大きな変化といえば…まずは、玄関に置かれた大型モニター(電子黒板)です。いわゆる「ウエルカムボード」の代わりをしてくれるもので、来校くださった方々に「ようこそ八日市北小学校へ!」という歓迎の気持ちを表すために設置されました。仕掛けてくれたのは本校ICT担当のF先生です。ちょっとした歓迎のアニメーションや、子どもたちの活動の様子をスライドショーで紹介しています。ちょっとおしゃれに、来てくださる方を楽しい気持ちにしてくれます。

 

続いての変化は、私(校長)の趣味を勝手に持ち込んで設置した「メダカ水族館」のコーナーです。週替わりでいろんなメダカを展示しています。メダカについての説明や「改良メダカの変遷」なんかも解説しています。運動会の練習で疲れた子どもたちの、少しばかりの『癒し』になってくれたらなと思って設置しました。思いのほか、メダカ好きの子やお家でメダカを飼っている子も多く、メダカ談議に花が咲きます。

 



それから、保健室前の掲示も充実しています。養護教諭のH先生や、栄養教諭のS先生が、今の「運動会の時期」に合わせた大切なことをレクチャーしてくださっています。


 

保健コーナーは「どうやって手当てをしたらいいのかな?」という掲示です。運動していて起こりそうな「けが」の手当てについて、ゲーム的に解説しています。また、食育コーナーには「すききらいしないでたべると、いいことがあるよ。」というテーマで、特に体力の必要なこの時期、しっかりといろんなものを食べるよう呼びかけています。

学級担任の先生たちは、毎日子どもたちと向き合うことで、一人ひとりに「安心」と「楽しさ」が生まれるように努力していてくれます。そして担任以外の先生たちもまた、それぞれの専門分野で、子どもたちに「安心」と「楽しさ」が生まれるように日々、工夫努力していてくれます。前にも紹介した職員室前廊下の「カエルくん」。今は、運動会の「おみこしリレー」がモチーフになっています。先生たちの事務軽減や校内環境整備を仕事とするスクールサポートスタッフのSさんが、季節に合った「カエルくん」のコスチュームを製作して展示してくれています。こんなちょっとしたところにも、Sさんの「子どもたち、がんばれ~‼」という応援の気持ちが込められています。こういうそれぞれの人の思いが、きちんと伝わる(わかる)子どもたちでいてほしいなと思いますし、「人の思いがわかる」子どもたちに育てることが、「みんなが楽しい学校づくり」そのものなのかもしれません。


 

 実はもう一つ校内環境の「大きな変化」があります。それは、「ものしりライブラリー」の開館です。図書館司書のY先生の肝いりの「新コーナー」設置です。詳しくは、後日また校長ブログでお伝えしたいと思います。Y先生の子どもたちへの愛情と、子どもたちを本好きにさせる工夫がいっぱい詰まっています。乞うご期待!



17:04
2024/09/20

「稲刈りから、ご飯がお口に入るまで ~5年生稲刈り体験~

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今日は5年生の稲刈り体験の日。晴れることは分かっていましたが、心配なのは「暑くなりすぎる」こと…。熱中症指数が「危険域」になると、外での活動はすべて中止することになります。

朝から少し風が吹いていて、指数も27~28℃に収まっていてくれたので、水分補給をまめに取りながら何とか稲刈り体験をすることができました。

今日もたくさんの地域の方々にお世話になりました。たんぼの管理をしてくださっている種村さん、地域学校協働活動推進員の奥さん、農業委員会の高村さん、梅原さんをはじめ、写真にあるように、JAの皆さんや市の農業水産課の職員さんなど、たくさんの方々のサポートを受けて、稲刈り体験をさせていただきました。子どもたちのためにこれだけの方々が汗をかいてくださることに本当に感謝しないといけません。このへんの「地域の温かさ」や「有難さ」を子どもたちは、どう感じていてくれているのだろうと…いつも思います。「してもらう」ことに慣れてしまっている子どもたちは、ひょっとしてこの「稲刈り体験」も、「自分ごととしての学習」ではなく、「お客さん意識で参加するイベント」みたいにとらえているんじゃないだろうかと不安になったります。常にものや人の「有難さ」がわかる子どもたちでいてほしいと願っています。

 

田んぼに行き、稲刈りの仕方を聞いて、早速作業に入ります。3人一組になって、①稲を刈る人②稲を束ねて、麻ひもでくくる人③くくった稲束を軽トラに運ぶ人、役割を分担し、また役割を交代しながら、自分たちが植えた稲を収穫していきます。

 

鋸鎌(のこぎりがま)を使って、稲を刈り取ることは割とたやすくできるのですが、刈った稲を数束集めて、根元の方を麻ひもでくくるという作業に子どもたちは悪戦苦闘している様子でした。軍手をしているのでやりにくさはあるものの、やはり「しっかりくくる」という作業は、今の子どもたちの生活の中にはほとんどないので、ほとんどの子がうまくできません。運動靴のひもがほどけている子を見かけて、「靴のひもがほどけてるよ。」と教えてあげても、「はーい、だいじょうぶでーす!」と言って、一向に結びなおすこともしないまま、そのままでいる子が結構います。「ひょっとして、ひもがくくれないのではないか…。」と疑ってしまいます。例えば、「新聞紙の山を十字に縛る」…それができるこどもがどれくらいいるのか…この子どもたちの「生活経験」や「甲斐性」の課題を私(校長)は結構気にしています。

熱中症予防のため、稲を刈る作業は最小限にして、残った稲は種村さんに、コンバインで刈ってもらいました。コンバインは、明らかに「手作業で刈る」数十倍のスピードで次々に稲を刈っていきます。おまけに、刈った稲から穂・籾(もみ)だけをとり、コンバイン内のタンクに貯めていき、残りの稲藁(わら)は粉砕して、たんぼにまいていきます。コンバイン内に貯めた籾(もみ)は、コンバインの煙突のようなところから出るようになっていて、袋に入れたり、軽トラに積んだりできるようになっています。まさに「一石五鳥」くらいの働きをするスーパーマシンです。コンバインが見事に「あっけなく」稲刈りをしていく様子を見て、子どもたちは何を思ったでしょうか。

こんなに暑くなかったら、自分たちが田植えをした分は、責任をもって自分たちが全部刈る…というところまでさせてあげたかったのですが…致し方ないです。本当は、腕や腰が痛くなるまでひたすら稲刈りをすることを経験しないと、「機械のありがたさ」も、なぜ、昔のおばあちゃんたちは「腰が曲がった方が多いのか」…ということも深く考えたり感じたりすることはできない気がしています。

 

 担任のY先生とT先生の強い思いがあって、今年は稲刈りだけでなく、刈った稲を「稲架(はさ)がけ」に乾燥し、昔ながらの「足踏み脱穀機」で稲から籾(もみ)を外す作業も体験します。毎日「あたりまえ」に食べている「白ごはん」が、どんな過程や作業を経て、ようやく「白米」になるのか、そして白米になるまでに、どんな人のどんな苦労をくぐってきているのか…しっかりと探求心をもって学んでほしいと思います。生活の「あたりまえ」を深く掘り起こし、「あたりまえ」でないことを知る…とどのつまり「有難み」を知ることが学習のゴールだと思います。

今日の子どもたちの姿を見ていて、興味深げにコンバインを凝視する子や、稲を刈った後に、落ちている穂(落穂)をもったいなさそうに拾い集める子など、関心をもって、意欲的に最後まで働き続ける子と、そうでない子の差が結構大きいなと正直感じました。「ものや人に対する興味関心」や、「勤労意欲」を、学校はどう育てていけばいいのだろう…と、新たに課題意識を持った稲刈り体験でした。酷暑の中、子どもたちのためにきめ細かにサポートしていただいた地域の皆さん、本当にお世話になりました。


15:52
2024/09/19

「この暑さの中、いかに運動会練習を成立させるか!?」

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昨日は中秋の名月、夜中にはきれいなお月様と、心地よい虫の音で「秋」を感じることができていたのですが、朝になって、校門で子どもたちを迎える時間になると、また「真夏」が戻ってきます。

「おはようございます。」とやってくる子どもたちは、もうすでにサッカーを1試合してきたかのような、汗だくの表情です。

8時半には、熱中症指数は30℃近くまで上がり、運動場での練習も厳しい状況なってきました。

1校時は4年生がリレーの練習をしました。走順の確認、バトンパスの仕方、コーナートップ等のルールの理解…しっかり時間をかけて練習したいところですが、「暑さ」がそれを許してくれません。短時間集中、「一回通すだけ」の練習時間しか確保できませんでした…。「もっとリレーの練習がしたい!」という子どもたちの表情と「こんな状態で満足いくリレーの競技ができるのか気持ちが焦りだす…。」という先生たちの表情…でも「安全が第一」、気持ちを切り替えて校舎内に入りました。子どもたちも分かってきています。「短時間で、集中して練習するしかない!」だんだんと子どもたちの動きが、てきぱきしてきます。

3校時は、運動場で初めての全校練習をする予定でしたが、「暑さ」には勝てず、予定を変更して体育館での練習に切り替えました。「入場」や「開会式」の流れについて確認しました。運動会全体の仕切りは体育主任のT先生です。「どの子も目標とやりがいをもって取り組み、大きな達成感や自分の成長を実感できる、『子どもが主人公』の運動会にしたい。」という熱い思いを胸に子どもたちに語りかけます。

全校が集まった時の子どもたちの「意識と言動」は本校の自慢です。学年を問わず私語もなく、背筋をしゃんと伸ばして臨める子が多いです。「ここは、ちゃんとビシッとするところや。」とちゃんとわかっている子どもたちです。

私(校長)にも、少し話す機会(校長挨拶)をもらったので、いつものように「ちょっと笑わせる歌でもかましてやろう!」と思っていたのですが、私が話す前に、T先生が子どもたちに「開会式・閉会式は気持ちを落ち着けて、きちんとした態度で臨みましょう。」と話してくれるのを聞いて、「危ない…もうちょっとで、校長自らふざけてしまうところだった…。」と思いとどまり、反省する私がいました。

 

別の時間…高学年が組体操の大技(多人数でつくる技)の練習を始めました。組体操については、何年か前から、組体操での「事故防止」の観点から、運動会で組体操自体に取り組まなくなった学校や、やっても1人~3人技ぐらいの安全な技に留めておく学校が増えました。

本校も「事故防止」、「安全」を第一に考え、従来のような「4段塔」や「5段ピラミッド」などの危険性の高い技はしませんが、組体操に取り組む値打ち…すなわち、「人の重み(=命の重み)と温かさを肌で感じながら、心を一つに、支え合いながら一つのことを成し遂げる達成感と一体感」を感じるために、「高さ」や「重さ」を限定し、安全に十分留意しながら、組体操に取り組んでいます。

写真は、5人で作る技ですが、土台の者は、上に乗る者の体重をぐっと支え、上に乗る者は、土台を信じて、勇気をもって体を伸ばし、腕を開きます。土台がぐらつくと、上の者はバランスが崩れますし、上の者が怖がって体が揺れると、土台は支えられなくなります。「力」と「バランス」と「仲間同士の信頼」が不可欠です。

今日の練習では、ほかのチームが心配して、サポートに回ったり、応援したり、拍手をしたりする場面が見られて、「これがこの6年生の温かい文化」なんだな…と改めて感じました。

「力(忍耐)」と「バランス(勇気)」と「仲間同士の信頼」が揃ったとき、技が決まり、会場からの大きな拍手に包まれながら、体の奥底からこみあげてくる達成感や一体感を感じることができるでしょう。

そんな感動がたくさんたくさん生まれる運動会にしたいなと心から思います。

北小のすべての子どもたちが、笑顔で締めくくれる運動会に…

 


16:08
2024/09/18

「びしっときれいに揃う美しさ~中学年 団体演技~」

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いわゆる「ギャングエイジ」と言われる中学年の子どもたち…自立心や仲間意識が強まることから、集団凝集性(集団のメンバー同士のつながり)が高まり、友だち関係を重要視するようになる時期です。本校の中学年の子どもたちも、全校の中で最もエネルギッシュに、昼休み等も「みんなで元気いっぱい遊ぶ」姿が見られます。

そんな元気な中学年の運動会団体演技は、「ダンス」と「フラッグを使ったマスゲーム」のようです。体育館を覗きに行くと、一生懸命「フラッグ」の練習に励んでいました。

中心になって指導してくれるのはM先生。「熱男~~!」というかけ声がぴったりの、熱血指導が魅力です。テンポのいい気合の入った明確な指導・指示で、子どもたちに演技のポイントを伝えていきます。子どもたちも集中力をもって練習に打ち込み、「短時間で効果的な練習」ができてるなと感じました。

 フラッグ(旗)を上げたり下げたり、回したり…また、隊形移動して回りながらフラッグを操作したり…なかなか忙しく大変そうですが、しっかり子どもたちはついて行っています。

指示の中に「右、左、」「前、後ろ」「内側、外側」「時計回り~」などの方向を示す言葉が頻繁に出てきます。私(校長)なら、「速いテンポで動きながら、次々と言われたら、頭がこんがらがる~!」とギブアップしそうですが、今まで築き上げてきた子どもたちとM先生の「息」というものでしょうか、子どもたちは普通に反応していきます。また、子どもたち同士が、教え合ったり、確認し合ったり姿もあちこちで見られて、仲間意識が育ってきていることも実感できました。

フラッグマスゲームの醍醐味は、全員の動きがピタッと揃う美しさですが、フラッグを振った時の「バサッ!」という音が、きれいに揃う美しさ、力強さ、心地よさも大きな魅力です。大きく、キレよくフラッグを振ることで「いい音」が出るので、子どもたちの動きも自然とキレのいい動きになってきています。

特に4年生の子どもたちは、中学年集団のリーダーとしての意識が高まってきているのでしょうか、3年生に手本を示すべく、一人ひとりの動きがとても大きく、メリハリあるものになっていた気がします。腕もピーンと伸びていてとてもきれいです。

マスゲームには、ちょっと残念なところもあって…、それは演技をしている自分たちには、「全体がどのように見えているか」がわからないことです。周りで見ている観客は「わ~~~、きれい!!」と感嘆の声をあげられますが、一生懸命演技している自分たちには、その美しさを感じることはできません。ぜひ、練習の時から、全体が写る動画を撮ってあげてほしいと思います。そして給食の時間なんかにその動画を見ながら、「自分たちの動きが全体的にはどう見えているのか?」が確認できますし、「びしっと揃っていることの美しさ」や、逆に「揃っていない…動きが中途半端…なんだかイマイチ…」みたいなところもしっかりと確認できて、振り返れるのではと思います。

運動会当日、中学年の子どもたちの「全力」と「協力」で、どこまでキレよく、「びしっと揃いきるか」…演技の完成を楽しみにしています。


17:07
2024/09/17

「はじめての綱引き~運動会たてわり種目~」

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まだまだ暑い日が続いています。今日みたいに朝から太陽が照っている日は、運動場の熱中症計の数値はどんどん上がります。体育ができるのは、2校時ぐらいが限界で、3校時からは「活動禁止」になる日が多いです。

一方、体育館の方は、今まで熱中症指数が31℃を越え、「活動禁止」になったことはありません。本校の体育館は、午前中の日光をカーテンで遮光していることと、わりと風通しがよいことが功を奏して、暑い日でも熱中症指数が27℃~29℃くらいに収まっていてくれています。こまめな休憩と水分補給を心がけながら、なんとか運動会の練習ができています。

今日は全校が体育館に集まって、運動会の「たてわり種目」である「綱引き」の練習を少ししました。実は、本校の運動会で「綱引き」を行うのは本当に久しぶりで、おそらく全校児童が初めて「綱引き」をすることになります。

本校の運動会で「綱引き」が行われてこなかった理由が二つあります。一つはもちろん新型コロナ感染予防の理由。そしてもう一つは「芝生の運動場」であることです。「芝生」の上で全校が綱引きを行えば、確実に芝生は傷み、はげます。芝生運動場では「綱引きはご法度」というのが常識です。しかし、今年度は考えました。

運動会は一大学校行事ですが、子どもたちみんなが運動が得意で、運動会を楽しみにしているわけではありません。走ること(走の力)が苦手な子、リズムよく踊ったり、思い切り自分を表現したりすること(ダンス・表現の力)が苦手な子もたくさんいます。それなら「走」や「表現」以外にも、力を発揮できる場面(運動)があった方が、どの子も頑張れる楽しい運動会になるだろうと考えたのが「綱引き」=「力の競技」です。ただ、「芝生」の上では「綱引き」はご法度…難しいところです。

しかし、私(校長)と教頭先生は決めました。

「子どもと芝生とどっちが大事?」、「もちろん子ども。綱引き、させてやろ。」、「芝生がはげたら、責任とって、ふたりで芝生苗を植えなおそうや。」…二人の協議は終了。

教頭先生は、すぐに教育委員会に電話して、「うちは綱引きやります!」という有無を言わせない宣言と、「それで…何とかあとで芝生苗用意してもらうことってできますかね…。なんとかお願いします!」という厚かましいおねだりもしてくれました。運動会では超定番の「綱引き」も、本校でやる場合は、結構な覚悟がいります…。
 

さて、「綱引き」が初めての子どもたちに、「綱の持ち方」から「綱の引き方」、「綱への移動の仕方」などを丁寧に指導しなければなりません。仕切ってくれるのは「たてわり活動」担当のK先生です。K先生の指導は、いつも「みなさん、体操服はちゃんと着られてますか?」、「ちゃんと体操帽はかぶれてますか?」、「マスクは外していますか?」という小気味よいコマンド(確認)から始まります。活動の前に、きちんと「身なりが整っているか」をしっかり確認することで、子どもたちの気持ちもシャキッとして、「心の準備」も整います。

 

「綱引き」の説明の後、早速子どもたちは、実際に綱引きをしてみました。体育館なので、チームを小分けにして、何回かに分けて試してみました。綱のそばで、子どもたちを指導したり応援したりする先生や支援員さん、綱の後ろで、けがをしないように安全確保する先生たち、熱中症等、具合が悪くなっている子がいないか、始終子どもたちの様子を確認する先生、支援員さんたち…臨機応変にそれぞれが子どもたちを支えます。いつも心強い「チーム北小」のスタッフたちです。

 

子どもたちは、初めて行う「たてわり綱引き」に大興奮!そして何よりもとても楽しそうな表情。運動会で大切にしたい「全力」と「協力」のふたつの力を象徴するような雰囲気でした。

 

 そもそも芝生運動場では御法度の「綱引き」…。そう何回も練習はできません。あとはリハーサルくらいしか練習できません。ここからは6年生の力が重要になってきます。最上級生として、下学年の子どもたちにわかりやすく指示し、リード(牽引)し、団(チーム)の力を結集させられるよう頑張ってほしいと思います。


15:40
2024/09/13

「これだけ暑くても 今は秋 ~芸術の秋~ 」

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今、校長名でちょっと堅めの文書を作るとき、暦の上では、「秋涼の候 皆様におかれましては…」と書き出すのが礼儀なのですが、まだまだ強烈な暑さが続く毎日、どこにも「秋」も「涼」も感じられなくて、なんとなくまぬけな文章に思えてきます。

今日も朝から太陽が容赦なくじりじりと照りつけてきます。こんな暑さにはやはり「日傘」がもっとも有効で、陰を作るだけでうんと暑さが和らぎます。登校時に日傘をさしてくる子が増えてきたように思います。

 

逆に、ハンディファン(手持ち扇風機)を持つ子は減りました。ファンを回したところで「熱風」しかこないのであまり効果がありません。熱暴走や突発的な発火なども心配です。暑さ対策を思うと、やはり「日傘」をお勧めします。「暑さ寒さも彼岸まで…」という言葉がありますが、その言葉通り、来週くらいからは涼しくなってほしいと心から願っています。

 

さて、学校では「運動会」モードが高まりつつありますが、通常の教科学習にも落ち着いて取り組んでいます。特に秋は「芸術の秋」ですから、図画工作での作品づくりにも力を入れています。

2年生教室を覗くと、何やら楽しそうに絵づくりに取り組んでいる姿がありました。作品のテーマは「はさみアート」。まず白画用紙を思いのままに切ります。ぐにゃぐにゃに切ったり、ぎざぎざに切ったり、ぐるぐる丸く切ったり…何か「具体物」をイメージして形を切り取るのではなく、とにかく「自由に思いのままに…」です。次に、自由に切った白画用紙を、黒い画用紙に、置いたり並べたりしながら、そこからイメージできる「世界」を絵にしていきます。例えば、「海の中」だったり、「宇宙」だったり…自分のイメージで世界を設定し、あとはその世界が楽しくなるように、いろんなものを描き加えていく…そんな絵の作り方です。


 

思いのままに切った画用紙の形を「何に見立てて画面を構成するか」が最も大切なポイントですが、作品を楽しくしてくれるのは、やはり「変化」だと思います。「大きさ」に変化をつけて、画面の中に「大きなもの」「中くらいのもの」「小さなもの」を配置すると、画面に迫力が出たり、奥行きが生まれたりします。また、「向き」に変化を持たせて、「まっすぐ」ではなく、「ななめに」、「曲げて」配置することで、動きが生まれたり、スピード感が出たりします。写真の作品はとっても「変化」があって、楽しい作品に仕上がっています。

 

決裁をとるために回議に回っていた、4年生の学級通信の中にも「芸術の秋」を見つけました。
 

 

いわゆる「クロッキー」と呼ばれる速写の作品です。「スケッチ」との違いは、やはり「速く」描くところです。だいたい10分以内に描き上げます。対象をよく見て、できるだけシンプルな線(1本線)で描きます。美術の世界では、「ものの形を素早くとらえる」訓練としてする「クロッキー」ですが、小学校においては、「よく観察する」「集中力を持続させる」という点でも効果があります。写真の作品は、かなりよく見て描いたのでしょう。形もとれていますし、上靴特有の柔らかな感じも出ています。すばらしい作品です。

運動会に、芸術に、教科学習に…大変忙しい2学期ですが、子どもたちの学習や活動が、しっかりと実を結ぶよう、子どもたちの楽しさや成長につながるよう、我々教職員一同、しっかりと指導・サポートしていきます。


15:59
2024/09/12

「地域の方々と地域を学ぶ~5年生田んぼのこ学習~」

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暑い日が続いていますが、田んぼの稲はぐんぐん育ち、収穫の時期を迎えています。本校の米づくり体験田も、建部南町の種村さんのお世話になり、9月20日(金)に無事に稲刈りができる運びとなりました。

子どもたちは、春に田植え体験をさせていただきましたが、その後の田んぼの管理や稲の世話はすべて種村さんにお任せし…つまり子どもたちは、米づくりの本当に大変な部分や苦労は知らないまま、お米の収穫だけをさせてもらうことになります。(いわゆる「いいとこ取り」です)

今日まで子どもたちは、総合的な学習の時間の「探求学習」として、体験田に出かけて、稲の生長や田んぼの環境について観察したり、インターネットで「米づくり」について調べたりしながら学習を進めてきました。

 今日は、田んぼをお世話いただいている種村さんや、地域の農業委員さんやJAさんの力をお借りして、自分たちの観察や学習を通して、出てきた疑問や調べてもわからなかったことについて、質問に答えていただく機会を作っていただきました。


 

「植えたときは3~5本ぐらいだった苗が、今はとてもたくさん増えているのはなぜか?」、「なぜ、お米はいくつも種類(品種)があるのか?」、「田んぼに水をいれたり、抜いたりする理由はなんですか?」、「稲が大きくなるまでに一番工夫(苦労)したことは何ですか?」などなど、いろんな質問をぶつけて、地域の米づくりの専門家たちに、一つひとつ丁寧に教えてもらいました。

意外だったのは、説明の中に、昔から農業においては普通に使われている「数の単位」が出てくるのですが、子どもたちはもちろん、先生たちも初めて聞く言葉がありました。

例えば、田んぼや畑の広さを表す「1反(たん)」や「1畝(せ)」、「1町(ちょう)」という単位。田んぼは「反」で表すのが基本で1反=およそ20m×50m=1000㎡です。1反の10分の1、つまり10m×10m=100㎡の広さを「1畝」といいます。逆に1反の10倍=10反のことを「1町」とよんで、広さは100m×100m=10000㎡になります。

子どもたちが習う算数の「広さの単位」でいえば、「1a(アール)」=10m×10m=100㎡=「1畝」、「1ha(ヘクタール)」=100m×100m=10000㎡=「1町」=「10反」ということになります。

このことがわかってないと、「…みんなが田植えをしてくれた田んぼはだいだい「1反」やけど、みんなが植えた部分だけでいうと、だいたい「2畝」くらいかな…」という説明が「?????」になってしまいます。

 

子どもたちは、説明を聞きながら、一生懸命メモに取っていました。

田んぼの観察の時に撮った写真を見せて、「この虫はなんですか?」とか「この赤いものはなんですか?」といった質問もあり、こういう時にはタブレットは、とても便利だなと思いました。

 でも、子どもたちには「もう少し、自分たちで探求してほしいな」と思う部分もありました。

例えば、「稲一束から何粒くらいお米がとれますか?」とか「体験田でとれるお米は、ごはん茶碗何杯分くらいになりますか?」という質問。一束にできる米粒の数は、実際に自分で数えてみれば分かりますし、それがわかれば田んぼ全体でとれる米の数や量もわかります。あとはインターネット等で、ごはん茶碗一杯分のごはん(米)の量や粒数を調べれば、5年生なら十分計算で求められます。

