所在地

■八日市北小学校■

527-0006
滋賀県東近江市建部日吉町468
 
 
【TEL】
0748-22-0297
050-0801-0297(IP)
 
【FAX】
0748-24-0820

【地図】
周辺地図

 

カウンタ

COUNTER621084

新着情報

 
「分数ってすごい!?」日誌
パブリックスペース
01/30 12:33
「おうちの方の力は大きい!~最後の参観~」日誌
パブリックスペース
01/29 17:21
「1年間の成長を見せる!~1年生できるようになったこと...日誌
パブリックスペース
01/28 12:44
「国スポ・障スポ 応援のぼり旗 完成!」日誌
パブリックスペース
01/27 16:22

八日市北小子どもの様子

八日市北ニュース
12
2025/01/30

「分数ってすごい!?」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

算数の学習を積み上げていく時、子どもたちが「つまずく」分野のひとつが「分数」です。

数字の世界は、「数えられる数」=「正の整数=自然数」から始まります。やがて、「整数」では表せない半端な数を、「小数」(十進法)という数字を使うことで細かく表すようになります。この辺までは、子どもたちの生活の中にある「目にする=触れる」ことができる数字の世界なので、子どもたちもわりと理解できるのですが…。


「分数」という数は、まったく概念の違う数字の表し方で、「1を○等分した□つ分」を「○/□」という形で表します。この「1を…」というのが、くせもので、「1」が絶対的な数としての「1」を示す場合と、「全体(もと)としての1(全体を1とすると)」を表す場合でとらえ方が全く違ってきます。

1mの1/4は1/4m、1mの1/3は1/3mです。1/4mと1/3mはどちらが長いですか?」と聞かれれば、当然「はい。1/3mです。」と答えます。

しかし「Aのケーキの1/4と、Bのケーキの1/3はどちらが大きいですか?」と聞かれたら…答えはどちらか分かりません。なぜならもとになるケーキの大きさがAとBで違うからです。「分数」は何を「もと=1」にしているかによって、数字の大小は変わってきます。このへんの「理屈」が子どもたちには難しいのかもしれません。ですから小学校の算数では、2年生から6年生まで5年間かけて、「分数」の学習を丁寧に積み上げていきます。

 

4年生では、「1(=もと)よりも大きな分数」…例えば9/4のような分数(仮分数)や2¾のような分数(帯分数)について学習しています。仮分数を帯分数に直したり、それらの加減法について理解したりします。子どもたちは、「9/4は1/4の9個分だから…4/4+4/4+1/4と表せて…それで4/4=1だから…1+1+1/4ということになって…2と半端が1/4になるから、2¼になる!」って感じで考えていきます。昔は、計算問題は「答え」が出せればいい…みたいな学習だったような気がしますが、今は「自分の考えをいかに筋道を立てて説明できるか」ということに力を入れています。計算の方法を「機械的」に覚えたところで、「思考力」や「応用力」は育ちませんから、「考える過程」を大切にする授業づくりに努めています。子どもたちのノートを見ていると、「正しい答えを求める」というのではなく、「どうやって答えを求めたか」を書こうとしていることがよく分かり、素晴らしいなと思いました。


 

私(校長)は数学教師ですから、子どもの頃から「算数(数学)」は大好きでした。私にとっては、算数(数学)は「手品」みたいな不思議で、感動的な学習でした。数学の世界は常に「鮮やか」で「すっきり」していて、どちらかというと「芸術」な学問に感じています。(残念ながらこのへんの感覚はあんまり理解してもらえません…(泣) )

「分数」を初めて習った時も、「小数では書ききれない数字も分数なら書ける!」と知っただけですごいと思いましたし、ずっと謎だった「1÷3=0.333333333…なのに、0.333333333…×3=0.9999999999…≠1?えっ?なんで1にもどれないの?」というもやもや感が、「1÷3=1/3 と書けば 1/3×3=3/3=1 ちゃんと1に戻るやん!すごい!」となり、目から鱗が落ちた気分でした。

おまけに「分数」を使えば、分数は1/4=2/8=3/12みたいにいくらでも姿が変えられるので、それを使えば、あの面倒くさい「小数の筆算や割り算」がかなり簡略化されることを知ってからは、ほとんど筆算や割り算することがなくなりました。例えば「3÷25=」という問題は割り算なんかしないで、3÷25=3/253×425×4(分母分子に4をかける)=121000.12ってすぐに計算できます。

子どもたちが「分数」の本当のすごさや便利さの意味を実感するのは、もう少し後になるかもしれませんが、それまで、きちんと理解しながら学びを積み上げてほしいと思います。算数は「完全積み上げ教科」ですから、どこかの段階で分からなくなると、その後ずっとしんどくなります。算数の苦手な子どもたちも、簡単にあきらめないで粘り強く、粘り強く「基礎基本」をきちんと積み上げていってほしいです。先生たちも「分かる授業」「苦手へのサポート」を充実させられるよう頑張ります!


12:33
2025/01/29

「おうちの方の力は大きい!~最後の参観~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は朝から冷たい風が吹く寒い日になりましたが、子どもたちは元気!元気!やっぱり「子どもは風の子」は本当だと思うこの頃です。お昼休みにはたくさんの子どもたちが、外で元気に遊んでいました。

 


昇降口前では、縄跳びで遊ぶ子がたくさん。自分の技を磨こうと、友だちと一緒に頑張る姿は立派です。また5年生の子どもたちが男女混じって大縄跳びで遊んでいる姿は、なんだかとてもいい雰囲気です。温かな学級集団に育ってきていることを嬉しく思いました。

 


いつもなら水曜日は、そうじなしのロング昼休みなのですが、今日は参観もあるということで、普通の昼休みになりました。やがて昼休み終了の合図(メロディ)が鳴って、その2分後に掃除が始まります。掃除の時間は、必要最低限の10分間しかとってないので、子どもたちには、さっさと掃除に取りかかって10分間は集中して掃除をやり切ることを指導しています。昼休みから掃除へ、さっと気持ちを切り替えて動ける子たちが増えてきたように思いますが、まだまだの子もたくさんいます。

 

 

 

 

 

 

                                                                                       

今日は、職員室前の廊下を真剣に掃除(雑巾がけ)する6年生の姿がありました。6年生がこんな姿だと、学校全体の掃除の風景がしまります。やはり6年生は「学校の顔」です。良くも悪くも、6年生の姿は、全校に大きな影響を与え、学校全体の雰囲気をつくっていくことになります。掃除の時間は先生たちも一生懸命掃除をしますが、先生と子どもたちが、黙々と掃除をしている風景は、やっぱり気持ちがいいですし、「みんなが楽しい!」のひとつだと感じます。

掃除が終わって、読書タイム、そしていよいよ学習参観の時間を迎えました。参観のたびに「やっぱりおうちの方の力はすごいな」と痛切に感じます。いつも以上に子どもたちは張り切って発表しようと頑張ったり、普段ふざけてばかりいる子が「借りてきた猫」になったりします。子どもたちは、だれよりもお父さんやお母さんに認めてほしくて、かっこわるい自分は見せたくなくて懸命に頑張ります。その気持ちが強すぎて、変に緊張したり、「頭が真っ白状態」になったりして十分に力を発揮できなかった子どもたちも多くいます。頑張って練習してきた1年生の発表はみんなうまくいったでしょうか…。きっと「ぜんぜんだめだった…。」と落ち込んでいる子もいるでしょうが、どの子にも「よくがんばれたね。」と声をかけてあげてほしいと思います。


 

2年生の参観授業「明日へジャンプ~わたしが生まれた時~」は、私(校長)にとっても思い入れのある学習です。2年生の子どもたちは、冬休みの間に家族にインタビューをしています。「自分が生まれた時の様子や家族の気持ち、そして自分の名前の由来等」を聞き取っているのです。それをもとに自分で文章を書いて、今日学級の仲間やお家の方に発表しました。感心するのは、どの子も文章がしっかり分かりやすく書かれていること、そして、しっかりとした声で発表できていること、そして何よりも、自分は家族に祝福されて生まれてきたことや、自分の名前に込められた家族の思いをしみじみと感じ、今自分をとても大切に思えていることです。冬休みから1か月以上かけて創り上げた「自分史第1章」の発表…本当に素晴らしかったです。



余談ですが、私(校長)の長女が2年生だった時、同じような参観授業があって…、その時の娘の発表は今でもはっきりと覚えています。それを思い出すと、今でも涙腺が緩みます。ということで、今日の2年生の授業も、長居をすると胸にぐっと来てしまいそうなので、もっと聞きたい気持ちをこらえて、教室を後にしました。


17:21
2025/01/28

「1年間の成長を見せる!~1年生できるようになったこと発表会~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

明日は、今年度最後の授業参観日です。(6年生を送る会の行事参観がありますが…)どの学年、学級でも子どもたちの1年間の成長を見てもらえるような授業(学習)を準備しているところです。特に1年生は、入学して以来「学校(社会)」という新たな世界で、いろんな「枠(フレーム)」に適応しながら、必死で頑張り、まだまだ小さい体ながら、その中身は大きく、大きく成長してくれたと思います。

明日の参観日では、「できるようになったこと発表会」という形で行われるようで、今日はそのリハーサルを参観させてもらいました。(私は1組に、教頭先生は2組に参観に行きました。)


 

発表会は、子どもたちの司会進行で進めます。元気な「校歌」の発表から始まり、その後はグループごとにできるようになったこと、得意になったことを順に発表していきます。詩の暗唱やこままわし、漢字名人やあやとり、なわとびや計算名人、そして鍵盤ハーモニカ演奏などなど、子どもたちは緊張しながらも精一杯「自分」を表現します。

 



1年生を見ていると、いろんな「できるようになったこと」も成長の姿なのですが、私(校長)にとっては、「友だちの発表を見守るようにしっかりと見つめている姿」や「緊張しながらも精一杯やろうとする集中力と一生懸命さ」、「失敗してもあきらめないで最後までやりきろうとする粘り強さ」、そして「友だちのがんばりをじっと見つめて応援する優しさ」…などに子どもたちの大きな成長を感じずにはいられませんでした。

最後に担任の先生から感想を求められたので、こんなことを1年生に話しました。

「さっき、『人』って漢字の成り立ちを説明してくれたけど、校長先生はこんなふうに思います。『人』っていう字は、「ふたり」でできていて、お互いに倒れないように支え合っている形なんだよ。『人』は絶対、ひとりでは生きていけなくて、成長もできない。仲間どうしで支え合っているから、みんな成長していけるんだよ。『仲間』っていうのは、たまにはけんかもするし、いじわるされたり、いじわるしちゃったりする時もあって、時にはいやだなと思う時もあるけど、それでも『仲間』と一緒に1年間いろんなことを頑張ってこられたから、一人一人の成長があるんだよ。自分の成長は、友だちのおかげ。友だちに感謝しないとね…。」 子どもたちは、にこにこして私(校長)の話を聞いてくれます。子どもたちの目がキラキラしています。私(校長)の大好きな子どもたちです。

次の時間は、体育館でバレーボールとドッジボールを合わせたようなゲームを楽しんでいました。ビニール袋に柔らかいものを詰めて、口をひもで縛ったものを投げ合います。袋の口を握って投げる感じになるのですが、実はこの動き(運動)が、「投げる」という動作(運動)の基本を定着させるのにかなり有効なのです。「投げる」運動は、近年ずっと「課題」になっていますから、その課題を克服すべく、よく考えられたゲームだと思いました。1年生の先生たちの教材研究、さすがです!


 

子どもたちは、ゲームのルールに基づいて、仲間どうし声をかけ合って、ゲームを楽しんでいました。そんな姿にも1年生の1年間の大きな成長を感じていました。

 

最後に余談ですが、1年生の子どもたちにこんなことも話してしまいました。

「校長先生は、たくさんの人の前で話をする時、緊張しないように、目の前にいるたくさんの人たちを野菜畑と思うようにしています。『あそこにたくさん大根があるなあ。』、『こっちは白菜畑や。』っていうふうにね。そうすると不思議と緊張せずに話すことができます。みんなも明日の参観日、お家の人たちがいっぱいいても、大根やジャガイモが並んでいるって思ったら緊張しないで発表できるよ。がんばってね。」って。

今日明日、1年生の子どもたちがお家でお父さんやお母さんを見て、「あっ、大根や。」、「こっちはじゃがいもだ。」なんて失礼なことを言ったとしたら、それは子どものせいではなくて、私(校長)のせいです。あらかじめ謝っておきます。どうもすみませんでした。


12:44
2025/01/27

「国スポ・障スポ 応援のぼり旗 完成!」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今年の9月~10月には、昭和56年(1981年)の「びわこ国体」以来44年ぶり(2度目)に、滋賀県で国民スポーツ大会および全国障がい者スポーツ大会が開催されます。ここ東近江市でもサッカーやボクシング、自転車ロードレースなど7種目が行われます。毎回国スポ・障スポでは、全国から集まった選手たちにエール(応援)を送るために、コース上の道路脇に「応援のぼり旗」が設置されます。東近江市でもそれぞれの小学校で47都道府県を分担し、それぞれの都道府県を応援するのぼり旗を作製することになりました。

本校が任されたのは、近畿地方2府5県と、福井県、そして四国4県の全部で12府県。のぼり旗を目にした選手に、元気と勇気が湧いてくるようなそんな思いのこもった「応援のぼり旗」を、責任をもって作らなければなりません。私(校長)はこの大きなミッションを5年生に任せることにしました。5年生は社会科で全国いろんなところの地理や気候、産業等の特徴を学習します。それらの学習の発展として、応援を任された12府県についてしっかりと調べ、選手を元気づける「ご当地エキス」のいっぱい詰まったのぼり旗を作ってもらおうと考えました。

先週に入って、「応援のぼり旗」を完成させた班が、順に校長室まで「完成報告」に来てくれました。



 

最初に報告にきてくれた班は、「報告」というより、完成したのぼり旗を早く私に見てもらいたくて校長室にやってきた感じでした。「校長先生、できました~!」と喜び勇んで校長室に入ってきて、のぼり旗を披露してくれましたが、のぼり旗に込めた「熱い思い」はなかなか語ってくれません…。しかたないので、私(校長)のほうから、「そもそもこの旗は何のための旗?」、「この県の特産物は他にどんなものがあるの?」、「越前ガニって、図鑑に載ってる名前?」などなど、いろいろと突っ込んで聞くものだから子どもたちは、だんだんたじたじになって、しゅんとなって意気消沈…。



 

最初の方に報告に来てくれた班が、教室で校長室でのやり取りを伝えてくれたのでしょう…。だんだん子どもたちは、旗に描いたものの説明や、自分たちの思いについて、きちんと準備して、説明の練習もしてきてくれるようになりました。どんどん報告が上手になっていきます。

 

中には本当に感心する解説もありました。

「大阪のグリコの看板のポーズは、グリコの江崎社長が子どもの時に、駆けっこをしていた子供が両手を大きく上げてゴールインした姿が印象的だったのであのポーズになったそうです。」

「太陽の塔は、前の大阪万博の時に、岡本太郎さんがデザインされたものです。」

「三重県は、イセエビやカキの名産地でもあります。」

「道後温泉は、夏目漱石の小説の坊ちゃんの舞台になったところです。」

「香川県は、うどんだけでなくオリーブも有名です。それは主に小豆島で作られています。」

などなど、自分の出身県のように、自慢げに説明してくれました。私(校長)は、子どもたちのその自慢げな表情がとても嬉しかったです。


 

ひとつの県を応援するなら、「まずは自分たちがその県のことを好きになってほしい、誇りに思ってほしい。自慢したい気持ちになってほしい。そのためにその県のことをいろいろと調べて、知ってほしい。」と思っていました。そうすることがこの「応援のぼり旗」をつくる学習の「値打ち」だと思っていました。だからこそ、子どもたちの「自慢げに解説する顔」が、私(校長)にとっては一番の喜びだったのです。5年生の子どもたちは、本当によく頑張ってくれました。素敵な「応援のぼり旗」がたくさん完成しました。5年生の子どもたちに任せて、本当に良かったと思っています。ありがとうございました。

 


16:22
2025/01/24

「凧 凧 揚がれ~!」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日は、東近江市大凧会館の鳥居館長さんに来校いただき、1年生が「四角凧づくり」と凧あげを教えていただきました。ご存じの通り、大凧会館は本校の校区にある博物館です。八日市の伝統文化である大凧づくりや、世界の凧などについて展示されている貴重な施設であり、本校の自慢すべき「教育資源」でもあります。ところが、学校として、なかなか「大凧会館」を学習に活かすことができていなくて、校長としては物足りなく思っていました。そこで今回、「出前授業」という形ですが、大凧会館と連携を図り、1年生が「凧」にふれる機会を設けた次第です。



 1年生ですから、「凧の骨から作る…」というような本格的な凧づくりはできませんが、自分で凧に絵を描いたり、しっぽをつけたり、凧の糸目に凧糸を結んだり、1年生にとってはなかなかの作業です。子どもたちは、今年の干支「巳年」にちなんだデザインなど、自分で好きな絵柄を考えて、楽しくカラフルな凧を作っていきました。

  

 

凧に絵を描いて、のりで凧のしっぽをつけるところまでは、どの子も順調に作業を進められたのですが…、その後に「難関」が待っていたのでした。それは、「凧の糸目」に凧糸を結びつけること。凧の糸目の輪っかに、凧糸を通して、「かた結び」するだけなのですが、これがかなり難しいようでした。「凧糸が細くて結びにくい…」といった困り感ではなくて、「結ぶということ自体が分からない…やったことがない…」というようなものでした。考えてみれば、今の子どもたちの生活や遊びの中で「結ぶ」という作業はほとんどなくなっているような気がします。「切る」や「貼る」、「折る」…などの作業は、それなりに経験が多いのですが、「結ぶ」だけは、子どもたちの経験の中から消えてしまいそうな気がします。

ほとんどの子が、凧糸を「結ぶ」ことができず、先生や支援員さんが総出で、子どもたちのお手伝いをしました。




何とか凧を完成させることができた子どもたちは、早速運動場に飛び出しました。凧を揚げるためには、「風下から風上に向かって走ること」、「糸が絡まるので、友だちと距離を取って揚げること」など、最低限度の「揚げ方」と「約束」をレクチャーしてもらって、いざ凧揚げに!

 

 昨日はとてもお天気が良く、風は凧揚げをするには少し弱めの「そよ風」程度でしたが、そこそこ糸を伸ばして、一気に高いところまで凧をもっていくと、うまく風をとらえられてよく揚がりました。本当なら、何度も、何日も凧揚げを楽しんで、そのうちに「走りながら糸を出していく(伸ばしていく)感覚」や「糸をしゃくりながら、風が吹いている層まで凧を引っ張り揚げていく技」などの甲斐性を獲得していくのですが、学校ではそこまで時間が取れないので、どうしても「凧揚げ」が一時的なイベントで終わってしまいます。できることなら、お休みの日なんかにお家の人と、田んぼなどの安全で広い場所で、凧揚げが楽しめるといいなと思います。

 最後に、これも「凧揚げあるある」ですが、みんなで凧揚げをしていると必ず発生するトラブルが「友だち同士、糸が絡む」という事態…。でもこれも経験で、いい学びの場です。昨日も子どもたちは、自分たちで丁寧に根気よく、糸の絡みを直していました。その姿にとても感心しました。

 来週には、私(校長)が作った「2mくらいの大凧」を1年生の子どもたちと一緒に揚げて、「凧揚げの醍醐味」と「風の力のすさまじさ」を十分に味わってもらおうと思います。


11:04
2025/01/23

「昔のくらしから考える~3年生七輪&灯り体験~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日、3年生が大変貴重な体験をさせてもらいました。3年生の国語、社会、総合的な学習の時間の3教科が関わる学習で「昔のくらしを知る」という学習があります。昔(明治~昭和のイメージ)のくらしに使っていた道具について知ったり調べたり、実際に体験したりしながら、くらしのうつり変わりについて考えていきます。

 

今回は能登川博物館のボランティアスタッフの方がた3名と、本校の地域学校協働活動推進員の奥さんをはじめとする4名の地域ボランティアさんのチーム(便宜上、私(校長)は勝手に、『アベンジャーズ』をもじって『建部ンジャーズ』と呼ばせてもらっています。『建部ンジャーズ』は本校のペース走大会や5年生の注連飾りづくりなど、日頃からたくさんの学校支援をしていただいてます。)の力をお借りして、3年生の子どもたちが、「七輪」体験と「灯り」体験をさせてもらいました。

 

 

子どもたちは事前の学習に、昔使われていた「黒電話」や「洗濯板」、「竹製の枕」などに触れていますが、今回能登川博物館から持ってきていただいたものは、「木炭」を燃料とした「七輪」や「炭消し壺」や炭の熱を利用する「アイロン」など、普段なかなかお目にかかれないレアな道具でした。くらしの中のエネルギーの中心が、「石油」や「ガス」、「電気」になるまでは、木材(炭)や植物油が燃料の中心であり、特に「木炭」は、「炎を出さない」、「火が長持ちする」、「遠赤外線効果」などの性質を持つ優れた熱源として、長い間くらしを支えてきました。今回は特に、現代のカセットコンロにあたる「七輪」について、「焼いたお餅を食べる」という目的のもと、自分たちで炭火をおこして、お餅を焼くという体験をしました。(そもそも「七輪」はなぜ「七つの輪」と書くのか…。その由来は、諸説あって定かではないのですが、人々の暮らしを支える最も大切なものである「火」や「食べ物(調理)」に関わる道具ですから、「七輪」という名前には深い意味があると思っています。)

 

 

焚き付け(新聞紙、杉葉)を底に置き、その上に「消し炭」、一番上に「木炭」を乗せて、新聞紙に火をつけます。マッチを擦る体験だけでも子どもたちには新鮮であり、緊張です。焚き付けはすぐに燃えますが、その炎を木炭に移していかなければなりません。炎を大きくするために、火吹き竹で空気を送り込みます。七輪の下にある窓から空気を送り込むと、空気が循環し、より早く炎が大きくなります。当然けむりまみれになりますから、風向きも考えながら作業しないといけません。「昔の仕事」には、知恵と甲斐性と、自然に対する知識も必要です。

 

別の会場では、「灯り」のうつりかわりをじっくりと見させてもらいました。本当に昔からある「ろうそく」や「行灯(あんどん)」から、エジソンが発明した白熱電球、そして蛍光灯、LED…と「灯り」のうつりかわりと、それぞれの「光の違い」について学ぶことができました。よくある「勘違い話」ですが、「灯台 もと暗し」という言葉がありますが、この灯台は岬に立ち、海を照らす「灯台」ではなく、昔のろうそくの燭台(しょくだい)=灯台を意味していいます。「ろうそくの燭台の下は灯りが届かず暗い」というところから来ています。

3年生の学級通信のある子の感想の中に、「昔は不便だったけど、いいところもあった。」というのがありました。この「いいところ」というのをもう少し掘り下げてほしいなと思います。

世の中は、加速度的に「便利」に、そして「快適」になっていきます。それは、「幸せなこと」に間違いがないのですが、「便利さ」や「快適さ」のかわりに、失ってきた「大切なもの」も多くあるのでは…と考えさせられます。「ものを大事に扱うこと」や「創意工夫すること」、「無駄をつくらないこと」や「辛抱すること」、「家族の中の子どもの役割(仕事)」…そして、世界に賞賛された「もったいないの心」…これから子どもたちが生きていく社会は、どうなっていくのだろうと漠然と不安になったりします。

今回の体験では、ちょっとしたハプニングがあり、七輪に使う燃料(木炭等)の数がグループの数より少なく、使える七輪の数が少なくなったようですが、子どもたちはもめることなく、文句を言うこともなく、うまく自分たちで役割分担しながら、上手に全員分のお餅を焼いたと担任のM先生から聞きました。「こういうところに子どもたちの成長が見られて嬉しかった。」というM先生の言葉を聞いて、その言葉に私(校長)も嬉しくなりました。


13:52
2025/01/22

「自分の身(命)は自分で守る~第3回避難訓練(地震)」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、地震発生を想定した避難訓練を行いました。避難訓練については、「万が一の時に、だれも命を落とすことがないように…」という思いで、常に真剣に取り組んでいます。子どもたちには、「避難練習」ではなく「避難訓練」であることの意味を理解させ、緊張感をもって取り組めるよう指導してきました。

子どもたちも、避難訓練の意味をよく分かっていて、ほとんどの子どもたちは避難訓練に真剣に取り組んでいます。体育館に全校が避難するのにかかった時間は4分ちょっと。「おはしも」の約束通り、おしゃべりしないで、静かに集まれました。先生たちも、この時だけは「命令口調」です。「静かに!」、「並べ!」…全員の命がかかった一大事、指示は「はっきり、明確に!」です。子どもたちには、学校で災害が起こった時は、とにかく「先生の指示に従う」という意識を徹底しています。しかし、中には「へらへらと笑いながら…」、「ポケットに手を突っ込んだまま…」というような態度で臨む子もいます。災害について、まだまだ「自分ごと」ととらえられない子がいるのが少し残念です。これからも指導を続けていかなければと思います。

 

阪神・淡路大震災や東日本大震災、そして能登半島地震…このうち、子どもたちが学校にいる時間帯に起こった地震は東日本大震災だけです。地震はいつどこで起こるか分かりませんが、単純に時間割合で考えると、子どもたちがお家や地域にいる時間に地震が起こる確率の方が高いことになります。つまり「先生の指示」なしで、「自分の身(命)は自分で守る」という意識と知識、行動をもって、災害から自分を守らなければならなくなります。「外にいる時に地震にあったら、『落ちてくるもの』や『倒れてくるもの』から離れて、しゃがんだ状態で、頭を守る」のが基本だと、今日もう一度子どもたちに話しました。また、避難訓練の宿題として「家にいる時に地震が起こったら、どうするか?」また「災害時に家族がバラバラになったら、まずどこに向かうか?(第1次避難所)」について、家族で話し合っておいてください…と話しました。

「天災は忘れたころにやってくる…」、昔から言われている言葉ですが、私(校長)なんかはすぐに「喉元過ぎれば熱さを忘れる…」に流れてしまいそうになるので、「危機意識」のアップデイトを怠ることのないよう気を引き締めていきたいと思います。


14:40
2025/01/21

「にじクイズが始まるよ~!」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

本校の外国にルーツを持つ子どもたちが通級する「にじ教室」(日本語指導教室)では、子どもたちが日本語への理解をより深めるために、そして、母国を中心として世界中の国々の文化や生活について伝えるために、「にじクイズ」を考え、全校児童を対象にアピールすることにしました。


 

「にじクイズ」は、にじ教室に通う子どもたちの母国をはじめ、世界各国の「お正月」ついて出題するクイズで、全部で12問あるようです。クイズの内容は子どもたちが考えました。それらのクイズを校舎内のあちこちに貼り、全校児童が校舎を巡りながら解答していくという企画です。クイズのヒントは、職員室前に大きく貼り出されている「北小世界地図」に盛り込まれています。

今日の1時間目に、にじ教室に集まった子どもたちは、担当のK先生から「にじクイズ」の進め方やそれぞれの役割についてレクチャーを受け、いよいよ行動開始です。今日は、地域の「外国人児童学習支援ボランティア」さんがたくさん来てくださり、子どもたちも安心して「にじクイズ」の運営に張り切っている様子でした。15名ほどの子どもたちが通うにじ教室での学習は、担当のK先生と支援員のN先生の2人だけでは、とうてい十分な指導支援はできません。そこに地域のボランティアさんが来てくださってこそ、子どもたち一人ひとりへのきめ細かな支援が可能になります。ボランティアさんがいてくださることで子どもたちは安心して学べています。本当に感謝しかありません。


 

にじ教室の子どもたちは、これから各学級に、「にじクイズ」への参加の方法を説明しに行かなければなりません。これが子どもたちにとっては、最も緊張することであり、プレッシャーになることですが、大勢の前でしっかりと「日本語で話す」ということがもっとも大切な学習でもあります。しっかりと読む練習をして、本番に備えます。

 

最近、にじ教室の高学年の子どもたちは、児童会の執行部に入ったり、放送委員会に入ったりして、全校の前で話すということに積極的に挑戦する姿が見られて嬉しく思っています。

日本語を学びながら、同時に自分たちの国について積極的に伝え、北小のすべての子どもたちの多様性を認める意識や共生意識を高めていってほしいと願っています。「にじ教室」の名前通り、世界の架け橋になる、本校にとってとても大切な子どもたちです。みんな、がんばれ!

 

校長室前廊下で子どもたちを見守っているカエルちゃんのコスチュームも冬バージョンに変わっています。毛糸で編んだ帽子と手袋がとてもキュートです。カエルちゃんの季節に合わせた衣装は、スクールサポートスタッフのSさんの手作りです。ちょっとしたところにも「気配り」と「センスの良さ」が感じられるのも本校の自慢です。

 

         


14:47
2025/01/20

「校内書き初め展 開催中!」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

先週学級閉鎖だった1年2組の子どもたちも元気に登校してくれて、学校が「平常」に戻りました。このままインフルエンザの波も治まってくれたらと願います。

さて、今週から「校内書き初め展」が始まりました。低学年は、マジック(フエルト)ペンによる硬筆、中高学年は、書き初め用紙に毛筆で書きます。

 




低学年の作品を見ていると、1年生も2年生も、とても落ち着いて、集中して書けているなと感心します。また、名前までしっかりと丁寧に書けているところが素晴らしいです。丁寧に書こうと思って、慎重にゆっくりペンを動かすと、かえって線がびびったり(ぶるぶる震えたり)、線の流れが止まってしまって、結果として字のバランスが悪くなったりするので、集中・緊張しながらも、びびらずに思い切って線を引く思い切りも必要で…このへんのバランスに子どもたちは苦労したんだろうなと、作品から読み取れました。どの子の作品も「全力で、最後まで丁寧に書いた」という気持ちが伝わってきて、とても晴れやかな気持ちにさせてくれました。

中高学年は、例年の通り、廊下掲示板にずらりと書き初め作品が並びました。



学年が上がるほど、題材もいろいろで、毛筆の基本がしっかりしていて、字形が整っている見ごたえのある作品がたくさんありました。




あくまで私(校長)の好み(感性)によるものですが、普段半紙に書いている「習字」の作品よりも、うんと力強く、自分らしさを主張した作品が多いような気がして嬉しく感じました。

 特に私が、感動したというか、心をつかまれたのは、3,4年生の作品の数々です。何とも言えず「全力感」があるというか、「自分のすべてをぶち込みました!」と言わんばかりの力強さを感じる作品がたくさんありました。


 





「これでどうだ~!」と言わんばかりの迫力のある作品が並んでいて見事でした。書き出しがど~んと力強いだけでなく、「最後の一画にめいっぱい力を込めた!」みたいな気合いを感じる作品に釘付けになりました。「みかん」の最後の「ん」のはらいや「山の光」の最後の「光」のはね、そして「生きる」の「る」の最後のマルのところのかすれなんぞ、たまりません。

「書写」ですから、「美しい文字」というのが賞賛されるべきで、そんな作品はもちろんすばらしいのですが、他の筆記具のように簡単には扱えない「毛筆」という面白い道具を使ったよさや面白さを感じながら、「力いっぱい」、「自分らしく」表現している作品にもとても魅力を感じます。

今回(このブログ)では、私(校長)の見立てで、「書き初め」についていろいろと紹介させてもらいましたが、「校内書き初め展」は1月31日(金)まで開催しておりますので、特に29日(水)の学習参加日には、たくさんの皆さんに鑑賞していただきたいと思います。


17:08
2025/01/17

「記憶と教訓をどう引き継いていくのか…」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は1月17日。今から30年前(1995年)の今日、午前5時46分、阪神・淡路大震災が起こりました。国内初の震度7を記録した阪神・淡路大震災、戦後の日本が初めて経験した都市型の大災害でした。建物の倒壊や火災が相次ぎ、避難生活の長期化で体調を崩すなどして亡くなる「災害関連死」も含めて6434人もの方が亡くなりました。(写真は神戸市提供)

 

当時私は、まだベッドにいましたが、経験したことのない大きな揺れに飛び起き、何が起こっているのかわからないままパニックになり、気がついたら出産間近の妻のお腹の上に、四つん這いで覆いかぶさっていました。反射的にお腹の中の赤ちゃんを守ろうとしたのだと思います。冷静に考えると、天井が落ちてくれば親子ともども潰されてしまうのは明白なのに…。パニックになると、人は冷静な判断や行動ができないということを思い知らされた瞬間でした。まさかこんな大きな地震に見舞われるなんて、正直考えてもいませんでした。地震(災害)に対する「構え」が全くできてなかったわけです。

 

NHKで、被害の大きかった地域に住む約2000人に被災者を対象にアンケートを行い、阪神・淡路大震災の起こったあの日から、何が変わり、何が課題として残されているのか、記憶や教訓はつながれているのか…ということを考える番組をやっていました。

このアンケートでは、「亡くなった家族や親しい人を思う時間に変化はあるか。」、「震災を体験した悲しみが今も続いているか。」などの質問があり、まだまだ多くの方々の心に、この震災が決して拭えない大きな傷や悲しさとして残っていることを知りました。

アンケートの中で、私(校長)が、「えっ?そうなんだ…。」と考えさせられたのは、「震災の体験を伝えることが難しくなった。」と半数の方々が思っておられること、そして「震災の記憶や教訓が風化している。」と感じておられる方が65%もいらっしゃることでした。

「記憶や教訓は、つながり続けないと徐々に風化し、やがて忘れさられ、そしてまた同じ過ちに陥る。」…そういうことなんだなと改めて強く思い直しました。「震災の記憶の継承に有効だと思うものは何ですか?」の質問の答えで最も多かったのが次の二つです。一つは「テレビや新聞などマスコミの震災報道…27.2%」、そしてもう一つは「学校の防災教育…25.0%」。やはり「学校の果たすべき役割と責任は大きいな。」と身が引き締まる思いがしました。来週の水曜日(22日)に避難訓練があります。しっかりと「記憶と教訓の継承」の一助となる避難訓練にします。

 

 

ところで、「記憶と教訓の継承」は災害に限ったことではありません。それは自然ではなく我々人間が起こす「戦争」というものにも、必要不可欠です。誰もが「なぜ戦争なんて馬鹿げたことをするんだろう?」と戦争を憎み、平和を望んでいますが、現実には世界中で「戦争」は今も続いています。

今、ちょうど6年生が「日清戦争~太平洋戦争」についての学習をしています。歴史の勉強というと、何となく「暗記科目」みたいなイメージがあって、「1902年に日英同盟を結んで…、その後1904年に日露戦争が始まって…、1910年韓国併合があって…」みたいな…一応歴史事象の背景や流れも意識しながら覚えていった記憶がありますが、やはり歴史の勉強は「知識理解」の部分よりも、「記憶と教訓の伝承」に重きをおいて学ぶ必要があると感じています。

 

だから、「日本はなぜ戦争に突き進んでいったのか?」、「戦争をして日本はどう変わっていったのか?」、「戦争中の国民はどんな思いで、どんな生活をしていたのか?」、「長い戦争の後、何を手に入れ、何を失ったのか?」…そんなことに思いを寄せながら(考えながら)、「戦争」の悲惨さと愚かさを、心の真ん中で学び取ってほしいなと願います。6年生は、2月に愛東にある県立平和祈念館の見学にも出かけます。できるだけ「戦争」を身近にとらえながら「記憶と教訓の伝承者」になってほしいと思います。

石垣りんさんという方の詩「弔辞」には、次のような一節があります。

「戦争の記憶が遠ざかるとき、 戦争がまた 私たちに近づく。 そうでなければ良い。 」

戦争の学習を見ると、いつもいつもこの一説を思い出します。


15:46
2025/01/16

「版画を楽しむ」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

朝、子どもたちの登校を迎えようと昇降口に行くと、久しぶりに「ありがとうメッセージ」がたくさん貼られているのに気がつきました。「ありがとうメッセージ」は普段の何気ない「ありがとう」の気持ちをカードに書いて伝えようという継続的な取組なのですが、最近は子どもたちの中で少しマンネリ化してきたのか、あまりメッセージは貼られなくなっていました。

久々にたくさん並んだ「ありがとうメッセージ」。内容は「遊んでくれてありがとう。」「優しくしてくれてありがとう。」というものが多いのですが、ちょっとしたことでも「ありがとう」と伝えようという気持ちがとても尊いと思います。

最近、「あたりまえ」という言葉はとても難しいなとつくづく思うようになりました。「あたりまえのことを、あたりまえにできることはとても素晴らしい」と言いますが、これが本当に難しい。「あたりまえ」の代表といえば、「3つのあ」です。「あいさつ・あんぜん・あとしまつ」…人としてのあたりまえですが、「あいさつ」も「あんぜん=例えば、廊下は走らない」も、そして「あとしまつ=例えば、そうじ」も、なかなか定着させるのは根気のいることです。「あたりまえ」は、なかなか「あたりまえ」にはなりません。

また、この「あたりまえ」という言葉は、いろんな「こわさ」も含んでいます。つまり、子どもたちの中で「あたりまえ」になることが、子どもたちを鈍感にさせたり、悪い方向へ流したりすることが往々にしてあるからです。例えば、トイレのスリッパが、いつもぐちゃぐちゃになっていて、散らかっている状態が「あたりまえ」になると、だれも整頓しようとは思わなくなります。「ランリュックにつけていいキーホルダーは1つだけ」というのが本校のルールですが、そのルールを守らない子が増えて、ジャラジャラのランリュックの風景が「あたりまえ」になると、ルールを守るという意識はどんどん弱くなっていきます。いわゆる「割れ窓効果」というやつです。ものごとを「あたりまえ」にするということはとても大変なことなのに、「あたりまえ」になることによって、いとも簡単に崩れていくこともある。「あたりまえ」はとっても難しいです。

 

さて、今日の教室の風景ですが、今日はたくさんの学年で図工の「版画」に取り組んでいました。「版画」をつくるという学習は、「版板をつくる」と「版に写す(刷る)」という2つの仕事(活動)があります。版画の種類もたくさんあって、下学年では、「紙版画」…紙等を切り貼りして、その凹凸で版を写す、「スチレン版画」…柔らかいスチレンボードに、尖ったもの等で凹みをつけて写す、「板紙凸版」…分厚いボール紙の表面を削り取ったり、はがしたりしながら凹凸をつける…が主なものです。

上学年では、「木版画…べニア板を彫刻刀で彫る」が中心になりますが、普通の「白黒版画」だけでなく、「一版多色刷版画」というカラー版画もあります。

 

 

 

1年生は「鬼の版画」に取り組んでいました。鬼の顔のパーツ(目、鼻、耳、角など)ごとに画用紙を切り出し、貼っていきます。最終的には鬼の体も切り出して、版板に貼って、「紙版画」に仕上げていくようです。2年生も同じく「紙版画」に取り組んでいますが、テーマは「〇〇をしている自分」のようです。自分の体をパーツごと(頭、胴、肩、腕、掌、指…)に切り出して、それをつなげていくことで「リアルな人体(からだ)」に仕上げていくようです。

 


3年生は「スチレン版画」で「お城」を表現していくようです。自分が描いた「お城」の下絵をスチレンボードに重ねて、プラスチックのペンのようなもので強くなぞり、スチレンボードに線(溝)を彫っていきます。4年生は「白黒の木版画」で「モチモチの木(斎藤隆介 作・滝平次郎 絵)」の世界を表現するようです。こちらは版をつくるまでがなかなか手間がいります。「下絵を描く」→「下絵をトレーシングペーパー(写し紙)に写す」→「トレーシングペーパーを裏返して、反転させた絵を、カーボン紙を使って版板に写す」という段取りを踏みます。しかし、本当に大変なのは、版板を彫る作業でしょう。4年生は初めて彫刻刀を使います。丸刀や三角刀、平刀など、それぞれの特徴を生かした彫ができるよう、丁寧に、かつ安全に頑張ってほしいなと思います。

出来上がった作品はまた、校長ブログで紹介したいと思います。校内版画展も楽しみにしていてください。


14:17
2025/01/15

「理科室の椅子はなぜ丸椅子なのか?」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は久しぶりに理科室に「実験」の授業を見に行きました。学習していたのは5年生。「水に溶けたものは、どうやって取り出すのか?」という課題に対しての実験をやっていました。

理科という教科は、学年が上がるにつれて「好き・きらい」が結構分かれてくる教科かなと思っています。「理科ばなれ」という言葉もよく聞きますから、現代の子どもたちは、理科に魅力を感じなくなっている傾向があるのかもしれません。

 

子どもたちが生まれて初めて「知的好奇心」を抱くのが何歳くらいなのか分かりませんが、初めて「なぜ?」という疑問を抱くのは、間違いなく身の回りの「理科的な事象」だったはずです。「なぜ太陽はのぼる?」、「雨ってどこから降るの?」、「水の入ったバケツを振り回しても水がこぼれない?」、「青虫はどうやって全く姿かたちの違うチョウになるのか?」などなど、遊びや生活の中で「なぜ?」が生まれ、何でもかんでも「なぜ〇〇なの?」と質問攻めを食らう時期があります。その「なぜ?」に丁寧に付き合ってあげることが、子どもの探求心や思考力を育てることになるということもよく聞きます。理科はまさに「なぜ?」を追求する学習であり、いろんな「なぜ?」の答え=現象の起こる訳や根拠、理屈や道理を学ぶ…まさに「理」を学ぶわけです。

小学校理科の「実験」の学習は、基本的な実験器具の正しい名前や使い方を理解することも大切で、それが中学校や高校の理科につながっていきます。だから先生たちの説明や話の中で、きちんとした用語を使うことはとても大事で、「この棒で、入れ物の液をまぜまぜして…」なんていいかげんな説明は許されません。令和4年度の全国学力・学習状況調査の理科の問題で、「メスシリンダー」の名称を答える問題が出題されましたが、器具を見て「メスシリンダー」と答えられなかった子どもたちがたくさんいたことが話題になりました。これはそもそも教師側が意識して「正しい用語」を用いていないことも大きな理由なのではと私は思いました。「理」を学ぶ学問なのに、「なんとなく…」や「適当に…」、「だいたいで…」という思考はいただけません。

漏斗(ろうと)を使って濾過(ろか)をする時、ガラス棒をつたわせて液体を注ぐことにも、漏斗の先端をビーカーの内側に沿わせることにも、きちんと理由があります。ガラス棒につたわせて注ぐのは、液はねの防止、一度に液を入れすぎて液がろ紙からあふれ出ることを防ぐためですし、漏斗の先端を内壁に沿わせるのは、ポタンポタンとろ液がはねることを防ぎ、またろ液が途絶えることなく流れ落ちることによりろ過速度が上昇させるためです。すべてに「理」があり、それを知るたびに「なるほどな~」と納得するところにも理科の面白さがるような気がします。

 

ところで、理科の実験の風景も私(校長)が担任をしていたころと比べると大きく様変わりしています。一番大きな変化は、熱源として「アルコールランプ」や「ガスバーナー」を使わなくなったこと。今はほとんど「カセットコンロ」を使用するようになりました。もちろん「より安全に、より簡単に」という理由からですが、そのせいで子どもたちが「マッチ」を使うことはほとんどなくなりました。今でも4年生で少しだけアルコールランプを使うことがあるそうですが、その機会やマッチを擦る経験はうんと減りました。それなのに6年生の理科では「ろうそくにマッチで火をつける」という場面があり、6年生になって初めてマッチを使うことになり、まずマッチを擦る練習からする…といったようなおかしなことにもなっています。

子どもたちの「安心・安全」は、学校教育の一番大事なところの「一丁目一番地」ですが、子どもたちから「危険」を取り去るだけでなく、「危険であることを知る」、「自分で危険が回避できる」という学習も大事にすべきだろうと考えています。

 

さあ、今日の実験で子どもたちは、食塩やミョウバンの水溶液を蒸発させて、無事に食塩やミョウバンを取り出せたのでしょうか。子どもたちを見ていて、自分が小学校の時、できるだけ大きくて、形のきれいな「塩の結晶」を作るのに夢中になっていたのを思い出しました。

 最後に、理科室の児童用の椅子が、必ず「丸椅子」になっていることにも「理」があります。「背もたれがない」ということに意味があります。危険を伴う学習ですから、いざという時にさっと後ろに逃げられるように、そして避難しやすいようにという理由です。また、テーブルの下に完全に格納できて、すっきりした環境の中で実験等ができるようにするためです。調理室も同じ理由で、背もたれのない椅子になっています。すべて「理」に適っています。


14:03
2025/01/14

「インフルエンザの猛威と小倉百人一首」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

3連休明けの今日、また元気な子どもたちの笑顔が戻ってきました。子どもたちがやってくる教室の黒板には、担任の先生からのメッセージが書かれていることが多く、そのメッセージを受け取ることから子どもたちの一日が始まります。


 

つくづく本校の先生たちは、子ども思いで、きめ細やかだなあと頭が下がります。ちょっとしたことですが、子どもたちに「心を伝えよう」とする「熱意」を感じます。子どもたちに先生たちの「一生懸命」が伝わるから、子どもたちも「一生懸命」を返そうとします。こういった「心のやりとり」や互いの「信頼関係」によって、学校教育は成り立っています。

ところで、ご多分に漏れず、本校にも「インフルエンザ流行」の波がやってきました。特に1年生の欠席が多く、1年2組は学級閉鎖を余儀なくされました。たくさんの空席が目立つ1年2組の教室は、本当に寂しそうでした。

子どもたちは、一生懸命に集中して学習しています。1年間の思い出を季節ごとに「作文メモ」に書き出し、そのメモをつなげる形で作文を綴っています。本当なら、お隣さんとちょこっとおしゃべりでもしながら、笑顔で鉛筆を走らせることができるだろうに…。今日は、黙って一人ひとり作文に取り組みます。本来称賛されるべき1年生の、その「真面目さ」や「集中力」がかえって教室に「淋しさ」を増幅させている感じがして、何とも言えない気持ちになりました。

 

今罹患している子どもたちには早くよくなってほしいですし、学校では手洗いやうがいの励行やマスクの着用等の予防対策を徹底しながら感染拡大を最小限にとどめたいと思います。私(校長)としては、先生たちの体調も心配です。子どもたちが元気でも、先生たちがインフルエンザ等を罹患すると、学校が回らなくなります。先生たちの健康管理にも注意していきたいです。

 

4年生の教室では、ちょっとおもしろい「書写」に取り組んでいました。普段使っている「毛筆」ではなく、「割り箸」を使って、自分の好きな小倉百人一首の歌を半紙に書いています。「割り箸」のどの部分で書くのかによって、線の太さや感じが変わってきます。普段とは違う「墨をあまり吸わない、超硬い筆」に悪戦苦闘しながらも、割り箸が生み出す「おもしろい表現」を楽しんでいました。

 

今校内では、特に4年生と6年生が「小倉百人一首」に親しむ活動をしています。歌の意味は、子どもたちにとっては難しいとは思いますが、ある程度歌を覚えないと「百人一首かるた」は楽しめないので、お気に入りの歌を中心に少しでも覚えられるといいなと思います。(歌の意味は後から(中・高で)ついてきます。)

最後に、「小倉百人一首」と言えば、特に、近江神宮が「小倉百人一首 競技かるた大会」の聖地になるきっかけとなった巻頭歌、天智天皇の「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」という歌や、坊主めくりでもおなじみの「蝉丸」の「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」は、滋賀にまつわる和歌で、誰もが知っている歌です。

しかし、東近江市民、特に「八日市住民」にとっては、蒲生野(船岡山付近)で、あの「額田王」が詠み、万葉集に収められた歌、「あかねさす 紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」も、ぜひ覚えておきたい歌です。今から1500年~1000年前に詠われた和歌が、今の令和の世でも、楽しまれている…これも歴史ロマンですね、とても感慨深いです。

 


18:04
2025/01/10

雪と子どもたち~子どもの歓喜と大人の憂い~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今季最強寒波が南下していて、昨日から大雪を心配していましたが、朝の時点で積雪はほとんどなく、子どもたちの登校にもあまり影響はなかったので安心しました。

それでも横殴りの雪の中、登校班できちんと並んで、安全に登校してくれる子どもたちの様子を見ていると、「班長さんをはじめ、しっかりとやってくれているな。」と感心します。

 


1~2時間目、いろんな教室をうろうろしていると、やはり子どもたちは外の様子が気になるようで、「もっともっと降って、運動場に雪がいっぱい積もってほしいなあ。」という心の声が聞こえてきそうでした。

学習の方はというと、今日は3年生が「書き初め」をしていました。前にも紹介しましたが、滋賀県の毛筆指導は、「秘密の〇〇ミンショー」で取り上げられるくらい、他府県とは趣を異にしています。「整った文字をきれいに書く」ことより、「筆のよさや面白さを味わいながら、自分の思いをも表れるように書く」ことを目的にしています。(逆に、硬筆は字形を整えて、筆圧にも注意しながら書くということを大切にしています。)

 


滋賀県特有のぶっとい筆の付け根までに墨をたっぷりと吸わせて、しっかりと筆を立てて一気に書き上げます。「お正月」のめでたい感じや賑やかな感じが出るように、「おもち」や「みかん」の大きさや美味しさを感じるような作品にしたい・・・子どもたちはそんな思いを描きながら作品づくりに励んでいました。

 

体育館では、4年生が体育で縄跳びに取り組んでいました。冬場の体力づくりにぴったりの縄跳び運動。いろんな運動感覚が養われる全身運動です。一定時間跳び続けられる力といろんな跳び方で跳べる力の両方を高めていきます。


 

縄跳びが得意な子もそうでない子もいますが、「頑張りカード」を励みに、自分自身の目標をしっかりと掲げて、根気強く取り組んでほしいと思います。

また、学級全体で取り組む「大縄跳び」の取組も始まっています。こちらは体力づくりの面だけでなく、学級としての団結力や、仲間同士の支え合いの力を高めるための取組です。「よその学級との競争」ではなく、「わが学級の記録をどこまで伸ばせるか」という目標を掲げて、しっかりと練習を積み上げていってほしいなと思います。


1階の廊下には「なわとびチャレンジ月間おおなわ」と書かれた掲示コーナーがあり、各学級の目標や記録が書き込めるようになっています。すでにいくつかのクラスが記録を始めています。どの学級も、「目標達成」、「自己ベスト記録更新」をめざしてがんばって取り組んでほしいです。

昼休みには、たくさんの子どもたちが雪の降る中、運動場で元気に雪と戯れていました。中休みには運動場に出てこなかった3年生もたくさん遊んでいます。3年生の子どもたちに「どうして中休みは運動場に行かなかったの?」と聞くと、3年生曰く、「中休みに雪で遊ぶと、その後がつらい。まだ授業がたくさん残ってるし、その間服が濡れているのはかなんから。中休みの時は、『外に出るのは、今じゃないな…』と思って、昼休みを待ってた。」と…。3年生なりに先を見通して、「判断」しているところに、妙に感心してしまいました。


 

案の定、昼休み終わりの放送が入っても、なかなか校舎に入ってこない子どもたちがちらほら…。気持ちは分かりますが、そこは「切り替えて」もらわないと困りますね。先生たちの「早くもどりなさい!」の声が響きます。

 「雪」というのは、大人にとっては「憂鬱」でしかないですが、子どもたちにとっては、昔も今も、子どもの本能を呼び起こす「最強のおもちゃ」なのですね。


15:16
2025/01/09

「卒業プロジェクト始動」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

私(校長)の一日は、朝7時前に出勤し、新聞に目を通すところから始まります。今日の新聞折込の滋賀報知新聞の一面には、「県内小5女子が全国最下位に」という見出しで体力・運動能力調査の結果が報じられていて、少し気落ちしましたが、続いて3面を見ると「空手で県勢ジュニア選手ら好成績~入賞13人が副知事を表敬訪問~」という文字が飛び込んできて、「文部科学大臣杯全国ジュニア空手道選手権大会」において、本校3年生のFさんが全国3位に入賞したことが写真入りで報じられていて、気分一転!なんだかとても嬉しく誇らしい気持ちになりました。全日本大会で3位の好成績…すごすぎます。Fさんは日頃の厳しい練習の成果が発揮できたんですね。本当におめでとうございます。

1時間目、いつものように校舎をうろうろしながら子どもたちの学習の様子をのぞきにいきます。階段を上がって廊下を見渡すと、なんだかとてもすっきり整っていてとてもいい気持ちになります。

校舎が古くて、教室も廊下も狭く、収納スペースがほとんどなくて、どうしてもいろんなものが散らかりがちですが、それなりにすっきりしていて、ゴミも落ちていなくて、気持ちのいい風景です。担任の先生たちのきめ細かな指導と、子どもたちのそうじでのがんばりの成果です。「ぼろく(古く)てもすっきりしている校舎」…それはとてもかっこいいことだと思っています。

あまりにも静かなので、「学年体育なのかな・・・。」と思いましたが、教室を覗くとちゃんと子どもたちがいます。低学年は、マジック(フエルト)ペンでの書き初めです。担任の先生の「今日は本番です。集中して、心を込めて書きましょう。」の声に、子どもたちが全力で応えます。教室は、水を打ったように静まり返っています。低学年と思えない「集中力」を見せてもらいました。



5年1組では、例の「国スポ・障スポ」の応援のぼりづくりが進んでいます。それぞれの県の名物や名勝を盛り込んだ自信作です。のぼりづくりに対する真剣さと、仲間同士の協力ぶりが、ひしひしと伝わってきます。5年2組は、国語で「新聞のよさや特徴をさぐる」学習をしています。子どもたちがしっかりと地に足をつけて、落ち着いて学習に向かっている教室空間にいると、とても安心した気持ちになります。


 

 

6年生教室では、学年で集まって「学年集会」です。卒業まであと46日。卒業までにすべきことは山ほどあります。これから「卒業プロジェクト」と称して、たくさんのことに取り組んでいきます。最も大切なことは、それらのことを「先生主導(先生任せ)」で「やらされる(やってもらう)」のではなく、卒業の意味を自覚し、一人ひとりが「主体」として、「自分たちの力」でやり切るということです。


 

担任のK先生が、卒業式までのタイムスケジュールを提示し、取組の見通しを持たせてくれました。あとは、「卒業アルバムグループ」、「カウントダウンカレンダー&給食感謝週間グループ」、「在校生へのプレゼント&卒業式の呼びかけグループ」、「6年生を送る会発表グループ」、「感謝の会グループ」の6つのグループに分かれて、それぞれに役割分担をしながら計画的に取組を進めていくのみです。見通しをもって、自分で計画的に物事を進めていく力は、中学校で最も必要とされる力でもあります。

 

子どもたち一人ひとりの様子を見ていると、まだまだ意識のばらつきを感じます。「自分ごと」としてとらえられていない表情や言動があちらこちらに…。まずは「卒業」の意味をしっかりと自覚するところからだと思います。人生を「竹」に例えると、小学校卒業は大きな「節目」の一つです。「竹」は「節」がしっかりしているからこそ、しなやかで倒れません。自分の12年間の成長をしっかりと振り返り、残り少ない日々でその「成長の姿」を余すことなく全力で発揮(表現)することが大事です。…それは下級生たちにとって「手本」となり、「憧れ」の姿を見せることになり、誇るべき北小文化(北小プライド)を築き上げるための「足跡」をしっかりと残すことになります。そしてもう一つは、12年間の成長を支えてくれた家族をはじめ自分の周りの人たちに精一杯「感謝の気持ち」を持ち、その気持ちを伝えることです。

それが「卒業」の意味であり、人生における確かな「節目」をつくることになると思っています。まずは、そのことを子どもたち一人ひとりがしっかりと自覚しないと、本当の意味での「すばらしい卒業式」を迎えることはできないと思っています。北小の最高学年である6年生の子どもたちの「底力」を信じたいと思います。必ず「本気」になってやりとげてくれる子どもたちだと思っています。


14:53
2025/01/08

「幸せあふれる一年を」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は子どもたちの登校を迎えた後、午前中いっぱい市の校長会議に出ていたので、子どもたちの様子が全く見られず残念な一日でした。

3学期に入っても6年生のSTコンビは、変わらず木の葉かきを続けてくれています。何も言わずにただ黙々と木の葉を集める二人の姿に頭が下がります。本当にありがとう。

子どもたちを迎える前に、昇降口の下駄箱を整頓するのですが、さすがにまだ始まったばかりなので、きれいな上靴が並んでいます。かかとを踏みつぶされた「かわいそうな上靴」も少なく、このままこの状態が続いてほしいなと心から願います。

 2学期の後半は、「かわいそうな上靴」が徐々に増えてきていて、その状態に少し悲しさというか、心配を抱いていました。「はきものの乱れは、心の乱れ」…そのことに間違いはないと思っています。どうか子どもたちの心が落ち着いていて、地に足をつけて3学期の一日一日を送ってくれることを切に望みます。



校舎を歩いていると、何気ない掲示物にも、「新年をお祝いし、新たな明るい気持ちで一年を始めましょう」という気持ちが伝わってきます。何気ない風景の中にも、ちょっとした「気配り」や「工夫」が感じられる環境の中で、子どもたちに穏やかに育ってほしいと願っています。



「環境は人を育てる」…それもまた間違いのない真理だと思っています

 


15:11
2025/01/07

「明けましておめでとうございます」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

2025年巳年…新しい年を迎えました。明けましておめでとうございます。昨年中は、本校教育に対しまして格別なご理解とご協力をたまわり、誠にありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今日は、3学期初日ということで、青少年育成市民会議の皆さんが校門に立ち、あいさつ運動をしてくださいました。すべての子どもたちが、元気に「おはようございます!」とあいさつできるわけではないですが、中には、立ち止まって「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」と丁寧にあいさつしてくれる子も何人かいました。「楽しかった冬休みが終わる~。」という残念な気持ちと、「久しぶりに先生や友達に会える~。」というワクワクする気持ちが入り混じっているような、そんな子どもたちの表情でした。

3学期の始まりは始業式からです。全校が体育館に集まる時の子どもたちの心構えというか、姿勢は本当にたいしたものだと感心しています。400人近い子どもたちが一堂に会しているとは思えないほど静かで、座っている姿勢もしゃんとしています。

校長講話では、紅白歌合戦にB´zが初出場した話から始まり、「ウルトラソウル!」の後のかけ声は、「ヘイ!」ではなく、「ハイ!」が正式であるという意味のない話をしました。(もちろんこれは、講話の〆のフリ(布石)です)

その後、「巳年(へび年)」にちなんだ話に入り、「ヘビ」にちなんだ歌を歌おうと思ったのですが、なかなか思いつかなくて、唯一思い浮かんだ「ガラガラヘビがやってくる(byとんねるず)」を踊りながら歌ったら、聴いたことのない曲に、子どもたちはポカーンとしてしまい…これは、大失敗でした。

ちょけてばかりはいられないので、「ヘビは昔から神様の使いとされていて大変神聖な生きものである。」ことや、脱皮をしながら成長するところから「再生と誕生」の象徴とされ、巳年は「何か新しいこと(挑戦)を始めるのふさわしい年である。」こと、また、「毒もあるが、その反面、薬として使用され、医学や薬学の象徴として、緊急医療のシンボルマークである「スターオブライフ」にもデザインされていることなどを話しました。最後は、「一年の計は元旦にあり」のことわざを用いて、「一年の初めに、しっかりと目標を持つことの大切さ」や、短いながら大変大事な3学期を、しっかり目標をもって頑張りましょう。」という激励で締めました。

そして、最後の最後、「…この3学期が、みんなの頑張りで、みんなが楽しく、みんなの笑顔が輝くような…輝く?…輝くといえば…♪そして輝く、ウルトラソウル‼」の後に、全校の「ハイ!」が響き渡ったところで、「そのとおり!『ハイ!』が正解でした。」というオチで校長講話終了となりました。

校長講話の後は、保健のH先生から、風邪や感染症予防のための大切な話をしてもらいました。現在、インフルエンザやコロナウイルス、マイコプラズマ肺炎などの感染症がかなり流行しているので、手洗い・うがいの徹底をはじめとする予防対策をしっかりと行っていきたいと思います。

始業式の後は、大掃除をして、各教室で学活が始まりました。3学期の学習の大まかな流れを確認する教室、早速漢字の学習を始める教室、その様子は様々です。

 

低学年の教室では、冬休みの振り返りや、今までの学習のまとめを兼ねたゲームや、グループ学習で盛り上がっていました。先生との授業や、友達との交流やコミュニケーションが「学校の楽しさ」です。

冬休みの家族旅行や、家でのゲーム三昧、だらだら過ごすぐうたら生活も楽しくて、それはそれで幸せな時間ですが、学校で過ごす「先生や友達との時間」はやっぱり楽しい時間です。学校でしか味わえない大切な時間です。子どもたちの笑顔がどんどん広がっていく感じがしました。

 

 今日はまだ午前中で学校は終わりで11時半下校でしたが、学校近くの道で、ちっとも動かない集団を発見。

どうやら歩道に散乱していたゴミを、みんなで協力して拾ってくれていたようです。燃えるごみの袋2袋分くらいあったでしょうか…。「あ~汚い!だれやこんなとこにゴミ捨てやがって!」と怒るだけでなく、自分たちで拾い集めてくれる北小の子どもたち…さすがです。自慢の子どもたちです。「みんなほんとにありがとう。ちゃんと手を洗ってな。」とお礼を言って、途中からは北小の先生たちが引き受けてゴミの始末をしましたが、ゴミの多くはたばこの吸い殻…。「大人が散らかしたゴミを、子どもたちが拾う…」…何とも言えずもやもやした気持ちになりました。でもやっぱり、ちゃんとしている子どもたちに拍手です!今年もどうぞよろしくお願いします。


14:39
2024/12/24

「2学期もありがとうございました~2学期終業式~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

2学期の後半は、マイコプラズマ肺炎やインフルエンザ等の流行により市内他校においては多くの学級閉鎖等を余儀なくされましたが、幸運にも本校には大きな流行は見られず、今日無事に2学期の終業式を終えることができました。

 

「2学期の最後だし、『はいよろこんで』の♪ギリギリダンス♬でも披露して、子どもたちを喜ばせてやろうかな!」と、ついこの間まで張り切っていたのですが、ここ2,3日、腰のヘルニアが絶不調で、よちよちペンギン歩きしかできなくなっていて、おまけに喉風邪をひいて、声も出なくなり、歌すら歌えない状態に・・・。何らかのサプライズを期待していたであろう子どもたちには本当に申し訳ないことになってしまいました。「ギリギリダンス」どころか、私(校長)の腰と喉が「ギリギリ」でした。

校長講話では、全校が「全力」と「協力」で創り上げた素晴らしい運動会を振り返り、各学年の「輝き」をもう一度確認しました。今年の運動会の後は、スマイルネットさんの「1時間特番」の影響もあって、本当にいろんなところで、たくさんの方々に、北小の運動会を絶賛していただきました。そのことを子どもたちに伝えたうえで、「今(2学期後半)も、この北小は胸を張って、八日市北小は最高です!すごい学校です!」と言えるかな…と問いかけました。

本校の校歌の3番には、「♪ポプラやなぎに 負けぬよう しっかと大地 ふみしめて~♬」という歌詞があります。「しっかと大地を踏みしめる」つまり、「しっかりと地に足をつける」ということが大切で、地に足をつけているからこそ、「真にかっこいい北小。素晴らしい北小であり続ける」ということを子どもたちに伝えたいと思っていました。「しっかり地に足をつけるということはどういうことか…。」それを考えることを、子どもたちへの、各学年への宿題としました。

私(校長)の話の後は、生徒指導担当のH先生が、冬休みの生活について、重要な部分を確認してくれました。福岡の事件を受けて、また、子どもたちが一年で一番「お金をもっている」時期であることを考えて、①4時30分(日没)までに帰ること②子どもだけでお店にはいかないこと③出かける時は、だれと、どこに、何をしに、いつ帰るかを伝えてから出かけることなどを話してくれました。

終業式の後は、大掃除です。子どもたちの、特に上学年の日頃の掃除の姿には「地に足がついていない」状況が多々ありますが、今日は年末大掃除。みんなそれぞれ一生懸命取り組んでくれました。

 

 

 

大掃除の後は、それぞれの学級で最後のしめくくりです。最後の片づけをしたり、プリント類をかばんにつめたりしてから、今年最後の学活です。3年生の教室では、今日で転出してしまうTさんとの最後のお別れです。この学級は、ここ1~2週間ほど「Tさんとの残り少ない日々」を大事に大事に過ごし、たくさんの思い出を作ってきました。学級の強くて温かな「絆」がとてもよく見えていました。私(校長)もTさんのファイルに、私の似顔絵とメッセージを添えさせてもらいましたが、Tさんに喜んでもらえてよかったです。

 


しばらく、よちよちペンギン歩きで校舎を回っていると、洗面台や排水溝を丁寧に掃除していてくれる6年生を見つけました。「みんなが嫌がる一番汚いところをそうじしてくれてありがとう。」と声をかけると、「別に、最高学年やし…。」と返事が返ってきました。ここにも「地に足がついている」姿を見つけられてほっとしました。

 

今日は、朝から本当にたくさんの子どもたちが、私(校長)の「腰」をいたわる優しい言葉をかけてくれました。優しい子どもたちが本当にたくさんいる八日市北小です。

保護者の皆様、地域の皆様には、本校の教育方針や活動について、格別なご理解とご協力をたまわり、本当にありがとうございました。また、このだらだらと長い「校長ブログ」を懲りずに読んでいただき、心より感謝申しあげます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。それでは皆様、よいお年をお迎えください。


12:45
2024/12/23

全力で応援の気持ちを込めて~5年国スポ・障スポ応援のぼり旗製作~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

天気予報に「雪マーク」が出てくるようになって、今朝も「積もるのかな…」と少し心配しましたが、ちらつくぐらいで済んでよかったです。(子どもたちは、雪が降って積もることを望んでいますが…)冬の空気は澄んでいて、雪化粧した瓦屋寺さんがくっきりと見えてとてもきれいでした。
昨日は毎年恒例の漫才番組をやっていて、史上初の2連覇を成し遂げたということで大変盛り上がっていました。私(校長)は、漫才がとても好きなので、昼間の敗者復活戦から見ていましたが、改めて「漫才師って、すごいなあ…。」って今更ながら、いたく感動していました。考えてみれば、「漫才」のように二人一組で、ボケとツッコミによる2人の「かけあい」によって人を笑わせる「芸」は他の国ではあまりないような気がします。欧米のお笑いはいわゆる「コメディアン」みたいなピン芸人が中心で、「見た目」で笑わせたり、華麗な話術によるブラックジョーク等で客を楽しませたりするイメージがあります。日本の芸人で、海外で大ブレークした人たちもみんな「ピン芸人」です。この辺の「お笑い」に対する考え方やセンスも、欧米ははやり「個人主義」が基本になっているような気がします。
ところが日本の「漫才」は二人以上の「かけあい」で笑いを創り出します。軽い「ツカミ」ネタで、自然と自分たちの世界観に引き込み、奇想天外な「ボケ」とジャストタイミングの的確な「ツッコミ」の応酬によって「笑い」のビッグウェーブを何度も創り出していきます…ちりばめた「ボケやツッコミ」の「伏線」も時々回収しながら、最後に「オチ」まで持っていく…計算しつくされた「組み立て」と、ひたすら練習で鍛え上げた二人の「呼吸(いき)」によって成立する「お笑い」であるところが、いかにも「日本的」であり、やはり誇るべき「日本文化」だと思います。「一人」では成立しない、「二人」がいて、その「間」のコミュニケーション(かけあい)で生まれる「お笑い」…いわば「人」と「人」の「間(あいだ)=センターマイク」で生まれる笑いだからこそ「人間らしい」温かさを感じる笑いになるのかなと思います。長年の下積みで培われたコンビ間の「信頼」や「慮(おもんばか)る心」が土台になっているのが「漫才」なんだと思っています。これからも若手漫才師の全力の頑張りを応援していきたいなと強く思った昨日の「〇-1グランプリ」でした。

そうそう応援と言えば、本校にも大変責任重大な「応援」に関する「お仕事」があったのを思い出しました。2025年開催の国スポ・障スポ滋賀大会において、各都道府県の代表選手たちを、道端で「応援」する「応援のぼり旗」の製作を、本校児童に任されているのです。(写真は、三重とこわか大会の時に作られた応援のぼり旗です。)本校が担当するのは、近畿(京都・大阪・奈良・兵庫・和歌山)、東海北陸(福井・三重)、四国(香川・徳島・高知・愛媛)の全12府県です。こののぼり旗を作製するには、まずは各府県の「ご当地自慢」を調べ上げて、それぞれの府県の選手が元気の出る「応援フレーズ」や「旗のデザイン」を考えなければなりません。「滋賀県の応援はとても温かい!」と喜んでもらえるよう、しっかりと研究して、デザインしていかなければなりません。各都道府県の特産物や方言などの学習が必要なことから、このミッションを5年生に任せることにしました。
 


5年2組では、四国4県と大阪・三重の6府県を、班ごとに分担して、それぞれの府県について情報を集め出しました。とりあえずは、特産物は何なのか、何が有名(名勝地等)か、ご当地キャラクターはあるのか、そしてその府県ならではの「方言」にはどんなものがあるのか…そんなところから調べ出しています。情報が集まったら、今度は、「何を取り上げることが、その府県の『誇り』になるのか『元気』になるのか。」を検討し、それらをどうのぼり旗に「図案」として落とし込んでいくのかを丁寧に計画していかなければなりません。めいっぱいの「おもてなし」の心をもって、最高の「応援のぼり旗」を創ってほしいと願っています。たのんだよ!5年生。