「わからないことは質問する」というのは、それ自体「正解」だと思いますが、まず自分たちで「考えられるだけ考える」ことが大事だと思います。「本当にわからないことなのか?」、「今の自分たちの力で解決できるのではないか?」と検討、吟味、探求できる力をつけてほしいなと思っています。国語にしても算数にしても、今まで学んできたことを活用すれば、結構なことができたり、わかったりすると思っています。

子どもたちの「探求心」をどうかきたてるか、「活用力」をどう伸ばすか…これは我々「先生」の授業(構想)力にかかっているところでもあります。

子どもたちのために、たくさんの質問に対応してくださった種村さん、高村さん、梅原さん、雲林院さん、本当にありがとうございました。


15:31
2024/09/11

「熱中症指数 危険域の昼休み ~6年生の熱き想い~」

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相変わらず残暑は厳しく、毎日熱中症計の数字とにらめっこしながら子どもたちの活動を見守っています。今日はロングの昼休み…子どもたちは暑さなんか関係なく、めいっぱい体を動かしたいという「本能」に満ちあふれているのですが、残酷にも熱中症指数は31℃オーバーの危険域に達したため、「外出禁止令」が出てしまいました。学校も少しでも子どもたちの楽しみになればと、テレビアニメを全館放送で流し、教室で見られるようにしています。低学年の子どもたちには、結構好評なようで、教室で静かにテレビアニメを楽しんでいる風景が見られました。中学年は、運動会のダンスのビデオでしょうか、電子黒板に写される映像を食い入るように見ている子たちも多かったです。

 去年の今頃は、「外出禁止令」が出されると、だめだとわかっているのに、校舎内をあそび場にして、「鬼ごっこ」をする子たちがたくさんいて、廊下を走る音がやかましく鳴り響いているような昼休みでしたが、今年はそんな子どもたちがほとんどなく、それなりに過ごし方を考えてくれているようでした。毎日毎日、全教職員が「廊下は歩きましょう!」と言い続けてきた成果が今ようやく出てきた感じがします。子どもたちに「根負け」することなく、地道に「全教職員が言い続ける」ことの大切さを感じています。

 

そんな昼休みでしたが、6年生だけは事情が全く違います。昼休みは、全員体制で運動会の準備を進めてくれています。6年生教室に行くと、電子黒板に資料を映してミーティングをしている子どもたちや、応援ついて書かれたプリントを確認しながら、一人で下学年に応援の説明をする練習(シミュレーション)に没頭している子、ペットボトルを使った応援グッズを製作する子どもたちなどなど…「一生懸命」に満ちたすばらしい風景がそこにありました。

 


廊下の掲示板には、「運動会へのあゆみ」と銘打って、運動会に向けて自分たちが取り組んだことを振り返りながら、その「足跡」をしっかりと残していく掲示がなされていました。「エンジンのかかりが悪く、みんなが本気になるのに長く無駄な時間を費やした過去の失敗」を教訓にしながら、一日一日を大切に、「全力」と「協力」の2つの力で、「みんなが楽しい!最高の運動会にしたいという、6年生の熱い思いが伝わってきます。

 

また、ミーティングルームでは毎日、別の作業が進んでいて、各団のスローガンが書かれた大きな横断幕や団旗の製作が進められています。子どもたちがそれぞれの役割をもって、手間のかかる作業を黙々と進めている姿は、本当に最高学年としての落ち着きと頼もしさを感じるような風景でした。
 

6年生が、小学校最後の運動会にかけている思いには、周りの人間が思っている以上に熱いものがあると感じたロング昼休みでした。「あ~、もっとこうしておけばよかった…」そんな後悔だけはしたくないと強く思っているんだろうな…そんな6年生の姿が本校の「誇るべき校風」を創っていってくれます。6年生の皆さん、心から「お疲れさま」そして「ありがとう」。


16:31
2024/09/10

「運動会の練習が始まりました!」

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今日から運動会の練習が始まりました。お天気は申し分ないのですが、問題は「暑さ」…熱中症指数が31℃を越えたら、どれだけ子どもたちにせがまれても「屋外活動禁止」になります。

朝、校門で子どもたちを迎えている時間でも、「太陽の力」は半端ではありません。ジリジリ肌が焼けそうな感じです。そんな中、子どもたちは学校まで歩いてきてくれます。「暑い中、よう来てくれたね。ほんとお疲れさん。」と思いながら、「おはようございます!」と声をかけます。子どもたちは、学校に登校するだけで、かなりお疲れの様子で、あまり元気な挨拶は返ってきませんが、あまり気になりません。それより、「汗だくで赤い顔をしてる子はいないかな…。」と心配のほうが先に立つので、無事に登校してきてくれるだけで、ほっとしています。

朝から早速、高学年が徒走(短距離走)の練習を始めました。

6年生からコースを使った練習です。久しぶりに、みんな揃って「よーいドン!」…なんとなくワクワク感がみなぎっています。走るのが得意な子は「よーしやるぞ!」、苦手な子は「また、いやな季節がやってきた…。」心中は様々でしょうが、「全力を尽くす」「全力を応援する」子どもたちであってほしいです。

 

5年生は、体育館横の陰で、スタート練習です。高学年になると、「徒走」のイメージも「かけっこ」から「短距離走」みたいに、本格的に変わるのか、走り方(フォーム)を意識しながら、真剣に取り組む表情が印象的でした。教室での学習でもしっかり地に足つけて、真剣に取り組んでいる5年生…運動会での活躍と成長を、私(校長)はかなり期待しています。

しかし、熱中症指数計の値は30℃寸前に…子どもたちの様子を、ひやひやしながら見なければなりません。教頭先生に「3,4時間目は外の練習は無理ですね。」と伝えました。

 運動場には、休憩用のテントを4張たてました。昨日の退勤時間間際に、体育主任のT先生が「休憩テントを立てたいので、手伝える先生はお願いします。」と頼んだので、先生たちが総出で立ててくれました。「テント作業は意外に危険なので、けがをしないように軍手をするように。」という私(校長)の言いつけも、みんなちゃんと守ってくれます。この先生たちのチームワークのよさが本校の強みです。

 

3時間目は低学年の運動会練習。外は暑くて無理ですが、体育館の熱中症指数は26~27℃…大丈夫そうです。低学年は、団体演技(ダンス)の練習から始めました。

オリエンテーションでのT先生とK先生のダンスを見てから、子どもたちは踊りたくて仕方なくなっていました。1回目の練習とは思えないくらい、みんなノリノリで張り切っています。もちろん、この勢いになかなか乗れない子どもたちもいますが、先生たちにサポートしてもらって、これから少しずつ覚えて、自信をつけていってほしいと願っています。

 

先生や支援員さんもみんな、子どもたちと一緒に踊ります。みんながダンスを覚えて、「苦手さん」にしっかりと寄り添えるよう、一緒に踊ります。

とことん子どもたちと一緒に、とことん子どもたちに寄り添って、本校の先生やスタッフは、苦労と手間を惜しみません。これまた本校の強みです。

 

 

子どもたち自身も、先生たちに負けていません。早速昼休みに3年生がリレーの練習に自主的に取り組む姿が見られました。

いつもみんな遊びを楽しんでいる3年生。「みんなでがんばる」素地ができているようです。幸運にも風が出てきて、熱中症指数は30℃未満に…。昼休みは、子どもたちの楽しそうな歓声が響く運動場の風景となりました。

 そこに6年生の姿はありません。6年生はリーダーとして、それぞれの役割分担にしたがって、各所で運動会の準備をこつこつと進めていてくれます。

一日一日、子どもたちや先生たちの「一生懸命」が少しずつ少しずつ積みあがっていって、大きな大きな力となり、運動会当日には「感動」という大輪の花を咲かせてくれます。

「為すことによって学ぶ」…運動会は最高の「学びと成長」の場です。


16:34
2024/09/09

「慣用句って難しい…でも面白い~3年生国語~」

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今日、3年生の国語で「慣用句」の学習をしていて、とても面白そうだったので参観させてもらいました。

慣用句とは、「習慣として長い間広く使われてきた、ひとまとまりの言葉・文句や言い回し」のことで、また「2つ以上の言葉が結び付き、全体としてある特定の意味を持ったもの」のことを言います。

おそらく外国にも慣用句やことわざはあると思いますが、日本語は慣用句の種類がとても多く、外国人の皆さんが、日本語をマスターするための一つの難関になっているとも言えます。

長く勉強した割にほとんど英語すら話せない私(校長)に比べて、母国語と日本語を話せるバイリンガルの外国籍の子どもたちを、日ごろから「すごいな。」「すごく頑張っているな。」と思うのですが…外国籍の子どもたちもさすがにこの慣用句には、頭の中が「???」になって、理解に苦しんでいるようでした。しばらく外国籍の子どもたちを応援しながらサポートしていました。

授業では、教科書の慣用句の例から一つを選び、辞書でその意味を調べて、最後は自分でその慣用句を使った文を考えるというものでした。「かみなりを落とす」や「猫の額(ねこのひたい)」を調べている子が多かった気がします。最後はそれを画用紙の短冊に書いていました。


慣用句やことわざは、表現を豊かにし、その意味や感情をより具体的に、共感的に伝えてくれます。また、慣用句やことわざは生きるための「知恵」や「教訓」を知らせてくれるものでもあります。

子どもたちには、慣用句に興味をもってもらい、自分の言葉や文章表現を豊かなものにしてほしいと願います。例えば、体の部位を使った慣用句…例えば「口」を使った表現を集めてみると、「口がすべる」、「口がかたい」、「口をはさむ」、「口がさびしい」、「口がへらない」、「口がわるい」、「口に合う」、「口に出す」、「口から先にうまれる」…などなど、「口」だけでも結構な数の慣用句が見つかります。同じように「耳」「目」「手」「足」「首」など体の部位別に、あるいは動物や虫別集めてみると楽しく学べるかもしれません。ぜひ「自主学習(自主勉)」にお勧めします。

 

我々大人も今一度、慣用句について振り返ってみるのもいいかもしれません。結構間違った使い方をしてしまっているものがあるようです。私(校長)自身も恥ずかしながら、最近まで間違って使っていたものがありました。主なものを紹介すると…(×は間違った解釈 〇が正しい解釈)

   話が煮詰まる…×議論に行き詰っている様子 →〇「議論が十分になされ結論寸前の様子」

   役不足…×薬や仕事に対して実力不足 →〇実力に対して役や仕事が軽い

   潮時…×もう観念するべき時(否定的) →〇ものごとを変えるのにいいタイミング(肯定的)

   情けは人のためならず…×情けをかけることは、その人のためにならない。→〇人に情けをかけると、巡りめぐって最後は自分のためになる」

 

それから、言い間違いしている慣用句も結構ありました。

   ×怒り心頭に達する → 〇怒り心頭に発する

   ×采配をふるう → 〇采配を振る(ふる)

   ×足元をすくわれる → 〇をすくわれる

   ×間が持たない → 〇間が持てない

   ×的を得る(える) → 〇的を射る(いる)

   熱にうなされる → 〇熱に浮かされる

   愛想(あいそう)をふりまく → 〇愛嬌(あいきょう)をふりまく

   上には上がいる → 〇上には上がある

 

たぶんもっともっと勘違いしている慣用句があるんだろうなと思います。…いくつになっても勉強ですね。やっぱり日本語は難しくて、そして奥深いです…。


14:10
2024/09/06

「いよいよ来週から!~低学年 運動会オリエンテーション~」

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今日の5校時、1,2年生が運動会のオリエンテーションを行いました。来週から始まる運動会の練習や取組に向けて、目標を共有したり、見通しを持ったりするためのものです。

 最初に、団体演技で踊るダンスを若手のT先生とK先生が披露してくれました。はつらつとしたキレッキレのダンスに子どもたちは釘付けになり、途中からは自然と手拍子も起こって、とても盛り上がりました。「早く踊りたいな…。」とワクワクしている子どもたちの気持ちが伝わってきました。

T先生とK先生の2人は、さほど息も切らさず、ずっと満面の笑顔で、2曲連続でダンスを踊ってくれました。そんな2人を見ながら、還暦ヘルニア持ちの私(校長)は、「すごいなあ、いいなあ。自分も昔はキレッキレに踊れたのに…。」と、もう戻ってはこない「若さ」を大変うらやましく思っていました。

 

 

学年主任のF先生が、ダンスの曲に込めた思いも話してくれて、子どもたちは俄然やる気になっている感じでした。

次に、運動会までの練習スケジュールと運動会の目標や約束をF先生が説明してくれました。

大きな紙に打ち出された「運動会までのスケジュール表」が1,2年生教室に貼り出されます。見通しが持てないと不安になる子どもたちもいますから、このスケジュール表はとてもありがたいものになります。低学年の運動会の目標は、「楽しく助け合って、高め合おう」です。そしてそのために①時間を守ろう②よく見よう・聞こう③応援し合おうという3つの約束を大事にしていきます。とても明確でわかりやすく、子どもたちの心にストンと落ちたようでした。

今日はT先生とK先生の2人がダンスを踊ってくれましたが、低学年の先生たちはみんな踊れます。ダンス担当の先生に任せるのではなく、どの先生も、一人ひとりの子どもにしっかりと教えられるように、みんなが覚えます。夏休み中に、何度も集まって、先生たちみんなでダンスを考えたり、覚えたり、また子どもたちの発達段階を考えながら、綿密に練習計画を立てたり…かなりの時間と手間をかけてくれました。それほど、運動会を通して、一人ひとりの子どもに大きな自信と充実感を持たせてあげたいと願っているからです。運動が得意な子も苦手な子も、どの子も自分なりの目標をもって精一杯取り組み、大きな達成感と仲間との一体感が味わえる運動会にするために、先生たちは「本気」です。「学校の働き方改革」と逆行してるな…と申し訳なく思いつつ、やっぱり北小の先生たちは私(校長)の誇りです。
 

先生たちの「本気」が伝わってこそ、子どもたちが「本気」で動き出します。そして子どもたち自身が、七転八起しながら最上級の「全力」と「協力」を生み出してくれます。

それなりに長い時間のオリエンテーションになりましたが、1年生も2年生も集中を切らすことなく、姿勢を崩すこともありませんでした。2学期が始まってまだ5日目…、すでに子どもたちの足がちゃんと地についていることがとてもうれしかったです。

 来週からのブログは、「運動会ネタ」が多くなりそうです…。


16:01
2024/09/05

「秋の自然遊び ~1年生 虫ムシ大捜索~」

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今日は1年生の生活科の学習にお邪魔させてもらいました。運動場周辺で、生きものを探します。相変わらず暑いですが、今日は少し「秋らしい風」が吹いていて、心地よかったです。WBGTも26℃と落ち着いていました。運動場にはたくさんのアキアカネ(赤とんぼ)が舞っていて、子どもたちが来るのを待っていてくれているかのようでした。私(校長)が運動場に出ると、何人かの1年生が、いつものように「校長先生~‼」と言って走り寄ってきてくれました…この可愛さは、もはや「目に入れても痛くない」レベル。孫を溺愛するおじいちゃんみたいな気分になっています。

子どもたちのお目当ては、どうやらコオロギやバッタのようです。目を付けたのはフェンス沿いの溝…しかしあまりムシはいませんでした。その代わりカエルはたくさんいて、ピョンピョン跳び回ります。

「わ~!カエルや!」と子どもたちは声に出すわりには誰もカエルを捕まえようとしません。「カエルは気持ち悪いからイヤ!」…残念ながらカエルは子どもたちに不人気のようです。

 

 少し背の高い草むらを探す子どもたちもいました。なかなかいいねらいです。日中は気温が高すぎるので、ムシたちは、草の茂った涼しいところや石の下に隠れています。

何かを見つけたのか、子どもたちが追いかけ回しています。支援員のO先生の「ムシはそうっと近づいて、気づかれないようにして捕るんやで…」みたいなアドバイスが聞こえてきそうです。

 

 

しばらくすると、「校長先生~見て見て!コオロギ見つけた~!」と子どもたちが見せてくれました。とても立派なコオロギでした。「そのコオロギさん、オスかな?メスかな?あとで調べてごらん。ポイントはお尻やで!」と子どもたちに宿題を出しました。

私(校長)は、オンブバッタをゲットしたので、子どもたちに、「このバッタは、噛みも暴れもしない、一番おとなしいバッタやから、ムシが苦手な人でも、手に持てるよ。頑張ってもってみたら?」と投げかけると、「ほんと~?」と怪訝そうな顔をしながらも、何人かの子どもたちが初めてバッタをもつことができました。

虫ムシ大捜索は、楽しいばかりではありません。自然の中には一見、とてもかわいくて、美しいムシでも、絶対手を出しちゃいけないやつもいます。いわゆる毒虫といわれるムシです。

何人かの子どもたちがしっかり見つけてくれました。そして、「校長先生、このケムシ、さわってもいいの?」とちゃんと聞いてくれました。「よく分からないものには近づくな、触れるな!」…自然遊びの鉄則です。触る前に、ちゃんと確認した1年生…危機管理ができていて、えらいえらい。

私(校長)が見に行くと、それはイラガという蛾の幼虫でした。八日市では昔から「ヤツガシラ」とか「オイラ」と呼ばれているやつです。

 

 もはや「芸術品」とよべるきれいな緑色の美しいケムシです。でもこいつに刺されると結構痛いし、たくさんの毒毛が残るので厄介です。

自然の中の「危険」を知るのも、とても大切な勉強です。そういうことが分かってくると、素足にサンダルで草原に入るなんて、むちゃなことはしなくなります。

 明日あたり、「昨日のコオロギさんはオスやった?メスやった?」と子どもたちに聞こうと思っています。


14:38
2024/09/04

「表現する・発信する!~高学年の夏休み新聞から~」

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2学期3日目。今日はお天気がいい分、気温も上がりました。昼休みの熱中症指数WBGTは運動場で約28℃、体育館で約26℃…これからもこのへんぐらいで勘弁してほしいところです。

子どもたちは、少しずつ暑さにも慣れ、「学校生活」のリズムを取り戻してきたように思います。教室から聞こえる詩の音読の元気な声や、昼休みに運動場で仲間と一緒にはしゃいでいる明るい声を聞いていると、あたりまえのはずの「学校の風景」なのに、「やっぱり、この感じが学校のよさなんだな…。」としみじみ思います。

さて、昨日は下学年の「夏休み絵日記」を紹介しましたが、今日はその続きで、上学年の「夏休み新聞」を少し紹介しようと思います。

4年生のUさんの「わたしの夏休み」です。4年生も、しっかりと文章をかけている人が多くて感心しました。Uさんの新聞に惹かれたのは、最後のまとめを、「目標に向けて頑張れた夏休みでした。」と締めくくっていることです。どの子にとっても楽しいことがたくさんあった夏休みだと思いますが、自信をもって「目標に向かって頑張れた!」といえる人はなかなかいないんじゃないかと思いました。

「ピアノ発表会…頑張って練習してきたので、本番も緊張せずに力を出し切れてよかったです。」

「剣道の昇級試験…うまく出来るか不安だったけど、絶対に合格したかったので、一番大きな声を出して、気合で頑張りました。」

「アルバイト…。毎年、夏休みはおじいちゃんの職場のバイトに行っています。…おじいちゃんに喜んでもらえてよかったです。」

たくさんのことに「全力」で「挑戦」し、満足感や充実感を得ているUさんの力強さ、たくましさが伝わってきました。


 5年生では、Nさんの「夏休み新聞」に強い「探求心」を感じ、引き込まれてしまいました。

 

家族旅行の楽しい思い出を書くだけでなく、そこで興味を持ったことにぐいぐい食い込んでいく「探求心」がすごいなと思いました。「探求」とは、ものごとに「興味関心」をもち、「疑問」を抱き、解決のために「調べ」「まとめ」、そして「発信」する…という一連の行動です。Uさんは「ワイン風呂のワインはアルコールを飛ばしているのか?」と疑問を持ったり、山形県のワインについて調べまくって、まとめて…さらに、直売所の人と話し、「デラウエア」や「巨峰」の旬の情報まで手に入れたり…そのコミュニケーション力も圧巻です。

「総合的な学習の時間」の学習が目指しているのは、まさに、この「探求力」だと思っています。素晴らしい新聞でした。

 

 

 

 

最後は6年生の「夏休み新聞」です。

さすがに6年生の新聞は、内容も盛りだくさんでどれも読みごたえがあるのですが、中でもOさんの新聞は、「新聞」というより、もはや「作品」といったほうがいいほどの、工夫とこだわりと手間のかかった超大作でした。文章量は多くありませんが、巧みなイラストや吹き出しから生まれる「テンポ・リズム」や「ストーリー性」が秀逸でした。「自分の好きなこと、やりたいことをやりつくした!」という感じがします。本当にあっぱれ!です。

 

夏休みの思い出に浸りながらも、教科学習も本格始動しました。来週からはいよいよ運動会の取組も始まります。「どの子もやる気と粘りをもって取り組める運動会」にするために、教職員一同、全力で子どもたちを導き、サポートしていきたいと思っています。

 


17:13
2024/09/03

「文章を綴る 思いを伝える」

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 今日は、午前中ずっと市の校長会議だったので、子どもたちの学習や活動がまったく見られず残念でした。放課後の時間に、校舎をうろうろしながら、子どもたちの「夏休みの作品」などの掲示を見ながら、子どもたちの楽しかった夏休みに思いを馳せていました。運動場から聞こえてくる学童の子どもたちの遊ぶ声が、心地よく耳に響いています。

 2年生教室の廊下掲示板には、「夏休み絵日記」が貼られていました。

 

一人2枚(2日分)、夏休みの思い出を日記にするのですが、まず感心したことは、みんな「結構な長さの文章」が書けていることです。しかも、字がとても丁寧なことも素晴らしかったです。楽しかった思い出を全部詰め込むように「思い出の絵」もしっかり描けています。絵日記の内容は、夏休みに出かけた家族旅行や、キャンプの思い出が多かったです。

 そんな「絵日記」の中で、特に私(校長)の心に留まったものを紹介したいと思います。

 

Oさんの絵日記から>

 僕は、わじまのじいじいの家へあそびに行きました。じしんでつぶれた家やかたむいたでんちゅうを見つけました。すごいじしんがあったんやなとおもいました。こんなじしんがきたらこわいなとおもいました。

・・・後略

 

 能登の地震の大きな傷跡を実際に見て、感じたことを綴っています。実際に目にしたからこそ「すごい」や「こわいな」に重みを感じます。

 

 

Tさんの絵日記から>

 …バドミントンの大会にでました。ぼくはよせんリーグで3回かつことができ、よせんを1いでつうかすることができました。

けっしょうトーナメントにでましたが1回せんでまけてしまいました。とてもくやしかったです。

でも、3回かつことができたし、れんしゅうしたこともちゃんとできたことがよかったです。

つぎもがんばります。

 

 私(校長)の始業式のオリンピックの話で、「負けをきちんと受け入れる」、「悔しさをバネに、前向きに次に向かう」という趣旨の話をしましたが、そんなことわざわざ言わなくても、2年生のTさんは、ちゃんとわかっています。「負けて悔しい…でも練習してきたことがきちんと出せた!また次がんばるぞ!」…次に向かう前向きな気持ちを綴っています。とても素晴らしいと思いました。

 

何もかもがどんどん便利で手軽になっていく今の時代。ややもすると、子どもたちの文字文化も「マンガの吹き出し」やSNS等の「単語(短文)の会話」などに見られる「短文・省略中心の文字文化」に飲み込まれそうです。低学年の時期から、しっかりと文章を綴る…文章で思いを伝えることを大切にしていきたいと改めて感じました。「文章を綴る力」は「書くこと」でしかつきません。「書き慣れること」を大切にしていきたいと思います。どうしても書字が苦手なら、ワープロでも構わない…とにかく自分で「文章を綴る」ことを積み上げていってほしいと思います。


17:02
2024/09/02

みんな おかえり!~2学期のスタート~

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長かった44日間の夏休みが終わり、久々に子どもたちの元気な笑顔が、学校に戻ってきました。「さあ、始まるぞ~!」って感じで、ハイテンションで登校してくる子はなく、逆にあからさまに「だる~…」って感じでうなだれてくる子もなく、びっくりするくらい「普通」に、「平常通り」に登校してくる子どもたちでした。「元気がない」という感じでなく、「落ち着いている」…そんな感じを受けました。

それぞれの教室の黒板には、担任の先生が書いた「みんな おかえり!」の文字が、子どもたちを温かく迎えてくれます。

 

 

 

迷走しっぱなしの台風10号は、熱帯低気圧に変わり、本市には大きな影響もありませんでしたが、やはり「酷暑」はすぐに戻ってきて、まだ朝の早い登校時間でも、直射日光のもとでは、かなり厳しい暑さでした。2学期の始業式は、熱中症や感染症のことを考え、大事をとって各教室でのリモート始業式にしました。全校が一堂に会せないのは淋しい気がしましたが、保健のH先生の「暑さ対策と感染症対策」の大切なお話もあったので、暑さに耐えながら聞くのではなく、涼しい教室で集中して聞けたので、それはそれでよかったと思いました。

 

 

 

2学期最初の校長ブログは、始業式での「校長の話」を載せさせていただきます。

 

『 この夏休みにはいろんなことがありましたね。前半は、パリオリンピックにくぎ付けになりテレビばかり見ていました。8月8日には宮崎県沖で大きな地震があり、南海トラフ巨大地震に関しての臨時情報が発表され、日本中が地震発生を心配しました。夏の甲子園、高校野球では北小の校区にある滋賀学園高校が大健闘しました。野球だけでなく、「滋賀学の応援」が話題になり、その活躍がなんだかとても誇らしかったです。逆にとても悲しい事故もありました。夏の終わり、東近江市内の中学生が水の事故で亡くなりました。将来のある若い、若い命が奪われました。ご家族や学校の仲間の気持ちを思うと、やりきれない気持ちになります。心からご冥福をお祈りします。

 

さて、オリンピックの話に戻しますが、今回のオリンピックでは、「日本のお家芸」とよばれる柔道や体操、レスリングだけではなく、フェンシングや馬術、それにスケートボードやブレイキンなどの新しい競技でも、日本選手がたくさんのメダルを獲得し、大活躍しました。オリンピックをテレビで観戦し、競技する選手の姿にたくさんの感動をもらえた人もいたのではないかと思います。校長先生も、様々な競技に声援を送り、選手の競技する姿や試合後のインタビューの姿に感動し、学ばせてもらうことがたくさんありました。校長先生が大切だなと改めて思った三つのお話をします。

 

●一つ目は「好きなことに挑戦し、自分の可能性を広げる」ということです。

スケートボード女子ストリートで金メダルを獲得した中学3年生の吉沢心(ここ)さんは、6年生とは3歳しか年が離れていません。自分が小6だった3年前の東京オリンピックで、メダリストの技が、自分が普段やっている技であることに驚き、自分も競技に出てみようと思ったというエピソードがあります。誰にとっても自分がとことん熱中して取り組んでみることが、将来の自分に大きな影響、大きな夢を与えることになる、自分自身の可能性を広げることにつながるのだと改めて感じました。

●二つ目は、「諦めない」こと、「全力をつくす」ことの大切さです。

勝負には勝ち負けがつきものです。たとえ勝つことができなくても、最後まで諦めることなく必死に競技する姿に心を打たれました。改めて、メダルを目指すこと、勝つことが全てではなく、最後まで全力を尽くすこと、自分が一つ一つの試合とどのように向き合うかが大切であると思いました。試合後、勝ち負けに関係なく、お互いの「全力」「健闘」を称えあう選手の姿に心を動かされました。

●三つ目は「感謝の気持ちを表す」ということです。

競技の後のインタビューやSNSへの投稿のなかで、選手自身を支えてくれたスタッフ、共に戦ってきた仲間や、家族に対しての感謝の言葉が心に残りました。たくさんの感謝の言葉の中で、校長先生が一番感動したのは、この人の言葉です。それは、卓球女子団体の銀メダル、女子個人銅メダルを獲得した、早田ひな選手です。

早田選手は、女子個人戦で痛めていた左腕の状態が悪化し、ラケットも持てない状態になってしまい、一時は出場が危ぶまれましたが、早田選手自身はもちろん、日本チームスタッフの懸命なリハビリや、痛み止めの注射などの治療のおかげで、個人戦では見事銅メダルを獲得し、団体戦でも負担の少ないダブルスに出場し、銀メダル獲得に貢献しました。

そして、そんな早田選手に対して、早田選手ができることを探りながら練習相手を務め、誰よりも寄り添い、励まし続けたのが、リザーブ(補欠)を務めていた木原美悠選手です。

 

<ちょっとこの写真を見てください。> …卓球女子団体戦の表彰式後の記念写真

 

卓球女子団体戦の表彰式の後の記念写真です。団体戦で見事、2大会連続銀メダルを獲得した早田選手、平野選手、張本選手の3人にまじって、木原選手も一緒に写っています。コーチや医療スタッフも一緒に写っています。そして、銀メダルは本当は3人分しかないのに、4人ともメダルをかけています。実は、早田選手がかけているのは、早田選手が個人戦で勝ち取った銅メダルです。早田選手は勝ち取った銀メダルを、木原選手にかけてあげたのです。

裏方として共に戦ってくれた木原選手への感謝の気持ちを込めて、「団体戦の表彰式で、4人でメダルをかけて記念写真を撮りたい。」と強く願った早田選手の行動でした。早田選手自身が、3年前の東京オリンピックで自分自身経験した、リザーブとして、選手の気持ちを考えて支えること、いざという時のために自分も練習すること、見通しの立たない立場の難しさを知っているからこその、木原選手への感謝の姿でした。

常に感謝の気持ちをもって、仲間として協力し、支えあう…銀メダル以上に世界に誇れる、日本チームとしての素晴らしい力を見せてもらった気がしました。

 

さあ、2学期が始まります。2学期といえば、運動会です。今年の運動会も昨年度同様、「二つの力」を大切にして、「みんなにとって最高に楽しい!」運動会にしてほしいと思います。「二つの力」…皆さんはもう分かっていますよね。そうです。「全力」と「協力」です。精一杯頑張りましょう。

そして、逆に次の2つの言葉は絶対使わないようにしましょう。

一つ目は、「だって」。「だって…〇〇やから…」という、うまくいかない理由を人のせいにしたり、言い訳したりする言葉。

二つ目は、「どうせ」。「どうせ、自分は〇〇やから…」という、自分の力をあきらめてしまう言葉。

「だって」と「どうせ」という言葉が出てこないように、いつも自分をしっかりと振り返りながら、相手の気持ちを考えながら、決してあきらめることなく前向き(ポジティブ)に頑張っていきましょう。

 運動会が終わったとき、勝っても負けても、日本卓球女子チームに負けない素敵な学級・学年写真が撮れることを願っています。

これで、校長先生のお話を終わります。長い話をしっかりと聞いてくれてありがとうございました。』

 

 11時半の学年下校。子どもたちを見送った後、1学期と同じように、下駄箱の靴を整えます。



 整頓する必要がないくらい、はじめからきちんと整っています。北小の子どもたちの素敵な「普通」…「平常通り」です。明日からまた子どもたちと毎日会えます…とても嬉しい気持ちです。


17:36
2024/07/19

「1学期終業 ~健康・安全で楽しい夏休みを!~」

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本日で、令和6年度1学期の終業式を無事に終えることができました。

蒸し暑い中でしたが、子どもたちは集中力を切らさず、整然としたいい終業式になりました。

 

できるだけ短時間で終えたかったので、校長の話は、

「できるだけ時間を短くしたいので、めっちゃ早口で話しますが、集中して聞いてくださいね。」と前置きすると、全学年姿勢を正して、「全力で聞く」モードに切り替えてくれました。そんな子どもたちの姿に思わずこちらが恐縮してしまいました。ほんとにありがたいことです。

実際は、だいぶ省略してして話してしまいましたが、用意していた原稿をこのブログにそのまま載せたいと思います。

 

<校長講話>

皆さん、おはようございます。いよいよ今日で1学期が終わります。明日からは待ちに待った夏休みです。皆さんにとって、この1学期はどんな学期になりましたか?学年が一つ上がって、新しい学級、新しい担任の先生で始まった4月、あれから3か月以上たちました。

 

1年生は、すっかり小学校生活に慣れましたね。毎日楽しそうに学習している1年生の笑顔とシャキッと姿勢がいいところ、そしていつも「校長先生~!」と声をかけて、寄ってきてくれることがとてもうれしかったです。

2年生は、1年生のお兄さんお姉さんとして、やっぱりしっかりしてきたなと思っています。集中力やテキパキ動く行動力がついてきたと思います。毎日欠かさず野菜のお世話ができましたね。「校長先生、見て見て!こんなにミニトマトとれた!」と嬉しそうに報告に来てくれるのがとてもうれしかったです。

3年生は、とにかく元気でした。昼休みにいつもみんなで、先生も一緒になってみんなで遊んでいましたね。みんなで遊ぶことや学級会を通して、だんだん「仲間意識」が育ってきて、クラスで協力できる力がついてきたと思います。

4年生は、ホール子やもりのこ学習など、実際に体験して楽しく学べることが増えましたね。また、上学年に上がって、改めて「やるべきことをきちんとやる」「けじめをつける」など、自分たちを律することの大切さを考え、上学年としての自覚を新たにできた1学期でした。2学期の運動会での活躍が楽しみです。

5年生は、学習やいろんなことに、前向きに積極的に取り組めるようになりましたね。4月、5月…と時間が経つほど、5年生の教室の雰囲気が明るく、あったかくなっていくのがよく分かりました。しっかり高学年としての「たよりがい」が出てきました。

最後に6年生。6年生はいつも「みんなが楽しい!八日市北小学校」という学校目標を意識していてくれて、児童会や委員会、縦割り活動などで、自分たちの力で「楽しさ」を創り出そうと自主的積極的に行動していてくれることがとてもうれしいです。また、学習とそれ以外の時間できちんと気持ちを切り替えることができて、いつも授業中6年生教室に入ると、そのみんなが落ち着いている雰囲気が、とても居心地がよく、幸せな気持ちになりました。

 

「みんなが楽しい!八日市北小学校」を目指して、それぞれの学年がそれぞれに頑張り、それぞれに成長した1学期だったと思います。自分のことばかり考えていた自分が、友達の気持ちを考えられるようになったとか、今まで学級でひとつにまとまるなんて考えてなかったけど、学級のみんなの気持ちが一つになった瞬間が味わえたとか、学校全体を「楽しく」するために、最高学年としていろいろ考えて、行動に移せたとか…、自分の中の「みんな」の範囲が、意味が少しでも広がった実感があったらいいですね。

また、「楽しい!」というのは、ただ「おもしろい」というだけのものじゃなく、勉強が分かる、できるというのも「楽しい」ですし、「友だちがふえる」というのも「楽しい」です。自分自身が成長したと思えることも「楽しい」ですし、だれかに「ありがとう」と言ってもらえることも「楽しい」です。「楽しい」はいっぱいいっぱいあります。無限にあります。この1学期、自分にとっての「楽しい」がたくさんさくさんあったのなら、本当にうれしいですね。

 

それから、学校全体でよかったなと思うことは、この1学期、みんなで「ありがとう」という言葉が大事にできたことです。「ありがとうメッセージ」や「ありがとう週間」の取組で、「ありがとう」がいっぱい増えました。「ありがとう」という言葉は、言った方も、言われた方も気持ちよく、みんなを幸せな気持ちにさせる魔法の言葉です。これからもどんどん広げていきたいですね。

校長先生自身も、皆さんにたくさん「ありがとう」を言ってもらいました。特に多かったのが「校長先生、毎日、下駄箱の靴をそろえてくれてありがとう」という言葉です。

校長先生は、皆さんに「きれいに揃っている、整っている風景を気持ちいい」と思ってほしいから毎日靴を整頓しています。きちんと整っている、きれいに掃除が行き届いていることを気持ちいいと思えれば、毎日のそうじも、トイレのスリッパを整えることも自然にできてくると思っています。

校長先生のそんな思いに気づいてくれた人から、自分の靴をきちんと整えてくれるようになってきて、友達の靴が乱れていたらそっと直してくれる人まで出てきました。今では校長先生が、ほとんど整頓しなくても、全員の靴がきちんとそろっている学級が増えてきました。毎日意識して靴をそろえることや、毎日の掃除を懸命に頑張っていてくれる人たちに心から「いつもありがとう」と言いたいです。

 

他にも少しでも学校の環境を整えようと自主的な行動を起こしてくれたボランティアマン率いるボランティア委員会の活動も、ある日、道路に散乱しているたくさんのゴミをきれいに拾って片付けてくれた5年生の5人の行動も、校長先生にとっては、とてもうれしいことです。北小の誇り「北小プライド」だと思っています。本当に「ありがとう」と言いたいです。

さあ、明日から、いつもより長い夏休みが始まります。どうか皆さん、事故や病気に十分気をつけて、ちゃんと「自分の命」を自分で守って、9月にまた元気な顔を見せてください。楽しい夏休みを!

 

後半はH先生から夏休みの生活について「健康」「安全」「計画」の3点にしぼってお話をしてもらいました。最後には1学期の思いでスライドショーもあって、しっかりと1学期を振り返ることができました。

 

終業式の後は全校で大掃除です。終業式での私(校長)の話も意識してくれたのか、どこのそうじ場所を見に行っても、みんな一生懸命大掃除をしていてくれました。

 


 明日から44日間の長い夏休みが始まります。事故や病気がなく、健康で安全に有意義な夏休みにしてほしいと切に願っています。

 保護者の皆様、地域の皆様には、1学期間、本校教育に対する格別なご理解とご協力をたまわり、深く感謝申しあげます。本当にありがとうございました。ご家族そろって、どうか元気にお過ごしください。

 


18:07
2024/07/18

「それぞれに1学期をしめくくります。~節目って大事ですね~」

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昨日で給食も終わり、今日からは半日校時。いよいよ明日は1学期の終業式です。

今日はどこの学級も「お楽しみ会」や「1学期の打ち上げ」を楽しんでいるようでした。

 

「2-1パーティー」と称して、いろんな出し物(発表)が行われたり、学級でレクリエーションを楽しんだりしていました。3年2組の教室は「夏祭り広場」と化し、教室内にいろんな「遊びコーナー」が設けられていて、お店側とお客側に分かれて、交代しながら楽しんでいました。

 

 

 

私(校長)は、4年生のG先生に1時間もらって、4年生の子どもたちと「仲間づくりプログラム」(PA)を楽しみました。いろんな「遊び」や「挑戦」を通じて、「みんなが楽しい!」のために大切なことは何かを探っていきました。「体験」と「振り返り」を繰り返しながら、自分たちの学級集団を見つめ、仲間づくりの大切なことに一つずつ気づいていきます。1回きりでは効果も薄いので、2学期も定期的にさせてもらえたらなと思っています。

 

 

 もちろん学期末は「お楽しみ」だけではありません。3つの「あ」のひとつである「あとしまつ」もしっかりやらなければなりません。明日も大掃除の時間がとってありますが、それでは足らないので、今日も各教室でいろんな「あとしまつ」が行われていました。

 

 

 

 机の引き出しを洗ったり、机や椅子の脚についたほこりをとったり、1学期間お世話になった道具や備品、教室をきれいにします。いつのまにか砂(泥)だらけになっている下駄箱もきれいに掃除しないといけません。どの学年も、どの子も落ち着いて丁寧に作業していて感心しました。

 今日で期末個別懇談も終わります。保護者の皆様、お忙しい中時間をとっていただき本当にありがとうございました。1学期間の子どもたちの頑張りの証である「あゆみ」をもらって、「あとしまつ」もきちんとして、気持ちよく夏休みを迎える…やっぱり「節目」って大事ですよね。


11:55
2024/07/17

「応援団長にかける熱い思い ~信頼できる最高学年~」

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そろそろどこの教室も1学期の「がんばった会」や「お楽しみ会」モードに入ってきて、各教室からは楽しくにぎやかな笑い声や歓声が聞こえてくるようになりました。そんな中、6年生のある教室だけは、何やら真剣かつ神妙な雰囲気に包まれていました。教室に入ってみると、どうやら2学期の運動会の応援リーダーを決める演説会と選挙のようです。

応援リーダーの長、つまり応援団長に立候補したのは7人の子どもたち。一人ひとり、団長になりたい理由や意気込みを力説します。どの立候補者も緊張気味に、声を震わせながら、それでも思いの丈を一生懸命伝えていました。



運動会の応援団長というのは、6年生にとってとても「特別な存在」です。約200名の青組(赤組)の長であり、団(組)をまとめ、みんなを鼓舞する最高責任者です。普通に考えれば、大変なプレッシャーがかかる大役で、できれば「勘弁願いたい」と思いそうですが、7人もの子どもたちが立候補しました。そのことだけでもすごいなと思ってしまいます。子どもたちの心には過去5年間の運動会の「応援団長」がいます。それは子どもたちにとって最も「かっこいい人」であり、「憧れの存在」であります。その「憧れの気持ち」が子どもたちを揺り動かします。「自信はないけど、不安だけど、最後だから『あそこ』をめざしたい!」…子どもたちの一大決心です。演説する子どもたちの緊張した表情と震えた声から、その思いの強さが痛いほど伝わってきました。

 

私(校長)はよく覚えています。昨年の運動会前の放課後、私が運動場フェンスの修繕をしているところに、普段は大人しそうな5年生の女の子がやってきて、「校長先生、私、来年応援団長やりたんです。ちょっと応援コールするから聞いててください。」…そう言って、両手を広げながら大声で「〇〇コール一発~!フレ~!フレ~!…」と始めました。突然私のところにやってきて、突然「応援団長がしたい!」と宣言し、唐突に応援コールを始める女の子に少々面食らいましたが、応援団長に憧れるまっすぐなその笑顔に、「素敵な子だな。」と心から思いました。

 

あれから1年。その女の子は、今教室の前に立って、応援団長にかける思いを力いっぱい伝えていました。その力強い表情に、こみ上げるものを感じ胸が熱くなりました。「素敵な子だな。」ともう一度強く思いました。

 

7人の演説を聞く学級の子どもたちも真剣そのものでした。一人ひとりの思いをしっかり受け止めつつ、運動会練習での団(組)全体の動きも見通し(想像し)ながら…それぞれ団長を託す一人を決めたようでした。仲間どうしの強い『絆』を感じる学級(学年)集団に育ってくれました。本当にうれしい限りです。

 もちろん、私以上に子どもたちの思いや成長を身近に感じている担任のF先生は、今日もまたボロボロ…感激の涙を流して子どもたちに想いを語っていました。こんなF先生もやっぱり素敵です。F先生の涙にもらい泣きする前に教室をあとにしました。


15:12
2024/07/16

「夏休みまであと少し!~しっかりとまとめと確かめを!~」

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いよいよ1学期の最終週になりました。今週の土曜日から実質夏休みに入ります。

午前中の教室をのぞきに行くと、たいてい「学期のまとめ」や「たしかめ(復習)」をしています。子どもたちにとっては、夏休みまでの最後の試練であり、「がんばりどこ」であるテストやテスト直しです。

1年生は、数を数えるところから始まり、数の分解や簡単な足し算・引き算を勉強しました。

 

園時代にはなかった「テスト」という形式にも少し慣れてくれたかな…。それにしても1年生はみんな姿勢よく、習ったばかりの平がなで自分の名前をしっかり書けているのがえらいです。

 

2年生は、「時刻と時間」の復習中でした。「今何時?」という時刻はすぐに答えられても、「何分経った?」「2時間35分後の時刻は?」などと時間を聞かれると、なかなかすぐには答えられません。時計の文字盤とにらめっこしながら考えます。「あと何分?」とか「何分後は?」にこたえるにはやはり「アナログ時計」が絶対便利です。「時刻」を知るだけなら「デジタル時計」もありですが、「時間」を計るなら絶対「アナログ時計」です。子どもたちは午前・午後という意味も学習しました。ちなみに「午(ご)」は、昔の時の刻み方でいう「午(うま)の刻」のことで、子(ね)0時→丑(うし)2時→寅(とら)4時→卯(う)6時→辰(たつ)8時→巳(み)10時→午(うま)12時→未(ひつじ)14時→申(さる)16時→酉(とり)18時→戌(いぬ)20時→亥(い)22時→子(ね)0時…となって、「午」はちょうどお昼の12時にあたり、それより前を「午前」、後を「午後」、まさに12時ジャストを「正午」というようになっています。

時計の長針は「5分刻み」に「5,10,15,20、…」と数えることが多くなりますが、これがこのあと九九の5の段につながります。

 

 

3年生は、計算の復習を頑張っていました。3桁の足し算や、あまりのある2桁÷1桁の計算などの復習です。プリントにたくさん問題があるので、子どもたちは、「まだまだある…疲れる~…」って表情になりがちですが、四則計算は「速く、正しく、簡単に」できないと使い物になりません。

 


計算は「やり方が分かる」だけでは、「生きるための武器」にはなりません。とにかく「鍛える」しかないのです。「なんでこんないっぱいせなあかんの…?」と弱音を吐く子がけっこういますが、甘えてちゃダメです。集中して繰り返してトレーニングあるのみです。学習でもスポーツでも、「準備体操(ウォーミングアップ)」や「基礎練習(トレーニング)」は省くことはできません。頑張りましょう!

 

5年生になると、算数がどんどん「数学」に近づいていきます。数の仕組みや計算の法則、比例の関係や図形の形(辺・角)などなど…ここで大事なのは、1~4年生までの算数が、全部きちんと理解できていることです。算数(数学)は「完全積上げ教科」なので、「分からないところ」を残したまま先に進むことはできません。F先生がしてくれている「昼休み算数教室」の意味もここにあるわけです。

 楽しみな夏休みですが、「宿題さえクリアすればいい。」ではなく、この1学期をしっかりと振り返り、「自分に必要な学習」をしっかりと意識して、「やるべきことはやる」という夏休みにしてほしいと思います。


12:35
2024/07/12

「自分の言葉で文を綴る ~高学年の紹介文から~」

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今日は朝早く出勤したので、だれもいない校舎を巡りながら、掲示してあるものをじっくり見て回ることにしました。

 

それぞれの委員会からは、ポスターによっていろんなお知らせがされています。結構まめに更新されていて、子どもたちがいろんな企画をしながら、自分たちで運営してくれていることをうれしく思いました。こんなふうに子どもたちからの「発信」が多いことも本校の自慢「北小プライド」のひとつだと思っています。

廊下だけでなく、教室の中に掲示してあるものもゆっくりと見させてもらっていると、5年生の国語科の成果物でしょうか、「八日市の名所を紹介する新聞?」に目がとまりました。


太郎坊宮や本町商店街、二五八祭などについて紹介する新聞(パンフレット風)が多かったのですが、それぞれきちんと「自分の言葉で文を綴っている」ことに感心しました。情報はネットから調べてくるんでしょうが、それをそのまま「写す」のではなく、人に紹介する(お勧めする)という「目的意識」や「相手意識」をもって、自分の言葉で「再構成」できているなと思いました。また、文章の言い回しなどは、よく教科書の教材に出てくるような言い回しが活用されていて、「普段の国語の学習が生かされてるな。」と思えたこともうれしかったです。

本校では、今、「国語学習の汎用性を高める」ことがひとつのテーマになっていて、「国語学習の単元のゴール(出口)にどんなことを設定するか」、また「国語の学習と、他の教科の学習をどう結びつけるか。」を考えながら学習計画を立てています。今回の新聞も担任の先生たちが「国語の学習を活かす学習」として仕組んでくれたものだと思います。

 

先日、大学の先生をしている知り合いと話した時、「最近の学生は、すぐにネットにある文章をコピペ(コピー&ペースト)して、適当なレポートを書いてくるから困る。自分で文章を書く力がついてないねん!」とかなり愚痴っていましたが、その話を聞きながら、「う~ん。その通りやろなあ…小学校でどんな力をつけておくべきか、もっと責任もって考えなあかん…。」と思ってしまいました。

そんなことがあったので、今日子どもたちの「自分の言葉で綴られた文章」を見せてもらって、ちょっと安心したわけです。

最後に図書室に行くと、いつの間にか6年生が「本の紹介カード」を作って掲示してくれていました。

 

これまた国語で学習した「風切るつばさ」というお話の紹介カードでした。見出しやお勧め文が工夫されていて、またとても見やすく丁寧な字で書かれた「本の紹介カード」は、ついつい目にとまって見入ってしまいます。「自分の言葉で、文章(思い)を綴る」…どの学年でも大事にしながら、子どもたち一人ひとりにしっかりとつけていきたい力です。


13:32
2024/07/11

「『みんなが楽しい!北小』を自分たちが創る!~北小フェスティバル~

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昨日のロング昼休みは、レクリエーション委員会主催の「北小フェスティバル」が行われました。この企画は、「みんなが楽しめる」遊びコーナーや発表を全校に募集し、そこに手を挙げた子どもたちが、自主的に「ゲームコーナー」や「ステージ発表」などを運営しながら、全校で楽しむという、いわば「夏祭り広場」のような企画です。


「的あてゲームコーナー」や「フリースロー大会」などのスポーツ系企画があったり、タブレットをうまく使ったクイズや占いのコーナーがあったり、それぞれの好みに応じて楽しめるいろんな遊びコーナーが準備されました。それぞれのコーナーに先生たちが張り付くこともなく、すべて「自分たち」の運営で進めてくれました。

中でも一番観衆を集めていたのは「ステージ発表」で、有志によるいろんな発表を見ることができました。4年生のS君の独唱から始まり、次に2年生有志のダンス、そして4年生有志の合奏と続き、最後のトリは5年生有志のダンスでした。

 

 

こういう全校の前での発表を「ひとりで」やってやろうと決意してやり切ったS君の勇気もあっぱれですし、全身でダンスを楽しむ2年生の可愛らしい姿はとても微笑ましかったです。また、少しの時間をうまく使って練習を重ねたであろう4年生の合奏の努力の跡も素敵でした。最後の5年生有志のダンスは、キレッキレで、途中でバック転が入るなど、かなりレベルの高いダンスを見せてもらいました。自分の好きなことや得意なことを、全校の前で堂々と表現しようとする心意気がとても頼もしく思え、大切にもっと広げていきたい北小の校風(北小プライド)だなと強く思いました。

この「北小フェスティバル」は、昨日のブログに書いた、子どもたちの「社会力」を育てるいい機会になったなと、とてもうれしく思っています。2学期以降も、子どもたちの「社会力」におおいに期待したいと思います。


16:46
2024/07/10

「未来の市長選挙 ~6年主権者学習~」

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140年ぶりに民法が改正され、令和4年(2022年)41日から成年年齢が18歳に引き下げられたことは記憶に新しいところですが、それに先んじて平成28年(2016年)に選挙権年齢が「満18歳以上」に引き下げられました。18,19歳の若者にも国政の重要な判断に参加してもらうための国策ですが、そのことに伴って小学校の「社会科」の学習も大きく変わりました。