13:40
2024/12/20

「がんばる外国人児童の仲間たち~日本語指導教室にじ~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今朝は、ちょうど子どもたちの登校時間に、学校の前で、軽自動車が道路縁石に乗り上げ、電柱に衝突する自損事故がありました。

「ガシャーン!」と車がぶつかる大きな音がしたので、「もしかしたら子どもたちが…。」と本当に肝を冷やしました。幸い、車が子どもたちの列に突っ込んだのでもなく、子どもを乗せた保護者の車でもなかったので安堵しました。

事故の瞬間を目撃した子どもたちは、「校長先生!今、事故が起こった瞬間を見たで!」と興奮気味に報告してくれましたが、「ひょっとしたら自分たちの列に車が突っ込んでくることがあるかもしれない…。」という危機感はあまり持てていないようでした。ややもすると「野次馬化」してしまいそうになる子どもたちを校舎にいざないながら、子どもたちに何回も「本当に、みんなの登校の列に車が突っ込まなくてよかった…。本当によかった。」と繰り返しました。

私(校長)は、いつも交通事故を心配します。子どもたちがちゃんと並んで歩道を歩いていても、車の方が突っ込んでくることがまれに起こるからです。だから、毎日よく目立つ「交通安全」ののぼり旗をもって校門前に立っています。ドライバーへの注意喚起のためですが、「どうか子どもたちが事故にあいませんように…。」という「お守り」としての意味合いも強いのです。「交通安全」ののぼり旗に込めた、そんな私の思いを子どもたちは分かっていてくれるでしょうか。

 

さて、今日は久しぶりに日本語指導教室「にじ」を覗きに行きました。今、10名ほどが「にじ」教室に通級していて、主に国語や算数を個別に学習しています。私が覗きに行った時は、4年生のGさんが漢字の復習を、5年生のEさんが算数の復習をしていました。

 

日本に来て間もない子どもたちが、日本の学校で学ぶことは、本当に大変だなと…いつもいつも思います。「日常会話」については、子どもたち同士の関わりの中で、何となく身についていくのですが、教科書に出てくる「学習用語」や長い文章の意味理解については本当に難しく、子どもたちの学習を困難にしています。たとえば、英語で使う文字は「アルファベット26文字」だけですが、日本語は、平仮名、カタカナ、漢字の3つの文字を使いこなさなければならないので、個別支援しているとは言え、子どもたちには本当に「無理難題」を強いてしまっているなと…心が辛くなります。小学校時代だけでなく、その先の子どもたちの希望に満ちた未来を願うと、学校の果たすべき責任の大きさを感じざるを得ません。これからも、支援員さんや地域のボランティアさんの力をお借りしながら、子どもたちの学びを支えていきたいと思っています。

 

いよいよ2学期も残すところあと2日となりました。学習のまとめも終え、身の回りの整理や掃除を始める姿も見られます。今日は1年生が、机の中の引き出しを空にして、拭いたり洗ったりしてきれいにしていました。

 

ここにきて、風邪欠の人数が少しずつ増えつつありますが、あと2日、何とか無事に2学期の締めくくりができるようにと願っています。


12:45
2024/12/19

「みんな一緒に!はつらつと!~3年生体育~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

近頃、3年生の子どもたちの様子を見ていると、今も不思議とあの運動会の団体演技(ダンス&フラッグ)の姿がよみがえってきます。「連繋・挑戦・達成」をテーマに、子どもたちの「全力」と「協力」の姿が最高潮に達した見事な演技、そして感動は、今もしっかりと心に残り、はっきり思い出せます。子どもたちが運動会で手に入れた「全力」とか「てきぱき動く力」「メリハリをつける力」、そして仲間との「支え合い(協力)の力」は、今もそのまま子どもたちの中で「日常化」していて、そのことが今の3年生の勢いや学年学級の温かさを創り出しているんだなと感じています。



写真は、ある日の体育の風景ですが、始めから終わりまで、ずっと「全力・協力」の姿がありました。

授業初めのM先生の説明や指示を聞く態度はとてもしっかりしていますし、最後に先生が「分かった?じゃ、どうぞ!」と声をかけたとたん、子どもたちは一斉に走り出し、それぞれの運動を始めます。まさに、「てきぱき&全力」です!その後のマット運動の練習をしていると、ちゃんと仲間で回数を数え合ったり、お互いにアドバイスをしあったり、まさしく「協力」「支え合い」の素晴らしい姿です。

 

こちらは、寒風吹きすさぶ中での外体育。寒さの中でも、「みんなで協力」して「てきぱき」と会場準備を進めていきます。キックベースボールの試合も、「みんなで試合に集中」して、声をかけ合いながら楽しみます。ちゃんと、みんなが関わり合っています。「蚊帳の外」の子は誰もいません。運動会でつけた力が、今もしっかりと子どもたちの中に定着していて、どんな場面でも、自分たちの力で「楽しい3年生集団」を創り上げています。


体育ですから、得意な子もいれば、苦手な子もいます。でも今の3年生の子どもたちの中に「消極的」な子はだれもいません。みんな、自分の課題に応じてどんどん挑戦していきます。苦手なことやできないことをバカにされるような空気感があると、苦手な子は消極的にならざるを得ません。でも今の3年生は、「みんなで応援し合う風土」が定着したんでしょうね。みんなが安心して、「自分の全力」でひたすら繰り返し頑張ります。マット運動が苦手な子が「校長先生、見てて!だいぶ足が上がるようになってん!」と自慢げに披露してくれることがたまらなく嬉しかったです。

運動会という特別な行事の中で、3年生の子どもたちが苦しみながらも、もがきながらも、それでも実感として手に入れた「全力を尽くすことの大切さ」、「集中して粘り強く頑張ることの大切さ」、「仲間で支え合うことの心強さ」、そして、「がんばればできるという自信」、「気持ちを前向きに明るく頑張ることの楽しさ」などなど…、今確かに3年生全体の「学年風土」として、それぞれの子どもたちの自分を高める「生きる力」として輝き始めているなと感じています。

頑張り続ける子どもたちにも、子どもたちに安心感を与えながら導いてくれている担任のS先生、M先生にも大きな拍手を送りたくなる、そんな体育の授業でした。

 



12:42
2024/12/18

「こんなことでヒーローに!?~2年生 昔遊び~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

いよいよ2学期も終わりが見えてきました。今、市内の学校においてはインフルエンザ等が猛威を振るっていて学年閉鎖等も出ているような状況がありますが、本校は今のところ風邪欠が多いものの、インフルエンザ等の流行、感染拡大の状況には至っていません。このままひどい状況に至らず、無事に2学期が終えられることを願っています。

さて、この時期の子どもたちは、何となく浮足立ってくるというか、目の前に迫った冬休みやクリスマス、家族行事が待ち遠しくてしかたない様子が伺えます。登校の様子はいつもより活気があって、あいさつの声もいつもより少し元気になっています。先生方の指導もあって、ちゃんと手袋をしてくる子が増え、ポケットに手を突っ込んで歩いている子はかなり減りました。6年生のSNさんとTTさんの「朝のボランティアそうじ」もきちんと続いていて、最近はS兄弟も仲間に加わり、寒い中でせっせと落ち葉の始末をしていてくれます。彼らのがんばりが嬉しい限りです。

 

どこの教室も「学習のまとめ」や「2学期の振り返り」をしている風景が増えました。1年生の教室は、「まとめのテスト」に集中して挑んだり、「クリスマスカード」づくりをしたり…そしていつもの通り「すき間時間」には落ち着いて「読書」に浸る子どもたちの姿がありました。


 

そのとなり、2年生教室をのぞくと、何やら楽しそうな声がしてきます。子どもたちが「昔遊び」を楽しんでいました。私(校長)は、前から「昔遊び」って言葉がなんとなく気に入りません。「昔遊び」と言われると、「昔はやっていたけど、今はしていない遊び」みたいなイメージを持ってしまうからです。だから正確には「昔ながらの遊び」とか「昔から伝わる遊び」=「伝承遊び」と言うべきものだと思っています。「昔遊び」…いや「伝承遊び」は、今も子どもたちの「健やかな育ち」にとても有効な遊びだと思っています。

今日、子どもたちが楽しんでいたのは、「こま回し」と「けん玉」と「あやとり」の3つ。「けん玉」や「こま」はそれぞれの子どもたちが自分で用意したものだったのか、いろんなタイプのものがありました。「こま」は園時代から使っていたものでしょうか。芯も木でできた木製の軽いこまが多く、鉄芯のこまを持っている子は少なかったような気がします。


 

しばらく遊んでいる様子を見ていましたが、まだまだ子どもたちは「へたっぴ」で“初心者マーク”って感じです。もう少し練習して、上達しないと「楽しむ」というところまで到達できません。

たまりかねて、「ちょっと校長先生に貸してみ。」といって、「こま」を手に取り、一瞬でひもを巻いて、ぶるんと腕を一振りして、宙に舞った「こま」をそのまま手のひらで受けて、手のひらの上で回したかと思うと、そのまま手に渡したひもの上で「こま」を綱渡りさせてみる…。次の瞬間、子どもたちから大きな歓声が上がります。「すげ~っ!校長先生、名人や~!神業や~!!」と大絶賛の声。ほんの数秒で私(校長)は子どもたちのヒーローになれました。

次は、「けん玉」コーナーに行って、同じように「ちょっと校長先生に貸してみ。」と言って、一発で「止め剣=持ち手の「剣」を、玉の穴に入れる技」を決めてみる。またもや、子どもたちから「校長先生、すご~い‼一発で入れやった~。達人や~‼」と称賛の嵐…ここでもスーパーヒーローになれました。

私(校長)の世代にしてみたら「造作もない簡単なこと」が、子どもたちにしてみたら「魔法」に見えてしまうのがなんだかおかしかったです。「昔取った杵柄」という言葉がありますが、それではなくて、「小さいころから、遊びで鍛えてきた甲斐性がちゃいますわ!」って言いたい感じです。

「昔遊び」改め「伝承遊び」には、大きく「5つの効果」があると言われています。

効果1:脳の発達を促す…昔遊びには、五感を刺激する遊びが多くあります。また手先を細かく使うものも多数あるため、脳への良い刺激となり、脳の発達を促してくれます。

効果2:創造力を育む…昔遊びはおおまかなルールは決まっていても、遊ぶ人数や場所などに応じて、臨機応変にルールを変えやすいものが多いです。いっしょに遊ぶみんなが楽しめるよう、遊び方を変える経験は創造力を伸ばすことにもつながります。

効果3:集中力を伸ばす…あやとりやけん玉など、昔遊びには初めのうちは上手くいかないものも多いですが、練習を重ねれば上達していくもの。そうして努力する中で、楽しみながら集中力を鍛えられます。

効果4:身体を鍛える…昔遊びには、身体全体を使う遊びも多くあります。そんな遊びを繰り返す中で、子どもの身体能力やバランス感覚などを鍛えることができます。特にこま回しやけん玉は、体幹を鍛え、バランス感覚や協調運動能力を高めます。

効果5:コミュニケーション能力を育む…昔遊びは複数で遊ぶものが多く、友だちといっしょに遊ぶ中で、協調性やコミュニケーション能力の向上も期待できます。

(知育・幼児教育情報 oriori HPより一部引用)

 

年が明けると、1年生が「凧づくり・凧あげ」に挑戦すると聞いています。凧を作るだけでなく、自然の「風」に対する理解や感覚も身につけながら、がんばって楽しく遊んでほしいなと思います。

まあ、私(校長)は、百均の園芸ポール(180cmぐらい)なんかを骨にして、「巨大凧」でも作ってやって、1年生みんなで揚げられるようにしようと思います。また今度もヒーローになれるでしょうか…。


15:27
2024/12/17

「冬場はやっぱり縄跳びです~1年生初めての縄跳び体育~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昔から冬場の運動と言えば、「縄跳び」と相場は決まっていました。「なぜ冬場に?」と改めて考えてみると、「外遊びがしにくくなる季節でも縄1本あれば、どこでも気軽にできる運動だから。」、「単純だけれども運動量が多く、寒い中でも効率的に体温が上げられ、体力づくりにぴったりだから。」…そんな理由が思いつきますが、よくよく考えてみれば「縄跳び」という運動は、じつに「効果」がたくさんある運動であることに気づきます。

なわとびは体の47種類ほどの筋肉を使う全身運動らしく、特に上半身をまっすぐに保って跳ぶことで、下半身と体幹を鍛える体幹トレーニングとして最適です。当然調子よく跳び続け、跳躍に合わせてタイミングよく縄(腕)を回転させることでリズム感やバランス感覚、協調運動能力が鍛えられます。もちろん、有酸素運動ですから持久力や心肺機能も高められるわけです。

こんなにいいこと尽くめの「縄跳び運動」ですが、本校の子どもたちの中では、そんなに盛り上がっている感じはありません。学校によっては、冬場は、休み時間になると全校がひたすら「縄跳び」に燃えるような雰囲気がありますが、これも「校風」というか「伝統」的な要素が強いのかもしれません。運動会と一緒で、高学年が「めっちゃ縄跳びがうまい!すごい技をする!」というような「憧れ」の姿を示せると下学年がそこをめざして頑張る…みたいな運動文化が生まれるのかなと思います。

さて、今日の3校時、1年生が初めて体育での「縄跳び」を始めました。1年生の子どもたちはそれぞれに縄跳びと「縄跳びがんばりカード」を携えて体育館に集合しました。

 

1年生は教室でも体育館でも、「授業規律」がきちんとしているのが、いつもいつも気持ちいいです。「これから体育の学習を始めます!」の当番の元気な声で始まり、「はい!お願いします!」「お願いします!」という気合の入ったコマンドから授業を始めます。三角座りで説明を聞く姿勢も、先生の手本に合わせて、きちんと準備体操する一生懸命さも、本当に素晴らしいです。どうかこんな「真面目さ」や「一生懸命さ」が、学年が上がってもダレることなく、学習の「規律・文化」として継続させていってほしいと心から願います。


1年生の子どもたちは、園時代から「縄跳びあそび」をしてきたので、縄跳びが全く初めてという子はいないと思いますが、小学校では、「自分のめあて」や「できるようになりたい技」を明確に持って、ある程度「長く跳び続ける」ということも大事に「縄跳び」に取り組みます。そして、自分の頑張りの足跡を「なわとび頑張りカード」に残していきます。

1年生の縄跳びで大事なのは、まずは「縄の長さ」です。縄の真ん中を踏んづけて、縄の持ち手を体(胴)につけたときに、持ち手の高さが「おへそ」くらいから「乳首」の間くらいになるように調節します。それ以上長いと、縄が回しにくく、腕全体を回したり、脇を開けて縄を回したりするような跳び方になるので長く跳べませんし、縄を速く回せません。また、短すぎるとストレート系の技(前跳びや二重跳びなど)は跳べても、クロス系の技(あやとびやつばめ返しなど)がやりにくくなります。まずは、「縄の長さ」をきちんと自分に合う長さにすることが大切です。

 

早速今日から、3人一組になって、お互いの跳んだ回数を数え合って、跳べた数を「なわとびがんばりカード」に書き込んでいました。跳んだ数を正確に数えることも、カードの記入の仕方も1年生には結構な「学習」になります。

縄跳び運動は、1分跳んだだけでかなり疲れますし、新しい技をマスターするためには、根気強く粘り強く練習を続けないと上達しません。いっぱいいっぱい練習して、やっと新しい技が跳べた時の喜びをどの子にも味わってほしいなと思います。大人になった今でも、初めて「二重跳び」や「三重跳び」ができた日の嬉しさはよく覚えているものです。

今の時代の子どもたちにとっては、「単純」「しんどい」「継続しないと上達しない」というような運動は魅力が薄いのかもしれませんが、こんな時代だからこそ、「自分を鍛える」、「しんどくても粘り強く続ける」という力を、縄跳びを通してつけていってほしいなと願っています。


14:31
2024/12/16

「お米づくりには無駄がない~5年生注連飾りづくり~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

毎年度、滋賀県の5年生は「たんぼのこ」学習に取り組むことになっています。市役所の農政部局や農業委員会、JAさんなどの協力を得ながら、子どもたちは豊かな体験学習をさせてもらっています。特に「稲作体験田」を管理して(実質お米づくりをして)いただく種村さんや地域コーディネーターの奥さんには年間を通じてずっとお世話になっています。

さて、今年度の「たんぼのこ」学習は、例年よりも充実した学習が行えたと思います。下手をすると、子どもたちは「田植え」と「稲刈り」だけをさせてもらい、春から秋にかけてほんの数回、田んぼの観察にでかけるくらいで終わってしまうことがあります。いわゆる「いいとこ取り」の学習で、本来学ぶべき「お米づくりの苦労や努力」そして「お米づくりの大切さ(尊さ)」について十分実感や理解ができないまま終わることがあります。

その点、今年度は「お米づくりの苦労や、大切さについてしっかりと体験的に学ばせたい」という二人の担任の熱意のもと、「田植え」と「稲刈り」だけでなく、刈った稲を天日乾燥させる「はさがけ」や昔ながらの足踏み脱穀機を使った「脱穀」、そして今日もみ米を取った後の「藁(わら)」を使って、お正月に飾る「注連飾り」を作りました。

 


注連飾りづくりを指導してくださったのは、地域コーディネーターの奥さん率いる建部北町&日吉の米づくりの達人5名の皆さんです。注連飾りを作るためには、藁を「縒る(よる)または綯う(なう)」=(何本かをねじり合わせて1本にする)必要があるのですが、これがとても器用さを必要とする技なのです。さすがにこれを子どもたちがいきなりするのは無理があるので、実は数日前に、班に1~2人の子どもたちは5年生を代表して、奥さんから事前にレクチャーを受けているのです。そうすることで、今日は子どもたち同士が教え合いながら、スムーズに注連飾りづくりが進められるようになっていたのです。

 

「注連飾りづくりをするのは、今年の5年生が初めてやで。」と言われると、「やったー、めっちゃラッキー!」と喜んでいる子どもたち…。この難しい作業に嬉しい気持ちをもって、一生懸命取り組める子どもたちは、すでに「米づくり」の大事な部分を理解できているんだなと感心しました。

達人たちのように、きれいでしっかりした注連飾りはできませんが、子どもたちは自分たちで創った注連飾りにとても満足そうな表情を浮かべていました。

 

  「お米づくり」の大切なこと…。お米は、長い歴史の中で、この国の人々の「命」や「生活」を支える中心にあったもので、それは人々にとって「なくてはならないもの」であり、「少しも無駄にしてないけない貴重なもの」であり、暮らしを支える「財産」でもあること…。「お米づくり」には一切無駄がない。いや、一切の無駄も許されない。「八十八」の苦労を重ねて、お米を育て、もみ米を取った後の「藁(わら)」は、わらじや筵(むしろ)、籠(かご)、や縄などに姿を変えて生活必需品となる。「もみがら」は緩衝材や燃料になり、玄米を精米した後に出る「糠(ぬか)」は漬物をつける糠床(ぬかどこ)となる。捨てるところは一切ないのが「お米づくり」なのです。米粒(白米)だけが貴重なのではなく、「稲」のすべてを無駄なく活かす…それが「お米づくり」の本質であり、そこを学んで初めて「たんぼのこ」学習の値打ちがあると私(校長)は思っています。

注連飾りづくりの後、達人たちに校長室で休憩してもらった時の話です。ある達人が、「校長先生、一人の子どもが、『これ、お米一粒落ちてました。』といって持ってきてくれたんですわ。「米一粒」を大事に拾える子どもの気持ちが、すごく嬉しかったですわ。」とおっしゃられて、子どもから預かった「米一粒」を校長室の机に置かれました。その話を聞いて、今年の「たんぼのこ」学習は、本当に意味のある学習になったなと、つくづく思いました。来年度は、さらに「もみがら」を使った焼き芋づくりと、「米糠」を使った漬物づくりができると、コンプリートです。

 


17:52
2024/12/13

「みんな北小の子 みんな仲間です!~養護学校との副籍交流~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日は、3年生教室で、八日市養護学校との副籍交流があって、3年生の子どもたちと、いつもは養護学校に通うTさんが一緒になって「共同学習(交流学習)」を行ないました。

 

「副籍」という言葉は聞きなれないかもしれませんが、昨年度から本格実施された新しい就学の制度です。つまり、主となる在籍(主籍)は養護学校にあるのだけれども、もう一つの籍(副籍)を地元の学校に置くことができる制度です。副籍を取得すると、年間数回、地元の学校で、地元の友だちと一緒に「共同学習」を行うことができます。単なる「交流」では、ありません。「学習」を一緒に行うのです。だから、「副籍交流」には、養護学校の先生も来られて、しっかりと学習の様子を見守られます。

Tさんは、昨年度から「副籍交流」を行っています。もう数回「共同学習」を行っているので、他の子どもたちともずいぶん打ち解けています。子どもたちもTさんが学校に来てくれると、「Tく~ん!久しぶり!」と歓迎ムード一色になります。昨年度は「音楽」や「体育」などで共同学習を行いましたが、今回は「学活」で「冬まつり(遊び屋台村)」を行ないました。「北小フェスティバル」の学級バージョンというところでしょうか。ボウリングや的当て、音当てクイズなど、いろんなゲームをみんなで楽しみ合う活動でした。Tさんもみんなと一緒に、いろんなゲームに挑戦していました。


私(校長)は、この副籍の制度はとてもいい制度だと思っています。なぜなら、「副籍」であっても、Tさんは、この北小に籍を置く「北小の子」であり、決してゲスト(お客様)ではない「3年生の子どもたちの仲間(級友)」になるからです。北小の子であり、級友ですから、教室にはもちろんTさんの机もありますし、ロッカーもあります。昇降口の下駄箱にもちゃんと名札が貼られています。みんなと同じです。毎日会える友達ではないけれども、これからもずっと一緒に頑張っていく仲間なのです。

北小にはもう一人、1年生にも「副籍」のあるNさんがいます。Nさんも1年生の仲間として、これから6年間一緒に育っていきます。TさんやNさんが、時々こうやって北小に来てくれて、みんな一緒に学習したり遊んだりできることを本当にうれしく思います。これからも北小に「副籍」を置いてくれる子どもたちが増えていったらなと思います。


14:36
2024/12/12

「やっぱり“生”の音は素敵です!~木猫隊 音楽コンサート~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は本校の「芸術鑑賞」の日。2時間目に体育館で「木猫隊」による音楽コンサートを全校で鑑賞しました。「木猫隊」は東近江地域を中心に活動されている、オーボエ、クラリネット、サックス、ホルン、トロンボーン、ユーフォニアム、ピアノで編成されるウインドアンサンブルバンドです。それぞれに仕事を持ちながらも、子どもたちや地域社会のために、精力的に音楽活動をされています。「子猫」でなく「木猫」なのは、きっと「木管楽器」が中心の楽団だからだと推測します。

もともと、本校の子どもたちは、みんな「音楽」が好きなんだなと、普段から感じています。廊下で歌う声がよく聞こえてきますし、放送で流される音楽に合わせてリズミカルに体を動かしている(踊っている)姿も割とよく見ます。運動会でもダンスが好きな子はとても多いですし、音楽室から聞こえてくる歌声は、いつも明るく元気です。全校の前に立つたびに、突然歌いだす私(校長)の歌も、ちゃんと聴いてくれてます…。もちろん、「♪そして輝く ウルトラソウル!」と叫ぶと、子どもたちみんながノリよく「ヘイ!」と返してくれます。

 

今日は、基本的にピアノ、クラリネット、ソプラノサックス、ホルン、トロンボーンの5人編成で演奏をしてくださいました。大編成の吹奏楽団やフルオーケストラのような、大音量で迫力があり、超高音から重低音が響くような音楽ではないですが、素朴で柔らかく、あたたかさを感じる音楽をたっぷり聴かせていただきました。

 

最近の音楽は、音源がとても豊富で、テンポがすごく速くて、どこで息継ぎをしたらいいのかわからないような韻を踏む早口言葉的な曲が多いような気がします。歌の振り(ダンス)や「リズム」、「ノリ」の魅力が子どもたちの心をかき立て、躍らせる感じがあります。

それらの音楽に比べて、弦楽器や管楽器の音楽は、「音」自体が体や心に響くというか、すーっと入ってくるというか…「心地いい」という感覚になります。

特に、すぐ近くでその「生音(なまおと)」を聴かせてもらうと、音の温かみや、演奏者の息づかいまでをもダイレクトに感じられるのが、なんとも言えない「心地よさ」なのかもしれません。

 

今日、「木猫隊」の皆さんは、子どもたちがよく知っている定番ソングやアニメの曲をたくさん演奏してくださいました。しっている曲ばかりなので、とても親しみを感じながら鑑賞することができました。コンサートの途中から、アニメソングの演奏に合わせて、下学年の子どもたちが歌を歌いだしました。その歌声が、どことなく「えんりょがち」で、演奏の音がかき消されないように、演奏に「沿う」ような感じで子どもたちが歌っています。結果として、演奏の音と子どもたちの優しく柔らかい歌声が一体となって、この北小でしか生まれない素敵な曲が奏でられた…そんな素敵なコンサートでした。

 

楽しいコンサートの時間はあっという間に過ぎ…コンサートの終わりには、「アンコール」がかかって、最後は「ジャンボリーミッキー」が演奏され、我慢できなくなって踊りだす子どもたちも出てきました。

素敵な演奏で、楽しませてくださった「木猫隊」の皆さんに、運動会で応援団長を務めたITさんとNYさんからお礼の言葉と花束が贈られました。

今日の音楽鑑賞は、長い2学期を頑張りぬいた北小の子どもたちへの、ちょっと早い「クリスマスプレゼント」になりました。


15:35
2024/12/11

火はつけるものではなく、育てるものです 4年生もりのこ学習最終日

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は朝からお天気にも恵まれ、4年生が気持ちよく最後の「もりのこ学習」を楽しむことができました。一年を通じて何回もお世話になった「河辺いきものの森」。今日もスタッフ総出で子どもたちに貴重な体験をさせてくださいました。

最後のもりのこ学習は、「森林の恵み」である落ち葉や小枝、間伐や下草刈りで切った木や枝、そしてそれらを使って作った木炭などを使って、自分たちでかまど(BBQグリル)に火を起こし、炭に火を移し、最後はその炭火でウインナーソーセージをあぶり焼きにして食べるという体験学習です。実にシンプルで、目的が明確です。

現代の子どもたちは、家族でBBQをすることはあっても、森にあるものを使って一から火を起こす経験はほとんどしたことがないと思います。マッチを擦ることすら今までしたことがない子がいたかもしれません。石油ファンヒーターのスイッチを押せば…、ガスコンロのつまみさえ回せば「火がつく」便利な生活…いや、今やエアコンやIHが主流ですから家の中に「火」や「炎」はもう存在しないかもしれません。


そんな時代の子どもたちが、自然のものだけで火を起こす…それは簡単なことではありません。「何から始めたらいいのか。」「焚き付けや薪(たきぎ)を、どういう順番で、どんなふうに組んでいくのか。」、「マッチの火は、どこに着火するのか。」、「そもそもマッチはどうやって擦る?」、「どこをどう煽げば、火は大きくなり、何をどうすれば炎を落ち着かせることができるのか…。」…。私(校長)のような昭和の人間にとっては「あたりまえ」、「日常茶飯事」のことですが、子どもたちにとっては「未知」のことだらけです。小学校高学年の理科の知識があれば少しは「科学的」にチャレンジできるかもしれませんが、4年生にとっては「試行錯誤」しかありません。

 

いきものの森の「火の神様」の助けも借りながら、どこの班もなんとか無事に火起こしと炭火づくりができたようですが、ここまでくるまでに子どもたちは、けっこうな「試行錯誤」を繰り返したと思います。「ソーセージを焼いて食べる」という明確な「目的」があるからこそ、火をつけるという「課題」に対して、粘り強く「試行錯誤」ができます。やはりこれが「学び(学習)」の本質です。

一から火を起こすには、まず焚き付けとして、杉葉や枯れ葉が必要で、その上に小枝を空気が入るようにすき間を開けながら置きます。マッチで杉葉等に火をつけ、そうっと息を吹きかけて、小さな炎を少しずつ大きくし、小枝に火が移るようにします。その後、小枝より少し太い枝を上に組み、下から空気を送り込むように団扇で煽ぎ、しっかりと枝に火をつけます。最後にしっかりした太い薪(たきぎ)に火がつけばOKです。「火を起こす」というのは、何か簡単で手っ取り早い方法があるわけではないので「火をつける」というよりも、小さな火種から少しずつ大きくしていく…いわば火は「少しずつ大きく育てていく」という感覚が大事だと思います。


無事に炭に火が起こせて、お待ちかねのソーセージの焼き焼きタイム。一人1本半のソーセージを大事そうにじっくりじっくり焼いていきます。「まだかな…もういいかな…。あ~でももうちょっと焦げ目つけた方がおいしいかな…。」心の中で葛藤しながら、どこかで踏ん切りをつけて「パクッ!」。

「あ~美味しい!家で食べるより断然美味しい!」…子どもたちの満面の笑みが広がります。

 

現代の生活の中で、直接火を扱うことはほとんどなくなりましたが、やはり「火」は人類の進化の「真ん中」にあるものだと思います。「火」で暖をとり、「調理」をし、巻きが燃える「音」や炎がめらめらと揺れる「揺らぎ」に癒されて…数千年数万年。「火」の恩恵と必要性は、もはや人間のDNAに組み込まれているのでは…と考えたりします。

 

「火」がとても有用なものであることを学ぶ半面、「火」はとても危ないものであることも学んだ今日の体験学習。子どもたちの心に残る意味ある体験になったと思います。偶然ですが、今日の給食のおかずは「ソーセージ」でした。4年生の子どもたちにとって、どっちの「ソーセージ」が美味しかったのか…“言わずもがな”ですね。



19:26
2024/12/10

「冬の朝の風景 ~健気に続けるところに心打たれます~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

日に日に朝の冷え込みが厳しくなり、防寒着が手放せない季節になってきました。人一倍寒がりな私(校長)は、すでにベンチコートをまとっています。登校してくる子どもたちも冬の装いに徐々に変わってきていますが、最近気になるのは、かじかむ手をポケットに突っ込んで歩いてくる子が増えたこと…。とっさの時に手が使えないので、転倒したりすると顔から落ちます。「危ないから寒いんやったら手袋しーや。」と声をかけますが、悪気なく普通に「めんどうくさい。」と返す子もいて…、これは困ったものだと思い、各学級で「寒い時はきちんと手袋をして、ポケットには手を突っ込んで歩きません。」という指導をしてもらいました。また、薄着(Tシャツ等)の上に直に外着(厚いジャンパー等)を着てきて、教室が寒いと外着を着たまま授業を受けている子が結構いて…、これも困ったものだと…、「教室では外着は脱ぎます。教室で脱いでも寒くないように着る服を調整しましょう。」という指導も一緒にしてもらいました。

さて、どんどん寒さが増してくる朝の風景ですが、その寒さを一時(いっとき)忘れさせてくれるような「温かな風景」も結構あって、最近心はとても温かで幸せです。一つ目の「心ぽかぽか」は6年生のSNさんのボランティア掃除の風景です。

6年生のSNさんは、毎朝登校すると、校門付近の掃除をしてくれます。もうかなり続いています。というか、だんだん清掃範囲を広げていってます。

 


最初は、校門のレールの溝にたまる落ち葉やごみを取っていてくれました。ほうきや火ばさみでとれない小さなごみは、素手(指)で掃除していてくれました。頼まれたわけでもないのに、自分で掃除道具を出してきて、一人黙々と作業します。こんな日が数日続いたでしょうか…。


ある日SNさんは、ほうきをもって、駐車場の方へ出ます。駐車場の門のところにたまっている落ち葉が気になったようです。それから2,3日駐車場の落ち葉はきを頑張っていてくれます。だれも頼んでいません。すべてSNさんの自己判断と自主的行動です。今日は、そこに同じ6年生のTTさん加わりました。今日までTTさんは、毎日SNさんが掃除をしているのを、興味深そうに眺めたり、そばに行ってちょっと手伝ったりしていましたが、今日は自分でほうきを取りに行って、2人で一緒に頑張ってくれました。明日からは2人のボランティア掃除が続いていくのでしょうか。

SNさんのえらいなと思うところは、「ひとつのことを黙々と続けること」と「自分で考えて自分で行動を決める」という点です。地味な活動だからこそ、とても値打ちのある活動だと思います。こういう姿に心動かされる子どもたちが増えていったらなと思います。

集団登校が一通り落ち着くと、その後は遅れてくる子がやってくるのを校門で待っています。特に6年生は卒業まであとわずか…、遅刻しないで、きちんと集団登校のリーダーとして、しっかりと登校してほしいと願いながら、始業時刻になるまでは信じて待つようにしています。

8時15分くらいになると、私(校長)に2回目の「心ぽかぽか」がやってきます。学校の校門近くのバス停から、ある子ども園の通園バスに乗る4歳児の〇〇ちゃんがいます。毎朝お母さんとバス停までやってきて、通り越しに「校長先生~!おはようございます~!」と大きな声であいさつをしてくれます。「〇〇ちゃん、おはようございます!寒くないですか~?」…「だいじょうぶ!寒くないです。」と言葉を交わします。私(校長)の心は、〇〇ちゃんの元気な声で一気に温められます。毎日のあいさつのやりとりが、毎日の楽しみになっています。

〇〇ちゃんの通園バスを見送り、始業時刻になったところで昇降口に入り、そこから全校児童の下駄箱の整頓に入ります。一番奥の3年生の靴から順番に「かかとぎり=靴のかかとと下駄箱の端を合わせること」の位置に整えていきます。下駄箱の整頓を始めてからだいぶ経ちますが、確実に子どもたちの下駄箱は整ってきています。少しずつ少しずつ…本当に少しずつ子どもたちの靴が“落ち着いて”きています。「靴が整う」は「心が整う」です。私(校長)はこれを信じて疑いません。

順番に整えていって、最後が1年生の下駄箱。6年生の靴を整えてから、1年生の下駄箱の方にくるっと回る時、3回目の「心ぽかぽか」がやってきます。

ここ1週間、1年生の下駄箱は私(校長)が整頓する必要はありませんでした。完璧に揃っていて、本当にすきっとしていて気持ちがいいです。この風景を見るのが本当に楽しみになってきました。

少し前「いったいこれはどうしたことだろう…。」と思って、こそっと観察していたのですが…、実は1年生の何人かが「みんな」の分を全部整えているのです。はじめは、ある2人が始めてくれたのですが、少しずつ人数が増えて…。今日1年生教室で、「朝、下駄箱は誰が整えてくれたの?」と聞くと10人近く手を挙げてくれました。「本当に気持ちいいよ。ありがとうね。」と丁寧にお礼を言いました。