以前ですと、6年の社会科は「歴史」分野の学習が中心で、年度の後半に憲法や国政に関する「公民」分野の学習をしていましたが、ここでの「公民」の学習は、自分の将来のための事前知識としての意味合いが濃かった気がします。国会の仕組みや三権分立について学ぶものの、どこか何となく「大人になってからのこと」…つまり「他人ごと」ととらえているような感がありました。

しかし、選挙権年齢が「満18歳以上」になってからは、特に「主権者」としての意識醸成のための新たな学習(主権者学習)が必要になりました。「まだまだ小学生じゃないか・・・といっても6年後には、『清き一票』を手にして政治に参加する立派な主権者」になるわけですから、「他人ごと」ではなく、「自分ごと」として政治の仕組みや、まちづくりのしくみが分かっていないといけません。自分たちが生きる「社会」のことを自分ごととしてとらえ、みんなが求める「社会」が実現するよう、自分たちの「代表者」を決めるのが「選挙」です。まずは、その「選挙」の仕組みを知り、「選挙」を身近に感じるところから「主権者学習」を進めます。

 

今日は、市の選挙管理委員会の方に来ていただき、選挙の意味や仕組みについてレクチャーしてもらった後、実際に「未来の市長」を選ぶ選挙を模擬体験させてもらいました。市長候補の大役を務めてくれたのは、MさんとIさん。それぞれの公約を訴える選挙演説は堂々としていて、なかなか見事なものでした。この演説を聞いて、6年生はどちらの候補に投票するか考えて、決めました。

 

選挙管理委員会から用意してくださった選挙グッズは「本物」ばかりでした。投票所入場整理券の発行や、鍵のかかる投票箱の準備、それから「本物」の投票用紙が出てくる「本物」の投票用紙交付機や投票所の設営まで、実際に行われている選挙と同じ設定で体験させていただきました。



「選挙管理者」や「選挙立会人」、「名簿対照係」や「投票用紙交付係」まできちんと役割分担して、模擬選挙をやってみました。投票所の設定が「本物」なので、模擬体験と分かっていても、なんだか少し緊張してしまう感じでした。やはり「本物」の効果は絶大だなと感じました。


本来、国民の権利である選挙権…その権利が18歳以上のすべての国民に与えられたことは大変意義深いことだと考えますが、実際、若者の投票率は30%ほどだと聞きました。まだまだ「自分ごと」としての意識は育っていないようです。

本校では、社会科における「主権者教育(学習)」に力を入れることはもちろんですが、「自分たちの学校(社会)を自分たちの力で創る。」、「自分たちで大切なことや、守るべきルールを考える。」…そんな力を養うことを大切にすることで、社会参加の意識を醸成していきたいと考えています。

子どもたちに必要なのは、今の社会に適応する力(=社会性)なのではなく、社会に主体として関わっていく力(=社会力)だと思っています。

今日は本当にいい体験をさせていただきました。選挙管理委員会の方々に厚くお礼申しあげます。

 


16:03
2024/07/09

「1学期のまとめをしっかりと~昼休み算数教室~」

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いよいよ夏休みまで10日を切りましたが、昼休みの図工室では、「昼休み算数教室」が開かれています。積み上げ教科である算数の学習…、分からないところや苦手なところをそのままにしておいては、これから先が困ります。夏休みを迎える前に、子どもたちにしっかりと力をつけてあげたいという算数専科教員のF先生の思いで「昼休み算数教室」が開講されることになりました。当初は、希望する高学年の子どもたちのみが対象だったのですが、今は4年生の子どもたちにも対象を広げ、結構な人数で学習をしています。(4年生については、宿題等のやらなければならないことをやりきれてなくて、強制参加になっている子もいます…あらあら…)担当してくれているのは、F先生に加えて、教務のH先生と支援員のIさんの3人です。


 6年生は、立体の体積の単元や、最近の新しい単元である「データ活用」(平均値や中央値、最頻値などの学習)の復習に取り組んでいる子が多かったです。特に「データ活用」の学習は、保護者の皆さんの子ども時代にはなかった学習で、「中央値?最頻値って何?」という感じだと思いますが、令和の時代に生きる子どもたちの将来には結構マストな学習になると思われます。

5年生は、コンパスや分度器を使った図形の作図などに取り組んでいる子がいました。4年生は1億より大きな数の問題や、(  )を使った計算式の復習に取り組む子が多かったようです。

昼休みは、友達同士で思いっきり遊んでほしいというのが本意ですが、夏休みを前に、苦手なところを復習しておこう、やろうと決めたことをしっかりとやり切っておきたいというような自分にとっての「価値づけ」や「必要性」を感じて、自主的に「昼休み算数教室」に参加する子どもたちの頑張る気持ちは素晴らしいと思います。

また、学期末特に多忙な担任の先生に変わって、教務部の先生たちが子どもたちのために一肌脱ぐというのも本校のよさ(強味)のひとつです。

「分からないことが分かるようになる」、「苦手なことが克服できる」というのが、「楽しい!」のど真ん中にあることだと思います。残り数日、できる努力は全部して、すっきりした気持ちで夏休みを迎えてほしいと思います。


17:01
2024/07/08

「命を守るために ~6年生 着衣泳から学ぶ~

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いよいよ1学期も残すところ10日を切り、子どもたちは学習のまとめや、あとわずかな水泳(水遊び)の授業を楽しんでいます。6年生も今日が最後の水泳学習でした。そして最後に行ったのが「着衣泳」。服(体操服)を着たままプールに入りました。本来ならば、体操服なんかじゃなくて、がっつり長袖長ズボン(特にジーンズなんかが一番いい)で、しかも靴を履いたまま水に放り出されるのが「着衣泳」なのですが、プールの水を汚すわけにもいかないので、「体操服+裸足」のスタイルで行いました。

 

服を着たまま泳いでみて感じることは、とにかく「服はぬれると異常に重くなる」ということと、服が大きな抵抗になって前に進みにくいということです。今日は裸足で半ズボンですからまだましですが、ジーンズに長靴だと本当におぼれそうになってパニックになります。

担任のK先生は、6年生相手ですから、ちゃんとデータに基づいて子どもたちに話をしてくれます。

「昨年度の水の事故は1300件以上で、命を落とした人は700人を越えます…。水の事故の半分以上が命を落とす事故になっています。不意に海や川に放り出されると、うまく泳げず、焦ってパニックになって、もがけばもがくほど体は沈んでいきます…。」

 

「着衣泳」の目的は、服を着たまま泳げるようにすることではありません。自分の命を守るために、助けが来るまで、とにかく「浮いて」いられるようにすることにあります。

「おぼれてる(流されている)人を見つけて、警察や救急車を要請してから、到着するまでの時間は平均5~6分。その5~6分、浮き続けていることが命を守ることになります。」と、K先生の話は具体的で説得力があります。

海や川に放り出された時、命を守るための最も力強いアイテムがペットボトルです。2Lなら言うことないですが、500mLでも十分機能します。ペットボトル1本を浮き輪代わりに確実に浮いていられます。人がおぼれている(流されている)ところに出くわしたら、助けに飛び込むのは絶対NGです。ロープを投げたり、今回のようにペットボトルを投げ入れたりするのが正解です。(もちろん助けを呼ぶことも絶対です)
 

 

もうすぐ夏休みです。家族旅行やキャンプ、海水浴などなど楽しいことがたくさん待っていると思いますが、「お天気」や「自然のこわさ」を十分わかったうえで、安全に楽しんでほしいと願います。今日の着衣泳の学習は、自分の命を守るために必要不可欠な学習ですが、決してそのような事態にならないよう、十分気をつけて夏休みを楽しんでほしいと思います。


15:52
2024/07/05

「子どもたちは、もちろん「宝」。でも新任先生も本校の「宝」です」

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今日の午後は、新任先生のG先生の研究授業を行いました。研究授業というのは、G先生が考えに考えた授業を先輩の先生たちに見てもらって、放課後に指導助言してもらうような授業です。

今日は道徳の授業で、「決めつけないで」という教材を使って、「思い込みや偏見で判断したりすることが歪んだ見方になることを知り、誰に対しても分け隔てをせずに相手の思いや願いを理解して接する公正・公平な態度をもつことによって、一人ひとりのよいところが発揮され、笑顔あふれる集団になっていくことについて考え合うものでした。


たくさんの先生たちに参観され、かなり緊張したと思いますが、若者らしくはつらつとした表情と声で授業を進めてくれました。子どもたちもそんなG先生の緊張や一生懸命が分かるのでしょう…いつもより張り切って頑張ってくれました。

「新任の先生は、経験がないから授業力や生活指導力が心配…。」、正直そんな不安もあるかもしれませんが、誰にでも「最初」はあります。今年は体育主任の大役を務める3年目のT先生も、元気いっぱいに明るく楽しく1年生の担任を務めている2年目のT先生もにも、「最初」があって、教師という仕事に夢を描きながらも、最初は緊張と不安の毎日を過ごしていたのです。また、「初めて」だからこそ、誰よりも一生懸命に、より準備を丁寧にしているところもありますし、何よりも「若さ」は最大の武器です。

私(校長)も、この北小で教師としての「最初」を切らせてもらいました。「若さとパワー」しかなく、当時の教え子たちにはいっぱい無茶をさせたなと思います。保護者の皆さんにもいっぱい怒られました。それでも「子どもたちのために一生懸命」というのだけは自信があって、それさえあれば子どもたちはついてきてくれるし、子どもたちが「教師としての私」を育ててくれました。現在の保護者の皆さんの中にも、私(校長)の教え子は何人もいてくれます。私(校長)は、「あの頃は、無茶苦茶しててごめんなさい。」と謝りたいことが多いのですが、教え子たちは「あの時はとても楽しかった。」と言ってくれます。いつの時代も「一生懸命」に勝るものはないです。「一生懸命」ならそのうち必ずうまくいきます。

本校の先生たち全員が新任の先生のことを、子どもたちと同じように「宝」だと思い、全員で教え、支え、育てることに一生懸命になっています。相担のK先生は、指導相談役として、毎日遅くまでG先生の授業準備や学級事務についてサポートしてくれています。また、教務で、中学年部のリーダー先生を務めるH先生は、副担任のようにG先生の教室に入り、学習指導や生徒指導の一つひとつをアドバイスしてくれています。当然、G先生に授業の方法等について直接指導する初任者研修担当のT先生もいてくれます。たくさんの先生たちがG先生の悩みを聞いてくれているところをよく見かけます。みんなG先生を大切に育てようと一生懸命になっていてくれます。

周りの先生たちの思いに応えるように、G先生は毎日努力しています。子どもたちは正直ですから、授業が面白くないと、やっぱりだれてきます。そんな子どもたちの姿に、自分の責任を感じ、気持ちが凹んでしまう日も多いでしょうが、G先生はめげずに努力を続けています。今日の授業を見ていて、そんなG先生の頑張りが、子どもたちにも伝わってきているなと感じました。

 


教材の主人公の心情を考えながら、「決めつけや思い込み」、「分け隔てなく公平公正であること」について一生懸命考え、最後には自分たちの中の「決めつけや思い込み」について振り返りもしっかりとしていました。子どもたちの成長と同じように、これからのG先生の成長に大いに期待したいと思います。


17:13
2024/07/04

「願いが叶いますように~七夕飾り~」

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 学校では、正面玄関と図書室前、そして1年生教室に「七夕飾り」を飾っています。七夕飾りに使う竹は、H先生が自宅近くの竹やぶから切り出し、学校に持ってきて設置してくれました。


飾られた短冊を一つひとつ見ていくと、子どもらしく「サッカー選手になれますように。」とか「美容師になれますように。」など将来の夢についてのお願いや、「テストで100点が取れますように。」、「字がきれいになりますように。」などの勉強に関するお願いがたくさんあるのですが、意外にたくさんあったのが、「家族が健康でいられますように。」、「みんなが幸せになりますように。」などの家族を想ってのお願いや「自分が」ではなく、「みんなが」と書いたお願いでした。そんなお願いを見て、「やさしい子がたくさんいるんだなあ。」とうれしくなりました。もちろん「宝くじで1億円あたりますように!」と現実的なお願いを書く子もいました。
また、「アレルギーが治りますように。」や、仕事の都合で離ればなれになっている家族を想って、「早く家族がそろいますように。」といった切実なお願いもあり、胸がじんとなりました。




1年生は、各教室に七夕飾りを飾ってもらって、色を付けたきれいな短冊にお願いごとを書きました。1年生だから、「自分が欲しいものをおねだりする」ものが多いのかなと思いましたが、そういうたぐいのものはほぼなくて、「友だちが増えますように。」や「みんなで楽しく遊べますように。」、「これからもお友だちと仲よく過ごせますように。」といった「友だち」や「みんな」に関わってのお願いがたくさんあって、これまた感心してしまいました。1年生でも相手意識や仲間意識が育っていてとてもうれしくなりました。



 子どもたちが書いたお願いごとを見ていると、子どもたち自身が、自然と「みんなが楽しい」を大切に思っていてくれるんだなと思えて、心が温かくなりました。
 先生たちも短冊を書いています。「〇年〇組の子どもたちが笑顔で元気に過ごせますように。」、「みんなが楽しい八日市北小学校が実現しますように。」…みんな子どもたちの幸せを願っています。



 最後に、「七夕飾り」に吊るされたたくさんのお願いごとの中で、一番私(校長)の心に突き刺さったのは、3年生のEさんの願い札です。
 「ぼくのまわりが、どんどん笑顔になりますように…。」…素敵すぎるフレーズです。


12:40
2024/07/03

「タブレットの強味~2年 野菜苗の観察~」

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梅雨らしい鬱陶しい天気が続いていますが、1年生のアサガオや2年生の野菜は、ぐんぐん生長しています。今朝も、たくさんの2年生が、「校長先生、見て見て!初めて取れたオクラやねん。」、「校長先生、キュウリがこんなに大きくなったよ。」などと、採れた野菜を見せながら誇らしげに説明してくれました。


 自分で世話をして育て、そのご褒美として採れた野菜をいただく…という経験は、生き物を愛し、また食べ物を大切にする心を育ててくれます。子どもたちの自慢気な笑顔がとてもうれしい毎日です。

 

さて、2年生は野菜を収穫することだけを目的にしているわけではなく、当然その生長の過程を観察しながら学習しているわけです。そこで活躍するのが、子どもたち一人ひとりが持っているタブレット端末です。以前なら、実物を見ながらスケッチするしかなかった観察記録が、今はカメラ機能でパシャっと記録できます。それを教室に持ち帰り、自分の撮った画像をあれこれ見比べたり、拡大して細部をじっくり見たりして観察記録を仕上げていきます。

 


 子どもたちはもう慣れたもので、机にタブレットと観察記録用紙を置いて、どんどん書き込んでいきます。よくありがちな、「先生~。観察の記録って何書くの??」と本末転倒な質問が出るような、お粗末な「まとめの時間」ではなく、どの子もそれぞれが意欲的に一生懸命、絵や観察文を書いている風景が広がるいい「まとめの時間」でした。観察文についても、植物(野菜)の大きさ(高さ)や色、葉・茎の様子や匂い、またこれから「たぶんこうなるだろう」という予想に及ぶまで、観察の視点や考察がしっかりしていて感心しました。タブレットのこういった使い方は、大変有効であり、タブレット学習の強みだなと改めて感じました。

最後に、たくさんの子どもたちが、葉や茎の大きさ(長さ)を「茎の高さは、私の身長くらいでした…。」というように、自分の身体を使った表現をしていました。それはそれでいい表現だと思うのですが、今算数で学習している「〇cm」という単位も積極的に使えるとさらにいいなと思いました。それを使うのには、やはり「だいたい何cmか」が分かる「量感」が大事になってきますね。

それでも自分の背丈以上に伸びたトマトの苗の生長に、感動を覚えながら喜んでいる2年生の子どもたちの笑顔がとても素敵に見えた観察の時間でした。


14:10
2024/07/02

「ありがとうの花束~ありがとう週間~」

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今、校舎1階の廊下には、大きなハートの花束が6つ掲示されています。これは、ふれあい委員会(人権・福祉を考える委員会)の企画で、「とびきりの『ありがとう』をハートの花びらに書いて伝えよう」というもので、一人2枚の「ありがとう」を集めて、学年ごとに「ありがとうの花束」をつくるというものです。


 毎日のちょっとした「ありがとう」を伝える「ありがとうメッセージ」の取組とは少し違って、6/176/28の間で、自分が伝えたい一番の「ありがとう」をじっくり考えて、書いて伝えるものです。

老眼の私(校長)にはなかなか辛いのですが、1年生の花束から順番に、一つひとつ見ていくと…、低学年ではやはり「一緒に遊んでくれてありがとう。」や「勉強を教えてくれてありがとう。」、「優しくしてくれてありがとう。」のようなメッセージが多かったです。

学年が上がっていくにつれて、個別ではなく「みんな」宛に「4年2組のみんなへ。けがして足が痛い時に助けてくれてありがとう。」といったものや、「いつも何でも受け入れてくれてありがとう。」、「いつも笑わせてくれて、みんなを笑顔にしてくれてありがとう。」など、だれかが無意識にしていてくれることに対して、幸せな気持ちにさせてもらっていることに感謝する気持ちを伝えているものも出てきます。

 

高学年になると、「授業中に分からないことを、しっかり質問できることをすごいと思っている。」とか「テストを集める時、いつも向きをそろえてくれてありがとう。」、「放ったらかしになっている、一輪車をそっと片付けてくれてありがとう。」など、人知れずしている親切にきちんと気づいている「ありがとう」が並びます。また、外国籍の子どもたちが「〇〇くん、日本語を教えてくれてありがとう。」や「僕が分からないことを、先生に伝えてくれてありがとう。」と書いていてくれるのを見つけた時は胸が熱くなりました。

今年度の本校教育の中で、特に大切にしたいフレーズ「ありがとう」…。「ありがとう」の花がたっくさん咲き誇る八日市北小学校になりますように…。

そして最後に私(校長)から…、いつも季節感があふれるちょっとした気配り展示をしてくださるH先生やスクールサポートスタッフのSさんに心より感謝します。こんなセンスのいい作品と、気配りの心が子どもたちの感性を磨いてくれます。本当にいつもいつもありがとうございます。

 


18:01
2024/07/01

「具体的操作で確実な理解を~3年算数「円」&6年算数立体の体積~」

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いつものようにそれぞれの教室を見て回っていると、とても静かに集中して学習している教室を発見…1年生教室です。算数の時間で、どうやら「計算カード」で計算の特訓中のようでした。

「目標は、2分以内で最後まで!でも今日初めて挑戦するから全部できなくてもいいんだよ。」というT先生の優しい声かけがありましたが、子どもたちはもうやる気満々!「全集中」で計算カードをぺらぺらとめくっていきました。得意な子、苦手な子…かかる時間はそれぞれですが、みんな一生懸命取り組んでいる姿が素晴らしかったです。

さらにびっくりしたことは、「できた人は、ノートの数字をなぞりましょう。」とT先生が言うと、みんなきっちり「数字なぞり」を始めるではありませんか。

1年生ですから、友だちより早くできたら、声に出して喜んで、自慢しそうなものですが、さっと「計算カード」を置いて、ノートの上にある数字を丁寧になぞり始めます…。「1年生にして、この集中力の持続と切り替えの力はすごい!」 …本当に驚かされました。                                 

次に覗いたのは3年生教室。これまた算数の時間で「円」の勉強をしていました。S先生の、「円の中心を見つけましょう。」で学習がスタート。子どもたちは、紙で作られた「円」とにらめっこしながら、ものさし(定規)で測ってみたり、初めて使う「謎のツール=コンパス」をとりあえず出してみたり…いろいろ試みますが、結局は多くの子が、円を半分に折って…もう一回半分に折って、二つの折り目が交差するところが、「円の中心」だと直感的に判断します。


しかし、実はなぜそこが中心と言えるのかはまだわかっていません。それでも、円をいろんな方向で半分に折ってみて、できた折り目はやっぱり「決まった1点=中心」を通ることに気づくと、「ここが円の中心だ!」という確信を得ます。何本も折り目のついた「円」を見つめながら、「その折り目が『直径』であること」、「直径は必ず『円の中心』を通ること」、「中心から円周までを『半径』といって、その長さは『直径』の半分だ」ということを、実感として理解します。教科書やプリントにある絵(図)を見て、説明を聞いているだけの浅い理解ではなく、具体的な操作を繰り返すことで、自分の目で確認しながら「納得」の理解が得られるわけです。

 

最後に6年生教室をのぞいてみると、またまた算数をやっていて、なにやら「サイコロ」を積み木代わりにして遊んでいるような様子でした。教室に入ってじっくり見てみると、もちろんそれは遊びではなく「立体の体積」の学習でした。「体積が18(サイコロ)の立体を作れ!」といったような課題に挑戦している最中でした。途中でF先生が「では、次に縦3㎝、横2㎝、高さ2㎝の直方体を作ってください。」と指令を出したのですが、それができない子どもたちが結構いて、驚きました。「直方体」の意味が分からないのか、「縦・横・高さ」がどこを指しているのかが分からないのか、なぜか空洞のない詰まった「直方体」が作れないのです。

 

教科書やドリルにある立体の絵(図)を見て、なんとなく分かっているつもりでも「実際の形」が自分で再現できなかったり、「長方形の面積=縦×横」などの公式は覚えていて、そこに数字を当てはめて答えを出すことができても、なぜ「縦×横」なのか、「縦×横」は何を表しているのか、実はよくわかっていなかったりすることは、けっこうあるような気がします。

6年生の算数でも、実際に「サイコロ」を積んで、「一番下の段が3個×2列=6個で、それが2段積みになっているから3×2×2=18で、全部でサイコロの数は18個」と確認(整理)しながら考えることで、直方体の体積の概念(=底面積×高さ)が明確になってきます。

学年に関係なく、「具体的操作」=「数学的活動」によって、実感の伴った理解を得ることはとても大切です。また、算数の問題を見て、いきなり式を書こうとするのではなく、問題に書いてあることをまずは、絵や図(表や数直線)に表したり、簡単な数字に置き換えて考えたりすることで、問題の「全体像」が見えてきて、解決の見通しが立ってきます。子どもたちには、そんな力をしっかりとつけてやりたいと思います。


15:38
2024/06/28

「なすことによって学ぶ~全校たてわり遊び~」

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今日の中休みは、全校たてわり遊びでした。6年生が中心になって、遊びの内容やルール、進行の仕方等を考え、自分たちの「仕切り」によって、しばしの時間たてわり班遊びを楽しみました。


 

たてわり班結団式当初のことを思うと、たてわり遊びをする教室に集合するまでの時間、進行役の6年生の指示や説明、低学年へのサポートの仕方などなど少しずつスムーズになっていますが、まだまだ6年生は四苦八苦しています。「思っていたよりも時間がかかる。」「なかなか説明したルールの意味が分かってもらえない。」、「途中でトラブルが起こり、その対応に苦慮する。」などなど、日頃先生たちが何気なく普通にやっている「仕切り」が自分たちだけでは、なかなか想定通りにはうまくいきません。 

しかし、6年生は、たてわり班活動で失敗や苦労を経験するたびに、しっかりと活動の「振り返り」を行い、少しずつですが確実にリーダーとしての力をつけていってくれます。「なすことによって学ぶ」…とにかく「場数を踏む」ことが大切になってきます。

 

一方、子どもたちの「参加意識」について考えてみると…、6年生とその後を追う5年生は、たてわり遊びを「仕切る」という明確な目的意識がありますから、当然「自分ごと」として参加できます。また、1年生や2年生も「リーダーの言うことをしっかり聞いて、遊び方やルールを理解する。」というような、これまたはっきりした意識がもてますし、リーダーは低学年をターゲットに話したり指示したりしますから、自然と低学年の参加の仕方も「自分ごと」になります。

ここで大事になってくるのは、「仕切り側」でもなく、「サポートされる側」でもない、3,4年生(中学年)の参加意識です。中学年の子どもたちが、どんな意識をもって参加し、活動中にどんな行動がとれるのかが、たてわり活動の「充実度」を左右する大きな要素になってきます。ここの意識改革は、なかなか子どもたちだけでは無理なので、担任の先生がしっかりと「振り返り」の時間をとって、「中学年としての、参加の仕方や自分たちの役割」について、子どもたちに考えさせてくれると思います。

 

たてわり班活動…大変な「手間」と「時間」のかかる取組ですが、子どもたちが「生身の人間どうしががっつり関わり合う」大切な経験の場です。「体験と関わりの重視」という学校教育方針のもと、これからも丁寧に積み上げていきたいと思います。


12:41
2024/06/27

「学ぶ=まねぶ=見て真似る~ぬりえにチャレンジ~」

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本校の教育目標(スローガン)「みんなが楽しい!八日市北小」をめざして、6年生や児童会を中心に、子どもたち自身が「自分たちで楽しいことを創り出す」活動をしていてくれます。今や校内のアイドルとなった「ボランティアマン(ウーマン)」による校内ボランティア活動も定例化しつつあり、毎回多くのボランティア隊員を募り、校内の清掃・整頓活動を頑張っていてくれます。うれしい限りです。

こんな子どもたちの積極的な動きに負けじと、先生たちの方も「みんなが楽しい!」に近づく楽しい企画を考え、実行してくれています。そのひとつにK先生の発想で始まった「ぬりえチャレンジ」があります。職員室前の掲示板に「ぬりえコーナー」を設置し、そこにぬりえの用紙(下絵)が置いてあって、「参加したい人はご自由に!」って感じになってます。子どもたちのやる気を掻き立てるために、K先生やI支援員さん、そして私(校長)が「見本作品」を掲示しています。(というか、K先生に「はい。これ校長先生の分ですよ。」としれっと下絵を渡された感じですが…汗)

 