寒い朝の温かな風景…もっともっといろんなところで、いろんな人の心が温まる風景が広がるといいなと願っています。


16:34
2024/12/09

「自分の夢が描けたかな…~6年生キャリア教育『夢訪問』~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

毎年6年生が取り組んでいるキャリア教育『夢訪問』では、いろんな分野のプロフェッショナルに来ていただき、それぞれの仕事の魅力ややりがい、仕事をしている中での苦労や努力等についてお話を伺い、自分たちの将来の職業や夢について考える学習を重ねています。

今年度も、警察官・建築家・元プロ野球選手・消防士・カフェ経営者・ニードルワーカー・図書館司書・理容師の8つの分野(仕事)のプロにお越しいただきました。今日は、『夢訪問』の最終日で、小菅さんをはじめとする7名もの理容師さんが来てくださり、「理容・美容」の仕事について、やりがいや大切にしていることをお話しくださるだけでなく、実際に子どもたちに髪を切ったり、顔を剃ったりする理容の仕事を体験させてくださいました。

 

前半のお話(講演)では、「理容・美容は、やはりクリエイティブ(創作的)な要素が大きく、お客様のために最高の仕事ができるように努力している。」、「理容・美容は、お客さんの人生の節目や門出をお手伝いできる素晴らしい仕事です。」、「理容師は、日々新しいこと(センスや技術)を学び続けることが大切です。仕事が終わってからも毎日勉強します。」などの言葉が印象的で、とても深いなあと思いました。

また、「人や社会の役に立つ」、「人の人生や生活を豊かにする」ということは、どんな仕事でも共通して言える「仕事の意義ややりがい」であり、「いい仕事をするためには、努力し続けないといけない。学び続けないといけない。」ということもすべてのお仕事に必要不可欠なことだと改めて思いました。

 


お話(講演)の後は、理容(カットやセット)のデモンストレーションを見せていただきました。モデルは担任のK先生とF先生。このデモンストレーションは、「ちょっと触りだけ…」というものではなく、本当にガチの実技でした。F先生はかなり髪を切って、きれいに素敵に巻いてももらいましたし、K先生はモデルさんのような髪型に仕上げてもらいました。(見ようによってはスーパーサイヤ人っぽい感じ…)

会場の体育館には、実際に使う「はさみ」や「かみそり」なども並べていただき、この仕事にはとても道具が大事なことや、理容師さんが本当に道具を大切にされていることがよく伝わってきました。

後半はいよいよ、子どもたちがハサミとくしを使って、髪の毛を切ったり、かみそりを使って顔を剃ったりする体験をさせていただきました。普段「紙を切る」のに使っているはさみとは、持ち方も動かし方も違っていて、とても難しい体験でしたが、めったにできることではないので、子どもたちはいろんな体験に積極的に挑戦していました。

 

「子どもたちのお役に立てるなら…。」という気持ちで、本当にたくさんの地域の方々がこの「夢訪問」の学習に協力してくださっています。もちろんそれぞれに「自分がしている仕事の魅力やよさを伝えたい。」という気持ちもあると思いますが、それよりもやはり「子どもたちのためになるなら…」という気持ちで、お仕事が忙しい中を、またお休みを返上してまで、子どもたちのために時間と手間をかけてくださっていることに心から感謝申しあげます。この「夢訪問」を通して、子どもたちが将来の仕事や自分の生き方について、ぼんやりでも夢や目標が持てたらいいなと願うと同時に、「今、自分たちは、地域のいろんな大人(皆様)にお世話になりながら学んでいる、育っているんだな…。」ということも感じてくれたらなあと思います。

今日一日、「スーパーサイヤ人」で過ごすことになったK先生…。他の学年の子どもたちにもいろいろと突っ込まれることになるでしょうね…。


15:53
2024/12/06

「人権週間のまとめとして~友だち集会~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、朝から全校児童が体育館に集まり、いつもの児童集会(全校集会)をしたあと、そのまま人権週間のまとめ的な集会となる「友だち集会」が開かれました。

冒頭、「校長先生の話」の時間をもらったので、いつものように「歌から始まる♪校長講話」をさせてもらいました。

歌った歌は、野口雨情作詞の「しゃぼん玉」です。♪しゃぼん玉とんだ 屋根まで飛んだ・・・♪という童謡です。♪しゃぼん玉 消えた 飛ばずに消えた 生まれてすぐに 壊れて消えた 風風吹くな しゃぼん玉とばそ♪…しゃぼん玉というのは「生まれてすぐ亡くなった赤ちゃんの命」だと話しました。「家族や先生たちは、皆さんの小さな命がこのまま健やかに育ってくれることを心から願っています。あなたたちの命を脅かす“風”=「病気」や「犯罪」、「事故」、「災害」、「子どもたちの心を傷つけるもの」…そんなものが吹かないように、いつもいつも心から願っています。」そんな話をしました。低学年の子には少し難しかったかもしれません…よく分からず笑っている子もいましたが、さすがに上学年は、歌詞の意味を知って、歌に込められた家族や周りの大人の思いを分かって、少しじぶんの「命」について見つめ直してくれたようでした。

 

次に、にじ教室に通う外国にルーツをもつ子どもたちが、自分たちの国について紹介してくれました。母国語で流暢に説明してくれた後、それを日本語に翻訳してもう一度説明してくれました。翻訳がなかったら、私たちには、なにも意味が分からない説明になっていたと思います。よく考えてみれば外国にルーツを持つ子どもたちは、毎日よく意味の分からない日本語の説明ばかりを聞き、十分に翻訳もしてもらえない中で、それでも必死で理解しようと頑張っているんだということが再認識できました。にじ教室の子どもたちが、堂々と流暢に母国語で話す姿がとても格好よく見えました。彼らはすでにバイリンガルです。すごいです。彼らの母国の生活や学校について、大きな世界地図の中にまとめられたものが職員室前に掲示されました。日本との千賀がよくわかるようにまとめられています。ぜひ、見てあげてほしいと思います。

 


 最後は、各学級の代表者が、それぞれの人権作品(標語・ポスター・作文)を発表してくれました。特に、運動会の応援パネルづくりの時の「心の成長」を書いた6年生のYYさんの作文がとても心に残ったので紹介します。

 

「みんなで協力したパネル作り」

私は、運動会の準備で、「パネル作り」グループに入りました。もちろん最初は、みんなの意見がまとまりませんでした。「もっとこうがいい。」「これはいやだ。」など、自分の意見ばかり言って、ほかの意見を聞こうとしませんでした。私もその中の一人でした。他のグループはどんどん完成に近づいていくのに。私は、パネルを作る時間がいやになりました。ですが、ある時、自分の意見しか言っていなかった自分に気が付きました。周りには、私に負けず自分の意見を言っている人や、あきらめかけている人もいました。私は、以前の自分に後悔しました。ですが、後悔よりも、そのことに気づけたことのほうがうれしかったです。あのまま言い合いを続けていたらどうなっていたか、考えただけで怖くなってしまいます。私は、みんなの意見をたくさん聞きました。私の変化に気づいたのか、あきらめかけていた人も自分の意見を言っていた人も、みんなで協力するようになりました。

パネルに色をぬり始めたころ、私は改めてパネルの出来栄えを見ようとしました。ですが、パネルを見るよりも先に、みんなの真剣な眼差しに驚いてしまいました。もちろん、パネルの絵もすごく上手でした。私も、みんなのおかげで、やる気やうれしさが込み上げてきました。そして、運動会が終わり、パネルの前に立ってみると、パネルを作っていた一日一日が頭の中で音楽みたいに流れてきました。私は、パネルグループに入ってよかったと思います。パネルグループにいたみんなもそう思っていてくれるといいなと思います。

これからは、自分の意見も言うけど、相手の意見もちゃんと聞こうと思います。そのパネルは、今でもきっと光り続けていると思います。

 

運動会という大きな行事、ややもすると競技や演技ばかりに関心がいきがちですが、「応援」の中の一つの役割である「パネルづくり」に一生懸命取り組む中で、いろんな心の葛藤にもがきながらも、自分の心をひとつ成長させることができたと思えるYYさんが素敵です。

 

集会の終わりは、K先生が締めくくってくれました。「みんなが楽しく、幸せに学校生活を送るためには、『見えないもの』を見ようとする気持ちが大事である。」とまとめてくれました。見えているものだけに振り回されているようではだめですね。よく見ようとしなければ決して見えてこない「教室の仲間の気持ち」…そこがちゃんと見えてくると、みんなで支え合えるんですよね・・・。K先生の言葉が身に沁みます。今日の「友だち集会」の子どもたちの感想や、人権学習のまとめとして一人ひとりが書いた「人権宣言」が楽しみです。


15:58
2024/12/05

「北小絵本ボランティアさんによる『おはなし会』」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日の昼休み、絵本の読み聞かせボランティアさんたちによる、第1回「おはなし会」を開いていただきました。この企画は、いつも「読書の時間」に各教室に絵本の読み聞かせに来ていただいているボランティアさんたちと図書司書のY先生、そして教頭先生が、普段の読み聞かせだけでなく、何か特別な読み聞かせイベントができないか…と考えてくださり、今回「ちょっぴりはやいクリスマス」と題して、「おはなし会」を開いてくださいました。会場の飾りつけは、前日の夕方、Y先生とスクールサポートスタッフのSさんが可愛く丁寧に準備してくれました。

昨日のロング昼休み。集まった子どもたちは低学年を中心として50人ほど…。初めての「スペシャルおはなし会」に、「何が始まるんだろう…?」とわくわくしながら待っていました。


クリスマスにちなんだ絵本の読み聞かせをしたり、お手製の紙芝居「ゆうしゃ(勇者)まさのりくん」を披露したりしてくださいました。ページがめくられるたびに子どもたちは、お話に引き込まれていき、「わあ~!」、「へぇ~へんなの~?」、「それはないわ~」などと自然と反応したり、突っ込んだりしていました。


お手製紙芝居「ゆうしゃ まさのりくん」は、イラストも全部手描きでとても手間がかかっていました。このお話は、完全オリジナルではなく、私(校長)が子どもの頃からある有名な絵本(お話)をなぞっているもので、主人公の名前を私(校長)にかえてつくりなおしたものです。

今回の「おはなし会」は、北小支援ボランティアの皆さんが中心になって実施してくださったことにとても大きな意味があると思っています。北小の学校目標は「みんなが楽しい!八日市北小学校」です。この「みんな」という言葉には、子どもたちや先生たちだけでなく、保護者の皆さんや地域の皆さんも含まれています。保護者や地域の皆さんも一緒になって…つまり、皆さんにもっともっと学校に関わってもらって、子どもたちのことを知ってもらい、「めざす子ども像」を共有しながら一緒に教育活動を進めていける機運を高めていきたいと思っています。めざすのは「地域とともに歩む八日市北小学校」です。

現在、常時、学校に関わっていただき、学校教育を支援くださっているボランティアさんは、絵本ボランティアさんをはじめ、外国人児童支援ボランティアさん、体育活動(ペース走大会、体力テスト等)支援ボランティアさん、家庭科(ミシン等)支援ボランティアさん、そしてスクールガード(安全見守り)さんなどです。

これからもっとこんなボランティアさんが増えていったらいいなと願っています。例えば、校外学習の引率ボランティアさんや昔遊びや昔の農作業を一緒にしてくださるボランティアさん、地域の貴重な教育資源(神社仏閣や史跡等)をガイドしてくださるボランティアさんなどなど…たくさんの保護者や地域の皆さんが学校に関わっていただけるといいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 


13:52
2024/12/04

「寒風に負けず走り切る!~校内ペース走大会~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、校内ペース走大会でした。朝早くから、体育部の若い先生たちが運動場の用意をしてくれていました。早朝勤務にもかかわらず、先生たちは笑顔で準備作業を進めていてくれます。そんな姿を見ていると、本当にただただ頭が下がります。


始業時刻の8時20分。校内放送で開会式を行いました。私(校長)からは、「自分のペースで、最後まで走り切ることを大切に頑張ってほしい。」という旨の話をしました。

ペース走大会は、子どもたちが校外の道(農道や歩道)を走りますから、交差点等での安全立哨が必要になるのですが、ここは地域のボランティアさん4名が支えてくださっています。寒い中、ほぼ半日ずっと、子どもたちの安全を見守りながら、懸命に応援をしてくださったと思います。本当に感謝感謝です。

 

今日のペース走大会、私(校長)は全校の子どもたちを全力で応援したかったのですが、市の校長会議があり、子どもたちのがんばりを見届けてあげることができませんでした。お昼ごろ学校に戻ってきて、廊下で出会う子みんなに「どうやった?がんばれたか?」声をかけると、どの子も「うん。めっちゃがんばった!」、「最後まで歩かんとゴールまで走ったで!」などととてもいい顔をして答えてくれて、ハイタッチをしてくれました。

保護者の皆様にも、たくさん応援に来ていただき、子どもたちも声援を受けて、練習の時よりうんと頑張れたと思います。

ただ、「大会」と名がつくと、子どもたちのがんばりの結果は「順位」という形で評価されがちです。「ペース走大会」と名称を変えた本来の目的を鑑みていただき、まずはどの子にも「最後(ゴール)まで走り切ったんだね。すごく頑張ったね。」と讃えてやってほしいなと願います。

まとめの話は教頭先生がしてくれました。以下、教頭先生のお話を掲載して、今日のブログを閉じたいと思います。

 

今日のペース走大会、皆さんどうだったでしょうか?風が強く、小雨も時折降り、コンディションとしてはあまり良くない日でした。そんな中、歯を食いしばって、最後まで走りきろうとする姿がたくさん見られました。3年生以上は、自分で走る距離を決めて行いましたが、決して速くはなくても長い距離を歩かず、走りきる姿が見られました。

朝の放送で校長先生からもお話がありましたが、今年から、マラソン大会でなくペース走大会と名前を変えて行いました。スポーツには勝ち負けを競い合うという面もありますが、もう一つは、健康づくりということを大切に考えてほしいと思います。

人生100年と言われていますが、健康で過ごすためには体力をつける必要があります。しかしながら、体力をつけられる期間というのは結構短くて、皆さんの年齢ぐらいから大学生ぐらいまでが一番つけられるといわれています。

今日でペース走大会に向けての取組が終了しますがこれからも体力づくりには取り組んでほしいと思います。体力をつける方法は普段の生活の中にたくさんあります。

外遊びをいっぱいするのは非常にいいことだと思います。これから寒くなっていきますが、できるだけ外遊びをしてほしいと思います。また、掃除を一生懸命頑張ることもいいですね。雑巾がけをなんどもやる、机をしっかりと持って運ぶなどもいですね。

これからも自分の健康のために体力づくりにがんばって取り組んでほしいと思います。


18:55
2024/12/03

「“涵養”って言葉が好きです~人権週間 人権絵本の読み聞かせ~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

2週間の北小人権週間の間に、いろんな先生が「人権に関する絵本」を読み聞かせてくれる「読書タイム」が4回あります。今日はその3回目でした。人権について、子どもたちにしみじみとじっくり感じてほしい、考えてほしいという願いで、先生たちがそれぞれに「子どもたちに合う絵本」「子どもたちに伝えたい本」を選んで、各教室に読み聞かせに行きます。

でも、これらの本をそれぞれの先生が一から探すのは結構大変です。土日休み返上で図書館に出向き、たくさんの本から「これや!」という本を探し出さなければなりません。

 

しかし、その心配は無用。本校には学校図書館司書のY先生という強い味方がいてくれます。担当のK先生と連携して、あらかじめ「人権」に関わるあらゆるテーマの絵本を選び、職員室に期間限定の特別な書架を用意してくれます。おまけに、「いじめ」「命」「個性」…などのテーマごとに見出し(差込表示)まで入れておいてくれます。さらには、集めてきた人権絵本の一覧表(リスト)を作成し、それぞれの本の内容(テーマ)と対象学年について、まとめてくれています。

先生たちは、この書架とリストのおかげで、子どもたちにピッタリな絵本を選ぶことができるわけです。本当に「至れり尽くせり」で“ありがたい!”の一言に尽きます。「学級を担任する先生」や「授業する先生」たちだけでなく、子どもたちへの質の高い「教育(学び)」を支えるいろんな職種のスタッフによって、「チーム北小」は成り立っています。いつも北小はこの「チーム力」で勝負します。

私(校長)も、この書架のおがけで、とても素敵な本を見つけることができ、先日、1年生の教室で「わたしのいちばん あのこのいちばん」という絵本の読み聞かせをすることができました。

 十分練習して、還暦祝いに娘にデザインしてもらったスタバ風「KANREKIエプロン」をつけて、張り切って教室に乗り込みましたが、読み聞かせポジションで絵本を持った途端…字がよく見えない…いやほぼ見えない…。自分が「老眼」であることをすっかり忘れていました。ストーリーがぶれないように気をつけながら、アドリブで読む羽目になり、子どもたちにも、絵本の作者にも失礼なことをしてしまいました…。

 

今日は私(校長)の出番はなかったので、読書の時間は2年生教室を覗きに行きました。

1組では、にじ教室(日本語指導)のK先生が「世界の通学路」というお話を読み聞かせてくれました。いつも外国にルーツを持つ子どもたちに、日本語指導や学習支援をしてくれているK先生ですから、常に「世界」を意識していてくれます。「にじ」という教室の名前も、「この教室で学ぶ子どもたちが、世界のいろんな国をつないでくれる『架け橋』のような人に育ってほしい。」という願いを込めて、K先生自身が「にじ」と命名してくれました。


「世界の通学路」という絵本は、いろんな国の子どもたちの通学路や、登校の風景を紹介する絵本です。舟をこいで通学する子ども、道なき道を行く子ども、数十メートルの崖を上り下りしながら通う子ども、学校で使う水を家から水瓶を頭にのせて運ぶ子ども…教室の子どもたちにとっては驚愕の事実ばかりです。自分たちの「あたりまえ」や「ふつう」は、世界の子どもたちにとっては、全然「あたりまえ」でも「ふつう」でもないことを知りました。自分たちの幸せすぎる生活を実感できた子も多かったと思います。

となりの教室を覗くと、教務主任のH先生が、「ピンクがすきってきめないで」という絵本を読んでいました。「女の子らしく、とか男の子らしく、とかいうけど、その『らしく』ってどんなこと?」という内容の絵本でした。H先生は、子どもたちを惹きつけるのがとてもうまくて、どの子もH先生の読み聞かせに聞き入っていました。「どうして女の子は、男の子のものを好きになっちゃいけなくて、男の子は、女の子のものを好きになっちゃいけないの?」と絵本の主人公が親に聞いた場面では、思わず教室の子どもたちから、「確かに!」「そんなんおかしい!」という声が上がりました。好きなものや好きなことに、「男の子らしく」も「女の子らしく」もない…心の中で深くうなずいている様子の子どもたちでした。


絵本の読み聞かせって、学年を問わず、とても大切で、そして効果的な学びだと思っています。「みなさん、わかりましたか?」「はい。わかりました!」みたいな学びでなくて、子どもたちの心にゆっくりと、ゆっくりと沁みこんでいくような学びというか…少しずつ少しずつ、子どもたちにとって大切なことが、ゆっくりだけど、確実に心にたまっていく感じの学びというか…うまく言えませんが、…昔からある言葉に「涵養(かんよう)」というものがありますが、まさに「涵(うるお)しながら養っていく」という言葉がぴったりだと思っています。私(校長)の校門での挨拶や、下駄箱の整頓も、やっぱりこの「涵養」につながっていればいいなと願いながら、毎日続けています。少しずつ少しずつ、子どもたちの心に沁みこんでいくことを願いながら…。


16:04
2024/12/02

「『だいじょうぶ?』うれしかったよ、その言葉~北小人権週間~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

11月25日(月)から12月6日(金)までの2週間を、本校では「北小人権週間」に設定しています。全国的、いや世界的には、12月10日の「世界人権デー」を含む12月4日(水)~12月10日(火)までを「人権週間」に定めているのですが、本校は「人権=みんなが安心して、幸せに生きられる権利」について、じっくり考えられる機会にしたいと、長めに2週間取り組むことにしています。



各教室前の掲示板には、子どもたちが「人権」について考えた標語(低学年)やポスター(中学年)、作文(高学年)が貼られていて、「人権」について全校で考える雰囲気が醸成されています。3年生の描いたポスターには、先日CAPプログラムを体験した際にファシリテーターの先生から教えてもらった「自分たちの大切な権利とは、安心・自信・自由である。」ということが、しっかりと心に残っていることが分かり、嬉しく思いました。

低学年の人権標語には、普段の何気ない友だちとのやり取りの中から、実はとっても大切なことに気づいてくれていることが嬉しかったです。「だいじょうぶ?」と心配してもらえること、友だちがそばでニコニコと笑っていてくれてること、話しかけてくれること、話を聞いてくれること…あたりまえのことだけど、それらはみんな「ありがとう」「だいすき」という気持ちさせてくれるもの。その大切さをかみしめてくれています。



高学年の作文には、「友だちの存在」のありがたさを改めて感じさせられたエピソードが綴られています。



6年生のORさんの作文は、「私は運動会が苦手だ。でも、小学校最後の運動会は、練習も準備も本番も全部楽しかった。」という書き出しから始まります。運動会の応援パネルを制作する担当だったORさんは、ある日、大切なパネルにうっかり墨をこぼしてしまいます。「どうしよう…みんなで一生懸命作ったのに。」と泣きそうになります。そんなにORさんに友だちは優しかった。「みんなはパネルのことより、私を心配してくれた。」…その時のORさんの気持ちがよくよく伝わってきます。

もうひとり、OSさんの作文は、「小学校生活で最後の運動会に出たかったのですが、体調不良で出られませんでした。悔しかったし、悲しかったです。」から始まります。しかしそのすぐ後に、「運動会の練習で、たくさんの思い出ができました。」と、運動会の取組が充実したものになったと自分で結論づけます。OSさんの作文は、苦手でしんどい組体操のことを中心に展開します。「…体の硬い私には、とてもつらい練習でした。…私の気持ちが動いたのは、…友だちの言葉を聞いた時です。『大丈夫?無理してない?』という気遣いの言葉や、『がんばれ!最後の運動会。かっこよくキメよう!』などの応援の言葉が心に響きました。それからは前向きな気持ちで練習に取り組めるようになり、体を動かすのが少しずつ『楽しい』と思えるようになりました。」…と、友だちの言葉で自分が前向きに、強くなれたことが書かれていました。

どの作品も、「人権」=「みんなが安心して幸せに生きられる権利」について、身近なところから考え直すきっかけを与えてくれる素敵な作品ばかりでした。

最後に、私(校長)がもっとも感心した3年生のSさんのポスターを紹介します。「自分のカタチは、自分で決める」…とても力強く、とても素敵な言葉です。あえて右斜め下向きに「自分」を描いていることがいいです。「自分は自分。みんなが決めた『自分』じゃない。自分らしさや、自分の生き方は、自分で決める!自分のカタチは自分で決める!」…すばらしい言葉ですね。


15:35
2024/11/29

「森の楽しさと大切さを知る~4年生やまのこ学習~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

滋賀県では、すべての小学4年生が「森林の役割や大切さ」を学ぶ「やまのこ学習」に取り組んでいます。県が指定している「やまのこ体験学習施設」において、子どもたちがたっぷりと体験学習をします。県の事業なので、移動のバス借り上げ代は全額県が補助してくれます。今日は、4年生が「やまのこ学習」として、河辺いきものの森に一日出かけました。

本来、「森林の役割」には、①:水を蓄え、水害を防ぐ「水源かん養機能」、②:土壌の流出や土砂崩れを防ぐ「土砂災害防止・土壌保全機能」、③:二酸化炭素を吸収し、地球温暖化を防ぐ「地球環境保全機能」、④:生き物のすみかや生態系を守る「生物多様性保全機能」、⑤:音や風などを防ぎ、快適な生活環境を作る「快適環境形成機能」、⑥:健康増進や気分転換に効果的な「保健・レクリエーション機能」、⑦:行楽や芸術の対象としての「文化・教育機能」、⑧:木材やキノコなどを生み出す「物質生産機能」など、多くの機能があるのですが、もともと「河辺いきものの森」は、愛知川の氾濫(越水)に備える「防災林」の役割を果たしながら、同時に燃料としての木材や、食料としてのキノコや植物を提供してくれる「里山」として、この地域の人々の生活と密接な関係(持ちつ持たれつ)にあり、人々の努力によって保全されてきたという歴史があります。

現在の「河辺いきものの森」は、上記した「森林の役割」のうち、④:生き物のすみかや生態系を守る「生物多様性保全機能」という役割がメインの森ですが、子どもたちが四季折々の森の様子や、たくさんの「いきもの」の生態に触れられる貴重な学びのフィールドになっています。


午前中は、森の中を巡りながら「クイズラリー」をしました。いきものの森の専門員(先生)がいろんな「森の不思議」を教えてくださいました。「どんぐり虫はいつどんぐりに入るのか?」という問題の答えを、私(校長)はこの歳になるまで知りませんでした。実は、どんぐり虫の成虫である「ゾウムシ」がまだ青くて若いどんぐりに卵を産みつけているらしいのです。地面に落ちたどんぐりに、どんぐり虫が穴を空けて入っているのではなく、まだ樹の上にあるうちから、すでにどんぐり虫は潜んでいるわけです。穴の空いていないどんぐりを見つけて、「ラッキー!このどんぐり、虫入ってないわ。」と喜んでいた自分が恥ずかしいです。

午前中の後半は、子どもたちが「自分のテーマ(課題)」について、森を探索し、課題を探求していく「森探検」でした。「水辺の生きもの」に一直線の子どもたちや、キノコを探し回る子たちなど、それぞれに自由に活動していました。私(校長)は、森に生えている「ヤブニッケイ」という樹の葉っぱに興味を持ちました。葉っぱを折って嗅いでみると、「コショウ」というか、スパイシーな香りがします。「ニッケイ」は「ニッキ」のことらしいです。調べると、漢字では「藪肉桂」と書き、「肉桂」=シナモンです。いわゆる「月桂樹」の仲間です。いい香りがするはずです。「でもこの匂い、なんかどこかで嗅いだことあるなあ・・・。」と少しもやもやが残ります。「どっかで、嗅いだことあるよなあ…。あ~思い出せない。」


 ある女の子たちのグループがやってきて、「この葉っぱ、嗅いでみて。」と言うと、「なんかコショウみたいな匂いや。」、「緑の若い葉っぱは、レモンみたい匂いもする。」など、なかなか的確な感想を言ってくれる中で、一人の子が、「なんか虫よけの匂いがする…。」とつぶやきました。その瞬間、私の中ですごく「合点」がいきました。「そうや、そうや、そういう類の匂いや!」…私のもやもやは、その女の子の鋭い嗅覚のおかげですっきりしました。

 思い出したのは、「クスノキ(楠)」の葉っぱ。クスノキの葉っぱは、半分に折って割れ目を嗅ぐと、「樟脳(しょうのう)」の匂いがします。「樟脳」とは、昔タンスの中に衣類の虫よけとして入れてたやつです。いわゆる「防虫剤」です。キャンプで使う「虫よけキャンドル」なんかも同じような匂いがします。ということは、「ヤブニッケイ」も「クスノキ」も同じような仲間なのでは?…と予想できました。調べてみると、やはり「ヤブニッケイ」は「クスノキ科」の樹木でした。きっとこんなふうに、一つの疑問から、いろんなことが分かってくると、「探求学習って楽しいなあ。」と思えるんでしょうね。

午後は、里山の保全活動に取り組みました。この豊かな生態系を維持できているのは、日頃の地道な「保全活動」のたまものです。今日は、「竹林の間伐」と「木の葉かき」、そして「下草刈り」と「柴刈り」の4つの作業をグループに分かれて体験させてもらいました。


「森の中によく日光が届くように下草を刈ったり、地面の小さな花(植物)が木の葉に埋もれて育たなくなったりするのを防ぐために…。」子どもたちはその作業の意味をきちんと分かって作業していました。「昔むかし、あるところに…おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川に洗濯へ…」という桃太郎の冒頭のくだりの意味が、実感として初めて分かった子どもたちでした。

 

 

 

 

 

のこぎりで竹や小枝を切ったり、集めた柴をひもでくくったり…現代の日常ではなかなかできない体験をさせてもらって、子どもたちは午後の方が生き生きと活動していたように感じています。

河辺いきものの森の「もみじの林」には、永源寺からやってきたという、立派なイロハモミジの母樹があります。そのイロハモミジの紅葉が秋晴れの空に鮮やかに輝き、子どもたちの笑顔を照らしてくれていました。

 

 


17:52
2024/11/28

「本当に感心します…すごいです。~1年生の自習風景~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

いつも授業中に校舎内をぶらついている私(校長)ですが、最近、「こりゃ、すごいわあ。めっちゃがんばってるし、めっちゃ素敵やわあ。」と感心した子どもたちの姿を紹介します。

それは、1年生の教室です。学期末に入ってきて、作品を最後まで完成させたり、テストやそのお直しをしたりする時間とかが増えてくるわけですが、そんな時はどうしても「すき間時間」ができてしまいます。つまり「手が空いた人は、本を読むとか、自分でできることをしていてください。」という感じの時間です。そんな時間に1年生が何をしているのか覗いてみると…たくさんの子たちが本を読んでいます。



 しかし、その読書の風景が、「えっ?これが本当に1年生の姿なの?」と思うぐらい、みんな集中して読書に入り込んでいます。動物のことについて書いた本の文章を、指で押さえながら、ちっちゃな声で一生懸命音読する子、とても1年生が読めるとは思えない「ちっちゃな字で埋め尽くされた文章ばかりの本」にくぎ付けになっている子が何人も・・・とにかく集中して、熱中している姿にびっくりしました。




それから、何やらひたすらノートに何かを書いている子たちもたくさんいました。ノートに自分で「テスト」を作って、自分で解答している子、外国人児童のZさんは、自分でひたすら「マンガ」を描き進めていました。しかも吹き出しはすべてベトナム語です。「わあ、これの和訳版を見てみたい!」と思ってしまいます。私(校長)は、自ら「ベトナム語」を勉強しようとはせず、通訳の先生たちに「これ、ちょっと訳してください。」と頼んでしまいますが、外国人児童の子どもたちは、日々、母国語ではない難しい「日本語」と格闘しています。子どもたちに頭が下がります。

子どもたちが「自由帳」に書(描)いているのは、もはや「お遊び」とか「お絵描き」ではなく、自分が大好きな「学習」であり、「作品づくり(制作)」なんだなと感じました。

 

 1年生が入学して約8か月…。園時代の生活から、小学校の「学校生活」に適応することは、そう簡単なことではないと思っています。「自分の机」「教科」「45分間の授業」「時間割」「集団(一斉)学習」、そして「授業規律」や「生活ルール」などなど、たくさんの「枠(フレーム)」に縛られながら学んでいかなければなりません。子どもたち一人ひとりは、それぞれにいろんな個性や特性をもっていますから、今の段階でもまだ「学校生活」「集団生活」に適応できない子どもたちがいて当然だと思っています。

そんな決して簡単ではない「学校生活」に果敢に挑み、たまにはけんかもして、しんどい思いや嫌な思いもしながら、それでも1年生は毎日毎日がんばってきました。

1年生の担任の先生や支援員の先生たちは、一人ひとりの子どもたちをめいっぱい愛し、子どもたちが安心して学べる学習(教室)環境を整え、学習規律を根気強く浸透させ…そんな惜しみない愛情のもとで子どもたちは安心し、そして今、子どもたちはそれぞれに「めいっぱい頑張れる自分」でいられるようになってきました。

園時代にめいっぱい「遊びこんできた」経験や、そこで手に入れた感性や甲斐性、そして人との関わり方…園時代に培ってきた「栄養やエネルギー」が、今ここにきて、一気に“芽吹いている”…そんな印象を受ける1年生の姿です。


14:59
2024/11/27

「自分たちで創る『みんなが楽しい!』~北小フェスティバル~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、朝から何人もの子どもたちが、「校長先生~!知ってる?今日、たい焼きやで!」と声をかけてくれました。「今日、たい焼きやで!」…日本語的には、意味不明?な文章ですが、学校現場では悲しいことにこれで「すべて」通じてしまいます。正確に言えば、「今日、(給食のデザートに)たい焼き(がつくん)やで!」ということです。

いつも思うのですが、「今日の給食」というのは子どもたちの最大の関心事であり、珍しいものが出たり、子どもたちがお気に入りの「揚げパン」や「唐揚げ」、「カレーライス」が出たりする日は、必ず何人もが朝一に、「校長先生、知ってる?今日は〇〇やで!」と報告してくれます。

せっかく「たい焼き」の話題を振ってくれたので、「へーすごいな。ところでたい焼きは「つぶあん派」それとも「こしあん派」?」と聞くと、多くの子が「あんこは嫌やわ。わたし(ぼく)はクリームかチョコがいい。」と答えます。「あんこ嫌い」が多いのにも驚きましたが、「たい焼き=あんこ」で育った還暦じいさんの私(校長)にしてみれば、クリームやチョコのたい焼きっていうものに若干の違和感を覚えてしまいます。給食の検食で子どもたちより先に「たい焼き」をいただきましたが、昔ながらの「つぶあんのたい焼き」、そして「しっぽまであんこ有!」系のものでした。さて、子どもたちの反応はどうなるでしょう…?

さて、今日のブログの本題です。

今日のロング昼休みに、児童会のレクリエーション委員会が企画してくれた「北小フェスティバル」が行われました。これは、レクリエーション委員会の子どもたちが、大人(教職員)子ども(児童)を問わず、「遊びコーナーの設置」や「ステージ発表」をしてくれる人を募集し、たくさんの「有志」によって催される「北小まつり」みたいな企画です。今回は「ステージ発表」の募集はなく、「遊びコーナー」を広く募って、賑やかな「遊び屋台村」のような世界を創り出そうという趣旨のようです。

 

子どもたちの「主体性」が最大限尊重される、「子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちのためのお楽しみ企画」なのです。しかし、「先生たちと子どもたちの一体感」をウリにしている本校なので、先生たちも黙っていません!先生たちや支援員さんも子どもたちの募集に自ら手を上げ、自分たちの遊びコーナーや体験コーナーを出典、運営してくれるわけです。この先生や支援員さんが運営する「お店」が、子どもたちのよい「お手本」となり、自然と子どもたちは「さらなるアイデア」や「運営の方法」などを学び、次の機会に取り入れ活かすことで、自分たちの「甲斐性」を高めていきます。

「北小フェスティバル」は、学校目標「みんなが楽しい!八日市北小学校」をめざして、子どもたちと先生たちが一丸となって、ドカ~~ンと開催する一大イベントであり、本校の誇るべき文化「北小プライド」の一つです!