しかし、こういう企画には、私(校長)は俄然燃えてしまいます。先祖代々の職人(左官)棟梁の家に生まれた私ですから、DNAレベルで「職人気質」が騒ぎます。子どもたちに、「色鉛筆の極意を教えてやらなければ…。」と決意し、「色鉛筆での彩色は、混色(重ね塗り)が基本で、色の濃淡でグラデーションをつけたりすることで、色鉛筆の良さが引き出される!」ということが伝わるようにぬりえを完成させました。特にバラの質感にこだわりました。K先生やI支援員さんの作品は丁寧かつ繊細かつ、やわらかで素晴らしく、それは「見本」ではなく、立派な「お手本」でした。

さて、どんな子どもたちが「ぬりえコーナー」に引き寄せられて、ぬりえの用紙(下絵)をもっていくのか…こっそり見ていると、2~6年の子どもたちがぽつぽつやってきて、じ~~~~っと「見本(手本)のぬりえ」を見ています。「わぁ~すごい(きれい)!」とつぶやいた後、ぬりえに顔を近づけて、「赤だけでなくて、上からピンクも塗ってるんかあ…。」、「薄く塗ったところは、遠くから見ると光ってるように見えるなあ・・。」などと、何やらぼそぼそ言いながら、最後は「よしっ!」と決心したかのように、ぬりえの用紙(下絵)に手を伸ばして、持って帰りました。

一週間もすると、いろんな子どもたちができた作品をもってきて、それらはすべて、廊下に掲示されました。

 学年によって甲斐性は違いますから、作品の出来は色々ですが、全力で仕上げた作品が、並べて貼ってあると、全体で一つのアート作品のように見え、とてもきれいです。中には、かなり「混色」と「グラデーション」にこだわって、時間をかけて仕上げただろう作品もあって、見ごたえがありました。ある番組風にコメントするなら、「才能あり!」とか「特待生~!」と叫びたくなるような作品がたくさんでした。

 この「ぬりえコーナー」にK先生が託した思いはどこにあるのでしょうか。私(校長)は、子どもたちの興味関心に従って、「見てまねる(盗む)」という学び方をさせたかったのではないかなと考えました。たかが「ぬりえ」ですが、逐一、手取り足取り教えてもらうのではなく、「力をつけたかったら、よくよく見て、真似て、真似て…自分でやってみて…その努力を続けて、自分自身の力にする」という、昔の「師弟(徒弟)制度」のような貪欲な学びがそこにあるような気がしました。「学ぶ」という言葉は「まねぶ」つまり「まねをする」ところから生まれました。これからも自分が気に入った色合いや塗り方を、「よく見て、まねて」、自分の引き出しを増やし、さらに自分の力を伸ばしていってほしいなと思います。

第1弾の「バラ」のぬりえで、すっかり「グラデーション」の虜になった6年生のMさんは、第2弾の七夕」ぬりえが始まるや否や、さっそくきれいに仕上げてきました。その作品は、今見本(手本)作品と並べて掲示されています…もやは「お手本」レベルです。「特待生~~~~!」


12:38
2024/06/26

「未来に引きつぐもの~4年総合 サントリーの『水育』~」

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今は、どこの企業(工場)でも、社会(地域)貢献活動事業に取り組まれていて、社会のため、未来のため、そして子どもたちのために、その道のプロフェッショナルとしてのいろんな学習プログラムを考え、実践してくださっています。今日、4年生がオンラインで受講した「サントリーによる『水育』」もその一つです。『水育』とは、子どもたちが自然の素晴らしさを感じ、水や、水を育む森の大切さに気づき、未来に水を引きつぐために何ができるかを考える、次世代に向けた学習プログラムです。

 

4年生は、「水のゆくえ」というテーマで、一年間探求学習を進めています。先日は、びわ湖ホールの「ホールの子コンサート鑑賞」とセットで、矢橋帰帆島にある湖南中部浄化センターの見学に行き、「下水のゆくえ」について学習しています。今日は、「きれいな水はどこから?」という視点で、水を育む森林の働き(しくみ)を学ぶことで、森林保全の大切さや自分たちにできることについて考えました。

「きれいな水をたくさん育むためには、どんな森林が必要で、どうすればそんな森林にできるか…。」これが今日のメイン課題だったと思います。子どもたちはどんな事実(情報)に驚き、どんなことに探求意識を持ってくれたのでしょうか。

 

総合的な学習の時間は、「〇〇が分かった。」で終わる学習ではなく、知ったことから探求(課題)意識をもち、自ら設定した課題について、調べて、まとめて、発信(表現)する学習です。「やまのこ学習」や「もりのこ学習」も森林のいろんな働き(機能)や大切さ(保全)について考える学習です。それらの学習も含めて、これから先の4年生の総合の学習がどんなふうに展開していくか、とても楽しみです。


17:22
2024/06/25

「学ぶ必然性~学習のゴールが見えている~」

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5年生教室をのぞくと、黒板に「やってみよう! 総合の米作り新聞の見出しを考えよう」と書いてあったので、「今は、総合的な学習に時間の学習なんだな…。」と思っていると、何やら様子がおかしい…。子どもたちの机の上には「国語」の教科書が出ている…「うん?国語なんや…。」と思い直し、もう一回黒板をしっかり見て合点がいきました。

学習のゴール(目的)は、総合で「米作り新聞」をつくること。そして、いい新聞にするために「新聞の作り方や紙面の工夫」について国語で学習するという学習展開だったわけです。ただ単に国語の学習として「新聞について学ぶ」のではなく、「自分が新聞を作る」という目的のために「新聞について学ぶ」ということ…つまり「なぜ、これを学ぶのか?」という学びの必然性がはっきりしているということです。学びの必然性があれば、自然と子どもたちの学びは前向き(主体的)なものになります。

 



ペアやグループで、新聞記事を注意深く見ながら、「新聞の秘密(工夫)」を探っていきます。新聞1面あたり約10,800文字(原稿用紙27枚分)もあるのですが、見出し(小見出し)やリード(記事の大まかな内容をまとめた部分)の配置、写真やグラフ等の活用、そして本文によって、とても見やすくわかりやすく、書き手の意図を伝えています。経済や政治、スポーツ等、分野別に紙面が作られていることもあって、「狭く深く読む」ことも「広く浅く読む」こともできます。子どもたちはこのような「新聞づくりの手法」を、自分の「米作り新聞」に活かしていきます。仕上がりがとても楽しみです。

子どもたちの学習は、「それを学ぶ必然性が明確にある時」や「学校で学ぶことが、自分の生活や将来に結び付く(つながる)時」に主体的に動き出します。学校は、できるだけそうなるようにカリキュラム(教育課程)を工夫して編成(マネジメント)していかなければなりません。そういう意味で、今日の5年生の生き生きとした学習は、T先生のカリキュラムマネジメントが生きた授業だったと思います。

 


12:43
2024/06/24

「だらだら病…感染拡大する?」

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梅雨らしい天気で週が明けました。私(校長)は迂闊にも週末から風邪をひいてしまい、マスクをして校門に立っていると、本当にたくさんの子どもたちが、「校長先生、マスクなんかしてどうしたん?」と声をかけてくれました。「うん、風邪ひいてしもうてん…。」と答えるのですが、今朝はこのやり取りを30回以上繰り返したと思います。たくさんの子どもたちがちょっとした変化に気づき、気遣ってくれるのがとても嬉しい朝でした。

さて、月曜日の朝は、いつもいろんな先生が、その時期に合わせた「朝の放送」をしてくれます。今日はH先生のお話でした。

 

「全校の皆さん、おはようございます。6月最後の1週間が始まりました。気がつけばみんなが楽しみにしている夏休みまで1か月を切り、今日を入れてあと19日で1学期が終わります。本格的に梅雨に入り、雨がたくさん降り、これからしばらくじめじめとした日が続きそうです。

さて、そんな中、この学校で少し気になる病気が流行ってきていることが先生は気になっています。その病気というのは“だらだら病”です。特にそのだらだら病の症状が出ているのが、掃除の始まりから読書に時間にかけてだと思っています。さあ、自分はそのだらだら病にかかっていませんか?

昨年度から始まった10分間という短い時間に全集中して取り組む掃除。いつも過ごしている学校をきれいにすることで、みんなのためにつながるとても大切な時間です。さらに、掃除をして身の回りが整うことで、自分の心もきちんと整えることができます。読書の時間は、午後の学習に向けていったん心を落ち着けて、気持ちよく午後の学習を始めたり、本を読むことで身につく集中力や豊かな心、想像力を高めたりすることができます。

その掃除や読書の時間が始まっても、時間の切り替えができず時間を無駄にしていませんか?このだらだら病は、自分でも気づかないうちに、いろんなところで“めんどうくさい”という気持ちを大きくさせ、口からたくさんの“不満”や“愚痴”、相手を傷つける言葉ばかり出てくるようになり、結局、自分の中の成長するチャンスや可能性をどんどんつぶしていきます。今日から1学期が終わるまでの時間、もう一度今の自分の行動を振り返り、だらだら病に負けない自分をつくっていきましょう。先生たちも頑張るみんなを応援しています。」

 

H先生のお話は、とても分かりやすく、優しいトーンで子どもたちの心に語りかけてくれます。こんな話も本当は私(校長)がすべき話かもしれませんが、本校には「全体を見渡しながら、子どもたちの変化を敏感にキャッチし、全校の子どもたちに大切なことを気づかせたり、考えさせたりするお話をしてくれる先生」がたくさんいて、本当にありがたいなといつも思っています。

さて、“だらだら病”のことに話を戻します。ミュージックフェスティバルが終わって、水泳(プール)学習が始まったころからでしょうか、校内に“だらだら病”と思われる症状が現れ始めました。「慣れ」や「暑さによるダレ」からか、“だらしなさ”が目立つようになりました。一番わかりやすい姿が、先生が話してくれた「そうじ」や「読書の時間」のことですが、私(校長)が毎日整頓している「下駄箱」にもその症状は顕著に現れました。「靴の乱れ」や「かかとの踏みつぶし」が一気に増えました。

一番具合が悪いのは、この“だらだら病”は感染していくということです。“けじめのつかないだらしない言動」や「ざわざわした落ち着きのない空気感」、「そうじが行き届いていない散らかった教室」などが、徐々に“普通”の状態になってくると、今まできちんとできていた子どもたちまでが、徐々に“だらしなく”なっていくのです。(いわゆる【割れ窓効果】というやつです。)

ところが、この“だらだら病”にまったく感染しない子どもたちがいます。それは、1年生です。1年生には“だらだら病”の原因になる「慣れによるダレ感」がないからです。

 

写真は、1年生の国語の学習の風景ですが、みんな背筋がピンと伸びています。「月曜の朝のダルさ」を全く感じさせない集中ぶりです。1年生は今、学ぶことがとても楽しいのです。どの子も上靴をちゃんとはいて、名札もちゃんとつけて過ごしています。ところが学年に上がるにつれ、「慣れによるダレ」が出てきます。いろんなところに「だらしなさ」がめだつようになります。

「慣れによるダレ」は誰でも出てきます。大人も一緒です。でもそこはやっぱり、「ものごとの善悪」や「そのことの価値(値打ち)と必要性」を考えて、自分を奮い立たせられる子どもたちでいてほしいと思います。朝のH先生の話が子どもたちの心に届いたのか、「掃除への切り替え」や「読書の時間の静けさ」は少し改善していたように感じます。

 

写真は、読書の時間がいつも「静か」で感心させられる学級の一つです。担任の先生も子どもたちと一緒に読書に浸っています。まずは先生が読書に浸る…率先垂範、これが基本ですね。

 

楽しみにしている夏休みまで、大きな行事もありませんが、一日一日それぞれの「ちいさな目標」をきちんともって、地に足つけて頑張れる残り1か月にしてほしいなと切に願います。


14:41
2024/06/21

「センスが光ってます!~6年図工 ツートン切り絵(反転アート)?~

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今、6年生教室の前にひと際目を惹く図工の作品が展示されています。テーマ名や題材名が表示されていないので、勝手に「ツートン切り絵」とか「反転アート」と名前を付けましたが、とにかく見応えのある作品がずらっと並んでいます。

 


 作品を見ると大体わかると思いますが、色画用紙と黒画用紙を使い、デザインしたものをカッターナイフで切り絵にし、左右(上下)対称につなぎ合わせた作品です。算数で学習した「線対称の形」の知識が生きています。左右(上下)対称にして生きるデザインを考えること、またデザインが生きるツートン(2色)の色選び、ち密なデザインで勝負するか、構図で勝負するか…、デザイン(作品)のアクセントをどこに持ってくるか…いろいろとセンスが問われる作品づくりです。おそらく担任の先生が、最初に作品づくりのイメージが湧いてくる「いいサンプル作品」を提示し、作品づくりの手順をしっかりと指導してくれた成果を感じます。

楽しい作品が多く、見ていて飽きません。その作品も丁寧に作業されていて、6年生がとても落ち着いて、根気よく取り組んでいることがよく分かります。

完全な私(校長)の好み(見方)ということにはなりますが、とても印象に残った作品をいくつか紹介します。











15:36
2024/06/20

「勤労・公共の精神~5年生道徳から~」

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今日の3時間目、校舎のあちこちで5年生がいろんな仕事(作業)をしていてくれました。

下駄箱の靴や傘立ての整理、廊下のそうじや窓ふき、泥落としマットの敷きなおし等を手分けして行ってくれました。整理整頓を呼びかけるポスターを作るという仕事もありました。

この活動は、係活動や委員会活動ではなく、道徳の時間に学習したことがきっかけとなって、自分たちの行動(実践)にまで発展させてくれたものです。


きっかけとなった道徳の教材は「サタデーグループ」というものです。あらすじはこんな感じです。

・・・「サタデーグループ」あらすじ・・・・・・・

「わたし」たちの学校では、地域をきれいにしようと、学期に1回、地域の人と協力して町や公園の掃除をしている。掃除当日、みんなで協力してたくさんのごみを拾った。

すると、6年生の英子さんが「毎週、掃除をしない?」と誘ってくれた。

毎週土曜日に掃除をすることになり、グループの名前を「サタデーグループ」にした。

校長先生にほめられたり、他のグループができたりして、地域をきれいにする運動が盛り上がってきた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんなお話なのですが、深く考えたい道徳的価値は「奉仕の心(勤労・公共の精神)」です。自分の利益(損得)にかかる勤労ではなく、「みんな」のことを思って、「みんな」のためにする勤労(ボランティア)の大切さを、教材を通して深く考えました。

担任のY先生は、「この学校には、人知れず『みんな』のためにいろんな仕事をしてくれている人がたくさんいる。」ということや、昨年度の私(校長)の「フェンス修繕」に込めた思いなども子どもたちに話してくれたようです。

道徳の学習としては、「みんな(公)のために、自分のできることで、みんなと協力し合って奉仕することが大切で、実際に身の回りでたくさんの人が、それをしていてくれることに気がついた。これからは少しでも自分のできることで、みんなのために頑張りたい。」というような振り返りができればそれでいいのかもしれませんが、今回、5年生はそこで終わらず、

「じゃ、実際自分たちができることを考えよう。そしてそれを実行しよう。」

と考え、自分たちにできそうなことを考え、役割を分担して実行してくれました。実際に行動する前に、Y先生はもう一度子どもたちに問いかけます。

「みんなは、この活動をして、どんな気持ちになりたいと思ってるの?」と。子どもたちは答えます。

「すっきりした気持ち」、「役に立ったという気持ち」…ちゃんと目的が明確になっていました。


 

子どもたちは、とてもいい表情で校舎のあちこちに散らばり、目的の奉仕活動に励んでくれました。たった一人で担当するところも、目的がはっきりしてますから黙々と頑張れる姿がそこにありました。


 

こんな気持ちが、日頃の10分間そうじに活きてくることを願っています。5年生のそうじに対する意識や態度が変わり、それが全校へと広がっていってくれれば、そこにもまた、「みんなが楽しい!(=かっこいい)北小」につながっていきます。5年生の皆さん、今日はどうもありがとうございました。


15:59
2024/06/19

「大雨のち快晴~初めてとれました~」

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昨日は、大雨の朝になりました。「ゲリラ豪雨みたいのは勘弁してください。あまり風も吹かないでほしい…。」と空に祈りながら子どもたちの登校を待っていました。毎朝一緒に立ってくれているH先生も昨日は本気モードの雨合羽でした。またK先生やT先生は、ひょっとしたら緊急の対応をしなければいけないと考えて、7時前には出勤してくれました。危機意識の高い先生たちが多くて、私(校長)としてはとても心強いです。

 



最初にやってくるのは、上之町や堺町、石地方面からの班です。いつもいつも感心するのですが班長さんを先頭にきちんと1列で歩いてきてくれます。昨日みたいなひどい天気でも、いつも通り変わらずきちんと安全に登校してきてくれます。そのあとも続々と、班長さんを先頭に安全に登校してきてくれました。頼りになる高学年がたくさんいてくれて、本当に心強いです。

「おはようございます。大雨の中、よく頑張ってきてくれたね。お疲れさん。」

「だいぶ濡れたんちゃうか。今日は早く校舎に入りや。」

できるだけたくさんの子に声かけをしながら、こんな荒天でも頑張って登校してくれる子どもたちを労いました。

 

 さて、昨日の天気とは一転、今日は朝からさわやかに晴れ渡りました。昨日の雨傘が日傘に変わり、子どもたちの顔も明るいです。

「おはようございます。校長先生、昨日いっぱい雨が降ったけど、水やりしたほうがいいかな…。」と、たくさんの子どもたちが尋ねてきます。朝一番、開口一番に「水やりした方がいいかな?」と聞いてくる子どもたちが大好きです。

とりあえず水やりに行った子どもたちの声がいつもより弾んでいます。特に2日ぶりに野菜を見に行った子どもたちから、「やったー!すごく赤くなってる!大きくなってる!」、「もうとって(収穫して)いいやんなあ。」、「めっちゃキュウリが曲がってる~!」とワイワイガヤガヤ…。 

その後、何人かの子が、初収穫の野菜を見せてくれました。

 

 そして、お約束の質問をします。

Yちゃん、初めてとれたミニトマト。どうするの?」

「う~ん、家族で分けられへんし…。どうしようかな…。」

そこに、初キュウリをもったKちゃんが、

「私は、家族で分けて食べるで!」

なるほど、キュウリなら確かに分けられます。私(校長)は、子どもたちとのこんな会話が大好きです。なんかとてもほっとします。



 

ナスやピーマンも大きくなってきました。これからしばらく「初めてとれた〇〇、どうするの?」から始まる子どもたちとの会話を楽しみたいと思います。


17:58
2024/06/17

「補助台の支えと友だちの支え~2年生 鉄棒遊び~」

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昨日、2年生が体育の時間に、上運動場で鉄棒遊びと雲梯遊びに頑張って取り組んでいました。「遊び」という言葉がついていると、「学習」じゃないような気がしますが、低学年の体育は「運動」ではなく、あくまで「運動遊び」です。「運動をして体力や技能をつける」というより「遊んでいたら体力や技能が身についた」という方が低学年の子どもたちには好まれますし、発達段階にあっています。
 

 

実は「運動遊び」はとても大切で、多様な「運動遊び」の中で、3年生からの「運動」に必要不可欠な「基礎感覚」や「基礎技能」を身につけていくことが、本当の目的です。

 

いろんな「基礎感覚」がありますが、私(校長)の経験上、低学年のうちに必ず身につけておいてほしい「基礎感覚」は、特に「逆さ感覚」と「腕支持感覚」の2つです。これらの感覚は、鉄棒やマット、跳び箱運動などの器械運動に絶対必要になる感覚です。分かりやすく言えば、「逆さ感覚」は「頭が下になって(体位がひっくりかえって)も平気な感覚」、「腕支持感覚」は「腕で体(体重)を支える感覚」です。体が小さく軽いうちに、また恐怖心がないうちに、「遊び慣れる中で自然と身についていく感覚」と言えます。高学年になってからでは、もう「恐怖心」に打ち克つことはかなり困難になります。この2つの感覚がしっかりしていないと、例えば、5年生の鉄棒運動「後方支持回転」やマット運動の「側方倒立回転(側転)」はなかなか習得できません。「器械運動」の領域で、できる子とできない子がはっきりと分かれてしまう傾向があるのは、運動遊びによる「逆さ感覚」と「腕支持感覚」の有無によるところが大きいと感じています。だからこそ、就学前や低学年のうちの遊具等での「運動遊び」はとても大切になります。「何かができること(得意なこと)」は確かに子どもたちの楽しさや自信につながりますが、できなくても「いろんな運動遊び」をくぐっておくことが大切になると考えます。知らず知らずのうちに身についている多様な「基礎感覚」が、その後の様々な「運動」を可能にする必須アイテムになるのです。

 

今日の2年生は、みんな一生懸命、雲梯や鉄棒に取り組んでいました。特に誰もが越えなければならない関門である「逆上がり」は、どの子にとっても習得したい技であり、友だちと協力しながら練習する姿が多くありました。




私(校長)が感心したのは、何度チャレンジしてもなかなか成功しないT君が、決してあきらめることなくひたすら挑戦し続ける姿と、それを支える友だちの関わりでした。すでに逆上がりができる子どもたちが、T君に懸命にアドバイスする姿です。

Tくん、ここ、ここ!このへんを蹴るねん!」

Tくん、足を後ろの方に、ばーんと持っていく感じで!」

アドバイスもなかなか的確です。何人かの友だちがTくんを取り囲んで見守る感じで練習は続きました。ちゃんと友だちに「相手意識」をもって「関われる」子どもたちの姿がうれしかったです。「自分さえできたら、それでOK! 友だちができようができまいが、自分には関係ない…。」そんな子どもたちの姿ならずいぶん寂しかったと思います。温かな子どもたちの「関わり」に、今日もまた、北小の子どもたちが好きになりました。


17:11
2024/06/17

「自分の命は自分で守る ~1年生 交通安全教室~」

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昨日、1年生が交通安全教室を実施しました。駅前交番や市の市民生活相談課の方々に来校いただき、登下校時の安全な道路の歩き方・交差点の渡り方について学習しました。


警察の方からは、今年3月に起きた野洲市での交通事故(横断歩行中の児童の列にトラックが突っ込む事故)を例に、「事故は歩行者(自分たち)の『見落とし(不注意)』だけでなく、運転者の『見落とし(不注意)』でも起こる」ことや、「だから青信号でも、自分で安全を確かめて渡ることが大切」であることを丁寧に話してくださいました。

市の職員さんからは、横断歩道の歩き方やグリーンベルトを歩く時の注意について、クイズ形式で教えていただきました。



授業の後半は、実際に外に出て、「信号のある横断歩道」「信号のない横断歩道」「横断歩道のない交差点」などの歩き方や渡り方について実地練習しました。いつも上の学年の人たちに安全につれてもらったり、帰りは同じ方面のみんなと一緒に帰ったりしている1年生。ひょっとして「自分で注意したり(危険を察知したり)、安全を確認したり、自分で判断して行動を決めたりする」ことは、まだまだ十分ではないように思います。

統計によると毎年6月は、一年の中で1年生の交通事故が一番多い時期です。おそらく、学校にも少し慣れてきて、行動範囲も広がってきた中で、横断時の安全確認が十分でなかったり、不用意に飛び出したりすることが多いということです。

1年生には厳しい言葉かもしれませんが、1年生であっても「自分の命(安全)は自分で守る」気持ちがとても大切だと再認識した交通安全教室でした。駅前交番ならびに市民相談課の皆さん、ご多用の中また大変暑い中、交通安全指導をありがとうございました。


15:48
2024/06/14

「北小銀座・渋谷通り?~低学年朝の水やりとお世話~」

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いつものように朝校門で子どもたちを迎えていると、毎日ある場所からとても明るくにぎやかな声が聞こえてきます。低学年の子どもたちが、たくさんおしゃべりをしながら、アサガオや野菜の水やりとお世話をしに行くのです。その風景は、低学年の子どもたちがごった返す「アサガオ小径?」みたいな雰囲気です。またその楽しく活気のある風景は、たくさんの人々(子どもたち)がにぎやかに行き交う北小の「銀座・渋谷通り」の様相を呈しています。


 朝から、だるそうな顔で登校するのではなく、元気に「おはようございます!」とあいさつした後、「今日も伸びてるかな?」「実はなっているかな?」とワクワクしながら、友達と一緒に水やりをしに行く子どもたちの活気のある風景は、本当に気持ちのいいものです。

 

1年生のアサガオは本当によく育っています。最近はお天気も良く、子どもたちも毎日たっぷりと水をあげているので、「アサガオの葉ってこんなに大きかったっけ?」と思うほど、元気に大きく育っています。そろそろ支柱を立てる時期かなという感じです。

2年生のお世話も実に丁寧です。水をあげるだけでなく、雑草をとったり、ミニトマトの脇芽を積んだりしています。生長の早いミニトマトは、もうたくさん実をつけ、赤く色づき始めています。

 

 

 

 

毎日の少しずつの変化(生長)を楽しみにしながら、時間と手間をかけて育てるという経験が子どもたちの心を豊かにしてくれます。ひとつだけ赤く色づいたミニトマトを収穫したある女の子が、たったひとつのミニトマトを両手で大事そうに持って、何とも言えない幸せそうな顔をしているのがとても愛らしかったです。

この子は、「この最初の1個をどうするのかな・・・。大好きなお母さんやお父さんに報告しながらあげるのかな…。それとも、育て方をいろいろ教えてくれるおばあちゃんやおじいちゃんにプレゼントするのかな…。」などと勝手に想像していました。