 

今回の北小フェスティバルで出店があったのは、「腕相撲屋さん」「福引屋さん」「お絵描き屋さん」「千本引き屋さん」「モグラたたき屋さん」「バスケフリーシュート」「射的屋さん」「ボウリング屋さん」「クイズ屋さん」などなど全部で14のお店が並びました。レクリエーション委員会や高学年による出店だけでなく、3年生、4年生、そしてなんと2年生の子どもたちの出店もありました。

福引屋さんや、千本引き屋さん、モグラたたき(エイリアンバトル)などはその小道具(装置)が実によくできていて、子どもたちが入念に準備してきた努力がよく見えました。また、腕相撲屋さんでは、高学年と低学年が勝負する場面など、子どもたちの自然な交流の風景がほほえましかったです。

私(校長)が、「さすがやな。」と感心したのは、ボランティア委員会による、「プルトップ すくってピタリと当てましょう20g」ゲームです。ボランティアマンが、日頃の委員会活動を紹介しながら、集めている「プルトップ」を使って20gを量り当てるゲームを考えてくれました。結構な量をすくいとってもたかが20g。委員会が目標としている800kgには遠く及びません。「もっと、もっと頑張ってプルトップを集めなければ…」という気持ちを持ってもらうためのナイスな企画だったと思います。もちろん担当のK先生のサポートがあっての活動だと思いますが、回を重ねるたびにボランティアマンの数が増え、生き生きと活躍している姿を見ると、子どもたちの大きな成長を感じます。

 

また、先生たちが出店する「遊びコーナー」は、子どもたちのよい「お手本」になり、いい刺激を与えてくれる素晴らしい「遊びコーナー」でした。恒例となっている「コクランド」、K先生がいつも一人でアイデアをひねり出し、一人で運営してくれています。「こんなものを使って、こんな遊びができるんや…」、「こういうふうに記録を残していったら、順位も分かりやすく表示できるな…。」など、学ぶべきところがたくさんあります。さらに、支援員のI先生とN先生が開いてくれる「おもちゃづくり」のコーナーはいつも子どもたちに大人気です。いつも行列ができるので、今日は特別支援アシスタントのN先生がお手伝いに入ってくれました。「こんなものでこんな楽しいおもちゃができるんだよ。」という「ものづくり」の楽しさを教えてくれる貴重な機会です。作ったおもちゃでうまく遊べない1年生の子に、高学年の子たちが「まずこうして、それから20回くらい回して…」と教えながら遊んでやっている姿があってとてもうれしく思いました。

 


「楽しいこと」は、誰かがあたえてくれるものではなく、待っていればやってくるものでもなく、「自分たち自身で創り出していくものなんだ」という主体性を育ててくれる「北小フェスティバル」だと思っています。先生たちも、「子どもの自主性を大切にする」という大義名分のもと、すべてを子どもに任せっぱなしにするという構えではなく、「子どもたちの活動の質を高める(学びを深める)ために、自分たちが教えるべきこと、示すべきこと、そっと支えるべきことは何なのか。」をいつも意識して、自分の出番や立ち位置を考えてくださっています。その陰ながらのサポートに感謝しています。

 これからも、北小のよき「伝統」「校風」として、子どもたちに受け継いでいってほしいと心から願っています。


14:57
2024/11/26

「本物にふれる体験レイラック滋賀FC&東近江バイオレッツ体験授業」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

本校は、教育方針のひとつの柱に「体験と関わり」を掲げ、特に子どもたちの「本物体験」を大切にしています。5,6年生の「ものづくり体験教室」をはじめ、6年生のキャリア教育として取り組んでいる「夢訪問」、4年生の「もりのこ体験学習」などもその一環です。

先日の19日(火)には、サッカーのプロリーグである「レイラック滋賀FC」の選手の方々にお越しいただき、5年生の子どもたちに「サッカー体験教室」を開いてくださいました。


プロサッカー選手の「本物」のボールさばきに魅了されながら、子どもたちはサッカーの魅力に引き込まれていきました。すでにサッカーのスポ少等に入っている子も、今までサッカーボールを触ったことのない子も、一緒になってサッカーのゲームを楽しみました。正確に言うと、プロの皆さんが、どの子もゲームが楽しめるように、うまくボールをコントロールしてくださったり、雰囲気を盛り上げてくださったりしたおかげなのですが…。サッカーをやっている子どもたちにとっては、憧れであるプロ選手のスキルの高さを目の当たりにすることによって、より憧れや目標意識が高まったと思います。また、今まであまりサッカーと縁のなかった子どもたちには、サッカーというスポーツの楽しさをちょっぴり味わえた体験教室になったと思います。

 

また、21日(木)には東近江市を拠点に活動されている女子硬式野球チームの「東近江バイオレッツ」による野球教室が行われました。これは、毎年、市内の小学4年生を対象に行われているもので、女子の野球チームですが「野球人口の裾野を広げる」目的で活発に活動されています。

 当日は、バイオレッツから4名の方が来てくださいました。運動場に小型のバッティング用ネットやストラックアウトの台が設置されているのを見て、4年生の子どもたちはとても興奮していました。4年生は野球をやっている子が少なく、ほとんどが野球初心者ですが、バイオレッツの選手の皆さんが、子どもたちが楽しめるように、いろいろ工夫しながら指導くださったおかげで、子どもたち一人ひとりが「打つ」・「投げる」体験をさせてもらいました。

 

 

滋賀県には、「うみのこ」「やまのこ」「たんぼのこ」の体験学習や、びわ湖ホールでの音楽鑑賞、また「びわ湖一周環状線」事業など、子どもたちのための豊かな体験学習があり、滋賀の子は本当に子どもたちは恵まれているなあと思います。また、東近江市独自でも、今回のようなスポーツ体験事業や、行政(市役所や関係機関)の出前授業、体験学習補助金制度等が充実していて、本当に恵まれた環境で子どもたちが学べることに感謝したいと思います。もちろんそれらは「おんぶにだっこ」的なものではなく、学校の先生たちが、その目的や実施時期を吟味しながら、教育計画に組み込み、いろんな打ち合わせや準備を経て、これらの体験学習が子どもたちの「生きる力の育成」につながるように日々工夫努力してくれていることにも敬意を表したいと思っています。

 今回のスポーツ体験教室で、一人でも多くの子が、スポーツに興味を持ち、これからの自分のスポーツライフの一助になればいいなと願います。


11:53
2024/11/25

「子どもたちの気持ちが嬉しすぎて…幸せです~2年生からの手紙~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

先日、たくさんの2年生の子どもたちが、校長室まで来て、私(校長)にお手紙をくれました。


実はだいぶ前に、2年生が私(校長)に手紙を書いてくれるみたいな雰囲気になっていることは分かっていました。あれは、国語か生活の時間の時間だったでしょうか…。国語の学習で「お礼の手紙を書く」という単元があって、生活科の学習で校外学習に行ったり、見学させてもらったりしたところにお礼の手紙を書こうという授業の流れでした。その時、たまたま私(校長)は教室を覗いていたのですが、ある子が「お礼の手紙やったら、わたし、校長先生にも書きたいわ。」と言い出したのがきっかけで、「毎日、靴そろえてもらってるし、いつも校外学習についてきてもらっているし…。」、「校長先生は1回だけ違うもんな。毎日やもんな…。」とあちこちから聞こえてきて…、何とも照れ臭く、穴があったら入りたいみたい気持ちになって、そそくさと教室を後にしました。

 

 

あれから一週間ほど経ったでしょうか。今日、みんなニコニコしながら、本当にいい顔をして校長室を訪れてくれました。私(校長)が、一番驚いたのは、子どもたちがどの子もとても丁寧な字で、しっかりとした文章でお手紙を書いてくれていたことです。「お礼状(お礼の気持ちを伝える手紙)」という意味をきちんと分かって書いてくれていることが感心することであり、嬉しいことでした。また、私(校長)が毎日していること、そしてその意味をきちんと分かっていてくれることが感じられて、それがまた嬉しかったです。

私(校長)は、「2年生のみんなは、いつもきちんとルールを守って、落ち着いて行動できていることがとてもいいと思います。それに、みんな、『書く力』がしっかりとついてきて、このお手紙も、それから校外学習の時の「メモ」もしっかりと取れていて、すごいなあと思っています。「書く力」については、めいっぱい自信もっていいですよ。」と、話すとどの子も私の顔を見て、ニコニコと自慢げな顔をしていました。2年生の子どもたちの優しい気持ちと、成長が感じられる素敵な「お礼の手紙」でした。

2年生のみんな、本当にありがとうございました。


14:22
2024/11/22

「仲間との想い出づくり・絆づくり~6年校外学習in荒神山~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日、6年生が彦根にある荒神山自然の家に校外学習に出かけました。本来6年生に秋の校外学習はないのですが、毎年行われている布引スタジアム(陸上競技場)での市内児童陸上記録大会が国スポ・障スポの関係で実施できなくなったので、その代わりにということで特別に校外学習を実施することにしました。

彦根市立荒神山少年の家は、数年前までは「滋賀県立荒神山少年自然の家」という県教委主管の施設でしたが、今は彦根市に移管され、「彦根市荒神山自然の家」になっています。実は私(校長)は、平成17~19年度の3年間「県立荒神山少年自然の家」時代に勤務していて、子どもたちや親子の野外活動(キャンプやアウトドアクッキング)の指導や、子どもたちの仲間づくりの仕事をさせてもらっていました。中でもPA(プロジェクト・アドベンチャー)というアメリカ由来のチームづくりの手法のライセンスを取得して、PAの活動を通して学級集団のチームワークの向上、高校の部活動や生徒会役員組織のチームビルディングに関わる仕事に力を入れていました。

今回、久しぶりに荒神山でのPA活動を通して、6年生の子どもたちのチームワークづくり、絆づくりを行うことになりました。荒神山自然の家の皆さんに、かなり無理をお願いして、PAプログラムを提供、そして指導をしてもらえることになりました。荒神山のPAトレーナー全員(3名)に指導してもらえることができ、6年生の各学級を2チームずつに分けて、合計4チームでPAプログラムを行なうことができました。一人足りないPAトレーナーは、私(校長)が担当することにしました。一つの学校にスタッフが3名もついてくださるのも「特別」ですし、午前中、子どもセンターの体育館を借り切って、しかも減免(無料)で使わせていただいたことも「特別」でした。「今日は『特別』だらけですよ。そのことを分かって、有意義な一日にしてくださいね。」と子どもたちに話しました。

 

午前中前半は、簡単なゲームを通して、子どもたちの緊張をほぐしたり、みんなで仲良く遊び、楽しめたりできる雰囲気づくりを進めていきます。次第に、活動に慣れてきて、子どもたちの距離(身体・心)が縮まってくるにしたがって、チームで協力して挑戦する「課題解決型のゲーム」に移っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4チームに分かれていますので、それぞれのチームで挑戦するゲームも違いますが、私(校長)が担当する6-2Bチームでは「仲間とのつながりと一体感!」をテーマ(目的)にたくさんのゲームに挑戦しました。「男子も女子も関係なく、チームとしての力が最大限になるようにそれぞれが、力を発揮し仲間と支え合う」ことができるチームにしようという意識を高めていきました。

 

午後は、荒神山自然の家に移動し、「エレメント」という大型装置を使った冒険的ゲームに挑戦しました。「冒険的要素」が強いのがPAの一つの特徴で、仲間との信頼関係を高めていくことで、「できるはずがない」という意識を、「できるかもしれない」そして「絶対できるはず!」に変えていきます。


 

「ジャイアントシーソー」という木製の大きなシーソーに20人が乗り、バランスを取りながら人が移動したり、両端にかたまったりします。微妙なバランスの崩れだけで、シーソーは傾き、「ガタン!」とアウトになります。「モホークウォーク」は、ケーブルの上を綱渡りしていくチャレンジです。チャレンジの目的は「自分が渡り切ることではなく、チーム全員が渡り切ること」ですから、互いに手を取り合い支えながら綱渡りをしていきます。


 

「ニトロクロッシング」は、ターザンロープを使って全員が、向こうにある島に乗るというチャレンジです。「ターザンロープでビヨ~ンと行くだけやん。」と思うかもしれませんが、輪っかにかけた足がなかなか外れなかったり、ビヨ~ンといった先に乗るスペースがなかったり…、個人の力では何ともなりません。仲間でサポートし合いながら、仲間のためにぐっとこらえながら、1m四方の台(島)に20人が乗っていきます。「1m四方に20人が乗る?…絶対無理やん!」とはじめ思っていた子どもたちは、いつしかみんなでつながり合い、肩を組み合い、しがみつき合い、最後はやってのけてしまうのでした。

難関チャレンジを突破した子どもたちは、何とも言えない達成感と一体感を、仲間とつないだ手、組んだ肩、しがみき寄せ合った体から感じます。先日校門を掃除してくれたSN君の振り返り日記には、「この仲間でよかった。みんなありがとう。」と書き綴られていました。

つないだ手のぬくもり、寄せ合った体の温かさと力強さ…仲間と本気になれば、「たいていのこと」は絶対やり遂げられる…そんな思いを持っていてくれたらうれしいなと思います。

 

 

 

 

 


13:12
2024/11/21

「すみれマルシェ開店!」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日、学習参観日に合わせて、お昼休みにすみれ学級による「すみれマルシェ」が開かれました。すみれ学級の子どもたちが、生活単元学習の一環として取り組んできたもので、自分たちが菜園で育てたさつまいもや、自分たちで作ったブローチやマグネット、和紙を色染めし、それをクリアファイルやしおりなどに加工した商品を売るお店を開きました。

 


畑で野菜を育てるのも、いろんな創作活動をするのもすみれ学級の大切な学習です。そして、お店を開き、お客さんに対応することでコミュニケーション能力を育てます。保護者の皆さんにお客さんになってもらい、子どもたちは、「いらっしゃいませ!」、「おいしいお芋はいかがですか?」と積極的に声をかけながら、商品を買ってもらおうと一生懸命になっていました。



商品が売れていくと、残った商品を見栄えよく並べなおしたり、「おススメはこれです!」と勧めてみたり…慣れてくると自分たちで工夫できるようになりました。

お客さんに商品を選んでもらったら、案内係さんがいて、レジコーナーまで案内してくれます。レジコーナーには、レジ係(代金計算や代金の受け渡し)と梱包係さんがいて、代金を計算し、お釣りを渡し、買ってもらった商品を袋詰めして、お客さんに渡します。最後に「ありがとうございました!」と爽やかにお礼を言います。

 

 

 

自分の作ったものをお父さんやお母さんに買ってもらえた時の子どもたちの満足そうな表情がとても印象的でした。



20:18
2024/11/20

「谷川俊太郎さんを偲んで」~写真なしのブログですが…~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日の朝も気温が低く、寒い朝になりましたが、昨日みたいに“北風びゅんびゅん”ではないので、体感的にはあまり寒くありませんでした。今日は、低学年の子たちに「校長先生の手、温めてあげよう。」と言われなくていいように、ちゃんと手袋をして子どもたちの登校を迎えました。

みんなより少し早く登校した6年生のSNさんが、校門の門扉の溝にたまったゴミや砂を見つめ、しばらく指で集めた後、掃除用具倉庫からほうきや塵取り、溝からゴミが掻き出せるような細めの棒をもってきて、一人でせっせと掃除し始めました。たくさんの子どもたちが校門をくぐっていく中、一人で黙々とゴミや砂を掻き出し、塵取りに集めてくれました。

ずいぶん前に、一度だけSNさんに「暇やったら溝の砂を取ってくれるか。ほうきや塵取り用意するし、お願いしていい?」と頼んで、掃除をしてもらったことがあるのですが、SNさんはその時のことを鮮明に覚えているのでしょうか、今日は自分ひとりですべてを完結してくれました。SNさんの奉仕の心、自主性、行動力がとてもうれしくて、とても気持ちのいい朝になりました。

 

ところで、今日の朝刊の一面にとても悲しい記事を見つけました。「谷川俊太郎さん死去」…。悲しいことですが、老衰のために亡くなられたということで、心には「今まで数々の素晴らしい作品(詩)をありがとうございました。たくさん楽しませてもらいましたし、生きるということについて、たくさん考えさせられました。本当にありがとうございました。」という感謝の気持ちも大きい気がします。

谷川俊太郎さんの作品は、今まで国語の教科書にたくさん載っていました。また、子どもたちと音読を楽しむために谷川さんの作品をよく読みました。特に、「ことばあそびうた」という、ひらがなだけでかかれたリズミカルな詩に子どもたちは夢中になり、早口言葉のように、何度も何度も口ずさみ、延々と唱え続けるほど人気の詩でした。

 

ののはな  はなののののはな はなのななあに なずななのはな なもないのばな

 

かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった とってちってた

 

いるかいるか いないかいるか いないいないいるか 

いつならいるか よるならいるか またきてみるか

いるかいるか いないかいるか いるいるいるか 

いっぱいいるか ねているいるか ゆめみているか

 

平仮名ばかりで読みにくいことこの上ないのですが、一度覚えてしまうと、そのリズミカルで、まあるくやさしい言葉の響きの虜になります。いつの時代も子どもたちが大好きな詩です。

それから、前まで6年の国語の教科書に載っていた(今の東京書籍の教科書には非掲載、光村図書の教科書には現在も載っている)『生きる』という詩は、卒業を間近に控えた6年生の心に強烈なインパクトを与えました。どの子にとっても、生まれて初めて「生きる…生きているとはどういうことなのか。」を真剣に考える機会になったはずです。

 

生きる        谷川俊太郎

 

生きているということ  いま生きているということ

それはのどがかわくということ  木もれ陽がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ  くしゃみすること

あなたと手をつなぐこと

 

生きているということ  いま生きているということ

それはミニスカート  それはプラネタリウム

それはヨハン・シュトラウス  それはピカソ  それはアルプス

すべての美しいものに出会うということ

そして  かくされた悪を注意深くこばむこと

 

生きているということ  いま生きているということ

泣けるということ  笑えるということ  怒れるということ  自由ということ

 

生きているということ  いま生きているということ

いま遠くで犬が吠えるということ  いま地球が廻っているということ

いまどこかで産声があがるということ  いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこがゆれているということ  いまいまが過ぎてゆくこと

 

生きているということ  いま生きているということ

鳥ははばたくということ  海はとどろくということ

かたつむりははうということ  人は愛するということ

あなたの手のぬくみ  いのちということ

 

第1連では「生きているとは生体反応である」、第2連では「生きているとは美しいものに出会うこと、そして隠れた悪をこばむことである」、第3連では「生きているとは感情表現を自由にできることである」、第4連では「生きているとは他者と世界を認識することである」そして最後、第5連では「生きているとは命そのものであり、それぞれの命はみなつながりあっていること」が、淡々と「~ということ」という語りで綴られていきます。

この詩は、子どもだけでなく大人にも、生きることの意味を問い直し、心の豊かさを取り戻す機会を提供してくれる貴重な作品と言えます。生きていることの有難さを、改めて感じさせてくれるすばらしい詩だと思っています。谷川俊太郎さんの詩からは、本当にいろんなことを学ばせていただきました。

謹んでご冥福をお祈りいたします。


12:50
2024/11/19

「自分のペースで走り切る ~校内ペース走大会 試走~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は一段と冷え込み、校門(昇降口)には朝から冷たい北風が容赦なく吹きつけていました。

防寒着は着ているものの、手は凍えてきますし、鼻水がちょちょぎれます。

子どもたちにいつも通りあいさつしながら、「今日はほんまに寒いなあ。手がめっちゃ冷たいわ。」などと話しかけていると、低学年の子たちが、私(校長)の手を握ってきて、「ほんまやぁ。めっちゃ冷たいやん。私の手、温かいから温めてあげるわ。」、…「私もあっためてあげる。」と二人の子がしばらくの間手をこすりながら温めてくれました。おじいちゃんと孫のようなやり取りですが、おじいちゃん(私)はこんなことでも最近涙腺が緩みます。

 

さて、今年度「校内マラソン大会」から「校内ペース走大会」と変更した持久走の取組…「長い距離を走り順位を競う」のではなく、「適切な距離を同じペースで走り切る」ことを目的にし、中休みの「行間ペース走」などの取組を始めています。子どもたちの中には、従来の「校内マラソン大会」を楽しみにし練習を積み上げてきた子どもたちもいますので、今年度と来年度の2か年は移行期間として、従来の「長い距離のコース」と、学習指導要領の指導内容にあった「適切な距離のコース」の2コースから、子どもたちが自分で選択して取り組むことになっています。


そして、今日は「校内ペース走大会 試走」の1回目。全学年が実際のコースを走りました。

中学年から試走しましたが、驚いたのは従来の「距離の長いコース」を選択した子が多いことです。長距離走が得意でない子(どちらかと言えば苦手)も結構いるので、一人の子に「なんでこっちのコースにしたん?」と聞くと、「長い距離でも自分のペースで最後まで走り切りたいねん。」と答えてくれました。その子は、順位は最後でしたが、ゴールした後、はあはあ言いながら、「ぼく、歩かんと走れたし。」と答えた満足そうな表情に、とても力強さを感じました。

また、初めて挑戦する1年生の子どもたちのがんばりにも驚かされました。まだ十分にコースやペース配分も分かってないだろうに、ほとんどの子が歩かずに最後まで走り切っていました。あの運動会を全力でやり切った自信がエネルギーになっているのか、どの子も「ぼく(わたし)は、最後までがんばる!」という表情で、私の前を走りすぎていきました。入学してまだ一年もたってないのに、本当に力強くたくましく成長しているなあと感心しきりです。

 

最後は、高学年でした。特に6年生は、子どもたち一人ひとりの「自分の目標」を明確にして試走に挑んでいる気概みたいなものを感じました。従来の「長距離コース」を選択した子どもたちは、やはり今までの「マラソン大会」と同じ「真剣勝負」って気持ちで挑んでいるなという感じがしました。しかし中には、「私たちは、長い距離も『楽しく走る!』をめざしています。」と笑顔で言って、自分のペースで走り続ける子たちもいて、それぞれの目標に向かって、それぞれ一生懸命にペース走に向き合っている姿がとても素敵だなと思いました。

どの子にとっても、「自分は、自分なりに精一杯がんばれたな。楽な方に逃げないで、弱い自分に負けないで、ちゃんと自分としての全力尽くせたよな。」と満足できるような校内ペース走大会になるといいなと願います。

 

 


17:22
2024/11/18

「『なぜ?』から始まる探求学習 ~自由研究 県科学賞受賞!~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

この度、本校4年生のKSさんの研究「鉛筆の種類のひみつ」が、第78回滋賀県児童生徒科学研究発表会に、東近江市代表児童として出場し、第68回滋賀県学生科学賞県展と合わせて、賞(表彰状)をいただくことになりました。 

本校児童が東近江市代表として、大きな舞台で研究の成果を発表できたことは、本当に素晴らしいことであり、本校の誇りでもあります。KSさん、本当におめでとうございます。

昔から、夏休みの課題の定番だった「自由研究」。他にも「自由工作(アイデア貯金箱)」や「読書感想文」などが誰もがくぐってきた「夏休みの宿題」だと思います。私(校長)が子どもの頃は、これらすべてが「宿題」として出されていましたが、今は「選択制の宿題」になっている方が多いような気がします。特に「科学自由研究」については、年々取り組む子どもが少なくなりました。「理科離れ」という言葉の表れの一場面かもしれません。「科学自由研究」は確かに、子どもたちにとって少々ハードルが高い課題かもしれません。「なぜだろう?」から始まって、もった疑問を解決するために、どんな「実験」をすればいいのか、それをどう「分析」し、「まとめ」ればいいのか、最後にそれらをどう「表現・発表」すればいいのか?・・・「探求心」を持つところまでは、いいのですが、それをどう「調べ」、どう「分析」し、どう「まとめ」、「表現」するのか・・・最後まで完結するには「思考力」「判断力」「表現力」等たくさんの力が必要になります。正直、この研究の過程をすべて経るためには、子どもの「甲斐性」に合わない部分は大人がサポートする必要もあるでしょう。お家の方もある程度覚悟を決めなければなりません。

そういえば、私の長女が小学生の時「アリの研究」にはまっていて、「アリの集団行動を追う」目的で、何百匹というアリのお尻に「蛍光インク」をつけるのを一日中手伝わされた記憶があります。また、三女が「クモの巣をぶっ壊したらどうなるか?」という自由研究をした時は、娘が壊したクモの巣が、クモによって修繕されていく写真を、定点で何百枚も撮らされた記憶があります。「娘たちの研究のため」とはいえ、一日中、また何日も付き合わされるのはしんどかったですが、現在の娘たちの仕事ぶりを見ていると、子どもが小さい時に、それをしてあげておいてやっぱりよかったなと思います。

 

さて、KSさんの研究に話を戻して・・・。まず、KSさんが「なぜ?」って思ったことが、とても日常的で素朴なところがいいなと思います。確かに鉛筆と言えば、小学校では「Bか2B」が定番です。この「あたりまえ」を改めて「なんで?」と思うところからKSさんの「探求学習」が始まります。「そもそもBとか2B以外にどんな種類があるのか?」、「それらの違いは何?」、「実際いろんな種類の鉛筆を試したい!」、「結局、一番使いやすいのはどれ?」・・・KSさんの「探求」はどんどん広がります。


「実験」の方法を考え、それぞれを比較するときは「条件をそろえる」という実験の鉄則も頭に入っています。このへんは学校での「理科」の学習が活きています。

実際に字を書いて比べる時には、「1学期に習った漢字82字」を書くっていうのが、漢字の復習にもなっていて、効率的というか、抜け目がないというか、とにかく素晴らしい!

実験して分かったことを、表にまとめたり、グラフにしたり…算数で習ったことも活用させながら、「結局、どの種類の鉛筆が総合的に使いやすいのか?」という自分の課題に迫っていきます。


 

 

「小学校で使う鉛筆はBか2Bがふさわしい」という学校の「あたりまえ」について、自分で徹底的に調べ、自分自身で「Bか2Bが最も使いやすい!」という最適解(納得解)を導き出したことが何よりも価値ある学びだったと思います。

 ちなみに、「小学校ではなんでシャープペンシルを使ってはいけないの?」という質問をされますが、この質問については、私(校長)は明確な「最適解」をもっています。それは、「鉛筆を使う方が、筆圧にも気をつけないといけないし、鉛筆を適度に回しながら常に先端が丸まらないように使わないといけないという『不便さ』が手先を器用にしてくれるから」です。「便利」だからいいとは限りません。「不便」だからこそ、後々役に立つ『不便益』というものがあると思っています。

 KSさんを校長室で「特別表彰」しました。拍手係で一緒に来てくれた友だちととてもいい記念写真が取れました。KSさん、本当におめでとう!


10:41
2024/11/15

琵琶湖一周環状線の旅~4年校外学習~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長
今日は雨こそ降りませんでしたが、本当はスカッと晴れていてほしい日でした。なぜなら、4年生が電車に乗って、琵琶湖をぐるっと一周するのに、電車から見える「様々な素敵な滋賀」をしっかりと美しく見せてあげたかったからです。残念ながら朝から雲や霧が厚く、鈴鹿や比良の山々の稜線や、湖西線から見下ろす雄大なびわ湖の風景はぼんやりとしか見えませんでしたが、旅の後半、近江舞子あたりでは身近に美しい琵琶湖を望むことができ、子どもたちも車窓からその雄大さに見入っていました。








この「琵琶湖一周環状線の旅」は滋賀県が推奨している事業で、電車賃がかなり補助されます。おまけに、偶然にも今の期間、近江鉄道は「10円切符」が発売されていて、子どもは乗り放題10円で行けるので、かなり「お得な校外学習」になりました。



今回の校外学習で大事にしたかったことは、一つは、実際に電車で琵琶湖を一周することで、ふるさと滋賀の名所を眺めたり、湖東・湖北・湖西・湖南、それぞれの特徴に気づいたりすること。二つ目は、公共交通機関を利用する際のマナーをしっかりと守り、周り(=一般の乗客)に迷惑がかからないようにすることでした。





電車の中では、車窓からの景色を見ながら、「びわ湖一周クイズ」に答えたり、琵琶湖の風景を眺めたりしました。ただ、電車に乗っている時間が長く、集中力が切れてきて、いつの間にか電車の中が「公」であることを忘れ、学校での休み時間のように、動き回ったり、大きな声を出したりして、他の乗客の皆さんに結構な迷惑をかけてしまいました。



途中「近江高島駅」で下車し、高島市街にあるビレッジ館で「オリジナルキャンドルづくり」を体験しました。この体験は子どもたちも楽しみしていたようで、どの子も躊躇することなく、どんどん自分好みのキャンドルを作っていきました。この体験での子どもたちの積極性や創造性には、とても感心しました。工房の先生も、「この子たちは、自分のイメージを大切にしながら、自由に創作していくので見ていて気持ちよかったです。」とほめてくださいました。4年生のよさが生かされる創作体験ができてよかったです。







「明日、弟の誕生日やから、そのプレゼントにするね。」・・・、「こんなきれいな蝋燭、絶対火をつけられへんわ。ずっと、飾っとくね。」・・・そんな子どもたちの会話を聞いていて、とても心が温かくなりました。キャンドルづくりの後、みんなでひしめき合いながらおいしいお弁当をいただきました。お弁当を食べ終わるころには、キャンドルもしっかり固まって仕上がり、自分の作品を袋に入れ、壊れないように大事そうに手に持っている子どもたちの姿が印象的でした。



日頃から、電車に乗る経験もあまりないであろう4年生。電車の旅がどんなものになるか、電車の中でどう過ごせばよいのか・・・、事前に指導されていたとはいえ、実際に「びわ湖一周環状線の旅」を体験してみて、分かったことや感じたことがたくさんあったと思います。マナーなどではいろいろと「失敗」があったと思いますが、今日の体験をこれからの自分の生活に生かすことが今回の目的でもあるので、来週にまたしっかりと振り返りをしてほしいと思います。慣れない電車の旅、子どもたちはかなり疲れたと思います。この校外学習を金曜日に設定しておいてよかったと思います。土日しっかり休んで、また月曜日、元気な顔を見せてほしいです。
19:15
2024/11/14

「歯は一生もの ~1.3.5年歯科指導~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

火曜日のことになりますが、この日は1,3,5年生を対象に歯科指導が行われました。学年ごとに歯科衛生士さんに来ていただき、各学年に応じた「歯科(歯みがき)指導」をしていただきました。

1年生は、第一大臼歯を観察することから永久歯について理解し、歯みがき行動につなげることをめあてに学習しました。乳歯が20本あることを自分で確認し、その奥に4本の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えてきているか鏡を使ってじっくり見てみました。「あっ、この歯や~。もう生えてるわ。」、「私は、生えてないわ。まだこれからなんやな。」、「あっ、なんかちょっとだけ頭出してる・・・これからもっと出てくるんかな。」など、子どもたちのつぶやきを聞いているのが楽しかったです。後半は、歯の染め出しをして、染まったところがきれいになるように、ブラッシングの仕方を教えてもらいながら念入りに歯みがきをしました。多くの子が普段からしっかりと歯みがきができていることや、保護者の皆さんが、最後「仕上げみがき」をしてくださっていることがわかり、歯科衛生士さんも感心されていました。



 

3年生は、「歯の汚れ(歯垢)を確認し、歯みがき行動の意欲につなげる」ことを目標に学習しました。歯垢はバイ菌のかたまりであることや、磨き残しのところに歯垢がたまってくることを学びました。後半は、染め出しをして、自分の歯垢の状態をよく確認しながら、正しい磨き方で丁寧に歯みがきしました。1年生同様に、「日頃の歯みがきがしっかりしていますね。」と歯科衛生士さんに褒めていただきました。

 

 

最後は5年生の歯科指導です。「歯ぐきの健康を通して、自分の体は、自分で守れることを学び、歯ぐきの観察の習慣化を促し、正しい歯みがき習慣を身につける」ことを目標に学習しました。歯肉炎の原因について知ったり、歯ぐきのサインの見分け方を教えてもらいながら、染め出しの状況を自分で確認しながら、歯みがきをしました。歯科衛生士さんが、それぞれの子どもたちの葉や歯茎の状況を診て、アドバイスをしてくださいました。

 

私(校長)は子どもの頃から、口の中の健康管理や歯みがきをかなりいい加減にしてきたために、すでに数本の歯が欠損しています。失った歯は二度と元には戻りません。「なんでもっとちゃんとしてこなかったんだろう。」ととても後悔していますが、「時すでに遅し」です。

今の子どもたちは園時代から、確実に「歯科指導(歯や歯茎の健康を守る学習)」を積み上げてきています。だからこそ、私が子どもの頃に比べて、歯のことについてちゃんと関心が持てていますし、歯みがき習慣もきちんとしているのだなと感じています。自分の歯は一生の宝物です。子どもたちには、これからも高い意識をもって、自分の歯を守る知識と習慣を身につけてほしいと心から願います。

 


14:57
2024/11/13

「ものづくりの心を知る ~6年ものづくり職業体験~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長
今年度も滋賀県職業能力開発協会さんのご協力を得て、「ものづくりマイスター(プロ職人)」の指導のもと、6年生が「ものづくり職業体験」をさせてもらいました。滋賀県職業能力開発協会とは、いろんな職業の技能検定(国家資格)を行うところですが、「ものづくりの魅力」を伝え広め、「ものづくり」に関係する職業の後継者育成にも力を尽くされています。
今回、本校の6年生が体験させてもらった職業(ものづくり)は、「建築大工」、「造園」、「建築建具」、「板金」、「和裁・着付」、全部で5つです。子どもたちは、自分の興味に合わせて、いずれか一つの職業(ものづくり)をじっくりと体験させてもらいました。




 「建築大工」は、「タブレットスタンド」を作るために、木材の①寸法取り②のこぎりを使っての切り出し③釘打ち④やすり掛けのすべての工程を自分でやりました。直角が取れる「曲尺(差金)」という専用のものさしを使って、ミリ単位で切る位置(線)や釘を打つ位置の寸歩取りをしました。鋸を使うと当然おがくずも出ますが、その辺のこともちゃんとわかって、せっせと箒ではく子どもたちの姿に感心しました。






 「造園」では、立派な孟宗竹を用意してくださり、その竹を器にして、その中に「ミニ庭園」を造りました。「仕事」で一番大事なのは「安全」。職員の皆さんは、服装も手袋もきちんとされています。作業している間に暑くなってきて、Tシャツ姿になっている子がいましたが、「仕事の根本」が分かっていません。鉈(なた)を使って竹を縦に割りましたが、「鉈は危険だから使わさない。」ではなく、「鉈が危ないことをちゃんと分かって、安全に使う。」ことを大切に、子どもたちにきちんと指導してくださいました。子どもたちは、お好みの「庭石」や「植栽(花)」、「苔」などを選んで、自分なりに「ミニ庭園」をレイアウトしました。どの子もそれぞれに「趣」のあるミニ庭園が仕上がりました。家の玄関に置くととても様になりそうでした。




 
次は「板金」です。下絵に書いた「文字」の周りを叩いて凹ませることで、文字を浮き上がらせます。背景の余白は、「点描」のように小さなくぼみをすき間なくつけて、文字が強調されるように仕上げます。最後に銅板を磨き、額に入れれば完成です。丁寧さと根気のいる作業ですから、それぞれの子どもたちの性格がもろに現れます。銅板に凹みをつけるのはかなり力作業なので、しばらくやっていると疲れてきます。そこで作業が雑になる子と、あくまで細かく、均一に銅板を打ち続ける子に分かれてきます。作品をよ~く見ると、仕上がりの差が分かりますが、ぱっと見はどの作品もきれいでかっこいいので子どもたちは大喜びでした。


「建築建具」では、木材を格子状に組み立てて、紙を張り「ミニ障子」を作ります。木材を組み合わせるための溝はすでに職人さんが彫っておいてくださいます。木材の溝と溝を合わせて組み立てるのですが、これがびっくりするほど正確で、ピタッと少しの隙間も段差もなく、組みあがります。あまりにもピッタリはまるので、ある子が思わず、「わあ~、気持ちいい‼」と声を漏らしました。きっとこの「気持ちよさ」が建具仕事の魅力(醍醐味)だと気づいた瞬間でした。この「ミニ障子」は、単品でも飾りになりますし、みんなの作品を合わせてひとつの大きな「障子」の作品にもなってとても素敵でした。
最後は「和裁・着付」です。

きれいな和風柄の生地を使って、ポケットティッシュ入れを手縫いしました。着物を着た師匠(先生)が、丁寧に上品に教えてくださるので、会場の空気そのものが落ち着いた和室のような雰囲気を醸し出します。後半は着付け教室となり、全員が新品の浴衣を着せてもらいました。



子どもたちのために、これだけの体験とものづくりの材料を用意してくださる「ものづくりマイスター」の先生方には、本当に感謝しかありません。「子どもたちに『ものづくり』のよさを知ってもらいたい。」・・・その一心で、ここまで至れり尽くせりでやってくださることに、心からお礼申しあげます。
本来「ものづくり(職人)」の仕事の基本は、「習うより慣れろ」。師匠(先生)は何も教えてくれないのが普通です。「自分で師匠の仕事を見て、まねて、まねて、まねて・・・そして自分のものにする。」・・・それが仕事の基本です。そしてそれは、「学ぶ」姿勢の基本でもあります。「学ぶ」という言葉は「まねぶ」=「まねる」が語源です。親切丁寧に教えてもらって当たり前、できなかったら手伝ってもらうのが当たり前・・・そんな「学び方」に子どもたちが慣れてしまっているとすれば、それは本当の「生きる力」にはなりえないかもしれません。「学ぶ意味」や「学び方」のあり方を、子どもたちと一緒に考えながら「学校での学び」を充実させていきたいと思います。
18:45
2024/11/12

「滋賀の誇りであり責任でもある~5年フローティングスクール~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

先週の話になりますが、6日(水)・7日(木)の2日間、5年生がフローティングスクールに出かけました。航海を共にしたのは、布引小学校と八日市養護学校、そして八日市北小の3校です。お天気は申し分なかったのですが、2日目は予想以上の強風と冷え込みで、かなり揺れる船旅と初冬のびわ湖の厳しさを、身をもって体験することができました。

そもそもフローティングスクールは、約40年前の昭和58年に始まりました。初めて乗ったのは今51歳の人です。つまり51歳以下の人で小学5年生を滋賀で過ごした人はほぼみんな、この「うみのこ」に乗船し、フローティングスクールを経験していることになります。今日までに「うみのこ」に乗船した5年生は、約63万人。数だけで言えば、およそ滋賀県の人口の半分弱になります。

フローティングスクール=「琵琶湖に浮かぶ船の学校」・・・こんな学校は全国で唯一です。(ちなみに近江八幡市の沖島は、「湖」に浮かぶ唯一の「有人島」で、これまた全国で唯一です。)日本一の大きさを誇る琵琶湖自身も、その湖上で40年間脈々と続いてきたフローティングスクールも、滋賀県の誇りだと思っています。

 

子どもたちにとってフローティングスクールは、とても「特別な校外学習」です。そう思えるのは、一つは、大きな学習船「うみのこ」に乗れること、2つ目に「宿泊」を伴うこと、3つ目に他の学校の友だちと同じ班で共に行動することなどでしょう。ドキドキワクワク・・・楽しみでもあり、ドキドキハラハラ・・・大変不安でもあり・・・とにかくフローティングスクールは他の行事とは一線を画す「特別なもの」なのです。

「うみのこ」の生活は、1日目は、琵琶湖大橋港からの出航見学に始まり、開校式→避難訓練→船内見学・昼食→寄港地活動「長浜タウンウォークラリー」→夕食・シャワー→夕べの集い(交流活動)→就寝。







2日目は、起床→荷物整理→朝食→びわ湖学習→昼食→船内掃除→閉校式→下船(琵琶湖大橋港)と、割とタイトな分刻みのスケジュールで進んでいきます。

今回の子どもたちの乗船人数は、八日市北小62人、布引小31人、八日市養護16人、合計109人でした。圧倒的与党の立場にある本校の子どもたちは、他の2校の子どもたちよりも気楽な気持ちでいられたことだと思いますが、今日まで全く知らなかった他校の子どもたちと、いきなり同じ船の中で過ごし、同じグループで一緒に活動しながら積極的に仲良くなるというのは、そう簡単なことではなかったようです。「うみのこ」ですることすべてが初めてのことで、活動自体にも緊張しますし、ましてや「知らない仲間」と一緒にすることはもっと緊張します。最初の昼食は、別に楽しくしゃべりながら食べればいいのに、なぜか「黙食」を指示されたかのようになっていました。長浜でのウォークラリーでも、なんとなく一緒にぞろぞろ歩いている感じはありますが、学校の垣根を越えて会話が弾んだかと言えばそんな感じでもなく・・・。

そんな子どもたちの「硬さ」が取れてきたのは、ウォークラリーから「うみのこ」に帰ってきた時に、できた「すき間時間」で班ごとに「びわこかるた」を楽しんだ時だったような気がします。班で円になり、「かるた」というとてもシンプルな遊びをする・・・これが意外に盛り上がり、子どもたち同士の距離を一気に縮めることになりました。夜の集いでは、「ボッチャ」というパラスポーツを班対抗でやったのですが、八日市養護学校の友だちも一緒になって、とてもとても盛り上がりました。

男子は全体で40人ほどですが、一番大きな部屋で「40人全員」が寝ました。おまけに男の先生たち(本校で言えば、T先生、H先生、M先生)も一緒の部屋で寝てくれました。おそらくこんな大勢で一緒に寝ることは人生において最初で最後になるでしょう。本当にいい思い出になると思います。引率の先生たちはみんな、部屋ごとに分かれて、全員の子どもたちが眠るのを見届けてから、就寝しました。特に女性の先生方には十分に休んでもらえず申し訳なかったです。

 

2日目は、「びわ湖」について学び、考える「びわ湖学習」がメインの活動でした。びわ湖の水や水道水の透明度(透視度)調査、魚の観察、プランクトン顕鏡、湖底の観察、プラスチックごみ調査、びわ湖の漁業と食文化の6つのテーマ学習にローテーション方式で取り組みました。びわ湖の現状や課題について、新たな発見や気づきのある価値ある学習になりました。

 




私(校長)は今まで10回以上フローティングスクールに同行していますが、いつもいつも思うことがあります。フローティングの最大の魅力は、普段の生活では絶対できない「びわ湖側からふるさと滋賀を眺められる」という貴重な体験ではないかと・・・。沖の白石や多景島を間近に展望できることや、びわ湖から見る鈴鹿や比良の山々の連なり、そして伊吹山。甲板の凛とした空気の中で眺める朝焼け・・・。びわ湖越しに見るそれらの風景は、滋賀の宝物です。感動するくらい本当に美しいです。



 

私(校長)の願いは、子どもたちに「びわ湖」や「ふるさと滋賀」を素敵だと思ってほしいこと。びわ湖や滋賀をめいっぱい好きになってほしいこと。そして、誇りに思ってほしいことです。

日本一大きな湖「びわ湖」・・・周りの山々からは460本ほどの川が琵琶湖に流れ込んでいます。びわ湖の水は、私たちの大切な命の水となっています。そして、瀬田川から宇治川へ、最後は淀川となって、大阪湾に流れ出ていきます。びわ湖の水は私たち滋賀県だけでなく、京都や大阪の人たちの大切な水、近畿1,300万人の「水がめ」となっています。そんなすばらしいびわ湖がある滋賀県に住んでいることは、私たちの自慢であり誇りです。それと同時に、我々滋賀に住む者には、この母なるびわ湖の美しさを未来永劫守っていく責任があります。大切なびわ湖を「預かっている」という認識を持つことが大切だと思います。大げさに言えば、その「誇り」と「責任」を感じるために、「うみのこ」フローティングスクールはあると思っています。

2日目は、木枯らしを思わせる「北西からの強い風」が吹きました。予定の航路を行くと強風を真横から受けることになり、船が大きく揺れるため、航路を変更し、長浜から一旦マキノ方向に北上し、湖西の岸を舐めるように南下し、途中白髭神社を展望し、琵琶湖大橋港へと船を進めていただきました。船長さんはじめ、船員さんやフローティング所員の子どもたちに対する「安心・安全」の意識と心遣いには感謝しかありません。

最後に、2日目の最高気温は12~13℃にしか上がらず、大変寒い日になりましたが、朝の空気の冷え込みと温かな湖面(湖水)との大きな「差」のおかげで、びわ湖の湖面に蜃気楼を見ることができました。長いフローティング経験の中で初めて見る「自然の奇跡」でした。最後に、蜃気楼の写真を載せておきます。びわ湖の水面から少し浮くような形で、どこかの街並み?木立の風景が見えています。

 

 


16:15
2024/11/11

「芸術の秋です!~校長の図工作品解説シリーズ③~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

先週は、フローティングスクールや出張等、学校を留守にする日が多かったので、3日ほど校長ブログが途絶えてしまいました。今日からまた毎日更新を目指したいと思いますので、よろしくお願いします。「校長の図工作品解説シリーズ」も3回目。今回は高学年の平面作品の紹介です。

まずは、5年生の作品です。

 

「銀河鉄道の夜」の世界を描いた作品です。主役となる機関車をしっかりと描き、背景は幻想的、ファンタジックな宇宙を表現しています。背景の描くのに「スパッタリング」と言われる、目の細かい金網を歯ブラシ等で扱いて、絵の具を飛沫状に飛ばす技法を使ったり、「タンポ」を使って機関車の煙や輝きを表現したりしています。

5年生ですから機関車の重厚感のあるメカニックな部分はしっかりと描きたいところです。特に「車輪の部分」もしっかりと丁寧に描くことで迫力や躍動感が出ています。どうしても「寒色系」の色ばかりになりがちなので、そこにどう「暖色系」・・・黄、橙、赤、茶等を入れていくかが大事なポイントで、「機関車のヘッドライト」や「窓」に暖かい色を入れたり、機関車の一部分に暖色のラインを入れたりするとうんと絵が明るく、生き生きとしてきます。また、背景の色数が少ないので、「スパッタリング」の技法で、ピンクや紫色の「天の川」的なものを入れたり、綿棒を「タンポ」にして、橙や黄緑の「星雲」的なものを入れたりすると、銀河(宇宙)の世界がより幻想的でファンタジックなものになるような気がします。

最後は6年生の作品です。6年生はタブレットPCを持ち帰り、自分のお気に入りの風景を撮影して、その写真を見ながら風景画を完成させました。



私(校長)が若い時は、図工の授業時間数がもう少し多くて、一年に一回は必ず「写生会」をして、じっくりと時間をかけて風景などを描いていたのですが、「総合」や「外国語」などの新しい教科も入ってきた今、図工の時間数は減ってしまい、時間をかけて「写生」するような学習はしにくくなりました。逆に、ICTの活用が進み、理科の観察記録や、図工の描きたい「被写体」探したり、撮ったりする場面ではタブレットが活躍するようになりました。


さて、6年生の作品ですが、どれも大変丁寧に描かれていて、また水彩絵の具のよさである「透明感」のある着色ができているので、とても美しい作品に仕上がっています。

こういう作品づくりをする時に、一番気をつけなければならないのは、「自分の好きな風景」を写真に撮る時です。

「何が絵の主役なのか。」=「自分は何に心を惹かれたのか」、「何を中心に描きたいのか」が明確になってないと、「なんとなくきれいだけど、どこを見ていいかわからない」作品になってしまいます。一番分かりやすい構図の取り方は、「一番描きたいもの=近景(大きく)と、中景、遠景(小さく)」を取り込むような構図にすると、主役がはっきりしますし、画面に奥行きも出ます。「あれもこれも写真に取り込みたい。」と欲張ると結果的に、主役のぼけた平面的な寂しい絵になってしまいがちです。

「永源寺」を描いた作品は、永源寺の「静寂さ」を表そうとする作者の意図がはっきりとわかるので、これといった主役はないのに、心が惹きつけられる作品になりました。淡くて陰影のある着色が秀逸です。次の「神社」の作品は、神社の荘厳な雰囲気に、参拝する家族を取り込むことでとても温かな雰囲気を醸し出しています。もう一つの「神社」の作品は、神社の「歴史と美しさを感じる細工彫り」の部分に心惹かれたことがよくわかります。描きたいもの(主役)が明確になった作品だと思います。

高学年になると、子どもたちも「絵のうまさ」=写実性に関心が行きがちになりますが、「絵の主役」が引き立っている作品や「描きたい思い(気持ち)」が伝わってくるような作品がやっぱりいいなあと思います。

保護者の皆様、学習参観日に子どもたちの力作をじっくりと見てあげてください。


14:32
2024/11/05

「芸術の秋です!~校長の図工作品解説シリーズ②~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

11月に入り秋らしい日が続いています。今週は明日から5年生のフローティングスクールがあるので、なんとか安定した「秋晴れ」を期待したいところです。

前回から始まった「校長の図工作品解説シリーズ」。今日は中学年の作品を紹介したいと思います。

 


最初は3年生の作品です。ネットの生きもの図鑑等を参考にしながら、「好きな虫をドカーンと描いてみた!」的な作品づくりです。絵の「主役」がはっきりしていますから、そこは細部までしっかり描きこんで、色付けも丁寧にしていきたいところです。難しいのは背景の処理です。主役の虫は図鑑を見てしっかり描写しましたが、その虫を「どんなところ(世界)」に置くのかは、子どもたちの想像力にかかっています。あまり具体的なものを、あれこれと欲張ってがっつり描きこむと、せっかくの「主役」がぼけてしまいます。主役が引き立つように考えながら、水彩絵の具のよさを生かして、透明感のある背景に仕上げたいところです。写真の絵は、下手をすると画面を汚してしまう「黒色」を使いながらも他の色とのバランスを考えて、すっきりと楽しい世界を描いています。何よりも「主役」がしっかり主張できているのがいいなと思います。

 

次は4年生の作品です。「虫眼鏡を覗いてみたら・・・」みたいなテーマでしょうか。私(校長)の経験則ですが、中学年の発達段階として、「細かなものを、画面を敷き詰めるようにいっぱい描きこむ」というのが得意な特性があるような気がします。根気よく、丁寧に描きこんで、自分の世界を広げていくというようなイメージです。そういった意味で、写真の作品は、その特性をうまく活かせた作品だと思います。思わず虫眼鏡の中の世界をじっくり覗き込みたくなります。そして、たくさん描きこまれた小さな一つひとつをじっくりと眺めていると、子どもたちが楽しんで「虫眼鏡の中の世界」を描き広げていった気持ちがよく分かります。また、4年生ですから「虫眼鏡」の描写や、それを持つ「手」の描写は、稚拙にならないようにしっかりとよく見て描きたいところです。

子どもの絵の作品というのは、描きたいもの=「主役」が、“ば~~ん!”と明確になっているものが迫力があって素敵だと思いますし、子どもが楽しみながら描いている風景や気持ちが見えてくるような作品が「子どもらしく、子どもにしか創れない」魅力的な作品だと思います。


14:26
2024/11/01

「芸術の秋です!~校長の図工作品解説シリーズ①~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

ハロウィンの時期も過ぎ、今日から11月「霜月」に入りました。季節はすっかり秋らしくなり、今学校は図工の作品づくりの時期を迎えています。まさに「芸術の秋」真っ只中という感じです。教室や廊下の掲示板には、子どもたちの図工平面作品が貼られ始めています。

そこで、これから何回かに分けて各学年の子どもたちの作品づくりのポイントを私(校長)なりの解釈で解説していきたいと思います。

今日は、まず1年生の作品を紹介しましょう。


先日のブログでも紹介しましたが、「鼻の孔」から描き始めた運動会の絵です。どうですか、この迫力!運動会での「全力ぶり」が伝わってきます。クレヨン(クレパス)も力強くしっかり塗り込めて、いい作品に仕上がったと思います。

 次は同じく1年生の「ふしぎな世界の列車」?みたいなテーマの絵でしょうか。とても色鮮やかに、楽しい世界が描けています。1年生の子どもたちは、園時代にスタンピング(はんこあそび)やローラーを使った色遊びなんかをたくさん経験していいますから、しっかりとその辺のスキルは身につけています。その経験を存分に生かして、さらに列車は「スクラッチ」の技法を使って、黒色でしっかりと列車を描くのと同時に、不思議な世界の色とりどりの美しさを見事に表現できました。とっても楽しみながら絵を仕上げていった子どもたちの思いが伝わってくる秀逸作品です。

 

 

 

 

 次は2年生の作品です。

 


 2年生は、電車で出かけた校外学習の様子を絵で表現しました。あっさりとしたスケッチ的な作品ですが、それらの作品には子どもたちの様々な思いがこもっています。駅見学で見つけた電車やホームの「ひみつ」…例えば「点字ブロック」や「乗降位置のマーク」、「電車のヘッドマーク」などが、印象に残ったのでしょう。そのことをしっかりと伝えようとしています。また、「みんなで電車に乗ったんだ!」という気持ちをたくさんの子どもを描くことで表現しようとしています。子どもたちの「思い出」がいっぱい詰まった図工作品…個人的に私(校長)は大好きです。

 

 最後に、付録として…

 いつも季節に合わせた素敵な「書」や掲示物を作ってくださっているH先生。H先生の教室の前には、子どもたちの「これぞ秋!」というような美しい、また美味しそうな作品が飾られています。本当にセンスが良くて見入ってしまいます。次回は中学年の作品を紹介します。

 

 

 


13:06
2024/11/01

「いつもと違う朝の風景~ひとりの大きさ~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長




ここ2,3日、朝一番早く学校に来るのが私(校長)になっていて、警備システムを解除して学校に入るところから一日が始まります。普段は労務員のKさんが、6時半には学校に来て警備を解除し、学校の朝の支度をいろいろとしてくださっているのですが、事情があって連休明けまでお休みされているので、結果として、だれか他の職員が学校に来るまで学校は閉じたまま、眠ったままになっているということです。

日頃は、毎朝学校に出勤すると学校はすでに開いていて、子どもたちを迎えるために昇降口や校門がきちんと開けられていて、職員室にたくさんあるゴミ箱は全部空っぽになっていて、校舎の周りはゴミひとつない状態に整っていて、そして、私(校長)の机には、当たり前のようにその日の新聞が置かれていて…。そんな風景が毎日の「当たり前」だったのですが、Kさんがお休みされるとそのすべてが止まってしまいます。そしてようやく「そのことを誰かがやらないと、学校の一日が始まらない。」と気づかされます。


13:03
2024/10/31

「大切な権利、大切な自分を守る!~3年生CAPプログラム~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は3年生がCAPプログラムを行ないました。

CAP(キャップ)とは、「Child Assault Prevention=子どもへの暴力防止」の頭文字をとってそう呼ばれています。子どもがいじめ・虐待・体罰・誘拐・痴漢・性暴力など様々な暴力から自分の心とからだを守る暴力防止のための予防教育プログラムです。本校では、毎年、CAPスペシャリストの寺井さん、高橋さん、鶴野さんの3名にお世話になりながら、この参加体験型プログラムを実施しています。

 

このプログラムは、ロールプレイ部分と話し合い(振り返り)の部分に分かれています。最初に「権利」(基本的人権)について学びました。「生きるためにどうしても必要なもの」…食べること、寝ること、トイレに行くこと、家があること、愛情をかけてもらうこと…、子どもたちが考えた「権利」の中で、“子どもの特別に大切な3つの権利「Safe(安心)、Strong(自信)、Free(自由)」について学びました。

「大切な自分の権利」(人権)について学んだ後、特別に大切な3つの権利安心・自信・自由を奪われる寸劇(ロールプレイ)を見たり、自分たち自身もロールプレイに参加したりしながら、その後話し合い、権利を奪われたときの気持ちや、その権利を守るために何ができるかを一緒に考えていきます。

 

CAPプログラムを見ていると、いつも思います。

「子どもをあらゆる暴力から守る」、「子どもの人権を守る」というのは、それは確かに「大人の責務」であることに間違いないのですが、それだけではなく、子どもたち自身に「大切な自分を自分で守る」という意識や力を育てることが大事だなと感じさせられます。

「子どもは大人が守るべき弱い存在」とみるのではなく、「子どもは無力で何もできない」と考えるのではなく、子ども自身の問題を解決する力を信じ、その内なる力を活性化(エンパワメント)させてあげることが大事なんだなと思います。自分の大切さを知り、大切な自分を守るための行動の選択肢と、それを使って自分を守ろうとする意志が働くことで、心とからだを傷つけること(暴力)から自分を守ることができます。

今日のCAPプログラムを通じて、子どもたちは、ただ「いやっ!」と言えることも、友だちや周りの大人に相談するということも、それらはすべて「大切な自分を守る」有効な手立てなんだと気づいてくれたと思います。これからも、子どもたち自身が、自分は大切な存在と思う感覚(人権意識)をもち、自分に迫る危険な状況を「いやっ!」という感覚で察知し、その危険な状況から自分を守るための行動の選択肢「No(イヤという)」「Go(その場を離れる)」「Tell(誰かに話す)」が選べるようになってほしいと思います。


14:51
2024/10/30

「引き渡し訓練 ~いざという時のために~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、不審者が学校に侵入したという想定の避難訓練と、その後不審者(危険人物)が学校周辺(校区)になお潜伏しているという想定で、保護者への引き渡し訓練を行いました。

不審者対応訓練としては、玄関から不審者が侵入したと想定して、警察への通報、退去を求める対応や教室に近づけない対応について訓練を行いました。

 

子どもたちは、教室に鍵をかけ、できるだけ出入り口から離れたところで、静かに息をひそめるようにかたまってじっとしている行動をとります。

 

不審者を校舎から追い出し、校舎内の安全が確認できたところで、二次避難として全児童体育館に避難します。その後、保護者の皆さんに、「引き渡し」の連絡(メール)を配信し、引き渡しへと進めていきます。

引き渡し訓練とは、子どもたちが学校にいる時に地震などの大きな自然災害や事件などが起こった時を想定して行う訓練です。もし、子どもが学校にいるときに自然災害や事件が起こったときは、保護者に学校まで来ていただき、学校側は安全に子どもを保護者に引き渡さなければいけません。

非常変災はいつ、どんな形でやってくるか分かりません。今回は「不審者から子どもを守る」という想定なので、主に自動車で迎えに来ていただきましたが、これが大地震で道路が使えなくなるという事態なら徒歩で迎えに来てもらわなければなりません。

 

学校としては、今回の引き渡し訓練で、「駐車場の少ない本校で、果たしてスムーズに自動車による引き渡しに対応できるのか。」、「一度にたくさんの保護者が来られた時に、体育館においてスムーズな引き渡しが行えるのか。」…事前に段取りや役割分担をしていても、実際にやってみないとどんな事態になるか分からない…そんなことについてしっかりと検証しておく必要があると考えて実施させていただきました。

 

ある程度予想していましたが、思っていた以上に道路は渋滞し、運動場での誘導もうまくいきませんでした。学校の対応のまずさにご立腹された方も多かったのではと思っています。大変申し訳ございませんでした。しかし、やってみて初めていろいろな問題点が浮き彫りになったので、これらのことを今後の「引き渡し訓練」等に生かしていきたいと思いますので、どうぞご容赦くださいますようお願いいたします。

保護者の皆様にはお忙しい中、仕事等の都合をつけていただき、引き渡し訓練に参加いただいたこと、深く感謝申しあげます。また、各地区の民生委員児童委員さんにも、徒歩で帰る子どもたちの引率などで大変お世話になりました。本当にありがとうございました。


17:02
2024/10/29

「緊張する~!でもがんばった!~5年生研究授業~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、東近江市の「三方よし学力向上プラン」の研究指定を受けて、本校を代表して5年生のT先生がたくさんの先生方の前で国語科「注文の多い料理店」の授業を公開してくれました。参観するのは、市内小学校の研究主任の先生や教育委員会の先生たち、そして講師には東京から大学の先生も招聘しています。大変大きな研究授業なので、いつもの教室では、参観者が入りきりません。そこで今回は体育館の軽運動室を教室にして、国語の授業を行いました。

 


授業を提案するT先生はもちろん緊張していますが、大勢の大人に囲まれて授業を受ける子どもたちはもっと緊張しています。「大人だらけやけど、大丈夫やでぇ~。いつもどおり頑張りや~。」、「T先生が緊張してるから、みんなの方が助けたってや~。」などと子どもたちに声をかけながら授業を迎えました。

 


T先生も子どもたちもいつも一生懸命頑張っていますから、緊張のせいでその頑張りが参観する先生たちに伝わらないと残念だなあと心配していましたが、心配無用でした。子どもたちはとても集中していて、自分ひとりでワークシートに向かったり、友だちと意見を交流し合ったりしながら学習を進めていきました。

今回、T先生が提案したかったのは、自分ひとりで課題に向かう「個別最適な学習」と、友だちと交流しながら、考えを比較したり、深めたりする「協働的な学習」を、それぞれの子どもたちが自由に行き来しながら学びを深めていくという授業のスタイルです。つまり、「学び方」を自分で選択しながら学習を進めるというものです。いつも前向きで創造的なT先生の授業づくりへの努力の姿勢にはいつも感心させられます。

 公開授業の後は、参観者が集まって今日の授業について研究協議を行いました。今日の授業について、その成果と課題をみんなで追究していきます。子どもたちが知らない先生たちの「よりよい授業づくり」のための努力の風景です。熱心に論議する北小の先生たちの研究会の風景は、私(校長)の自慢の一つです。

 

T先生と5年生の子どもたち、今日は本当にお疲れさまでした。先生たちのいい学びになりました。


19:25
2024/10/28

「ひとつの花 ~4年生国語~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、4年生のG先生が国語の研究授業を公開してくれました。単元(題材)は「ひとつの花」。昔から教科書にある物語教材です。

だれでも小学校の時の「物語教材」は、大人になっても、印象深くずっと心に残っているものです。人によって好みは違うと思いますが、「ごんぎつね」とか「スイミー」とか…昭和世代なら、「スーホの白い馬」とか「石うすの歌」なんかも忘れない物語です。

今回の「ひとつの花」も昔からある教材で、戦時下での家族の愛情や願いを描いた作品です。簡単にあらすじを紹介すると、

 

…幼い少女・ゆみ子の口癖は「ひとつだけちょうだい」でした。戦争が激しい時代で、食料不足であり、ゆみ子の両親は育ち盛りの彼女にお腹いっぱい食べさせたくても食べさせてあげる事ができず、いつも「一つだけよ。」と言って聞かせていました。いつしか「ひとつだけちょうだい。」がゆみ子の口癖となり、「ひとつだけちょうだい。」と言えば、何でももらえると思っているのでした。

そんなある日、ゆみ子の父にも召集令状が来て出征することになりました。出征の日、見送りに来たお母さんとゆみ子。ゆみ子はお父さんのカバンの中にはおにぎりが入っていることを知っていました。それはお母さんが出征するお父さんのために家に残っていた貴重なお米で作ったおにぎりだったのですが、ゆみ子のいつもの「ひとつだけちょうだい。」が始まるのでした。ゆみ子はおにぎりを一つ食べた後も、何度も「一つだけ。一つだけ。」とねだり、とうとうお父さんのおにぎりを全部食べてしまいました。ゆみ子はその後もおにぎりを「ひとつちょうだい」とねだりますが、もう彼女にあげるおにぎりはありません。ゆみ子は機嫌を損ねて泣き出します。

困ったお父さんは周囲を見渡し、ホームの端に忘れ去られたように咲いた一輪のコスモスの花を摘んでゆみ子に渡しました。「さあ、一つだけあげよう。一つのお花、大切にするんだよう…。」と言ってお父さんは汽車に乗って出征するのでした。

10年後、お母さんと2人暮らしのゆみ子は成長して家の手伝いをするしっかり者の女の子になっていました。今日も元気におつかいに出かけるゆみ子の姿がありました。彼女が暮らす家の庭にはコスモスの花がたくさん咲いていました。

 

子どもたちはそれぞれに学習課題をもって、物語の叙述(言葉)から登場人物の心情を読み取っていきます。例えば、「お父さんはなぜ、一輪のコスモスをゆみ子に手渡したんだろうか。」という課題に対して、お父さんの気持ちがわかる(気持ちを表す)を文章の叙述から抜き出し、その心情について自分でまとめていきます。プリント(ワークシート)に自分の考えが書けたら、それをタブレットで撮影し、タブレットの共有アプリ「Padlet」を使って、それぞれのプリントを閲覧できるようにします。子どもたちは、自分と同じ課題に取り組んでいる友だちのプリントをタブレットで見ながら、自分の考えやその根拠になる叙述などについて、比較したり、参考にしたりしながら、さらに考えを深めていきます。

「自分で学習課題を選択して、いろんな情報を手掛かりにしながら、自分で解決していく」という『個別最適な学習』と実際にグループや全体で考えを交流したり、一緒に考えたりする『協働的な学習』の二つの学習を、子どもたちは自由に行ったり来たりしながら学習を進めていました。

 

今、求められている授業像は「子どもたちが主体的に、夢中になって課題に向かう授業」です。そのために「個別最適な学習と協働的な学習が一体化した授業」や「ICTを有効的に活用する授業」について研究を進めています。そういう意味において、今日のG先生の研究授業はよく考えられた授業で、子どもたちは主体的に学習に向かっていたと思います。私(校長)はICTがとても苦手なので、タブレットPCをささっと使いこなす若い先生たち(気の若い先生たちも含む)や子どもたち自身に置いてきぼりを食っていますが、学習のスタイルは明らかに変わってきているなと感じています。

 

「さあ、一つだけあげよう。一つのお花、大切にするんだよう…。」の言葉を最後に、お父さんは出征し、そのまま帰らぬ人となります。『ひとつだけあげよう』、『大切にするんだよ…』という言葉の意味、そしてお父さんの思いを、子どもたちはどのように考えてくれるでしょう…。

戦争にまつわる物語教材は、文章だけでなく、当時の状況や生活についてもきちんと理解しないと、登場人物の思いや、作者の意図(主題)に迫り切れません。

石垣りんの詩「弔辞」の中でおっしゃっている言葉、

『戦争の記憶が遠ざかるとき 戦争がまた 私たちに近づく』が再び頭をよぎります。「ひとつの花」は、国語の学習ではあるのですが、とてもとても大切な「平和学習」でもあると思います。

「かわいそうな象」、「ちいちゃんのかげおくり」、「ひとつの花」、「石うすの歌」などなど・・・改めてじっくり読んでみたくなりました。


16:48
2024/10/23

「将来の自分を描く ~6年生キャリア教育『夢訪問』~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

 運動会の余韻に浸っている間もなく、各学年、次の学習や行事に向けて取り組み始めたところです。6年生は、毎年この時期に、「自分の将来や職業に対する関心を高め、これからの自分の生き方を考える」キャリア教育の一環として、あらゆる分野のプロの方を講師に招き、お話を聞く機会を設けています。その職業の概要ややりがい、苦労、そしてその方の職業に対する思いや生き様について、直接お話を伺うことで、自分の職業観を高め、仕事(職業)に対する憧れや目標をもつことで、これからの自分の生き方を考えるための学習です。何も今、自分が目指す「職業」を決めるということではなく、「仕事というものは、何のためにしているのか」、「その仕事のやりがいや社会における役割は何なのか」、「その職業に就くためには、どんなことが必要なのか」…などなど、いろんな分野の方にお話を伺う中で、自分の中の職業観、つまり「自分がこれから働くということ」を少し具体的にイメージする機会になればと思います。


第1回「夢訪問」のゲストは、東近江警察署八日市駅前交番 河原さんの「警察官として自分」について、自ご自身の人生も振り返りながら丁寧に話していただきました。

「市民(国民)の生命・身体・財産を守るのが、警察官の使命です!」…話の冒頭に、一番大切な「警察官の使命」について、話してくださいました。

テレビなんかを見ていると、警察=刑事、「犯人を捕まえる」みたいな印象が強くなりますが、交通安全やネット被害防止、獣被害対策、認知症患者の捜索等々、「市民を守る」仕事は多岐にわたることがわかりました。

仕事というものは、単に「お金を稼ぐ手段」だけなのではなく、自分自身のやりがい(充実感)や他者や社会への貢献(有用感)を感じてこそ一生懸命働けるということを、子どもたちは感じてくれたと思います。

「夢訪問」では、これからいろんなゲストに来ていただく予定をしています。たくさんのプロの方の話から、子どもたち一人ひとりの中に、「それって素敵…。私もそうなりたい…。」というような、憧れや目標が生まれることを願っています。「夢訪問」については、またブログで報告します。

 

<追伸>本日午後より私(校長)は徳島に出張に出なければならないので、ブログの再開は来週28日(月)になります。


12:43
2024/10/22

「心の扉を開こう~みんな知って こんな私です~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

本校の学校教育目標は、「豊かな心と学ぶ力をもち 共に活きる子どもの育成」です。少し言葉が硬いので、子どもたちには「みんなが楽しい!八日市北小学校」というスローガンにして目標を伝えています。この学校目標にある3つの大切なこと…「豊かな心」=「人権尊重の心」と「学ぶ力」=「確かな基礎学力と、自ら学ぶ意欲」、そして「共に活きる」=「互いを理解しあい、支え合う力、自治能力を養い、主体的に社会(集団)に参画する力」…、これらの力を育むために日々、教育活動を進めています。