これから実をつける2年生の野菜…。ミニトマト、きゅうり、なす、オクラ、枝豆などなど…「初収穫」の時の子どもたちとの会話が今からとても楽しみです。


12:39
2024/06/13

「世界とのかけはし ~にじ教室で頑張る子どもたち~」

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本校には、20人を超える外国人児童(外国にルーツを持つ子どもたち)がいてくれます。このことは本校にとって、とても素敵なことで、これからの多様性社会を生きる子どもたちにとってなくてはならない存在です。

でも、日本語が十分わからない子どもたちが、日本の小学校で一緒に学ぶことは、簡単なことではありません。国籍を問わず、子どもたちの「吸収力」はすごいので、日頃の子どもたち同士の関係の中で、「日常生活に必要な日本語」は割と早く理解でき、話すこともできるようになるのですが、「学習につかう日本語」や「教科書に出てくる日本語」は別物で、これはなかなか難しく、教室での学習についていくのは本当にしんどいことになります。一日の大半を占める「授業」がさっぱりわからないというのは本当につらいことです。

そんな子どもたちのために、本校では「日本語指導教室」という別室で、外国人児童が国語・算数に時間を中心に、ゆっくりじっくり学べる環境を整えています。今までは、ブラジル(ポルトガル語が母国語)の子どもたちが多かったので、教室の名前も「アミーゴ教室」となっていましたが、近年は、ベトナムやフィリピンから来る子どもたちも増えてきて、より多国籍になってきたので、担当のK先生が「にじ教室」と改名してくれました。本校の外国にルーツを持つ子どもたちが、「日本と世界との架け橋になってほしい。」という願いをこめて、あえて日本語で「にじ」としました。

 ところが、日本語指導担当はK先生ひとりなので、一人ひとりの子どもたちにきめ細かく関わってあげることはできません。市が配置くださった支援員さんのおかげで、個別にサポートしてあげられるようにはなりましたが、それでも十分ではありません。もっともっと個別に支援してあげる必要がありました。サポートの体制が整えば、子どもたちはどんどん前向きに学習に取り組めます。もともと学習意欲の高い子どもたちばかりです。

 

少しでも子どもたちのサポート体制が整うよう、K先生や教頭先生が、関係機関や地域に働きかけてくれて、今、数名の「外国人児童支援ボランティアさん」が手伝ってくださるようになり、子どもたちは、目を輝かせながら、日本の学習に取り組んでいます。地域の皆さんの温かな支援が本当にありがたいです。

 子どもたちの学びや育ちがもっともっと豊かになるよう、「外国人児童支援ボランティアさん」に限らず、学校の教育活動に関わってくださる地域のボランティアさんの裾野が広がっていくことを強く願っています。
12:37
2024/06/12

「自分たちで『楽しさ』を創り出す~委員会活動~」

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何度も登場しますが、本校の学校教育目標は「みんなが楽しい!八日市北小学校」です。このスローガンは子どもたちにも、保護者の皆さんにも浸透してきて、まさにみんなで「共有」できる目標になってきました。



子どもたちが自らの計画・運営で、学校生活に必要な仕事を行ったり、学校生活を豊かにする活動を考えたりするのが「委員会活動」です。月に一度の全校集会では、各委員会からいろんなお知らせがあります。去る6月6日に行われた全校集会でも、かなりたくさんのインフォメーションがありました。

○児童会執行部・・・全校「宝くじ(宝探し)」の開催

○図書委員会・・・「読書スタンプラリー」「読書アンケート」の実施

○ふれあい委員会・・・「ありがとう週間」の開催(とても嬉しかったことをカードに書く)

○ボランティア委員会・・・ボランティアを募って、ゴミ拾いや校舎内の整頓を行う。

○レクレーション委員会・・・北小フェスティバル(有志によるステージ発表会)の開催

○放送委員会・・・クラス代表対抗じゃんけん大会の開催

○保健委員会・・・熱中症予防のポスター作り他

○給食委員会・・・先生給食「食レポ」シリーズ

○環境委員会・・・そうじ用具庫の整頓他

○体育委員会・・・5月に体力テストフェスティバルの実施、全校「ケイドロ」の計画



子どもたちにとって、「楽しいこと」が目白押しです。いろんな「楽しいこと」を実現する過程で、高学年の子どもたちは、「目標(目的)意識」をしっかり持って、実施に必要な「事柄を決める」、「役割を分担する」、「準備をする」などの「段取り能力」を養っていきます。こんな楽しいことが目白押しの学校・・・子どもたちにとっては、わくわくが止まりません。

しかし大切なのは「楽しいこと」だけではありません。学校生活に「必要なこと」をすることはもっと基本的なことです。学校の環境が整っていることや、安全で快適に過ごせる環境づくりは、「みんなが楽しい!」の大前提です。イベント的なことだけでなく、きちんと地に足つけて行う取組こそ大いに賞賛してあげたいです。保健委員会さん、環境委員会さん、ボランティア委員会、本当にありがとうございます。

 

さて、早速昨日、ボランティア委員会さんが、全校からボランティアを募って、校舎内の整理整頓活動を展開してくれました。





集まったボランティアはそんなに多くはありませんでしたが、それでも1年生の参加者もあり、嬉しい限りでした。今や学校のアイドルと化したボランティアマンと一緒に、2,3階廊下の整理整頓に向かいました。窓側の棚やロッカーを見て回り、乱れている絵の具セットや習字セットを中心に整頓してくれました。とても値打ちのある「楽しい」活動でした。

 

このような活動は、「子どもたちの主体性重視」や「子どもたちの発想重視」のお題目のもと、「自分たちがしたいようにしなさい。」では、実現しません。やり方や進め方を教え、一緒にするところからしか始まらないのです。山本五十六さんの言葉通り、

「やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ」です。

子どもたちは、このような小さな「成功体験」を積み重ね、自信と甲斐性を身につけていきます。そして、そこから自分たちの発想や主体性を生かし、どんどん「自分らしく」成長していきます。

これからの委員会活動を楽しみにしています。




14:46
2024/06/12

「あおる⁉&相手意識 ~ある通信から~」

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長という立場上、各学級で発行される学年・学級通信に目を通し、決裁する(OKを出す)のが仕事なのですが、通信を読んで「本当にそうだなあ…。」と深くうなずいてしまうことがよくあります。今回はそのひとつを紹介したいと思います。

 

<4年生学年通信より抜粋>

最近、子どもたちの話に耳を傾けていると、『○○(名前)が、あおって来る』とか『○○(名前)と△△(名前)が、あおり合いをした』ということをよく聞きます。数年前に「自動車のあおり運転」が社会で問題になりましたが、子どもたちが使う『あおる』は「相手をののしる」「挑発する」というような意味みたいです。

こういう表現が広がった背景には、SNSやネット掲示板があるようですが、子どもたちが使うようになったということは、おそらくインターネットだと思います。以前、オンラインゲームの中で子どもたちが一緒にプレイしている仲間(時には、知らない誰か)を、ひどい言葉でののしっているという話を聞いたことがあります。以前、子どもたちに動画配信サイトでどういうものを見ているのか聞いたことがあるのですが、結構多かったのが『ゲームの攻略系動画』でした。Youtubeで検索してみると人気のオンラインゲーム関連の動画が多く投稿されており、その動画から聞こえる子どもの声はまさに『あおり合い』でした。うちの学校の子どもたちが、そういう世界に身を投じているのかどうかはわかりませんが、少なからずこういうものを見て始まったのではないかと思われます。

リアルな社会では、優しさとか思いやりとかを大切にするように指導したり、学習の機会を設定したりしているのに、仮想世界では「あおり合い」「暴言の言い合い」が広がっているというのが悲しい現実です。

 私たち大人の責務は、この現状を黙認するのではなく、目の前の子どもが仮想世界の乱れに入り込まないようにしっかりと見守り、生身の人間の温かみを実感させてあげることだと思います。



この通信を読んで、「生身の人間の温かみを実感させてあげること」…まさにその通りだなと思いました。一人ひとりの子どもにしっかり丁寧に温かく関わってあげないと…と気持ちを新たにしたのですが…、

 

実は、その後に読んだK先生による教職員向けの通信「教育相談だより」の記事によって、再び深く反省することになりました。

 

<教育相談だよりより抜粋>

話は変わりますが、職員室にはたくさんの子どもたちが、用事があってやってきます。委員会や学級の用事で鍵を借りにくる子もいます。その子どもたちの大半は、「失礼しまーす。〇年△組の□※△・・・です。■□の鍵を取りに来ましたー。」という決まり文句を呪文のようにすごいスピードで言いながら、もう体は鍵と学級札とを換えています。もはや6年児童の小声&猛スピードは私には聞き取れません。顔を見れば誰だかわかりますが、一応「え?誰?もう一回言って!」と言うと、けげんそうな顔で言い直して鍵を持っていきます。6年生は知っているのです。ドキドキしながら職員室の入り口で「失礼します・・・」と言っても、職員室の大人が顔も上げずに返事することを。気づいて反省しました。「失礼します…」と聞こえたら、顔を上げてなるべくその子の顔を見て聞くようにしています。このごろは、顔を上げて返事してくれた人に向かって「・・・鍵を借りに来ました。」と言ってくれるようになりました。

  『相手意識』って大事ですね。職員室っていろんな人がいるから誰に言っていいのかわからなかったのでしょう。「あなたの話を聞いていますよ」という態度で聴くことを続けていきたいです。

 

子どもはやっぱり「してもらう」方が先なんだと思います。「話が聴いてもらえる」から「人の話が聴けるようになる」、「愛されている(大切にされている)実感がある」から「人を愛する(大切にする)ことができる」というのが本当なんだろうなとつくづく思います。「大人の都合」を言い訳にしていちゃダメですよね…反省しきりです。


14:40
2024/06/11

「プールの季節がやってきた!~プール開き~」

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いよいよ暑さも本格的になってきて、熱中症にも気をつけないといけない季節になりましたが、今日は絶好の「プール開き」日和。朝の「プール開き式(放送)」の後、早速2年生、3年生、5年生が今年初めてのプールを楽しみました。

朝の放送では、「学校でプールの学習(水遊び・水泳)をする目的は何なのでしょう?たぶん多くの人が、『泳げるようになるため』と答えると思いますが、究極の目標は、いざというときに自分の命を守るためなのです。万が一、海や川、池などに投げ出された時、自力で上がったり、助けが来るまで浮いていられたりする力をつけるためです。」と話しました。




低学年は「水泳」ではなく、「水遊び」です。「遊び」とついていますが、もちろん「遊び」ではなく、「水に慣れ、水と仲良くなること」が目標です。「水遊び」をしながら、「水」というものを、「こわさ」も含めてよく知り、陸上にはない「浮力」や「水圧」の楽しさなんかも味わいながら、水の中で「リラックスして動ける」ようになるのが一番大切なことです。

中学年以上は「水泳」です。「長く泳げる」ことが目標です。(極論を言えば、泳げなくても、長く浮いていられれば自分の命を守れると思います。)クロールや平泳ぎが基本の泳法になり、きれいなフォームで泳げると達成感も大きいですが、そうでなくてもそこそこの距離(時間)を泳げるようになったらいいなと思います。

苦手な子ほど、水と仲良くなってほしいなと願っています。水の中で緊張せずにリラックスできれば、浮くことも泳ぐこともそう難しくはありません。水が怖い→水の中で緊張→体・筋肉がこわばる→体が沈む→水が怖くなる…の悪循環に入ってしまって、水(水泳)を避け続けて、そのまま大人になると、万が一の時に水の中でパニックを起こすことになります。やっぱり、

「水に慣れること」、「水と仲良くなること」がまずは肝心です。





とはいえ、万が一があってはならないので、プール(水泳)指導には、我々(教職員)も万全の態勢で臨みます。指導者と支援者そして監視者…多くの目で子どもたちを見守ります。また、指導についても徹底しています。今日は、3年生の水泳を見学させてもらいましたが、全体指導のM先生の指導もとても安心できるものでした。

しっかりとバディ(お互いの安全を確認しあう相手)を確認し、全員がそろっていることを強く意識させます。話(説明)をする時は、きちんと全員に注目させてから話します。また、プールは声が届きにくいので、少しずつ「指示」を単純化するとともに、その「指示の意味」を「笛の吹き方」に置き換えていきます。慣れてくると「笛の音」だけで、子どもたちに「指示」が届くようになります。ややもすると、子どもたちにとって気持ちが「レジャー」になりがちなプール学習ですから、きちんと「安全」を意識させながら、「泳ぐための学習」を成立させる指導の技術が不可欠です。M先生の水泳指導、見事でした。



また、本校は支援員さんも可能な限りプールの中に入り、子どもたちを直接サポートします。水が得意な子も苦手な子も、精一杯がんばって、少しでも長く泳げるようになってほしいなと願います。

最後に、やっぱり「暑すぎる夏」は心配になります。熱中症予防のため、暑さ指数が31を超える日は、水泳(水遊び)もできなくなります。反対に、肌寒い梅雨空の日も嫌です。どうか子どもたちが気持ちよくプールに入れる日が多くありますように…。これは神頼みしかありません…。


16:11
2024/06/10

「竹のものさし~2年生算数 長さの単位~」

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今、2年生は算数で、竹製の30cmものさしを使って学習しています。ひょっとしたら、

「令和の時代に、竹製って…時代錯誤なのでは…。」

「定規なら、100円均一でも売ってるし、目盛りに数字も書いていて、そっちのほうが使いやすいのでは…?」

「だいたい30cmって、長すぎて筆箱にも入らない…。」

などなど、思っている人もいるのでは…と思います。

 

 そもそも「ものさし」と「定規」は別物で、「ものさし」は「長さを測るもの」であって、「定規」は「線を引くためのもの」と用途が違います。「ものさし」はものの長さを測るためものだから端から目盛りがついています。(端が0です。)

一方、「定規」は決まった長さの直線を引きやすくするために、端(0)の横に少し余白を設けています。今の2年生の学習は「長さを測る」ですから、「ものさし」の方が適しています。

 次に、なぜ「竹製なのか?」については、「竹」は温度や湿度の変化による伸び縮みがほとんどなく、いつでも正確で、長持ちするという特長を持っています。おまけに、竹製は、プラスチックや金属性のものに比べて、素材が柔らかく安全だということも小学校で使う大きな理由だと思います。

さらに、 「なぜ、30cmなのか?」については、本当のところはわかりませんが、おそらく子どもたちが扱うものの多くが30cmものさしであれば、測ることができるから…と思います。何よりもこの30cmものさしのおかげで、今も昔も、老若男女…すべての人が「30cmってこれくらい」ってイメージできることこそが、脈々と続く「30cmものさし」の功名なのではないでしょうか。

 一人1台タブレット端末時代になってから、子どもたちの学習は「個別最適化」しやすくなりました。自分の必要に応じて、練習問題にチャレンジしたり、もう一度復習したり…、問題に答えると、すぐに正誤についてレスポンスがあるので、テンポよく学習を進めることができます。



 実に効率よく、便利に学習できる時代になりました。しかし、「便利」ばかりに気を取られていると、また「問題に正解すること」ばかりに気を取られていると、「学び」の本質である「生きる力」に結びつくという、一番大事なことを忘れそうになってしまいます。

 ずいぶん前の話ですが、全国学力・学習状況調査の算数の問題に「はがきの面積は何cm?」という超シンプルな問題が出たんですが、この問題の正解率がとても低くて、愕然としたことをよく覚えています。実は、その問題には、はがきの縦横の長さも書いてなくて、ただ正しい答えを①15㎠②150㎠③1500㎠④15000㎠の中から選ぶだけという問題だったのですが…。当然答えは150㎠なのですが、「当然」と言えるには、はがきのサイズがだいたい10cm×15cmだと分かることと、長方形の面積が縦×横だと分かっていることの二つが必要になります。子どもたちはおそらく「はがきのサイズ」が実感として浮かばなかったのだと思います。いわゆる「量感」…(経験や身体尺によって、おおよその長さや重さなどが分かる感覚)が育っていないということなのです。

今日、子どもたちのノートを覗くと、「予想した長さ」と「実際測った長さ」の両方を書くようになっていて、しっかりと「量感」をもちながら測ったり考えたりするようになっていました。とても大事なことだと思いました。
 

「竹のものさし」の目盛りには数字は入っていません。それを「不便ととらえるか」、それとも「応用がきく」、「臨機応変に目盛りを読む力がつく」と考えるか…「生きる力」を考えるとき、答えは明らかです。

私(校長)は娘にもらった「素数定規」というものを、もう10年以上使っています。素数(2,3,5,7,11,13,17)しか目盛りがないので超不便ですが、例えば「4cmの線を引く」ときは、「7と11の間」を使って線を引けます。めんどうくさいですが、どうしたら〇cmの線が引けるのか、考えるのがちょっと楽しいです。


16:00
2024/06/07

「ミューフェスで得るもの~音楽集会としての価値だけではない~」

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 今日は、たくさんの保護者の皆様に参観いただき、盛大にミュージックフェスティバルを開催することができました。温かな見守りと惜しみない拍手をいただき、本当にありがとうございました。




子どもたちは、何とも言えない緊張感を感じながらも、精一杯自分たちの「全力」を出し切りました。学年それぞれに、その学年の良さがあり、大きな成長の跡が見て取れました。
 コロナ禍においては、自分の学年の発表をするだけで、他の学年の発表を聴きあうことができなかったと聞いています。本当なら、互いに聴きあうことに価値があるミュージックフェスティバルだと思っています。録画した発表をテレビで見ていても、その場の臨場感や緊張感は伝わってきません。やっぱり「生(なま)」で「目の前で」鑑賞するからこそ、その発表の良さが全身で感じられるものです。































17:03
2024/06/06

「ここがふるさと~いよいよ明日、ミューフェス~」

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いよいよ明日に迫ったミュージックフェスティバル。今日は、どの学年も最後のリハーサルです。練習をし始めた頃は、どうなることかと心配もしましたが、練習を積み重ねるうちに、音も気持ちも一つに揃ってきて、どの学年も素敵な歌声や演奏に仕上がってきました。


とにかくかわいい1年生。でもかわいいだけではありません。とても一生懸命な姿が愛おしくなります。学校生活にも慣れてきて、今幼稚園や保育園で身につけてきた力も十分に発揮しながら元気いっぱいの発表です。


元気で楽しい2年生。歌ったり、鍵盤ハーモニカを吹いたり、テンポの速い切り替えもさっとこなせる力がついてきました。


メリハリのついてきた3年生。元気な歌声や楽しい合奏だけでなく、一つひとつの動きや姿勢も去年までとは違います。きりっとした表情がとてもかっこいいです。
パワーあふれる4年生。でも元気さだけではありません。弾むような歌声やリコーダーの丁寧できれいな響き…音楽のレベルがうんと上がりました。

高学年になり、プライドも出てきた5年生。合奏「アフリカンシンフォニー」はトリハダものです。迫力とキレの良さに圧倒されます。

そして、今年が最後のミューフェスになる6年生。一番うまくて当たり前、みんなを感動させる合唱や合奏をして当たり前…大きな期待をかけられるプレッシャーは半端ではありません。「自分たちは、北小のみんなの憧れであるべき!」という強い決意のもと、最高学年としての誇りとプライドをかけて、緊張の中全力を尽くします。

 

6校時、最後の練習を終えた6年生を前に、担任のF先生が語りかけます。

「春休みから、最後のミューフェスで何を歌い、何を合奏するのか、ずっと考えていました。最後だから、『みんなが楽しい!』が実現できるように、全校が知っている曲でめいっぱい楽しみたいと思って曲を選びました。…(中略)…『ふるさと』の曲は本当に心にしみる歌詞で大好きです。『…ここはふるさと~♪』、そうだよ、みんな。ここがふるさとなんだよ。この北小がみんなにとってのふるさとなんだよ…。」

F先生は今にも泣きだしそうです。子どもたちは、そんなF先生の話をだまってじっと聴いています。先生と子どもたちの心はしっかりとつながっています。強く強くつながっています。

こんな心のつながりが、明日の6年生の発表にしっかりと表れます。

私(校長)が28歳の時に始めたミュージックフェスティバル…。私にとっても人生最後のミュージックフェスティバルになります。全身で楽しみたいと思います。





18:22
2024/06/05

「社会科×食育~4年生 ごみのゆくえ~」

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 昨日、4年生教室では、社会科の「ごみのゆくえ」の学習に関連させて、「給食センターから出るごみとゆくえ」というテーマで、栄養教諭のS先生に授業をしてもらいました。「ごみの処理と活用」と「給食センターの努力や工夫」を組み合わせたハイブリッド授業といったところでしょうか。


毎日の給食をお世話になっている蒲生給食センターでは、毎日5800人分の給食を作っています。その調理の過程で出てしまうごみだけでも、「野菜くず」「段ボール」「ビニール類」「使用済油」「ペットボトル」「ペーパータオル等の紙類」「空き缶」等があり、これだけでかなりの量になりますが、これらは減らしようのない最小限のごみです。

それらに加えて、各校園から戻ってくる大量の牛乳パックと、そして「給食の食べ残し(残飯)」が合わさって、処理すべきごみの量はすごいことになっています。


さて、問題はここからです。これらの大量のごみをどう処理するのか…。まず子どもたちは、ごみを「燃えるごみ」と「燃えないごみ」そしてリサイクルできる「資源ごみ」の3種類に分けます。「燃える」か「燃えないか」の判断は割と簡単で、「燃えないごみ」は「空き缶」だけ。問題は「燃えるごみ」を燃やさずに「資源と」として再利用(活用)できるものを選び出すことです。「ペットボトル」や「段ボール」、「牛乳パック」は、スーパーやドラッグストアでも回収していることを思い出した子は、「資源ごみ」に分類していました。「使い終わった油からたしか石鹸ができると聞いたことがある。」…日頃の経験や探求心がここで生きてきます。確かに「使った油」は石鹸にもなるし、BDF(バイオディーゼルフューエル)燃料になって、ちょこっとバスを走らせてくれます。(BDF燃料は、たしか愛東マーガレットステーションのところに工場があるかな)

最後に残ったのが、「給食も食べ残し」…。「燃やすの?埋めるの?…それとも何かに変えられる?」…子どもたちは、いろいろと「食べ残し」のゆくえを考えます。

結果的には、ある程度は、給食センターの機械(食べ残しや野菜くずを発酵させて肥料をつくる)にかけて肥料に変えるということ、そして「食べ残し」が多いと、もったいないが「燃えるごみ」として処理されることを知りました。また、残食が多いことを給食センターの皆さんが大変悲しく思っていることも知りました。

授業の後半、「ごみを減らすために、自分たちに何ができるか。」を考えました。ほとんどの子が、「給食を残さず食べることが大事。」と書いていました。

単に「給食は残さずに食べなさい。」と指導されるよりも、「ごみのゆくえ」の学習を通して、また給食センターの皆さんの苦労や思いを知ることを通して、自分自身が感じた「がんばって給食を食べよう。」は子どもたちの心にしっかり残ってくれることと思います。


18:51
2024/06/04

「子どもの絵って素晴らしい!」

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今日は2年生教室の廊下に掲示されている「ふしぎなたまご」の絵に、心惹かれて足が止まりました。実にのびのびと楽しい作品です。絵の具の使い方もいい効果をもたらしています。


「ふしぎなたまご」が割れて(孵化して)いろんなものが飛び出してくるっていう空想画なのですが、「ふしぎなたまご」の形や模様を考えることから始まり、そこから何が飛び出てくるか…子どもたちの想像は膨らみます。実在するもの、実在しないもの、想像は自由です。おそらく担任の先生が、この導入の段階で「自由な発想が広がる」ように、いろんなサンプルを見せたり、イメージを広げられるようお話をしたりして、うまく子どもたちの心を開放してくれたのでしょう。先生の指導が生きています。


子どもたちは、もともと「絵を描く」ことが好きだと思っています。画用紙やA4のコピー用紙のような「決まった枠」ではなく、どこにどれだけ描いてもOKという環境なら、どんどん想像力を働かせた絵を描き広げていきます。小さい頃の「おえかき」はまさにその世界です。

ところが小学校に入学して、学習として、決まった題材で、決まった大きさの紙に絵を描くとなったとたん、子どもたちの絵はだんだんと「堅いちっぽけな絵」になっていきがちです。「その紙に絵を収める」という意識が、絵を小さく堅くするのかもしれません。

それでも、低学年のうちは実際に「出会って、見て」とても驚いた「感動」をもとに絵を描くと、きちんとその「感動」=「心に強く残った印象」がそのまま絵に現れます。牧場で間近に牛を見て感じた「とてつもなく大きい」という感動や、サツマイモ掘りをして、両手で抱えるような「とても大きくて、重い」という感動は、そのまま絵に現れて、「上手い絵」ではなく、子どもにしか描けない「素晴らしい絵」になります。



しかし、学年が上がるにつれて、子どもたちにとって「上手い、下手」意識も出てきて、低学年の時のようになかなか「自由で大胆に!」という描き方ができなくなっていくような気がします。「感動」をそのまま、「見たまんま、感じたまんま」を描くということができにくくなってきて、だんだん頭の中にある「既成の形」や「常識的なイメージ」で描こうとします。つまり、「机を描いてごらん。」というと、まず「長方形」を描いてしまうという感じです。「物の形」と「それが実際どう見えるか」は全く別なのに、「物の形」で絵を描きます。


昔、高学年の子どもたちにこんな授業をしました。

「さあ、想像して描いてごらん。まず地平線を描いて…地平線の向こうには山があって…、はるか向こうからまっすぐな道がこちらに伸びていて、道の両側にはところどころ電柱が立っていて…、そして向こうから1台車が走ってきた…。」、「そんな風景想像できる?簡単でいいからその風景を描いてみて…。」というと、こんな絵になる子がたくさんいました。「道は同じ広さ」「電柱は道と垂直」…頭の中にある「物の形」や「常識」が、「上手く描けない…難しい。」を作り出します。本当は、なんとなくこんな感じを想像してたはずだと思うのですが…。



以前と比べて、図画工作の授業時数も減っていますし、昔よくやった「クロッキー(デッサン)」をする機会も少なくなりました。「見えるまんま」描くというトレーニングも積めていないのが現状です。限られた時間の中で、本来子どもたちが持っている「自由にのびのびと」、「見たまんま、感じたまんま」を絵や造形にする才能を呼び起こせるように、図画工作の学習について、もっともっと我々教員が研究しないといけないなと思う今日この頃です。


2年生の「ふしぎなたまご」…子どもにしか描けない自由でのびのび描いている傑作ぞろいです。素晴らしいです!ぜひ、ご覧あれ。













17:32
2024/06/03

「ししゃものお話~頭から?尾っぽから?…でも実は~」

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今日の給食の献立は、「焼きししゃも」「お浸し」「野菜とがんもの煮物」でした。「魚に、煮物…今日は残食が多いかなあ…。」と労務員さんが心配していたので、ちょっと1,2年生の教室をのぞきに行きました。




それぞれの教室をのぞいてみると、意外に子どもたちはおいしそうにししゃもにかぶりついています。「ししゃも、好きな人?」と聞いてみても、けっこうたくさん手が挙がりました。すると今度は逆に「校長先生は、ししゃもは頭から食べる?尻尾から食べる?」と質問してくるので、「えっ?どうしてそんなこと聞くの?」と聞き返すと、「ししゃもは、頭から食べると頭がよくなって、尻尾から食べると足が速くなるって言われてるんやで。」と教えてくれました。そういえばそんなこと聞いたことあるなあと思いながら…、「校長先生は頭から食べるけど、みんなは?」とさらに聞くと、ほとんどの子が「頭から食べる。」と答えていました。「へぇ~、子どもたちって『足が速い』より、『頭がよい』のほうがお望みなのか…。」と少し意外に思いました。





しかし、「頭から食べると頭がよくなる、尻尾から食べると足が速くなる…。」根拠は何なんだろう…。おそらくこれは、ししゃもの「栄養価の高さ」が根底にあるのだろうと予想します。ししゃもに含まれている栄養にはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸といったビタミン類や、カルシウム、リン、亜鉛、マグネシウム、鉄などのミネラル類がバランスよく含まれています。さらには、体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」DHAEPAなども含まれているんだとか…あんな小さな身にこんなにたくさんの栄養が詰まっているんですね。

「頭がよくなる」栄養素としてDHA(ドコサヘキサエン酸)は有名で、魚の目の周りの脂肪に多くあることから、「頭から食べると頭がよくなる」ということになったのではと推測します。

また、「足が速い」につながるのは、ししゃもの尻尾の方に多いカルシウムやたんぱく質が運動能力に作用するというかんがえからではないでしょうか。

まあ、これらの説の真偽はさておき、魚嫌いな子どもに、なんとかして魚を食べさせようとして考えた大人の「苦肉の策」であることには間違いないでしょう。

 しかし、私(校長)はいつも思うのです。みんなが「ししゃも」と言って、食べている魚は、ほぼほぼ「ししゃも」ではなく、「カペリン」という全く別の魚であるということを、みんなは知っているのだろうかと…。「樺太ししゃも」という名前で売られているから「ししゃも」だと思っていますが、本当の「ししゃも」は、今はほとんど獲れません。「樺太ししゃも(カペリン)」は10匹300円ぐらいですが、「本ししゃも」は10匹3,000円ぐらいするそうです。

私(校長)って、生まれてこの方、ひょっとして本物の「ししゃも」を食べたことがないかもしれない…と最近思っています。ずっと、「カペリン」を食べてきたのかな…まあ、美味しいからそれでも全然いいんですが…。「本ししゃも」ってどんな味がするんだろ…。


16:48
2024/05/31

「2年生のまち探検と3年生のまち探検」

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2年生の生活科の学習に「まち探検」があります。そして3年生の社会科や総合的な学習の時間にも「まち探検」の学習があります。2学年にわたる「まち探検」…どう違うのでしょう?

 2年生の生活科の「まち探検」の目的を簡単に書くと、

「まち探検を通して、自分たちのまちに対して親しみや愛着をもち、まちの特徴やよさ、季節による自然の変化、そこに暮らしたり働いたりする人々の様子など気付いたことをまとめ、伝えることができる。」ということです。大切なのは、いろんな人やものに出会って、「親しみや愛着をもつ」ということと、いろんなことに「気づく」という点です。自分の身近な地域「まち」でのいろんな「出会い」と「気づき(発見)」を通して、自分の「まち」を好きになるということがねらいだと私(校長)は思っています。また、自分の「まち」で見つけたことと、国語や算数などの他の教科の学習が結び付けられるとさらに値打ちのある学習になります。



2年生の学級通信を読ませてもらうと、F先生は「まち探検」のことを、こんなふうに書いていました。

 

意識して歩いたり友だちと一緒に歩いたりすることで、今まで気づかなかったことに気づきました。また、まち探検をしながら、国語で学習した「たんぽぽ」の様子の違いについて話し合う姿や、音楽で学習している「ぷっかりくじら」そっくりの雲を見つけて雲の形を色々と想像している姿が見られました。最近教室では、運動場やおうちの周りのたんぽぽをつんできて、教科書に書いてあったことが本当か、花の数を確かめている子や、綿毛の下には種が確かに1つひとつついていることを調べている子がいます。一人の学習がみんなの興味をくすぐって、みんなの学びになっていくことがおもしろいです。」

生活科の学習の値打ちや、いろんな教科の学習がつながっていく大切さを実にうまく書いています。

 

一方、3年生の「まち探検」の目標は、

〇自分たちの住んでいる身近な地域(まち)の特色ある地形、土地利用の様子、主な公共施設の場所とはたらき、交通の様子などを調べ、地域の様子は場所によって違いがあることに気づく。

〇地域に対する愛着をもち、地域社会の一員としての自覚を育んでいく。

〇集めた情報や自分の考えを発表し合い、全体で共有したり目的をもって発信したりする。(総合的な学習の時間)

といった感じです。2年生の学習とは違い、「まち」の特色(土地、公共施設、交通など)について調べ、地域によっての「特色」や「違い」を考えてまとめる…つまり、目的(探求)意識をもって、「調べる」「考える」「まとめる」「発信する」という学習過程が大切になってきます。さらに、4年生になると、学習過程はそのままに、扱う「地域」が「まち」から「滋賀県全体」に広がり、5年生では「日本全国」、最後に6年生では「世界」へといった具合に学習対象が広がっていくわけです。


本校の校区は、東近江市の中心で官庁街や商店街があり、八日市駅を起点とした公共交通も発達しています。同時に、田園風景が広がる自然豊かな地域(まち)で、日吉神社などの歴史的財産もたくさんある非常に恵まれた校区です。地域(まち)全体に、子どもたちの「学習教材(教育資源)」があふれている…そんなふうに思っています。地域の方々のお力を借りながら「地域(まち)教材」を少しずつ掘り起こし、子どもたちの体験学習を充実させていけたらと常々考えています。

そんなことが進めていけるよう、学校では子どもたちの学習に関わっていただける「北小支援ボランティアさん」の裾野を広げようと努めています。地域の方々が気軽に学校に来て、子どもたちに関わってもらえるそんな「みんなが楽しい八日市北小」をめざします。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。


16:51
2024/05/31

「さすがです!~ミューフェスの練習も佳境に入る!~

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来週の金曜日に本番を迎えるミュージックフェスティバルに向けて、体育館でのステージ練習も佳境に入ってきました。練習を始めたころは、どこの学年も何となく「グダグダ感」があって、「ほんまに完成するのかなあ…。」、「ほんまに子どもたちはやりたいと思っているのかなあ?」と不安にさせる場面がたくさんありました。

しかしここにきて、どの学年もぐんと子どもたちの集中力が増し、合唱の声も合奏の音も、だんだんと「ひとつ」になってきて、心地いい響きに変わってきました。

 

子どもたちが頑張っているのはもちろんですが、やっぱり先生たちの指導が素晴らしいです。私(校長)がこんなことをいうと「手前味噌」な話になりますが…特に今日は、音楽が専門のT先生の指導にしびれました。



合奏の指導ですが、タクトを振りながら、たくさんある楽器のパートの音を聴いて、各パートの課題や修正点を具体的にわかりやすく指示していきます。(よく音を聴き分けられるなあ…私にはとてもまねできないです…)また、T先生の指導はとてもテンポがよく、子どもたちにしてみると、ちょっとだけ急かされている感じ…つまり一生懸命集中していないと出遅れてしまうと思うような、程よく緊張感をもって、集中力が持続するような絶妙なテンポのキレのいい指導なのです。(これぞプロの仕事って感じです…)

見る見るうちに子どもたちのやる気と集中力は高まり、子どもたちの視線は指揮者であるT先生に集まります。そうすると、バラバラだった各パートの「音」が一気にまとまり始めます。「合奏」として完成のイメージができてくるのです。ここまで来て、子どもたちは「あ~、なんか一つにまとまってきた~!楽しい!気持ちいい!」と感じられるようになります。

他の担任の先生や支援員さんのサポートも見事です。リズムの取りにくいところをタンバリンを打ちながらフォローする先生、楽器の苦手な子どもたちのそばに寄り添ってサポートする先生、自信のない子や集中が続かない子を励ましながらサポートする支援員さん…。ここにも、子どもたちと先生たちとが一体になって、一つのものを創り上げる風景があります。


3年生の合唱やリコーダー奏、合奏も「ひとつ」にまとまってきました。練習初期の頃の子どもたちとは、目線が違います。表情が違います。全員が「一点」を見つめて、心を「ひとつ」にそろえた合唱や合奏は、何とも言えない音の重なりと調和を生み出し、聴いている人の心にダイレクトに響いてきます。

練習期間はあと一週間、すばらしい歌声と合奏が聴こえるミュージックフェスティバルになるよう、「みんな」で頑張っていきたいです。



16:22
2024/05/30

「環境美化活動日和~プール掃除&一人一鉢~

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今日は5月30日…「ごみゼロの日」です。本校も27日(月)に「ごみゼロ活動」を計画していたのですが、荒天のため中止になりました。その代わりというわけではないのですが、今日はたまたま「プール掃除」と「一人一鉢栽培活動」という2つの環境をきれいにする活動がありました。朝から穏やかによく晴れていて、まさしく「環境美化活動日和」。子どもたちは気持ちよく活動することができました。




プール掃除は午前中に6年生がプールの中を、午後は5年生がプールサイドなどをきれいにしてくれました。水がピカピカ輝いているきれいなプールの風景があたりまえになっている子どもたちですが、汚泥がたまった汚いプールの状態から自分たち自身で掃除をすることで、きれいなプールを保つ大変さが身に染みてよくわかります。そこにプール掃除の値打ちがあるのだと思っています。ひたすらブラシ(たわし)でごしごし洗うしんどさはありますが、一足先にプールで「水遊び」できるようなワクワク感もあり、子どもたちにとってはやっぱり楽しい活動になっているかもしれません。頑張ってくれた5,6年生の皆さん、ありがとうございました。仕上げは先生たちが放課後に頑張ってくれます。




一人一鉢栽培活動は、4~6年生の子どもたちが、一人一鉢ずつ花を育てて、学校の玄関を彩りよく飾るというものです。春夏シーズンの花、秋冬の花と年2回行います。やっぱり花がたくさん咲いている学校は、ぱっと明るくて、雰囲気が温かくて、その風景の中にいるだけで気持ちよく、幸せな気持ちになれます。今回、4年生はマリーゴールド、5年生は日日草、そして6年生はペチュニアを自分の鉢に植えます。植木鉢に肥料入りの土を入れて、ポットの花苗を植え替えました。子どもたちに、「それ、何の花を植えてるの?」と聞くと、「えっ?わからない…。」と答える子が結構いて、もうちょっと関心をもってくれたらな…と正直思いました。




昨年は、酷暑のため、夏休みも先生たちが毎日水やりをしていたのにもかかわらず、結構たくさん枯らしてしまいました。それでも、支援員さんや気のある先生たちが、手間をかけて世話をし続けてくれて、何とか花を絶やさずに、「いつも花のある北小の玄関」を保ってくれました。子どもたちには、「鉢に植えて、はい終わり!」ではなく、毎日の水やりはもちろん、雑草抜きや花がら摘みなどの世話をし続けてほしいと思います。とりあえず夏休みまでは、子どもたちがしっかりと関心をもって、きれいな花の状態をキープできるように、花への愛情をたっぷりと注いでほしいなと願います。





17:19
2024/05/29

「傘修理に想う~「壊す」ことが許された時代~

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今年は風の強い日が多くて、子どもたちの傘が壊れることがよくあります。昨日も朝登校してきたYさんが、「校長先生、傘がぶっ壊れた~!どうしよう?」とズタボロに壊れた傘を持ってきました。昨年の「フェンス100枚修繕」の影響か、子どもたちは何か壊れると、私(校長)に相談にくる子が増えました。




どうでしょう?なかなかの壊れ具合です。Yさんに「何をしたら、こんなバラバラになるの?」と尋ねると、「さっぱりわからん。なんか突然、バラバラに壊れたね。」という答え。「校長先生、こんなになったら、もう直らへんよね。壊れた傘、どうしておいたらいい?」とあきらめて聞くYさんに、「とりあえず昇降口の隅にでも置いておいて。」とだけ言いました。

集団登校に間に合わず、遅れてくる子もいるので、始業時刻までは校門で子どもたちを待つようにしているのですが…、その間考えました。「なんか突然、バラバラに壊れたね…」というYさんの言葉が引っ掛かります。「一瞬で、全体がバラバラになるということは…全体を一か所で『束ねていた』何かが壊れてぶっとんだということか?…だったら逆に、バラバラになったものをもう一度一か所に束ねられたら、なんとか元に戻る…?」

 

なんかとても懐かしい感覚でした。子どもの頃は、毎日そんなことばかり考えていた気がします。お金も物もあまりない時代でしたから、遊びの基本は「遊ぶものを作る」か「仲間を集めて遊ぶ」のどちらかでした。特に私が好きだったのが「ものづくり」です。ゴミ捨て場に捨ててある粗大ごみ(電気器具とかラジカセとか、自転車とか…)を拾っては、片っ端から「壊し」ました。「壊す」というより「分解した」と言う方が正しいかな。分解しながら「なるほど、ここがここにつながってて…、このモーターで回るのか…。」などと、しくみやしかけについて考えていました。「壊す」と必ずまた「作り(創り)」たくなります。まだ使えそうな部品ばかりを組み合わせて、1台自転車を作り上げたこともありました。昔は、「しくみやしかけ」が単純だったんですね…。たいていのものは「壊せば(分解すれば)」しくみが分かって、自分で再構築(修理したり、作りかえたり)できました。そんなことを「遊び」にしているうちに、「知恵」と「甲斐性」がつき、歳を取った今でも、壊れた傘を見ると、「なんとか直るんちがうかな…」と思う自分がいます。

そんな不便だけど悠長な時代に育ったからこそ身についたことはたくさんあるなと思います。「壊す(分解する)」ことが許された時代だからこそ、「モノを作る」ことが前提だった時代だったからこそ、たくさん学びがあったと改めて思いました。身の回りに「完成品」しかない今の時代、「壊す(分解する)」ことが許されない…というか「分解」したところで難しすぎて何もわからない今の時代に生きる子どもたちは、「遊び」から何を学ぶのだろう…。〇-チューブ動画を見ると、「〇〇をぶっ壊してみた!」みたいな本当にくだらない(というか腹立たしい)動画もあって、こんなものを見て面白いと思っている子がいるとしたら本当に悲しいことだと思います。「壊す(分解)」することが「学び」につながるのではなく、憂さ晴らしのためや冗談でものを「壊す(破壊する)」…。「学び」とは真逆の「自分の心を壊す」ことにしかならないのに…。

 

壊れた傘を校長室に持って入り、じっとじっと観察、ひたすら観察…。「なんとなくわかってきた…ここに骨を全部集めて束ねればいいのかも…。」、「もともと束ねていただろう部品(多分プラスチックのリング?)はもうないから、何で代用する?針金じゃ硬くて仕事しづらい…真鍮の針金なら柔らかくて丈夫か?」、「でも傘のばねのテンションがきつくて、骨を決まったところに固定しにくいから、何か万力(まんりき)かクランプで固定してからするしかないかな…。」いろいろ試しながらも、昨日は作戦を立てるだけで終わりました。

そして今日、家からいろんな道具や材料をもってきて、作業を再開。なんとか全部の傘の骨を一か所に固定して、不細工ながら元の形に戻すことができました。



修理した傘をYさんに持っていくと、「えーっ、直ってる⁉」とびっくりしながら喜んでくれました。周りの子どもたちも、「あんなにひどく壊れていた傘が直るん?」、「校長先生、すごすぎ…!」とほめてくれました。

 

子どもたちには「ものを大切に扱ってほしい」と切に願います。ものを作った人にも、ものを買ってくれた人にも、そして時間をかけてものを直した人にも、すべて「思い」があるのですから…。そんな「思い」を大切にできる子に育ってほしいと思います。




15:58
2024/05/28

「ほんとに頼りになります~集団登下校~」

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今日は朝から雨降り…しかも午後からかなり荒れるという天気予報でした。

雨の日は、子どもたちの登校がやっぱり心配になります。傘をさすために視界が狭くなりますし、気持ちも沈んでしまって注意力散漫になったりします。道に広がって歩いてないか、ろくに信号も見ずに横断していないか…心配事は尽きません。

 でも、登校班の班長さんや副班長さんは、ほんとによく頑張ってくれているなといつも感謝しています。




写真のように、いつも班長さんを先頭にきちんと1列で登校してくる班がたくさんあります。こんな登校風景を朝から見られることが、ほんとに気持ちいいです。

登校班旗の使い方も実にちゃんとしています。いつもいつも感心して見ています。

 

今日は、朝からいろんな天気予報を見ながら、荒天時の下校をどうしようと考えていて、結果的に「40分短縮授業で6時間目までやる。休み時間と掃除等カットで、14時過ぎには全校集団下校で帰る。」という判断をしました。「6時間授業」にこだわったのは、今はミューフェスの体育館練習が割り当てられているので、6時間目をカットにすると練習できない学年が出てくるからです。本当は「休み時間をカットする」のは私(校長)の主義ではないのですが、「安全」には代えられません。全校集団下校にしたのは、5,6年生の班長(副班長)さんたちが頼りになるからです。低学年の面倒をきちんと見てくれると思えるからです。

もちろん、すべてを子どもたちに任せることはできません。そんな時に本当に頼りになるのがスクールガードさんの皆さんです。教頭先生の連絡により、今日はたくさんのスクールガードさんが学校まで来てくださいました。もちろん、通学路のそれぞれの箇所で子どもたちを見守ってくださっているスクールガードさんもたくさんおられます。先生たちも手分けして、いろんなポイントに立ってくれますし、ずぶぬれになりながらいろんな仕事をしてくれます。


 子どもたち自身のがんばりと、保護者と地域の方々の温かい見守りによって、子どもたちの安心・安全が確保されています。本当に有難いことだとしみじみ思います。

どんどん風が強くなってきました。早く子どもたちを下校させてよかったです。急な変更にも関わらず、対応してくださった保護者の皆さん、スクールガードありがとうございました。






17:07
2024/05/27

「感動できるミューフェスに~何をひとつにするのか~」

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6月7日(金)に開催する音楽集会「ミュージックフェスティバル」に向けて、今日から本格的に体育館練習が始まりました。この「ミュージックフェスティバル」という行事は、私(校長)がまだ若々しい頃、29歳だった時に、当時の特別活動主任だった私が立ち上げた行事です。第1回の「ミューフェス」は、もちろん学年の発表がメインでしたが、こけら落とし的に、児童会の執行部の子たちが、ちょうどその時設立されたサッカーのJリーグの「オ~レ~ オレオレオレ~♪」の曲に合わせてステージで踊りまくっていたのをよく覚えています。あれから31年がたち、今もなお「ミュージックフェスティバル」という名称で音楽集会が続いていることに、大変個人的ではありますが感慨深いものを感じております。




さて、毎週月曜日の朝にする校内放送…今日はH先生が担当で話してくれました。

「合唱・合奏の良さは全員で『ひとつのもの』を創り上げるということにあると思います。上手な人だけが頑張ってもいい合唱や合奏にはなりません。みんなが、周りの友達と気持ちをひとつにして、声を合わせることが大切です。美しいハーモニーができた時は、ゾクッとするような興奮と感動が生まれます。聴いているほうも心が動きます。そんな心が動くような合唱・合奏になるよう、1時間1時間を大切に練習していきましょう。」…(抜粋)

H先生の話を聴いて、「本当にその通りだな…。」と思いました。「心がざわざわ~…ゾワゾワ~とするような…、なんか心の真ん中から、じわーと熱いものが全身に広がって、体中に鳥肌が立つような…、うまく言えないけど、あの感覚を子どもたちみんなに感じてほしいなあ…。」と改めて思いました。5、6年生のすごい合奏やきれいな歌声に下学年が「すごいなあ。あんなふうにできるようになりたいなあ。」って、感動することはもちろんとても素敵なことですが、H先生の言うように、自分たち自身の合唱や合奏の中に、「わ~なんか、ひとつになってる~。なに、この気持ちよさ~。」みたいな「感動」を味わってほしいと願います。「全力を結集させた気持ちよさ」や「仲間との一体感」という言い方もできますね。




今日はいくつかの学年の練習を少しずつ見せてもらいましたが、「今、全力で頑張っているのは子どもたち?それとも先生の方?」という感じも無きにしもあらずですが、次第にまとまっていく自分たちの歌声や合奏に、「やっぱり全力で頑張って、最高のものにしたい!」と、前向きに熱くなってくれると信じています。

感動できる合唱や合奏をめざして、今子どもたちがみんなで「ひとつ」にするもの…もちろんひとつにするのは「みんなの心(気持ち)」ですが、それはどうやって「ひとつ」に集めていくのか…、やっぱり音楽に大事なのは指揮者です。指揮者に目と耳と気持ちを、一点に集めることが必要不可欠ですね。つまりは、先生たちと子どもたちが「心を通い合わせていく」ということでしょうか。これは本校の得意技だと思っています。2週間後、楽しみにしていてください。


15:49
2024/05/24

「“めんどうくさい…”の向こう ~6年算数 円の面積~」

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本校の高学年の算数は、専科指導といって、担任ではなくF先生が一手に引き受けています。これは、中学校のように教科の専門性を活かした指導をすることや、担任先生の負担を軽減することを目的に、2年前(R4年度)から行っています。F先生は、特にICTの分野に明るく、授業におけるタブレット端末活用推進のけん引役(リーダー)を務めてくれています。



さて、今日の算数のテーマは「円の面積」。「半径10cmの円の面積を何とかして求めよう。」という課題です。円の面積といえば、「半径×半径×円周率」という公式で求めることができますが、今回の学習は、この公式に行き着くための「試行錯誤」であり、ここをしっかりと考えることで公式の意味や、公式のすごさが実感できます。

円の面積を考える時、一番直感的なのは、1cm四方のマス目シートの上に円を描いて、マス目の数を数える方法。円の中央部は、はっきりと〇〇マスと数えられるのですが、当然周辺部はきっちりとマス目に収まってないので、適当に「これとこれを合わせて1マス分かな…。」って具合にカウントします。そうやって数えると、全部でだいたい316マス分くらい…つまり約316㎠ぐらいだろうという結論が導き出されます。

次に、何とかもう少し正確に計算で求めようとすると、円を分割するように円の中心から同じ二等辺三角形をいくつも描き、その三角形の面積の合計で円の面積に迫る方法をとります。実際に三角形の底辺と高さを測ってみると、底辺3.9cm、高さ9.8cm。つまり三角形一つ分の面積は、3.9×9.8÷219.11㎠。一つの円にこの三角形が16個できるから、19.11×16305.76㎠となります。円の面積は、三角形の集まりではなく、扇形の集まりですから、やはりこれも「近似値」であり、実際の面積はこれより少しだけ大きくなりそうです。

 

子どもたちは、まず自分で考えてノートに考えと答えを書きます。その後、そのノートをタブレットのカメラで撮影し、それを先生に送信することで、全員分のノートが一覧表示され、だれでも閲覧できるようになります。なかなか解決できない子は、友だちのノートのデータを参考にしながら考えられますし、自分の答えを出した子が、自分と友だちの考えを比較したりできます。つまり、ICTをうまく活用すれば、それぞれの考えを共有したり、比較したりできるようになり、それぞれの必要に応じた学び「個別最適な学び」やいろんな考えを交流しながらの学び「協働的な学び」が今までより簡単に効率的にできるというわけです。
 


話を、「円の面積」に戻しますが、今日の学習で子どもたちが感じたことは、マス目に落として数える方法や、円を三角形に分けて面積を細かく計算する方法は、とにかく手間がかかって「めんどうくさい」ということと、そして今のところ、頑張って計算しても所詮「だいたいの面積しか導き出せない」という、いまいちすっきりしない気持ちでしょうか…。

しかし、算数(数学)を学ぶ値打ちはここにあります。

「とてもめんどうくさい、ややこしいこと」が、数学的に考えることで、実に「すっきり」と「鮮やか」に、「効率よく(すばやく)」答えが出る…というのが算数(数学)の良さであり、楽しさです。次の時間、きっと「すっきり、あざやか」、「なるほどな~」と納得する「円の面積の求め方」にたどりつくことでしょう。

 

最後に、例えば、こんな問題はどうでしょう?