大切な3つのことを確実に、そしてバランスよく育てるために、本校では教職員を3つのチームに分けています。「心づくり」チーム、「学びづくり」チーム、そして「仲間づくり」チームの3つです。それぞれのチームが、本校の子どもたちの現状や課題に沿って、「心」と「学び」、そして「仲間」をつくる取組を全校的に進めるプロジェクトを展開しています。

今日紹介する「心の扉を開こう~みんな知って こんな私です~」いう取組は、「心づくり」チームが計画してくれたプロジェクトです。

 

チームリーダーを務める4年生担任のK先生の学級通信に、このプロジェクトの目的等が明確に書かれていたので、引用させてもらいます。

 

<4年生の学級通信より引用>

『運動会という大きな行事を終え、子どもたちは大変成長しました。個々の成長はもちろんのこと、学級・学年集団としてもまとまりがでてきました。子どもたちは、全員で大きな山を乗り越えたことでお互いを認め合い、関係性を深めることができたように思います。

 このような時期をさらに成長できる好機と捉え、全校で人権の取組「心の扉を開こう」を始めました。

 本校では、毎年、11月後半から人権に関わる取組を行って「他者理解」に努めていますが、今回は自分から「私は、こんな人間なのです」というふうに自分のことをみんなに知ってもらう取組を始めました。自己開示のテーマとして「私がすきなもの・お気に入りのもの」「得意なこと・がんばっていること」「将来のゆめ」「休みの日や自由な時間によくやること」「おすすめのものや場所」「わたしのヒミツ」の6つがあります。子どもたちは『これならみんなに教えてもいい』というものを選んでカードに書き、自分の写真の下に貼ります。1枚だけの子もいれば、10枚くらい書いた子もいます。廊下を通る他の学年の子どもたちも、立ち止まって見入っています。ここから次の人間関係が広がり、深まるといいなあと思っています。 』

 


毎年、12月の「人権週間」を中心に、人権に関わるいろんな取組をしていますが、K先生が言うように、どうしても「他者理解」の視点が中心になりがちです。「相手の気持ちを考えよう」や「友だちのいいところを見つけよう」というような取組を積み重ねてきています。

しかし、「共に活きる力」を育むためには、「自分を開くこと」=「自己開示する」「自分発信ができる」を大切にすることで、より「自己理解」や「相互理解」が進むと考えられます。

「私がすきなもの・お気に入りのもの」…ぐらいの軽い「自己開示」をきっかけに、「自分を知ってもらうこと」、「自分をわかってほしいこと」が発信できる子どもたちの心や、互いの仲間関係が育つといいなと考えています。

「私を見て!」「私を分かって!」というポジティブな発信だけでなく、苦しくてつらい時に、「苦しい」、「助けてほしい」などのHELPが発信できる子どもたちになってほしいと願っています。


12:48
2024/10/21

「『見えないこと』が多い今の時代だから」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は朝からダイハツ工業さんから8名ものスタッフ(職人さん)が来てくださって、体育館を使って、自動車の製造工程を実際に体験しながら学べる出前授業「ダイハツものづくり体験教室」をしてくださいました。教科書では伝えにくい製造工程の原理を、実物の部品や工具を「見て」「触って」「使って」もらって体験できるので本当に「生きた学習」になります。

鉄板を500tの圧力でプレスして、車のフレームやパーツを作る「プレス工程」については、アルミ箔を金型にはめてプレスすることによって、プレスの原理を理解しながらパーツ作りを体験しました。

車のボディを塗装する「塗装工程」では、実際のスプレーガンを使って、車のドアを塗装する体験をしました。(吹き付けるのは塗料でなく水ですが…)

 

部品の「組付工程」では、実物のタイヤを、インパクトドライバーを使って組み付けました。

 

そして、「組付工程」の流れ作業(ライン作業)は、レゴブロックを使って、流れ作業で順に自動車を組み立てていき、製品検査も行う体験をしました。時間内に決められた部品を組み付け、次の担当に送る担当、部品が切れないように、部品を管理し補充する担当、出来上がった製品を検査する担当に分かれて、作業をしました。チームワークが問われる仕事です。一人でも間違ったり、遅かったりすると全体のラインが止まってしまいます。各自の仕事がそれぞれ責任重大です。
 

 

「ものづくり」と、あえてひらがなで書くことに大きな意味があると思っています。「ものづくり」=「製造業」ではないと考えます。生活に必要だったり、生活を豊かにしてくれたりする「もの」をつくる大切さや、それをつくる人の思いや願いも含めて「ものづくり」、「こんなものがあったらいいな…。」と願う想像力や、「もっとこうできたらいいな。」という改善意欲も含めて、みんな「ものづくり」なんだろうと思います。

 

「もの」があふれていて、「完成品」で埋め尽くされている今の時代。何もかも便利で気軽にできる時代ゆえに、「もの」の向こう側にある「大切なもの」が見えにくい時代でもあるような気がします。だからこそ「ものづくり」体験を通して、「もの」にじっくり触れ合い、その向こうにある「人」「努力」「願い」「夢」なんかを、しっかりと感じ取ってほしいなと思います。


14:28
2024/10/18

「電車でGO! ~2年生校外学習~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

<10月17日(木)分です。昨日はサーバーエラーでアップできませんでした。楽しみにしていただいていた方々、申し訳ありません。 ホームページ担当より>

 今日は、2年生と電車に乗って、五個荘に行ってきました。私(校長)の「お天気男パワー」完全復活で、朝から快晴、むしろ暑いぐらいのお天気でした。


 学校を出発し、近江鉄道八日市駅に向かい、駅見学をした後、電車に乗って五箇荘駅へ向かいます。五箇荘駅についたら再び駅見学をし、その後は五個荘中央公園に行って、みんなでお弁当を食べて、めいっぱい遊びました。

朝、八日市駅に向かう2年生。グリーンベルトや歩道を歩くマナーはなかなかお利口さんです。何回も注意しなくても、みんなきちんとしています。

個人的には、やっぱり八日市駅はとても芸術的で美しい駅だと思いました。さすが映画「君の〇〇を食べたい」のロケ地になるだけはあります。

2年生は、生活科で「みんなでつかうまちのしせつ」というテーマで、公共交通機関について体験的に学びます。今日は「電車・駅」を学びます。旅行や買い物等で、家族で電車を利用することはあっても、自分で切符を買ったり、駅のしくみや工夫について、主体的に考えたりすることはないと思います。今日は実際に自分で切符を買ったり、駅の秘密について自分で見つけたり、駅員さんに聞いたりしながら、公共交通機関の役割や、利用する側のマナー等について体験的に学びました。

 

校外学習のしおりは、2年生にしてはボリューミーです。駅長さんから聞いた話をメモするページ、「謎解き」のように、しおりに書かれた「お題(ミッション)」に対して、自分で「ひみつ」を見つけ出し、解いていく形になっています。2年生の子どもたちの感心するところは、どんどん文字(文)が書いていけるところです。日頃から何の教科でも「書くこと」を大事に、「書くこと」の積み上げができているので、書くことに抵抗が少なく、どんどんしおりを「文字」で埋めていきます。確かな力をつけてくれていることをとてもうれしく思いました。

みんなで一緒に電車に乗る機会もそうそうないでしょう。今日は1両をほぼ「貸し切り状態」にさせてもらえました。近江鉄道ならではの、少し大きめの「ガタン、ゴト~ン、ガタン、ゴト~ン」の音と、車両の揺れがなんとも心地よく感じられました。今日は北小の子どもたちのために、特別に電車の昇降時は、すべてのドアを開けていただきました。

 

五個荘中央公園では、家族の愛情のこもったお弁当を楽しく美味しくいただいて、その後は元気いっぱい全力で遊びました。結構長い時間でしたが、誰も大きなけがをすることなく楽しく遊べて何よりでした。

ほとんどの子どもたちは、大型遊具を楽しんでいましたが、一部の子たちは遊具には見向きもせず、公園内に流れている小さな小川で、水を堰き止めようと何やらいろいろと試していました。どうやら国語で習っている「ビーバーの大工事」というお話で、ビーバーが懸命にダムをつくることが心に残っているようで、公園内の葉っぱや小枝、小石などをいろいろ持ち込んでダムを造ろうとしています。


「あかんなあ、石を置いても流されるわ…難しいなぁ。もっとたくさん石置かなあかん。」

「けっこう水冷たいなぁ、ビーバーは一回潜ったら15分ぐらい潜ってるって、すごいな。」

子どもたちの会話を聞いていると、国語の学習と目の前の遊びがリンクしていることが感じられて、とても楽しませてもらいました。

途中、竹の笹で「笹舟」を作ってあげたら、男の子も交じって小川で何回も「笹舟競争」を楽しんでいました。「校長先生、ぼく(わたし)にも笹舟作って~。」と何人もがおねだりしてきました。本当は「校長先生、笹舟の作り方教えて~!」と言ってほしかったのですが…。もっともっと子どもたちの「自分でチャレンジする!」という気持ちを育てないといけないなと改めて思いました。

 

全員、元気に八日市に帰ってこられて何よりでした。いっぱい歩いて、いっぱい学んで、いっぱい遊んだ一日、暑さもあってかなり疲れたと思うので、今夜は早めに休んでほしいなと思います。

 

明日は、朝から一日学校を空けますので、次の校長ブログは来週になります。今週もだらだらと長いブログを読んできただき、ありがとうございました。



14:08
2024/10/16

「道徳という勉強 ~1年生 ひつじかいのこども~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、2校時に1年生の道徳の授業を参観に行くことになっていたので、そのことをブログに書きます。2日連続1年生ネタになりますがお許しを…。

高学年の子どもたちや中学生に、「道徳の勉強は好きですか?」と聞くと、結構な割合で「あんまり好きではない。」と返ってきます。「どうして、きらい?」と聞いて、「だって…分かり切っていることを、わざわざ時間かけてやるから…。」と返ってきたとしたなら、残念ながらそれは、その子が今まで受けてきた授業が「ちゃんとした道徳」ではなかったということ…。道徳の授業がまずかったというしかないと思っています。

以前ブログに書いた気もしますが、道徳という勉強の目的は、「よく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。」です。「道徳的価値」を学ぶ勉強ではなく、すでに分かっている「道徳的価値」についてより深く考え、自分の生き方に生かす勉強です。教える教師側にちゃんとした「授業力(指導力)」と「子どもたちとの心の交流」がないと、なかなかこういう勉強にはなりません。

今日の1年生の道徳は、「ひつじかいのこども」というお話を使って、「正直・誠実」=「嘘をついてはいけない」という道徳的価値について考えを深めていきます。

「嘘をつくことは悪いこと」…1年生だって、そんなことはあたりまえにわかっています。道徳の授業では、この「わかっていること」を改めてじっくりと深く考えていきます。つまり、お話の人物の心情を考えていくことで、「どうして嘘はいけないのか。」「嘘をつくとどんなことがおこるのか。」「嘘をつかないことでどんないいことがあるのか。」などをどんどん掘り下げていきます。そうすることで、今まで単なるお題目だった「嘘をついてはいけない」が、「わかってるけど、なかなかそうできない人の気持ち(弱さ)があるよな…。だれだって逃げたい時や、調子に乗ってしまう時があるもの…。」と人間の弱さに共感したり、「でもやっぱり嘘をつくことは、結局は信用を失うことになるから、余計に自分の値打ちを下げることになる…。」と、「自分ごと」として正面から向き合ったりしながら、そんな思いの積み重ねが、自分の生き方を少しずつ決めることにつながっていきます。

「ひつじかいのこども」のお話は、誰でも知っているお話で、いわゆる「オオカミが出た~!」とほらを吹いて、村の大人たちを振り回すお話で、最後には本当にオオカミが出たのに、誰も助けてくれなかったというお話です。子どもたちは「村の大人たち」になったつもりで気持ちを一生懸命考えます。道徳では「〇〇さんだったら、どうする?どう思う?」とは質問しません。すでに道徳的な価値はわかっているのですから、「あなただったらどう思う?」と聞かれて、マイナスな心情(弱い部分)をさらけ出せるほど、人は強くありません。だからあくまで「村の大人たちはどう思ったんかなあ?」と問います。そうすることで、誰もが持つマイナスな心情も正直に出せます。答えているのは「村の大人たちの気持ち」ですが、その気持ちには「子どもたちの気持ち」が反映されているのです。

1年生はまだ「多くの言葉」を持ちませんから、気持ちを言葉に表すことはまだまだ苦手です。だから自分の気持ちの「位置」を黒板に名札を貼ることで表したり、「動作化」といって、登場人物になり切って演じたりします。そんな子どもたちの「動作」や「動き」を的確にとらえて、「〇〇さんは今どうして、走ったんかな?」とか「名札貼るのを迷ってたね…何と何で迷ったん?」などと、問い直すことで子どもたちの心情を拾い出していきます。この辺のところが教師の「プロの技」の部分です。T先生は、子どもたちの何気ない「つぶやき」や「動き」を確実に拾い、全体に広げていき、村の大人たちの心情の変化を子どもたちと共有していきます。T先生、さすが!お見事でした!

 

子どもたちの振り返りの言葉を見ると、「嘘をつくのは悪いこと」という道徳的価値を深く考え、「嘘をつくと、信じてもらえなくなる。」とか「ほんとうの時(いざという時)、来てくれない(助けてもらえない)から嘘はだめ。」という具合に、自分ごととして考えられるようになっていました。

「道徳の授業は、好きとはいえないけど、とっても大事な勉強だと思う…。」子どもたちがそう言ってくれるように、我々(教師)が腕を磨かないといけません。


14:31
2024/10/15

はい!まず鼻の孔(あな)を描いて⁉1年生 運動会を頑張った自分

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

1年生担任のT先生が、にっこり微笑みながら「はい!まずは鼻の穴を描きます~!」とあっけらかんと言うもんだから、子どもたちの方が「鼻の孔から…?」ときょとんとした表情になっていました。

1年生の図工。今日は運動会を精一杯頑張った自分自身の顔を画用紙いっぱいに描きます。でもスタートは「鼻の孔」から…。子どもたちは「顔」を描くのに、まさか「鼻の孔」から描くなんてこと今までしたことがないのでしょう。頭が???のまま、それでも先生を信じて、おそるおそる描き始めます。

「鼻の孔が描けたら、鼻を描いて、その次は口です。まずは唇があるでしょう…それから歯も見えるね…。」実際に、子どもたちに鼻や口や目の形を自分で確認させながら、描き進めていきます。

 

はじめは、半信半疑の子どもたちでしたが、次第に思い切りがよくなってきました。「なんやこれ!気持ちわる~!」なんて言いながらも、描くのが楽しくなってきたのかどんどん笑顔になっていきます。

 顔を描くのに鼻から、つまり真ん中から描いていく…。一見、普通じゃないように思えますが、小学校の図工の世界では、昭和の時代からの「常識」です。「酒井式」と呼ばれる方法で、顔を描く時に、「鼻→口→目→眉毛→顎→輪郭→耳→髪の毛…」という順番で、中から外へ外へと描き進める方法です。この順番で描くことによって、どの子の絵も小さくならず、めいっぱい大きく、ダイナミックになっていきます。


 

そして、「酒井式」の大事なところは、子どもたちに顔のパーツをひとつずつ触らせて、形や大きさを確認させながら描かせるところです。「口には、唇があるね。」「目にはまつ毛が生えている。」「首の太さは、口の幅より広いねえ。」「髪の毛はどこから生えてきてる?」…きちんと自分の顔を触って、顔のパーツを確認しながら描き進めていきます。

そうすると不思議なことに、どの子の絵(顔)にも生命感というか、生き生き感があふれてきます。大きすぎて、頭なんかはみ出している絵もたくさんありますが、なんとも言えず「子どもらしい(=子どもしか描けない)作品」に仕上がっていきます。

子どもの絵というのは、描く対象に対しての「思い」やその時の「気持ち」がはっきりと現れます。目の前で見た「牛の大きさ」が印象的なら、牛の絵はめっちゃ大きく描きます。収穫したさつまいもがずしんと重い大きなものだったら、その絵も大きくずっしりしたものに自然となります。「見たまんま」「感じたまんま」が絵になります。

今回は、自分の顔を触りながら、顔をメインにどか~んと描いていきますから、当然腕や足を描くスペースはほとんどなくなります。でも子どもたちは、少しの空いたスペースに腕や足を、ねじ込んで描きます。曲がっていようが歪んでいようが、無理やり押し込みます。これがまた、子どもらしい「味」になって、素晴らしい作品が生まれます。子どもしかできない名人芸であり、神業です。
 

 最近は、タブレットがありますから調べたいことを調べたり、描きたいものの画像を検索して、それを画用紙に描き写すことが手軽にできるようになりました。しかし、タブレットにある画像を見て、それを画用紙に描くのは、単なる「描き写し」、所詮「2次元→2次元」ですから、そこにはなかなか「味」や「面白さ」は出てきません。やはり子どもの絵は、目の前にある「3次元」の本物を、その本物に対する「思い」も含めて、無理やり「2次元」の画用紙にぶち込むからこそ、「味」と「魅力」が生まれてくるのだと思っています。

 1年生の作品の仕上がりがとても楽しみです。きっと、めっちゃがんばった運動会への満足感も絵に現れてくるでしょう。


15:05
2024/10/11

「運動会のねうち ~競技や演技でないところで~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

1週間も「延期」になってしまった運動会が、秋晴れのもと予定通りのプログラムで実施することができて、心からほっとしています。一度は意気消沈した子どもたちが、ここまで見事に輝ける運動会ができたこと…子どもたちの力は本当にすごいなと驚いています。

運動会当日、私(校長)はできるだけプログラム以外のところをしっかり見ようと心がけています。

 

例えば、各組のスローガンが書かれた団旗…あたりまえのように掲げられていますが、この団旗をつくるのにも6年生の苦労が見えてきたり、「たぶん、絵の上手な子とか、字がきれいな子が活躍してくれたんだろうな…。」と想像できたりします。

 


高学年が役割分担してくれている係の仕事。得点係の仕事は目立ちませんが、迅速で正確な計算が求められる結構タイトな仕事です。徒走やリレーで活躍できなくても、こんなところでめっちゃ活躍している子どもたちがいます。


競技前に子どもたちを招集、集合、整列させる招集係の子どもたち…。大きな声で、低学年にもよくわかるように言葉選びや指示の仕方を工夫しています。たてわり班別に並ばせることもけっこう大変ですが、しっかりとリーダーシップをとって号令も明確です。こんなところにも子どもたちのがんばりと輝きがあることを忘れてはいけません。

競技後の退場にまぎれて、これもまた目立ちませんが、競技に使った道具を腕いっぱいに抱え、片づけてくれている用具係の子どもたちのがんばりも見逃せません。

他にもたくさんの係があって、それぞれのところで、子どもたちが運動会を支えていてくれました。競技や演技ばかりに目が行ってしまう運動会ですが、運動会を支える仕事を懸命にやっている子どもたちの姿にも大きな称賛を送りたいと思います。

 今年度の運動会は、とても「常時応援」が盛り上がった運動会でした。「仲間を精一杯応援する」という気持ちと行動は、運動会で得られる大切な成長です。特に6年生の競技の時、5年生が音頭をとって、チームで応援する姿がたくさん見られたことがとても価値ある風景だと感じました。5年生にも来年の自分たちの姿が見え始めています。

 


子どもたちが主役の運動会ですが、子どもたちを主役にするための先生たちの「黒子のサポート」もなくてはならないものでした。

 

高学年の組体操の演技を裏から見て見ると、先生たちの姿勢や目線に子どもたちに対する思いがしみじみ見えてきます。何としても「成功させてやりたい…」、先生たちの子どもたちに対する愛情がいたるところに垣間見える運動会でもありました。

最後に、開会式であいさつをしてくれたKさんと閉会式であいさつをしてくれたTさんのあいさつが本当に立派でした。Kさんはふざけた校長挨拶の代わりに、式をビシッと締めくくってくれました。こんなに立派にあいさつできる子たちがいるのも北小の自慢です。これがあいさつの「手本」=「ゴールイメージ」となり、それが毎年受け継がれることによって、校風が創られていきます。

それにしても、閉会式のTさんのあいさつは心にしみました。自分たちのがんばりを称えるとともに、最後は周りの人への「感謝」の気持ちでしめくくる…本当に気持ちのこもったあいさつであり、自分たちをきちんと「主役」として認識しているところが素晴らしかったです。

閉会式の最後まで、たくさんの保護者の方に残っていただきました。競技が終わると閉会式を待たずにぞろぞろと帰られる…他の学校ではよくある風景ですが、本校の閉会式はたくさんの保護者の皆様に見守られながら、子どもたちが最後の最後までやり通せた、あたたかな運動会でした。

本当にありがとうございました。

3連休はゆっくりと休んでほしいなと思います。北小のこどもたち…本当にお疲れさまでした。


17:10
2024/10/10

「本当にお待たせしました。いよいよ明日です!」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

運動会、最初の実施予定日から8日。三度「延期」をさせてもらった今年度の運動会が、ようやく明日実施できます。子どもたちはモチベーションを維持するのが難しかったですし、先生たちは予定が大きく変わったことで、運動会のことを気にしながら、次々と次の学習や学年行事もこなしていかなくてはならなくなりました。保護者の皆様には、変更のたびに仕事の都合をつけていただくというご負担をかけることになり…1週間、運動会が延びることが、「あらゆる負担」を増大させることになること…校長の責任の大きさを痛感しております。

待ちに待った分、明日は爽やかな秋晴れの下、フルプログラムで運動会ができそうです。本番に強い本校の子どもたちですから、1週間のブランクを感じさせない「全力」と「協力」の姿を見せてくれると信じています。

 

低学年は、団体演技のおさらいと、1年生は50m走、2年生は団体競技の練習を行いました。勝っても負けても、友だちに声援を送り続けられるのが低学年の素敵なところです。「仲間を応援する」という低学年なりの「協力」の姿がしっかりと見られます。1年生の50m走のスタート時には、名前を呼ばれて「はい!」と元気に返事をする1年生の「全力」も見ていてとても気持ちがいいです。

 

中学年は最後まで「達成感」や「美しさ」にこだわって、しっかりと練習を繰り返しました。自分たちで感想を出し合いながら、「気をつけること」「改善すること」を明確にしながら練習していました。モチベーションの低下を感じさせない、元気な声ときびきびとした動きがとても気持ちよかったです。

 

高学年は、組体操の動きを確認したり、不安な部分について重点的に練習したりしました。残念ながら明日どうしても参加できない友だちの役割を、誰が代わりに行うのか、ペア・グループの組みなおし等も含めて、細かな調整をしていました。先生たちのサポートの動きも確認しながら、明日の本番が「成功」するよう、最後の練習を行いました。本番の成功に向けて、本気で練習に取り組む高学年の凛々しい表情がとても輝いて見えました。


最後にミーティングでは、私(校長)から、「貴方たちは、明日の運動会の主役の中の主役です。貴方たちには、主役中の主役を張る「誇り」と「責任」があります。競技、演技、応援、係の仕事…すべてにおいて、下学年のあこがれとなる姿を見せる責任があります…。」そんな話をしました。学校文化を創るべく「あこがれ」の存在でいるという高学年の自覚と責任感、そしてそのことのかっこよさを「自分ごと」としてとらえられている子どもたちが多くいることを願います。下学年がいくらがんばっても、はるか及ばない高学年の「雄姿」と「威厳」を誇示できる運動会であってほしいです。

 

あとは、子どもたちの力を信じるだけです。どうか、「みんな」にとって最高の運動会になりますように…。

 


18:53
2024/10/09

「たくさんの学びがある『もりのこ学習』」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は4年生が、河辺いきものの森に「もりのこ学習」に出かけました。「秋の自然を探求する」というのが今日の学習の目的だった気がします。

そもそも「河辺いきものの森」は、もともとは愛知川の川沿いに広がった「河辺林(かへんりん)」です。「河辺林」というのは、そこで生まれる植物や樹々、農作物が人々の生活と深く結びついていた「里山」としての役割と、川の氾濫(洪水)の被害をくい止める「防災林」の役割があり、人々の手でその自然は大切に守られてきました。ところが、人々の生活が変化して、「里山」の自然をあまり必要としなくなったため、「河辺林」は放置状態となり、保たれていた生態系は崩れ、やがて生命力の強い竹林に覆われ、荒廃していきました。

そんな荒れた「河辺林」を昔のような「里山」に戻そうと、心ある人たちが長い時間をかけて整備、保全してくださり、今の「河辺いきものの森」になったという経緯があります。「河辺いきものの森」で自然について学習するというのが主たる目的ですが、別の角度から考えると、この地域の宝である「里山(河辺林)」について知り、その魅力を実感し、これからもその「里山」を守っていくという心を育てることもとても大切な学習の目的になります。

今日は、子どもたちが「探検地図」をもって、「秋の自然」を探索に行く学習です。それぞれがタブレットをもって、見つけたもの、興味を持ったものを写真で記録していきます。

服装は長袖、長ズボン、そして長靴。今日の「いき森」に入るには必須のアイテムです。担任の先生の指示ですが、本当は、なぜこの「服装」でないとだめなのかを自分たちで考えられる、判断できる力をつけてほしいと思っています。いわゆる「危機回避能力」です。子どもたちからすべての「危険」を事前に取り除くことは不可能です。これから生きていくうえで大切なのは、「何が危険なのか。」、「なぜ危険なのか。」、「その危険を避けるためにはどうすればいいのか。」を自分で考えることが大切だと思います。そういう意味で「もりのこ学習」は「安全教育(学習)」としての側面も持っています。

 

今日の場合、一番の危険は何か?・・・大きく3つ。秋とはいえ、まだまだ気温が高いので、「スズメバチ」の活動が盛んであること、今は「マムシ」の繁殖期で、とても神経質になっていること、雨上がりで特に「木(橋、木道等)の上」が非常に滑りやすいこと・・・です。

そのことを考えると、今日の「服装」が見えてきます。例えば、長靴を履いていれば、万が一「マムシ」を知らずに踏んづけても、「マムシ」は体調が短いので、鎌首を持ち上げたところで、足をかまれることはありません。ハチや蚊、「ウルシ」などの有害植物から身を守るためには長袖、長ズボンは必須です。今日、黒い服を着ている子が結構いましたが、本当はあまりよくありません。「ハチ」やムシは「黒」によってきます。


 

子どもたちは、興味を持った植物やムシたちを写真に収めていきました。「いき森」の井田先生が、しっかりと安全を確保しながら、「スズメバチ」の観察もさせてくださいました。「危険」をきちんと教われる貴重な経験でした。

教室に帰ってから、自分たちの「タブレットに収めてきた生きものは何なのか?」について、ネットなどで詳しく調べていました。

これからは、自分の興味を持ったテーマごとに、自分で探求学習を進めていきます。テーマは、①森にすむ動物・虫等について②森に自生する植物について③森(の自然)の役割について④森(の自然)を守ることについて、の4つです。自分でテーマを選びます。子どもたちがどんなところに「関心」をもち、どれだけ自分の考えを深めていけるか…楽しみです。

 

 

話は変わりますが、3階の廊下から運動場を見下ろすと、一人黙々とロープを張る作業をするH先生の姿がありました。「ロープ張りはH先生の仕事」と決まっているわけでもないのに、H先生のように少しの隙間時間に人知れず「仕事」をしてくれる先生が多いのが本校です。

そして大切なことは、その「人知れずの仕事」を周りの者(教職員)がきちんと知っていることだと思っています。いろんな「隙間の仕事」は、できる人、それに気が付く人がやればいい・・・ただそのことをみんながきちんと知っていることが大事で、そこにお互いに「感謝」の気持ちが生まれ、組織の「同僚性」が高まり、結果として強力な「チーム力」=「学校力」が発揮できる…そんな北小の先生たちです。

 H先生、本当にいつもありがとうございます。


18:09
2024/10/08

「勢いありすぎてびっくり! 静かすぎてびっくり!」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

運動会当日までがやたらと長く感じる今週です。「子どもたちの達成感や満足感」を真ん中に据えて、運動会実施の可否を考えると決意したものの、度重なる延期で、保護者の皆様には大変ご迷惑をおかけしています。いろんな都合でどうしても11日(金)に観覧していただけないご家庭もあるかと思います。本当に申し訳ありません。

学校としては、当日観覧いただけない保護者の方々に、「団体演技の前日リハ」を自由に参観していただけるようにしたいと思います。(完全な発表ではなく、あくまで通し練習ですが…)また、運動会の当日の演技や応援合戦をビデオに録り、それを後日、YouTubeで限定公開配信したいと思います。運動会に来ていただけなかった方々に、少しでも運動会の雰囲気が味わっていただければと考えています。詳しくは「コドモン」で案内させていただきます。

 

さて、運動会が延期になったからと言って、まだまだ練習できるというものではありません。教育課程上、もうほとんど「運動会の練習」に費やす時間はありません。あとは前日リハ練習ぐらいです。子どもたちのモチベーションの維持がなかなか大変なところです。

そんな中、応援団長さんをはじめとする応援リーダーが頑張っていてくれます。今日の朝いちは、応援練習がありました。

 

私(校長)は、朝遅刻してくる子どもたちを迎えてから、雨合羽を着たまま急いで各教室で行われている応援練習を見て回りました。今日一番驚いたのは、3年生の応援の声の大きさと勢いでした。前で応援を仕切ってくれる6年生の声がとても大きく堂々としていて、それだけで気持ちいいのですが、それに負けじと3年生が「ド真剣」に声を出したり、ペットボトルを叩いたりするのが、本当にすさまじい勢いで、お腹にどーんと響いてきました。「この感覚って、甲子園の1塁側スタンドにいる感覚に似てるな…。」と思いました。子どもたちのテンションがぐーんと上がった感じがとても楽しかったです。

 

一方、本校の午後いちは「読書タイム」から始まります。掃除が終わった後、「気持ちを落ち着けて15分間読書に浸る…」そんな時間です。担任の先生も一緒に読書をします。読書タイムの時間に校舎を見回っていると、とびきり静かに読書に没頭している学級を見つけました。2年生の教室です。本当に静かに、子どもたちが読書に浸っています。低学年ですから、ほとんどが絵本なのですが、中にはかなり文字数の多い本を読んでいる子たちもいてびっくりしました。

 

読書が習慣になって、「生活の一部」にまでなってくれるといいなと思います。「たかが15分、されど15分」…毎日の15分の積み上げが「確かな力」として育っていきます。「タブレット(スマホ)もいいけど、読書もね!」そんな風に言える子どもたちに育ってほしいです。

 

明日からは「秋晴れ」が戻ってくるかな…あと少しの辛抱です。


18:18
2024/10/07

「ぐっとこらえて、力をためて…」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

秋晴れのもと、最後まできっちりとやり切らせてあげたい…そんな思いを真ん中において、再々延期を決めました。「今日は何とかできたのでは…」という声も多く、心苦しく思いますが、本校の子どもたちの頑張りにふさわしい「秋晴れの運動会」をあきらめきれない…そんな思いでいます。結果として保護者の皆様を振り回すような形になってしまい本当に申し訳ございません。

朝の校内放送で、子どもたちに延期したわけを説明し、運動会までの4日間、①やる気と力を蓄えておいてほしいこと、②けがや病気がないように気をつけて生活してほしいこと③授業や他の行事のことも同時進行になるので、けじめをつけてがんばってほしいこと、の3つをお願いしました。

何度も延期になって、気持ちがダレてきそうですが、今まで本当に一生懸命頑張ってきたのだから、ここはぐっとこらえて、そして力をためて…すべての力を、すべてのエネルギーを11日(金)の運動会で爆発させてほしいと思います。

 

給食前の時間には、ふたりの団長さんに来てもらって少しお話ししました。

「団長が中心になって一生懸命やってくれているのに、なかなか運動会が実施できず申し訳ない。」ことを謝った後、ふたりの気持ちを聞きました。

「やっぱり晴れた日に、最後までしっかりやり切りたい。」、「全部出し切ったと思える運動会にしたい。」

ちゃんと前を向いていてくれる二人のまなざしは力強くまっすぐでした。

「副団長や周りのリーダーは頼りになりますか?」と聞くと、二人とも即答で「はい!」と返事をしてくれました。「最高の運動会になるよう、それぞれの団を盛り上げてしっかり頑張り切ってください。」とお願いして、話を終わりました。頼りがいのある二人の団長の背中を見送りながら、少し心がすっきりしました。

 

昼休みの運動場には、リレーの練習をする子どもたちの姿がありました。一生懸命なんだけど、みんな笑顔で練習しています。「やらされ感」のない感じがなんともいいです。特に6年生は体も大きくなり、走りに力強さとスピードが増し、とても見ごたえがありました。

5年生は、校外学習の計画をしていました。今年度はホンダ自動車工場の見学なので、もれなく「鈴鹿サーキット」がついてきます。「運動会をめっちゃ頑張るから、そのご褒美旅行やあ。」と子どもたち…。校外学習は15日(火)。運動会が終わって、三連休明けの校外学習…まさに「打ち上げ」的な校外学習になりそうです。子どもたちの声がうきうき弾んでいました。

 

今日から、教育実習の受け入れが始まりました。教諭志望のY先生と、栄養教諭志望のS先生です。S先生は、今日までもボランティアで学校に来ていてくれているので、子どもたちもよく知っています。お昼休みは、さっそく子どもたちに囲まれていました。運動会の助っ人としても頼りにしています。Y先生は4週間、S先生は1週間の実習になります。よろしくお願いします。
 

 


18:16
2024/10/04

それぞれのふんばり・忍耐が報われますように~延期の続く運動会~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日も予報通り、朝からしっかり雨が降り、運動会は再延期となりました。子どもたちの運動会に対する意気込みや目標意識が次第に弱まっていくのではないかな…と不安な気持ちが膨らんでいきます。先生たちは、「子どもたちのために…」と一生懸命頑張っていてくれますが、運動会が延期が長くなるほど、毎日の授業計画や校外学習の準備・事前学習が圧迫されて、本当にすべてがきちんとやりきれるのか…不安と焦りの気持ちが大きくなり、それが精神的なしんどさになっていると思っています。保護者の皆様にとっては、「早く実施日を確定させてほしい。でないと、仕事の都合もつかない…。」とイライラする気持ちをぐっとこらえて、じっと学校からの案内を待っていてくださるのだろうと思うと、それも大変申し訳なく思っています。

今日は、朝から応援練習をして、その後どの学年も少し運動会の練習を入れました。

 

低学年は、今までと同じように笑顔いっぱいにダンスを踊ります。「発表の練習」というよりも、今は踊っていることが純粋に「楽しい!」いった表情に見えます。私(校長)がちょっとお邪魔して、子どもたちに交じって不細工なダンスをすると、子どもたちは余計にニコニコ顔になって、さらに張り切って踊ってくれます。雨が続くせいで悶々としている気持ちが、一気に楽しい気持ちに変わります。本当に低学年の子どもたちに元気をもらっているな…と心から感謝したい気持ちになります。