「高校野球全国大会が始まります。今年は52校が参加し、トーナメント戦で優勝を争います。さて、52校でトーナメント戦を組むと、優勝が決まるまでに何試合必要でしょうか?」

 この問題を解くのに、実際にトーナメント表を作って、試合番号なんかを書いていくと、かなりめんどうくさいことになりそうですが…。こんなふうに考えてみてはどうでしょう?

「優勝が決まるためには、優勝校以外の51校が負ければいいわけで…、1試合すれば必ず負ける1校が決まるので、全部で51試合すれば、51校が負けることになり、優勝校が決まる!つまり答えは51試合」というふうになります。

 少し違った角度から、違った見方をすると、意外に物事が「すっきり」「あざやか」に解決する…そんなことを学ぶのも、算数(数学)の値打ちかもしれません。


15:33
2024/05/23

「みんなが楽しい!北小学校 ~今日はバナナ鬼!~」

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 今日の昼休みは、子どもたちが楽しみにしていた「バナナ鬼」の日でした。朝、登校してくる時から、「校長先生、今日は楽しみにしてたバナナ鬼やねん!」、「校長先生、今日バナナ鬼やで!校長先生も鬼するの?」などと、たくさんの子が声をかけてくれました。子どもたち自身(児童会執行部)が企画したことを、子どもたち自身がこんなにも楽しみにしているなんて…ほんとに素敵なことだなとしみじみ思っていました。

給食の時間には、しっかりとアナウンスの放送があり、参加を呼び掛けるだけでなく、「鬼をしてくれる先生が18人もいます!」と先生たちの協力に感謝すべく、再度丁寧にお知らせしてくれました。

昼休みに運動場に出ると、「えーっ、校長先生も鬼するの?」と子どもたちが聞いてくるので、「いやあ、校長先生は腰があかんから応援する役やね。」と答えると、「どっちの応援するの?」とつっこんでくるので、「もちろん、校長先生は、先生たちの親分やから、先生たち(鬼)の応援をするで。」と突き放すと、「えー、それはずるいわ!校長先生は学校の責任者で、子どものことを一番に考えなあかんのちがう?」と最後は正論をぶっこんでくる子どもたちでした。ちょっとしたこんな会話もとても楽しい時間です。
 
児童会執行部の説明の後、早速「バナナ鬼」のスタートです。



「バナナ鬼」を簡単に説明すると、先生18人と執行部の子どもたちが鬼で、あとは全員逃げる側になります。鬼にタッチされたら、その場でストップして両手を高く挙げ、バナナの格好をします。でも、タッチされていない人が、バナナになっている人にタッチをすると、挙げている片方の手を下ろせます。(バナナの皮が1枚めくれるイメージ)そして、さらにもう一人タッチしてくれると、もう一方の手も下ろし、見事バナナがむけたということで、生き返ってまた逃げることができるというルールです。鬼が頑張ってタッチして、たくさんの人を「バナナ」に変えても、次々と周りの人が「バナナ」を助けて生き返らせるので、ほぼエンドレスに近い状態で「バナナ鬼」は続きます。



私(校長)は、運動場の真ん中あたりで、先生と子どもたちの両方を応援していましたが、たくさんの先生たちと、たくさんの子どもたちが一緒になって鬼ごっこをしている風景に、心がじーんとなっていました。若手の先生から、私と同世代のベテランの先生たち、そして教頭先生まで、みんな笑顔で子どもたちと戯れてくれています。子どもたちも本当に楽しく幸せそうな顔で、先生たちから逃げ回っています。何とも言えない「あったかい雰囲気」というか、先生も子どもも一緒になっての「学校としての一体感」みたいなものが満ち溢れています。子どもたちの笑顔と先生たちの愛情に「こんな学校、そうはないよな…。」と、なんか胸が熱くなりました。「みんなが楽しい!北小学校」のひとつの姿が、確かにそこにありました。

しかし校長としては、複雑な思いにもなりました。全国的に「学校の働き方改革」が叫ばれ、少しでも先生たちの仕事を減らすというのが私の大きな使命の一つなのですが…、結果として、昼休みに子どもたちと鬼ごっこをさせてしまって、休憩する時間も他の仕事をする時間も奪ってしまっている…。どの先生も「子どもたちのために」という思いで、進んでやってくださっているのですが、そんな先生たちの思いにいつも私が甘えているということなのかな…と、校長としては正直なかなか複雑です。

 

…と、いろんな思いはあるものの、子どもたちが主体的に動き、それを先生たちがサポートしつつ、一緒に楽しい時間を過ごす…これは本校の強みであり、自慢であります。まさに「北小プライド!」のひとつを子どもたち自身が創ってくれました。児童会執行部の子どもたち、本当にありがとう!


16:03
2024/05/23

「ほんわかした朝の風景 ~朝顔・野菜苗の水やり~

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最近、1,2年生が登校すると、真っ先にすることがあります。それは、1年生は朝顔の水やり、2年生は野菜苗の水やりです。それぞれ自分が育てている鉢に水やりをします。毎年、この時期の恒例の風景ですが、私(校長)は、この風景がとても好きです。ランリュックを背負ったまま、ペットボトルじょうろに水を入れて走っていく姿や、「早く芽を出してね…。」「もっともっと伸びろ伸びろ…。」そんな声が聞こえてきそうな水やりの姿…見ていてとてもほんわかした気持ちになります。




 「校長先生、見てみて!もうトマトの実がなってるねん。」、「キュウリの葉っぱ、めっちゃ大きいやん!」などと、得意そうにいろいろ話しかけてくれるところも好きです。「自分で世話をして育てる」体験は、命あるものへのやさしさを育て、時間をかけて続けることの大切さを教えてくれます。

水やりをしている時は、自然(動植物)に目が向いている時でもあり、周りにいる虫たちにも興味が行ったりします。



 「校長先生、見て見て!ぼく、ダンゴムシを袖につけて登らせてるねん。」と、肝心の水やりも忘れて、虫と戯れている子どもらしい姿も好きです。この子はしっかり「あっ!水やりまだやった…。」と気づいて、急いで水やりをしていました。

 

教室では、野菜の成長記録を書いています。「色は?形は?大きさは?数は?においは?…」などと、担任の先生が上手に「観察の視点」を子どもたちに与えます。子どもたちは、その「観察の視点」を大切にしながら、自分の気づいたことを記録として書き込んでいきます。


「ハートの形の葉っぱがあっておもしろかった。」、「最初からトマトのにおいがした…。」など子どもらしい表現がなんともかわいいです。こうやって「観察の視点」をもって、記録をとるという学習経験が、3年生からの「理科」の学習につながっていくわけです。

 子どもたちには、動植物を育てたり、土を触ったりする経験をたくさんしてほしいと思っています。それは「自然は嘘をつかない。心と手間をかけた分だけ、その恩恵がある。」という喜びや「自然は人間の思うようにはならない。」という厳しさの両面を学べるからです。そして何よりも「注意深く見る(観る・看る)力と豊かに繊細に感じる力」をつけてほしいなと願っています。


12:07
2024/05/22

「バランスよく育つといいな ~体力テストデー~」

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今日は朝から晴れて、絶好の「体力テスト」日和になりました。各学級で体育の時間等にできる種目は別にして、それなりの会場準備とそれなりの人(説明や測定する先生)がいないとできない種目、つまり「ソフトボール投げ」や「反復横跳び」、「上体起こし」、そして「立ち幅跳び」について、各学年順番に「体力テスト」を行いました。それぞれの種目の記録を取り、自分の体力について考える機会となりました。


1年生にとっては、初めての「体力テスト」。やり方を理解するだけでも大変です。でも大丈夫!「体力テスト」は6年間続けますから、ちゃんと分かってきて、自分の目標だって持てるようになります。ひとつひとつ経験を積んでいきましょう。


4年生以上になると、もう毎年の恒例ですから、列に並ぶのも、友だちの記録をとるのも、担当してくださった先生たちにお礼を言うのも、ちゃんと分かっています。

さて、この「体力テスト」は、全国学力・学習状況調査と同じように、全国どこでも実施され、子どもたちの体力や運動能力の状況や課題について調べるためのものです。「滋賀県の課題は?」、「東近江市の課題は?」、そして「八日市北小学校の課題は?」というふうに、子どもたちの体力づくりをどう進めていくのか…それを考えるのになくてはならないものです。

 

本校の子どもたちの体力の現状と課題(令和5年度)については、昨年度、学校保健委員会でも報告がありましたが、次のようになっています。

全国平均と比べて、平均を上回っているのは、「長座体前屈(柔軟性)」…つまり体の柔らかさです。全国平均並みなのは、「立ち幅跳び(瞬発力)」、「上体起こし(筋力・筋持久力)」、「反復横跳び(敏しょう性)」です。残念ながら全国平均より低いものは、「シャトルラン(全身持久力)」、「50m走(スピード)」、「ソフトボール投げ(巧ち性・瞬発力)です。中でも、極端に下回っているのが「ソフトボール投げ」…つまり「投げる力」です。これは滋賀県全体がこの傾向にあります。今日の1年生の様子を見ていても、まず「投げる」という動作になっていない子もたくさんいます。

この課題は、子どもたち一人ひとりの運動能力の課題ではなく、運動経験や運動習慣の課題だと思っています。私(校長)の子ども時代は、ほとんど子が野球(ソフトボール)とドッジボール一辺倒でしたから、「投げる」ということが当たり前でしたが、今の時代、子どもたちの遊びもスポーツも大きく変容し、多様化していますから、なかなか経験できていない運動もあるのでしょう。

同じことが、子どもたちの手先の「甲斐性」にも言えて、今の子どもたちは「結ぶ」という行為がとても苦手です。生活の中に「結ぶ」という必要性がほとんどなくなった影響だと思います。昔は「新聞紙しばり」も子どもの仕事(役割)でした。

そんな課題を鑑みながら、学校ではやはり「運動遊び」を奨励しています。子どもたち自身が、児童会やたてわり活動の中で「全校鬼ごっこ(ケイドロ)」や「逃走中」などの遊びを計画してくれています。「みんなが楽しい!八日市北小」づくりの一環としても、子どもたちに頑張ってほしいです。また、体育の時間においても、子どもたちが多様な運動経験を積めるように授業を工夫していきたいと思います。



18:28
2024/05/21

「『ありがとう』をいっぱいの学校に」

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昇降口に入ると、ちょうど真正面に「ありがとうメッセージボード」の掲示があります。そこには、「『ありがとう』って言いたい気持ちをカードに書いてはってください。」と書いてあります。このメッセージボードは、「子どもたちがいつも『感謝の気持ち』をもち、それをきちんと伝え合うことを大切にしたい。」という願いのもと、先生たちで組織する「心づくりチーム」が始めてくれました。












14:46
2024/05/20

「旅の恥はかき捨て!?~チャレンジあるのみ!修学旅行②~」

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昔から「旅の恥はかき捨て」って、よく言われます。旅先では、知り合いがいないので、恥をかいたところでその場限りですみますし、旅の解放感も加わって、普段なら自制する恥ずかしい行為もあまり躊躇しないでできたりします。

今回の修学旅行もそんな「旅恥効果」は確かにあった気がします。1日目の奈良公園でのウォークラリーのミッションの一つに、「外国人に話しかけて、一緒に記念写真を撮る」というものがあったのですが、どこの班も結構フランクに話しかけて、いい笑顔で記念写真を撮っているので、「なかなかやるやん!」と感心していました。

2日目のキッザニア甲子園での職業体験では、「完全なる自由行動(一人でもよし、グループでもよし!)」になっていたので、「恥ずかしがり屋さんや、石橋をたたいて…タイプの子たちは、いろいろ迷っているだけで、たくさん体験できないんじゃないかな…。」と心配していましたが、意外とどの子も自分の関心のままに積極的にチャレンジできていました。

中でも私(校長)が、一番感銘を受けたのは、時計屋さんの仕事で、時報代わりに大きな時計台のステージで踊るという仕事なんですが…、この仕事だけはどの子もなかなかチャレンジできませんでした。ノリのいい女子たちに、「君らやったら絶対似合うで!行って踊ってき~!」と声をかけるのですが…、「あれだけはムリ~!」と逃げられっぱなしです。

しかし、そこに果敢に挑んだのが、AHYS君の男子4人組。突然の「男子のチアダンス」に場内も大盛り上がり!拍手喝采でした!(この4人組には、校長特別表彰「絶好調(校長)賞」を贈ろうと思います。) たくさんの子どもたちのチャレンジが見られて、そういう意味でもとても「楽しい」修学旅行でした。


17:29
2024/05/20

「悠久の歴史に想いをはせて~6年修学旅行①~

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もちろん、たまたまなのですが、私(校長)は「超お天気男」です。校長になって、大きな行事(修学旅行、運動会)で雨に降られたことはありません。今回の修学旅行も2日とも降られることなく、楽しい修学旅行になり…正直ほっとしています。

今回の修学旅行、6年生78名全員で楽しめて、だれもケガすることなく、病院や救護室にお世話になることもなく、みんな無事に元気に帰ってこられたことが何よりもよかったと思います。たくさんの準備いただいた保護者の皆様をはじめ、この修学旅行に関わってくださったすべての方々に深く感謝申しあげます。

 さて、修学旅行1日目は、奈良歴史探訪の旅でした。午前中は平城宮跡、午後は奈良公園(東大寺、若草山等)を巡りました。710年の平城京遷都から、752年の「大仏開眼供養」まで、奈良の都が栄えた時代に想いを馳せました。当時、国の体制を整え栄えていた唐(中国)の条里制の都をモデルに造られた平城京の都と平城宮。都のメインストリートは「朱雀大路」、道幅70m、南北に3.7km伸びています。平城京の北に造られた平城宮(皇居+永田町っていうイメージ)の入口が「朱雀門」。
世界遺産になっているのは平城宮跡だけなので、平城京全体を望むことはできませんが、天平みはらし館で見せてもらったVRシアターでその全貌を体感することができました。実際に目の前にある朱雀門や大極殿、朱雀大路などが、平城京の風景とつながりました。

私(校長)がこの歳になって、改めて感動したのは、当時平城宮の官僚だった阿倍仲麻呂の有名な歌です。

 

「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出し月かも」

【現代語訳】

天を仰いではるか遠くを眺めれば、月が出ている。あの月は私の故郷である、春日の三笠山に出ていたのと全く同じ月なのだなぁ…。

 

阿倍仲麻呂は、日本をもっともっと立派な国にするために、留学生として遣唐使船に乗り、唐(中国)へ向かいます。

 

唐でその才能を認められた仲麻呂は、唐の皇帝に長く仕えることになり、とうとう日本へ帰国することなく、唐でその一生を終えます。最後の最後まで、故郷(日本)を想っていた仲麻呂の心情にぐっときます。

それにしても、世界遺産の「平城宮跡遺跡」のど真ん中を、近鉄電車が走っていく風景が何とも言えず不思議な感じがしていました。
午後は、奈良公園に移動して、「東大寺大仏殿」→「廬舎那仏(大仏様)」→「南大門の仁王様(阿形・吽形)」→「鐘楼」→「二月堂」→「校倉倉庫」→「若草山」と班別にウォークラリーをしながら回りました。特に大仏殿は、たくさんの人でごった返していましたが、なんとか大仏様を拝むことができました。

大仏様は、座高14.98m、顔の長さは4.13m、銅座の高さは3.04mもあります。高さは、約18m、重量は約250tにおよびます。どうしてこんなに大きな大仏を造ったのかといえば、お釈迦様の身長を10倍することで、無限大の宇宙を表現したと考えられているそうです。正式な名前は「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」です。

奈良時代は、政治的な争いや干ばつ、飢饉、凶作、大地震、度重なる天然痘の大流行などで苦しい時代でした。東大寺はそんな時代に聖武天皇が、仏教の考えと国を守るために建てたお寺です。そのため、743年に聖武天皇が「生きとし生けるものが共に栄えること」を願い、「大仏造立の詔」を発して、大仏がつくられました。大仏と大仏殿の造立には、なんと当時の人口の約半分である約260万人の人々が協力したと言われています。

聖武天皇や行基の願いのもと、まさに国中の人々が協力して造り上げた「大仏様」…その大きさ以上の、たくさんの人々の思いが込められているのだと感じます。そんな平城京の都も長くは続かず、794年には京都(平安京)に遷都されてしまいます。歴史遺産に触れるたびに、歴史の奥深さや儚さを感じます。悠久の歴史に触れて、子どもたちはどんな思いをもってくれたでしょうか…。














15:27
2024/05/15

「よそ者は自分たちです~4年もりのこ学習~」

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今日から4年生の河辺いきものの森での自然体験学習(探求学習)「もりのこ学習」が始まりました。昨年度まで「河辺いきものの森」を略して、「いきもり学習」と何となく呼んでいましたが、滋賀県の特色ある教育の「うみのこ」「やまのこ」「たんぼのこ」学習に合わせて、「もりのこ学習」とK先生が改めて名付けてくれました。

 今日は、初めての学習ですから、言ってみれば「森との出会い」というのがテーマになったと思います。

今年度も山北さんはじめ、たくさんのいきものの森スタッフの皆さんにお世話になります。最初に山北さんから「河辺いきものの森」について説明をしていただきましたが、大切なポイントは2点ありました。ひとつは、「森(自然)には危険がいっぱいあることを分かって、危険を回避する方法を知っていること」、そしてもう一つは「森(自然)の環境やいきもののくらしを壊さないことと」です。この2つのことは、自然体験活動の指導者なら、必ず子どもたちに一番に伝えることです。私(校長)も県立荒神山少年自然の家に勤務し、子どもたちに野外活動などを指導していた時期がありますが、私はいつも一番に「これから君たちが楽しもうとしている自然の中では、君たちが主役でなくて、自然に住んでいる生き物が主役です。自分たちは、『よそ者』なんですから、『おじゃまします…』という謙虚な気持ちをもって楽しんでください。」と子どもたちに伝えていたのを思い出しました。

今日の「もりのこ学習」は、森のスタッフの皆さんにガイドしてもらいながら、「森の不思議」を見つける活動をしました。クイズに答える形で活動を進めていきます。

「木や草に白い泡がついているよ。これはなにかな?」…答えは「虫のおうち」でした。私は、てっきりカマキリの卵だと思っていたのですが、大外れでした。知らないことはまだまだありそうです。

 時代が変わり、子どもたちの遊びも大きく様変わりしましたが、いくら時代が変わっても「自然に魅せられる子どもの本能」を信じたいと思います。この時期になってくると、よく「カナヘビ」を捕まえて、大事そうに飼育ケースに入れて学校に持ってくる子が出てきます。男女関係なく「カナヘビ」は子どもたちの人気者です。(逆に言えば、テカテカ虹色に光るニホントカゲが減ってきている証拠かもしれませんが…)「カナヘビ」を手に乗せて、「かわいい…かわいい…」となでている子どもたちを見ると、なんだかほっとします。

 これからの「もりのこ学習」…、子どもたちが「鋭い本能」を発揮し、大人では気づかない、感じない「自然の不思議」をたくさん見つけ、自分なりに「不思議」を探求していってほしいと願っています。









17:14
2024/05/15

「上靴どんつき 下靴ぎりかかと~ちょっと嬉しい朝~

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いつもの通り7時45分から校門に立ち、8時過ぎにはほとんどの子どもたちが登校するのですが、集団登校に遅れてくる子もいるので、始業のチャイムが鳴る8時20分までは、「交通安全」ののぼりを持ったまま校門で待つようにしています。その後、校門を閉めてから昇降口に入り、全校児童の靴をきれいに整えることを毎日繰り返しています。放課後は子どもたちが下校した後、下駄箱の上靴をすべてきれいに整えるようにしています。そんな整った風景を子どもたちの「あたりまえ」にしたいですし、何よりも子どもたちに「なんか整っているって気持ちいいな。」と思ってほしいからです。

今朝も、「さあ今日も並べるかあ…」と昇降口に入ったのですが、なんとなくいつもと風景が違う感じがして、ふと立ち止まりました。


「えっ?なんかいつもよりきれいやん…。」

最初に目に飛び込んできたのは5年生の下駄箱でした。子どもたちが意識して整えているのか、たまたまなのか…本当のところは分かりませんが、明らかに整っていました。

「となると、6年生はどうだろう?」と覗いてみると…
 5年生に負けず、整っています。「今日はどうしたんだ…もしや担任の先生から指導が入ったんかなあ…。」と考えながら、6年生の下駄箱の裏側を見た時に、今日一番の驚きの風景が目に飛び込んできました。

1年生の下駄箱の靴が、本当に整っていたのです。本当にびっくりでした。

実は、高学年より、低学年が靴を整えるほうが大変なのです。高学年の子の靴はサイズも大きいので、普通につま先が下駄箱の奥にぶつかるまで入れれば、ちょうどいい感じに収まります。ところが、低学年の子の靴は小さいので、意識的に「靴のかかとと下駄箱の端(つら)にそろえる」ことをしないと整いません。この「靴のかかとと下駄箱の端(つら)にそろえる」という手間が、「心を整える」ということに直結します。無意識に「投げ入れる」のではなく、意識して「揃えられる」「線で止められる」ことが、「心が落ち着いている」証(あかし)なのです。靴の出し入れに、ちゃんと「心を止められる(整えられる)」子どもは、トイレのスリッパも脱ぎっぱなしにはしないと思うのです。次に使う人のことを考える「心の落ち着き」があるからです。

今日、下駄箱の靴がとても美しく整っていた高学年と1年生…。担任の先生の指導が生きたのか、私(校長)が毎日揃えていることに気づく子が出てきて、その子たちが自分の靴だけでなく、友達の靴まで整えてくれているのか…背景にあるものは定かではないですが、ちょっと嬉しくなる朝の風景でした。1年生の下駄箱には、「うわぐつ どんつき したぐつ ぎりかかと」の張り紙があります。この言葉がいい効果をもたらしていることは間違いないでしょう。










14:35
2024/05/14

「探求のスタート!~5年 田植え体験~」

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絶好のお天気に恵まれ、本日5年生が田植え体験をさせていただきました。圃場を提供いただいた種村暢夫さんをはじめ、「たんぼのこ事業」の担当課である市農業水産課やJA,農業委員会、地域コーディネーターの奥 伊佐雄さんなどなど、たくさんの「たんぼのこ応援団」のお世話になりながら、自分たちの手で早苗を植えることができました。


子どもたちは、靴下をはいた状態で田んぼに入りました。田んぼの泥特有のぬめっとした感触や、足がなかなか抜けず転びそうになるスリルを味わいながら、5年生が一列に並び、張られたロープの目印に従って、苗を3~4本ずつ手で植えていきました。

田んぼに入った瞬間は、「わ~、気持ちわる~!」「ちょっと~、押さんといてよ~!」などと口走っていた子どもたちでしたが、そのうち「意外に、泥の中が暖かいなあ…。」という声も聞こえてきます。これが直接体験の値打ちです。そうです!田んぼの泥の中は柔らかくて暖かいのです。こんな「田んぼベッド」に包まれて早苗はすくすくと育っていきます。


初めての体験ですから、まっすぐにきれいには植えられないのですが、それでもそれなりに一生懸命、最後まで植え切りました。

私(校長)は、「早苗(さなえ)」という言葉がとても好きです。苗床(苗箱)に籾(もみ)を植えて、1015cmほどに生長した苗、いよいよ田んぼに植えるころの苗を「早苗」といいます。まだまだ1本では頼りない感はありますが、これからすくすく伸び伸びと育っていくような期待感というか、内に秘めた逞しさ、生命力を感じます。こんなイメージの「早苗」ですから、私と同世代の女の子には、「早苗」という名前の子が結構多かった気がします。5月のことを「皐月(さつき)」と言いますが、同じように「早苗月(さなえづき)」とも言います。私が好きなのは、「早苗田(さなえだ)」の風景です。苗がまだ小さいので、たんぼの水面の面積が大きく、周りの景色が田んぼに映り込む風景がとても美しいです。

写真の通り、子どもたちの黄帽が田んぼに映り込んだ風景が、あぜ道に咲くたんぽぽの列に見えたりします。夕焼けが映り込んだ早苗田の風景なんか感動するくらいきれいです。

 

さて、子どもたちは田植え体験をさせてもらって、どんなことを感じてくれたでしょう?考えてくれたでしょう?「たった3~4本の苗で、たくさんお米がとれる稲に育つのかなあ。」とか、「この3~4本の苗から、何粒くらいのコメがとれるのかなあ。」とか、「このあと、秋までどんな仕事をしないといけないのかなあ。」とか、とにかくたくさんの疑問を持ってくれていたらうれしいです。「疑問」が学習の始まり、「探求」のスタートです。せっかく学校すぐそばの田んぼを提供していただいているのですから、秋の収穫まで、それぞれの「疑問」を実際の「観察」や「聞き取り」を通して、解き明かしていってほしいと思います。

ひとつ私(校長)から5年生の皆さんに宿題です。

「田植えをさせてもらった田んぼでとれるお米は、ご飯茶碗何杯分になりますか?ただしご飯茶碗1杯はご飯200gとします。」 稲刈りの時には、その答えを聞かせてくださいね。これには算数の力も必要になりそうですね。

 今日も地域の方々のサポートのおかげで貴重な体験をさせていただくことができました。心より感謝いたします。この体験が単なる「イベント」ではなく、「探求学習のスタート」になるように願っています。


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