 

中学年は、変わらず「いい緊張感」を保ったまま、きびきびとした動きでフラッグの演技のおさらいをしています。中学年の子どもたちは、「このダンスとフラッグを早く多くの人たちに見てほしい!」という気持ちでいっぱいです。中学年の子どもたちの自信に満ち溢れている表情に、「たくましさ」と「大きな心の成長」を感じずにはいられません。これが運動会の力だなと思います。


 

高学年の大技は、子どもたち一人ひとりの「気合い」や「タイミング」、「息」がぴたっと全員揃わないと成功しません。下段の子どもたちは、上に乗る人の「重み=命」をずっしりと感じながら、重みや痛みに耐えます。上段の子どもたちは、下段の人たちの「必死の支え」を感じながら、その支えを信じて「勇気」をもってジャンプして上に乗り、しっかりと顔を上げます。すべてが揃わないと完成しないのが組体操の難しさですが、難しいからこそ、大技が決まった(完成した)時の達成感と一体感はとてつもなく大きなものになります。「つながり、支え合い、信じあう」ことの向こうにある「達成感・一体感」を実感する経験は、間違いなくこれから生きていくうえでの大きな目標にもなり、エネルギーにもなります。大技「学年ピラミッド」の本番での成功を祈っています。

来週こそ、子どもたちがすべてを出し切れる運動会をきっちりとやりたい。


13:14
2024/10/03

「天気には抗えず… ~運動会延期に子どもたちは何を思う?~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

朝6時前、校長室に集まった教頭先生、体育主任のT先生、教務部の2人のH先生。職員室には、会場準備に備えてたくさんの先生たちが来ていてくれました。まだ空は明るく、「ほんとにこの後降ってくるのか…?」、「ひょっとしてこのまま降らないのでは…。」…ついついそう思ってしまうほど、先生たちは「何とか運動会をさせてあげたい。」という気持ちが前のめりになっていました。

いろんな天気予報を手掛かりにしながら「やはり今日は雨がずっと降り続く」と判断し、「延期」を決定し、教頭先生に「コドモン」配信をお願いしました。

 

登校時刻になって校門で子どもたちを迎えます。昨日はたくさんの子が「校長先生、明日は絶対運動会してや!雨が降ってもしてや!」とお願いにきたので、今朝は、「校長先生!なんで延期にしたんよー‼」と責められる覚悟で立っていましたが、誰一人私(校長)を責める子はいませんでした。子どもたちも、先生たちと一緒で、雨が降るまでは、「雨で延期になることは覚悟してるけど、なんか奇跡が起こりそう…」というわずかな望みを持っていながらも、雨が降り出した道を歩いてくる間に、「まあ、しかたないよな。」と「延期」を受け止めてくれたんだなと思いました。今日が本当は「運動会」だとは思えないほど、子どもたちは「平常通り」登校して、「平常通り」あいさつをして、校舎に入っていきました。


 

子どもたちは「運動会延期」に落胆し、力が抜けるというか、空虚感みたいなものを感じながら力なく授業を受けているのかな…と心配していましたが、教室での授業の風景も「平常通り」でした。気持ちを切り替えて、学習に向かっている子どもたちの意外な「落ち着き」にとても感心しました。いろんな経験をくぐりながら、子どもたちはちゃんと「成長」しているんだなと思いました。

6年生の副団長Kさんの机の隅には、「てるてる坊主」と鉢巻がそっと置かれていました。授業中に「学習に関係ないものは出さない」というのがルールですが、今はKさんの気持ちが痛いほどよくわかるので、そこには触れないでいることにしました。

子どもたちは、「中途半端」な形ではなく、「フルスペック」で全競技をやり切りたいと強く思っています。特に6年生の子どもたちは…。

そんな思いをぜひとも叶えてあげたいと強く思っているのですが、明日の運動会実施も厳しそうです。雨が降らなくても、今日これだけ降ると、水はけの悪い本校の運動場は、使い物にならない状態になります。来週もまだ天気が回復しない予報になっています。校長としては、大変判断に悩みます。

 

児童昇降口の「ありがとう&すごいなメッセージ」には、運動会に関する「ありがとう」がたくさん貼られています。特に最近は運動会の指導をしてもらっている先生たちに対する「ありがとう」が多くあります。先生たちと子どもたちの「運動会にかける思い」が一つにつながっている様子がうかがえてうれしくなりました。


そして、最後に最高にうれしい「ありがとう」メッセージを見つけました。4年生の
Nさんが書いてくれたものです。

「ささえてくれたひとへ… ささえてくれたひとのおかげで、いい運動会がむかえられそうです。

ぼくは運動会を楽しみにしています。」

 

「全力」と「協力」がテーマ(目標)の運動会。Nさんのメッセージはまさにこのテーマを具現化した

とてもあたたかなメッセージだなと、心がほっこりしました。

子どもたちのために、いい運動会にしてあげたいです。

 


15:15
2024/10/02

「心が苦しい一日 ~運動会前日~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

3週間前ぐらいから、毎日週間天気予報を気にしながら、「何とか10月の1週目は、いい天気サイクルにはまってほしい。」と切に願ってきましたが、無情にも「明日から雨」、「来週一週間もずっと雨…」という予報に天を恨みたい気持ちになっています。

朝、登校してくる子どもたちからは、「校長先生、明日雨らしいけど、雨が降っても運動会してや。どうせ着替え持っていくから濡れても大丈夫!」とまっすぐなまなざしでお願いされ、「子どもたちのやる気や期待」と「最悪な天気予報」の真逆さに、心がちくちくと痛みだしました。

「ごめんな。校長先生のパワーが足らなくて、明日までお天気をもたせることができんかった…。申し訳ない。」と子どもたちに謝ると、「そんなん、校長先生のせいやないやん。お天気を決めてる空の誰かのせいやわ!」と返してくれる言葉に、心がじーんとするやら、余計に痛くなるやら…。

 

「校長先生、どうしても運動会したいから、てるてる坊主作ってきたんやで。」とランリュックからてるてる坊主を取り出して見せてくれる子どもたちの笑顔を、愛おしく思うのと同時に…「こんな素敵な子どもたちばかりやのに、なんで明日晴れさせてくれないんだ…!」と心の中の憤りが膨れ上がります。

 

運動会前日の今日は、子どもたちの天井知らずの「元気はつらつさ」と、運動会に向けた「やる気と自信」、そして子どもたちの「会心の笑顔」が満ちあふれていました。

昨年度、なかなか運動会の取組に参加できなかった子どもたちも今年度は「自分のがんばりどころ」や「ちょっと楽しみにできるところ」を手に入れられたようで、友だちと一緒に一生懸命練習に取り組んでいる様子が見られ、とてもうれしく思います。もちろん、運動会に「大きな不安」を抱いて、悩み葛藤している子どもたちもいます。そんな不安が少しでも取り除けるよう、学校としての組織的なサポートや、子どもたち同士が支え合える仲間づくりに力を入れて取り組んでいます。

 

最後のリハーサル練習。低学年の子どもたちに「ダンスをやっていて楽しいか?」、「このダンスを家族や上級生に見てほしい?」と尋ねると、みんなが「は~い!」と元気よく自信満々に答えてくれました。「見てほしい!」と思える気持ちこそが、今日までのがんばりの証であり、自分の成長の実感なのだと思います。

 

中学年は、さらに動きに「キレ」が出てきて、フラッグの動きや振る音が「見事にそろう」美しさを表現できるようになりました。高学年に負けない、いやその上をいく「元気な声」「きびきびとした動き」「演技への集中力」、動きが「そろう美しさ」…心から「いやぁ、かっこいい~!」と唸ってしまうほど、演技の質を高めました。中学年の演技を見て高学年は、そのプライドに火をつけられることになるでしょう。

 

演技の仕上がりの遅れを心配した高学年ですが、さすが高学年。本番までにきちんと仕上げてきました。子どもたちの表情も「凛」としたものに変わってきて、下級生の「あこがれ」となる、見ごたえのある組体操を披露してくれることになるでしょう。

昼休みも自主的にリレーの練習をしたり、組体操の練習をしたりする子どもたちの姿が見られました。そんな子どもたちの表情からは、「明日は雨が降って、運動会ができないし…。」というような「あきらめ感」や「がっかり感」は微塵も感じられませんでした。明日のお天気に関係なく、子どもたちのボルテージは最高潮に達している…そんな子どもたちの思いの強さがまた一段と私(校長)の心を苦しめます…「なんとしても運動会をしっかりやってやりたい…」。

最悪な天気予報に心を折られそうになりながらも、奇跡的な「予報外れ」を期待する自分がいます。当日朝の実施判断になり、保護者の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、なにとぞご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。


16:09
2024/10/01

「書籍で調べるよさ~ものしりライブラリー~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

いよいよ明後日が運動会。各学年、仕上げの練習に励んでいるところです。校内の雰囲気は運動会一色ですが、昼休みに図書室を覗きに行くと、ちゃんと読書に浸っている子どもたちがいることに安心します。

この2学期から図書室前の少しスペース(元3階給食配膳室)を改装して、「ものしりライブラリー」という「調べ学習」のためのコーナーを設置してもらいました。このコーナーの企画は、図書司書のY先生。そして部屋のレイアウト(内装)を考えてくれたのはスクールサポートスタッフのSさんです。いわゆる「先生=教員」ではない学校スタッフの皆さんが、子どもたちのために労を惜しまず、進んでいろんな仕事や気配りをしてくださることにいつもいつも感謝しています。このような「縁の下の力持ち」的なスタッフがたくさんいてくれるのが、北小の強みというか温かさです。

 

 

さて、「ものしりライブラリー」は調べ学習に特化した図書スペース。図書の分類別、調べるもののテーマ別に調べ学習用の書籍が分類されています。一人1台タブレットPCが日常化した今、教室での調べ学習ではタブレットのネット情報に頼ることが多くなっているのが現実ですが、それはやはり「効率化」や「個別最適化」をねらいにしたものであって、果たして本来の「調べ学習の値打ち」に叶ったものであるかどうかは微妙なところです。

ネット情報は知りたいことに「ピンポイント」にアプローチできる「速さ」「気軽さ」があり、便利なことは間違いないのですが、その情報の「確からしさ(信憑性・信頼性)」にはかなり怪しいところもあります。また、調べたいことに瞬時にアプローチできますが、その範囲は狭く、限定されたものになりがちです。一点集中…狭く深く…的なアプローチのような気がします。

一方、書籍の情報は「正確」ですし、出典(情報の出どころ)がはっきりしていて信頼性があります。

そして一番いいのは、ネットよりも「広角」に情報が見えるということです。わかりやすく言えば、調べたいことについてだけでなく、その周囲にある「ついでの情報(周辺情報)」まで見えることで、子どもたちの興味や探求心をより広げてくれます。(新聞を見ていて、いろんな情報が目に入ってくる効果と同じ)

 

昼休みに「ものしりライブラリー」に来ていた子どもたちに、「ここの部屋の居心地はどう?」と聞いてみると、「めっちゃくつろぎながら本が読めるから好き。」という返事が返ってきました。下に敷いたマットの感触が心地よくて、ついつい寝そべってしまうようです。子どもたちの評判も上々です。

 

ネットで検索をかけるより、書籍を開いて、ページをめくっていくのは一見「効率的」ではない「手間のかかる」学習かもしれませんが、「必要な情報は何か?」を考えたり、「適切な資料」を選んだりする力も自然と身についていきます。今の時代に合った「ICTの活用」も進めながら、学びの「不易」の部分としての、「読書」や「書籍による調べ学習」を大切にしていきたいと思います。


16:42
2024/09/30

「正々堂々と競い合う! ~たてわり綱引き~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は、朝7時過ぎから、何人かの先生で緊急ミーティングをしました。議題は「たてわり種目の綱引き」についてです。

実は、先週の金曜日に、運動場で「たてわり綱引き」の練習をしたのですが…、その時は入退場や移動の仕方をマスターすることに意識を置いていたので、練習試合の結果にはあんまり気を留めていなかったのが正直なところです。

ところが、結果を見てみると、ほぼほぼ「田んぼ側」に陣取ったチームが圧勝していたことがわかって…。「ひょっとして、本校の運動場は校舎側が高くて、田んぼ側が低い…かなり高低差がある?」、「場所によって有利不利があったら、子どもたちも結果に納得いかないんじゃない?」、「かといって場所を入れ替えて2セットずつ試合をすると、時間がかかりすぎる…」、「一生懸命頑張っている運動会が、こういうことが原因で、気持ち悪さが残るのは絶対よくない。」…などなど。

金曜日の夜は、職員室で先生たちが意見や改善案を出し合いながら、長い時間議論をしてくれていたようです。しかしどの案も一長一短でなかなか結論は出ませんでした。

今日の朝、「何が一番大切にするか、それで改善策を決めましょう。ベストはないのでベターにしかなりませんが…思い切って決めましょう。」といってミーティングを始めました。

担当のK先生も、この土日の間、悶々としながらいろいろと考えてくれていたようでした。K先生の思いを尊重しつつ、「子どもたちの納得感を第一に考える」、「子どもたちが混乱しないように大きな変更を加えない」ことを共通理解して、各試合を「一本勝負」ではなく、「場所を入れ替えての2セット勝負」に変更しました。もちろんその分「時間」は伸びることになりますが、入れ替えの方法を工夫し、また他の競技の競技時間を厳守することで、大きな時間超過にならないよう配慮することを確認しました。

 

子どもたちが登校し、朝の校内放送でK先生から「たえわり綱引きのルール変更」について案内がありました。それを受けて3校時、「たてわり綱引き」の練習をもう一度行いました。思いのほか、校舎側チームが勝つことも多くあり、結果として「運動場の高低差」はあまり考えなくてよかったようです。それでも「場所を入れ替えての2セットマッチ」には納得感がありますし、何よりも子どもたちにさらに気合いが入ります。先生たちの旗振り応援にも次第に力が入ってきます。

 

「たてわり綱引き」はただの綱引きではなくて、「お助け綱引き」といって、「よーいどん!」で1~3年生は綱引きを始めますが、4~6年はトラックを少し走ってからコーンを回り、綱のところに行き、そこから1~3年生に加勢することになります。

 

ところが、ここに新たな問題が生まれてきます。4~6年生の「勝ちたいがためのルール違反」が横行するわけです。「走り出しのフライング」、「既定のコーンを回らず、内回りをする」…そして相手チームの反則を見つけては、お互いその文句を「先生に言いつける」という調子…。

「正々堂々」と勝負できるように2セットマッチに変えたのですが、・・・別のところで自分たち自身が「正々堂々」でないところを作り出してます。そしてその解決を「先生」に求めてきます。

主役は自分たちです。先生たちは、子どもたちにできない状況判断や環境づくりはしますが、「自分たちの問題(課題)」は自分たちで解決しようとしてほしいと切に願います。上学年なら、自分たちで振り返り(話し合い)を行い、「正々堂々」と競い合う大切さや気持ちよさを、みんなで確認したうえで、最大限の「全力」と「協力」が発揮できる運動会にしてほしいなと思います。勝っても負けてもきちんと納得がいくように…。

 

 お天気が心配でなりませんが、木曜日以降天気は悪くなる一方なので、何とか予定通り木曜日に運動会を実施できたらなと、ずっと祈っています。

 


17:42
2024/09/27

「それぞれの“よさ”が輝いている!~団体演技~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

運動会を来週に控え、団体演技も運動場での練習に入っています。ダンスの振りや隊形移動などもほぼマスターできたようで、演技している子どもたちの顔が、自信ありげで楽しそうな表情に変わってきました。

 

 

低学年の団体演技といえば、何をしていても「かわいい~!」、「楽しそう~!」となるものですが、本校の低学年の子どもたちは、それだけでなく、「一生懸命」さと「全力で頑張る!楽しむ!」という姿が光っています。小さな体をめいっぱい動かして、全力でダンスをする子どもたちの誇らしげな表情を見ていると、「よくここまで頑張りぬいたなぁ。」と、その健気でまっすぐな一生懸命さを愛おしく思わずにはいられません。

 

中学年の団体演技(ダンス&フラッグ)は「連繋・挑戦・達成」を合言葉に、中学年の「総力を表現する」ことを目標に取り組んできました。中学年の団体演技といえば、「元気いっぱい!」「大きなかけ声!」のようなイメージを描きますが、本校の中学年の団体演技のよさは、それだけではなく、子どもたちの「気合い」と「集中力」を強く感じられるところにあります。


 演技中だけでなく、演技前の「構えている」瞬間も、演技が終わった後、「整列している」瞬間も、全身からみなぎる「気合い」と「集中力」を感じるのです。「一人ひとりが持てる力を余すことなく全力で挑む!」、「中学年全員で一つの大きな作品を完成させる!」そんな強い決意と仲間意識が伝わってきます。中学年のはつらつとした動きがとても気持ちよかったです。

 

運動会当日、保護者や地域の皆さんにも「感動」してもらえる団体演技になりそうです。演技の「できばえ」だけでなく、子どもたちや先生たちの演技に込めた「思い」が伝わるような団体演技になることを願っています。お天気が心配ですが、子どもたちの頑張りと思いがお天道様に伝わりますように…。


16:50
2024/09/26

「子どもたちの 子どもたちによる 子どもたちのための『応援合戦』」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

運動会というと、徒走や団体競技(リレーや綱引き)、そして団体演技がメインの種目で、保護者の皆さんの関心も高いと思います。それに比べ、「応援合戦」というのは、どことなくアトラクション(余興)的なイメージがあるかもしれません。確かに種目として行われる「色別応援合戦」は赤組・青組が互いの「団結力」を見せ合うという色が濃いような気がします。

 

 

私(校長)は運動会において、「応援」というものはとても大切だと思っています。「応援合戦」だけでなく、他の種目(競技)中の「常時応援」こそが、「応援」そのものの目的だと考えています。「一生懸命頑張っている仲間を、称え励まし、元気にし、仲間の力を最大限パワーアップするための「声かけ」が応援です。精一杯の「頑張り(挑戦)」に精一杯の「声援」を送る…そんな子どもたちの姿こそが「全力と協力」という目標を具現化したものだと思っています。特に、6年生の徒走やリレーの時の「応援」が楽しみです。チームを引っ張る6年生がいない児童テント席でいったいどんな動きが起こるのか…代わりに5年生がリーダーとなってチームを導くのか、それとも自然とチームでまとまった応援ができるのか…常に「応援」の絶えない児童テント席であってほしいなと節に願います。

もう一つ、運動会の応援には、「学校文化の伝承」という大きな役割があります。それは端的に言うと「応援団長」や「応援リーダー」の存在です。子どもたちにとって「応援団長(リーダー)」には特別な輝きを放つ「憧れの存在」となります。「6年生になったら、自分もあんなふうになりたい!」と思える憧れであり目標です。毎年「応援団長(リーダー)」を決定する過程でいろんなドラマが生まれ、立候補する者の強い思いと責任感に共感する中で、彼らを称え、支える仲間意識が大きく育ちます。そして運動会という大舞台で、応援団長(リーダー)を中心とした「あるべき最高学年」としての6年生の姿がはっきりと見えてくるのです。そのような「かっこいい6年生」の姿が代々受け継がれていくことで学校文化=校風が創られていきます。そういう意味で「運動会の応援合戦」というものは、子どもたちにとって、とても大切なものだと思っています。


 コロナ禍以降、いろんなことが「簡略化」される傾向にあるのかなと感じています。少しでもリスクのあるもの、余計な手間がかかるものがどんどん省かれて、無難化・効率化一辺倒になっている気がします。時代の流れ的にしかたがない部分もあると思いつつ、「手間をかけなければ育たないもの」も多くあると強く思っています。学校という世界は「子どもたちが育ちあう」ところです。いつも子どもたちを「主語」にしながら、かけてあげられる「手間」はしっかりかけてあげたいと思っています。八日市北小学校はそんな学校です。


15:27
2024/09/25

「気もち(思い・意識)をそろえる ~運動会練習も佳境に~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

朝から気持ちのいい秋晴れ。カラッとしていて、熱中症指数も20台前半で、外での運動もしっかりできます。今まで体育館で練習してきた団体演技も、今週からは外での練習です。人と人との間隔も広くなり、動く範囲も広がりますし、隊形移動の場所を覚えるのも大変です。

先生たちは「完成(ゴール)」のイメージが持てていますから、今の演技の出来具合や子どもたちの意識の状態が、順調なのか、遅れているのか…経験的にわかりますから、指導の「熱」も変わってきます。いわゆる「檄を飛ばす」的な熱血指導になりがちなのですが、この「先生たちの熱量」に子どもたちの気持ち(思い・意識)がついてくるかが重要です。子どもたちの意識がついてこないと、だんだんと「やらされ感」ばかりが増してきます。先生たちの気持ちと子どもたちの気持ちを「そろえる」…今、一番大事なことです。

中学年の練習…。М先生が今日の練習の目的などを子どもたちに伝えた後、「さあ、行こかっ!」の先生のかけ声に、子どもたちが一斉に駆け出します。「走ろう!」、「早うしよう!」、「静かにしよう!」…子どもたち同士が声をかけあいます。М先生の「今日はここまでやりたい!」という思いと、子どもたちの「時間を大切にしてしっかり練習しよう!」という思いがかみ合います。

子どもたちの中にはいろんな子がいて…集団行動が苦手だったり、集中力が続かなかったり、じっとしていることがどうしても難しかったり…、自分たちの仲間は「いろいろ」なのです。みんなに「気合い」が入ってくるとどうしても「厳しい声」が飛びがちになりますが、そのことも分かったうえでいろんな先生から「お互い元気になる、温かい声かけをしようなあ!」という言葉が飛んできます。運動場にいる「みんな」の気持ちがちゃんとつながっているなと思える中学年の練習風景でした。

 

体育館では、高学年が組体操の「大技」の練習に入っています。もうそろそろ成功させたい時期に来ていますが、あと少しのところで「本気」がそろいません。


 

組体操は、どこか一か所がうまくいかないだけで、いとも簡単に全体が崩れてしまいます。先生たちは、「本気」の表情と声で「絶対、次は成功させるで!いいか!」と伝え続けますが、どこからかまだ無駄な「話し声」が聞こえてきたり、「へらへらした表情」が見えたり…「気持ち」がそろいきりません。

全員の「気持ちをそろえる」ことは簡単なことではないですが、そろわないことには決して技は完成しません。逆に全員の気持ちがそろった時の「力」はとてつもなく大きなものになり、そこに「完成(成功)」が生まれ、観衆の「拍手喝采」に包まれた時、一人では決して手に入らない、大きな「感動」や「達成感」、仲間との「一体感」を得ることになるのです。それが組体操の醍醐味であり、運動会でしか手に入らない大きな成長と学びです。大げさに言うならそれが「学校」の値打ちです。

でも、私(校長)は期待しています。先週に比べ、高学年らしい「きりっとした」かっこいい表情は増えてきていますし、子どもたち同士の声かけも増えてきています。子どもたちの思いと力を信じつつ、明日からの練習も楽しみにしたいと思います。あまりたくさん写真をお見せすると「ネタバレ」になってしまうのですが、こちらの演技はきれいに仕上がってきています。完成が楽しみです。

 


14:45
2024/09/24

「みんなが楽しい!北小学校をめざして 校内環境にもひと工夫」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

2週連続で3連休となり、今週も火曜日スタートとなりました。少し連休疲れを感じる子どもたちですが、今週も運動会の練習に一生懸命取り組んでいます。

最近の校長ブログは、やはり「運動会」ネタが多くなる傾向にありますが、本校には「子どもたちのために」、「学校に来てくださる人のために」、ひいては「みんなが楽しい学校づくり」の一助になればという思いで、人知れず「校内環境の充実」のために頑張ってくれているスタッフがいます。

さて、最近の校内環境の大きな変化といえば…まずは、玄関に置かれた大型モニター(電子黒板)です。いわゆる「ウエルカムボード」の代わりをしてくれるもので、来校くださった方々に「ようこそ八日市北小学校へ!」という歓迎の気持ちを表すために設置されました。仕掛けてくれたのは本校ICT担当のF先生です。ちょっとした歓迎のアニメーションや、子どもたちの活動の様子をスライドショーで紹介しています。ちょっとおしゃれに、来てくださる方を楽しい気持ちにしてくれます。

 

続いての変化は、私(校長)の趣味を勝手に持ち込んで設置した「メダカ水族館」のコーナーです。週替わりでいろんなメダカを展示しています。メダカについての説明や「改良メダカの変遷」なんかも解説しています。運動会の練習で疲れた子どもたちの、少しばかりの『癒し』になってくれたらなと思って設置しました。思いのほか、メダカ好きの子やお家でメダカを飼っている子も多く、メダカ談議に花が咲きます。

 



それから、保健室前の掲示も充実しています。養護教諭のH先生や、栄養教諭のS先生が、今の「運動会の時期」に合わせた大切なことをレクチャーしてくださっています。


 

保健コーナーは「どうやって手当てをしたらいいのかな?」という掲示です。運動していて起こりそうな「けが」の手当てについて、ゲーム的に解説しています。また、食育コーナーには「すききらいしないでたべると、いいことがあるよ。」というテーマで、特に体力の必要なこの時期、しっかりといろんなものを食べるよう呼びかけています。

学級担任の先生たちは、毎日子どもたちと向き合うことで、一人ひとりに「安心」と「楽しさ」が生まれるように努力していてくれます。そして担任以外の先生たちもまた、それぞれの専門分野で、子どもたちに「安心」と「楽しさ」が生まれるように日々、工夫努力していてくれます。前にも紹介した職員室前廊下の「カエルくん」。今は、運動会の「おみこしリレー」がモチーフになっています。先生たちの事務軽減や校内環境整備を仕事とするスクールサポートスタッフのSさんが、季節に合った「カエルくん」のコスチュームを製作して展示してくれています。こんなちょっとしたところにも、Sさんの「子どもたち、がんばれ~‼」という応援の気持ちが込められています。こういうそれぞれの人の思いが、きちんと伝わる(わかる)子どもたちでいてほしいなと思いますし、「人の思いがわかる」子どもたちに育てることが、「みんなが楽しい学校づくり」そのものなのかもしれません。


 

 実はもう一つ校内環境の「大きな変化」があります。それは、「ものしりライブラリー」の開館です。図書館司書のY先生の肝いりの「新コーナー」設置です。詳しくは、後日また校長ブログでお伝えしたいと思います。Y先生の子どもたちへの愛情と、子どもたちを本好きにさせる工夫がいっぱい詰まっています。乞うご期待!



17:04
2024/09/20

「稲刈りから、ご飯がお口に入るまで ~5年生稲刈り体験~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は5年生の稲刈り体験の日。晴れることは分かっていましたが、心配なのは「暑くなりすぎる」こと…。熱中症指数が「危険域」になると、外での活動はすべて中止することになります。

朝から少し風が吹いていて、指数も27~28℃に収まっていてくれたので、水分補給をまめに取りながら何とか稲刈り体験をすることができました。

今日もたくさんの地域の方々にお世話になりました。たんぼの管理をしてくださっている種村さん、地域学校協働活動推進員の奥さん、農業委員会の高村さん、梅原さんをはじめ、写真にあるように、JAの皆さんや市の農業水産課の職員さんなど、たくさんの方々のサポートを受けて、稲刈り体験をさせていただきました。子どもたちのためにこれだけの方々が汗をかいてくださることに本当に感謝しないといけません。このへんの「地域の温かさ」や「有難さ」を子どもたちは、どう感じていてくれているのだろうと…いつも思います。「してもらう」ことに慣れてしまっている子どもたちは、ひょっとしてこの「稲刈り体験」も、「自分ごととしての学習」ではなく、「お客さん意識で参加するイベント」みたいにとらえているんじゃないだろうかと不安になったります。常にものや人の「有難さ」がわかる子どもたちでいてほしいと願っています。

 

田んぼに行き、稲刈りの仕方を聞いて、早速作業に入ります。3人一組になって、①稲を刈る人②稲を束ねて、麻ひもでくくる人③くくった稲束を軽トラに運ぶ人、役割を分担し、また役割を交代しながら、自分たちが植えた稲を収穫していきます。

 

鋸鎌(のこぎりがま)を使って、稲を刈り取ることは割とたやすくできるのですが、刈った稲を数束集めて、根元の方を麻ひもでくくるという作業に子どもたちは悪戦苦闘している様子でした。軍手をしているのでやりにくさはあるものの、やはり「しっかりくくる」という作業は、今の子どもたちの生活の中にはほとんどないので、ほとんどの子がうまくできません。運動靴のひもがほどけている子を見かけて、「靴のひもがほどけてるよ。」と教えてあげても、「はーい、だいじょうぶでーす!」と言って、一向に結びなおすこともしないまま、そのままでいる子が結構います。「ひょっとして、ひもがくくれないのではないか…。」と疑ってしまいます。例えば、「新聞紙の山を十字に縛る」…それができるこどもがどれくらいいるのか…この子どもたちの「生活経験」や「甲斐性」の課題を私(校長)は結構気にしています。

熱中症予防のため、稲を刈る作業は最小限にして、残った稲は種村さんに、コンバインで刈ってもらいました。コンバインは、明らかに「手作業で刈る」数十倍のスピードで次々に稲を刈っていきます。おまけに、刈った稲から穂・籾(もみ)だけをとり、コンバイン内のタンクに貯めていき、残りの稲藁(わら)は粉砕して、たんぼにまいていきます。コンバイン内に貯めた籾(もみ)は、コンバインの煙突のようなところから出るようになっていて、袋に入れたり、軽トラに積んだりできるようになっています。まさに「一石五鳥」くらいの働きをするスーパーマシンです。コンバインが見事に「あっけなく」稲刈りをしていく様子を見て、子どもたちは何を思ったでしょうか。

こんなに暑くなかったら、自分たちが田植えをした分は、責任をもって自分たちが全部刈る…というところまでさせてあげたかったのですが…致し方ないです。本当は、腕や腰が痛くなるまでひたすら稲刈りをすることを経験しないと、「機械のありがたさ」も、なぜ、昔のおばあちゃんたちは「腰が曲がった方が多いのか」…ということも深く考えたり感じたりすることはできない気がしています。

 

 担任のY先生とT先生の強い思いがあって、今年は稲刈りだけでなく、刈った稲を「稲架(はさ)がけ」に乾燥し、昔ながらの「足踏み脱穀機」で稲から籾(もみ)を外す作業も体験します。毎日「あたりまえ」に食べている「白ごはん」が、どんな過程や作業を経て、ようやく「白米」になるのか、そして白米になるまでに、どんな人のどんな苦労をくぐってきているのか…しっかりと探求心をもって学んでほしいと思います。生活の「あたりまえ」を深く掘り起こし、「あたりまえ」でないことを知る…とどのつまり「有難み」を知ることが学習のゴールだと思います。

今日の子どもたちの姿を見ていて、興味深げにコンバインを凝視する子や、稲を刈った後に、落ちている穂(落穂)をもったいなさそうに拾い集める子など、関心をもって、意欲的に最後まで働き続ける子と、そうでない子の差が結構大きいなと正直感じました。「ものや人に対する興味関心」や、「勤労意欲」を、学校はどう育てていけばいいのだろう…と、新たに課題意識を持った稲刈り体験でした。酷暑の中、子どもたちのためにきめ細かにサポートしていただいた地域の皆さん、本当にお世話になりました。


15:52
2024/09/19

「この暑さの中、いかに運動会練習を成立させるか!?」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日は中秋の名月、夜中にはきれいなお月様と、心地よい虫の音で「秋」を感じることができていたのですが、朝になって、校門で子どもたちを迎える時間になると、また「真夏」が戻ってきます。

「おはようございます。」とやってくる子どもたちは、もうすでにサッカーを1試合してきたかのような、汗だくの表情です。

8時半には、熱中症指数は30℃近くまで上がり、運動場での練習も厳しい状況なってきました。

1校時は4年生がリレーの練習をしました。走順の確認、バトンパスの仕方、コーナートップ等のルールの理解…しっかり時間をかけて練習したいところですが、「暑さ」がそれを許してくれません。短時間集中、「一回通すだけ」の練習時間しか確保できませんでした…。「もっとリレーの練習がしたい!」という子どもたちの表情と「こんな状態で満足いくリレーの競技ができるのか気持ちが焦りだす…。」という先生たちの表情…でも「安全が第一」、気持ちを切り替えて校舎内に入りました。子どもたちも分かってきています。「短時間で、集中して練習するしかない!」だんだんと子どもたちの動きが、てきぱきしてきます。

3校時は、運動場で初めての全校練習をする予定でしたが、「暑さ」には勝てず、予定を変更して体育館での練習に切り替えました。「入場」や「開会式」の流れについて確認しました。運動会全体の仕切りは体育主任のT先生です。「どの子も目標とやりがいをもって取り組み、大きな達成感や自分の成長を実感できる、『子どもが主人公』の運動会にしたい。」という熱い思いを胸に子どもたちに語りかけます。

全校が集まった時の子どもたちの「意識と言動」は本校の自慢です。学年を問わず私語もなく、背筋をしゃんと伸ばして臨める子が多いです。「ここは、ちゃんとビシッとするところや。」とちゃんとわかっている子どもたちです。

私(校長)にも、少し話す機会(校長挨拶)をもらったので、いつものように「ちょっと笑わせる歌でもかましてやろう!」と思っていたのですが、私が話す前に、T先生が子どもたちに「開会式・閉会式は気持ちを落ち着けて、きちんとした態度で臨みましょう。」と話してくれるのを聞いて、「危ない…もうちょっとで、校長自らふざけてしまうところだった…。」と思いとどまり、反省する私がいました。

 

別の時間…高学年が組体操の大技(多人数でつくる技)の練習を始めました。組体操については、何年か前から、組体操での「事故防止」の観点から、運動会で組体操自体に取り組まなくなった学校や、やっても1人~3人技ぐらいの安全な技に留めておく学校が増えました。

本校も「事故防止」、「安全」を第一に考え、従来のような「4段塔」や「5段ピラミッド」などの危険性の高い技はしませんが、組体操に取り組む値打ち…すなわち、「人の重み(=命の重み)と温かさを肌で感じながら、心を一つに、支え合いながら一つのことを成し遂げる達成感と一体感」を感じるために、「高さ」や「重さ」を限定し、安全に十分留意しながら、組体操に取り組んでいます。

写真は、5人で作る技ですが、土台の者は、上に乗る者の体重をぐっと支え、上に乗る者は、土台を信じて、勇気をもって体を伸ばし、腕を開きます。土台がぐらつくと、上の者はバランスが崩れますし、上の者が怖がって体が揺れると、土台は支えられなくなります。「力」と「バランス」と「仲間同士の信頼」が不可欠です。

今日の練習では、ほかのチームが心配して、サポートに回ったり、応援したり、拍手をしたりする場面が見られて、「これがこの6年生の温かい文化」なんだな…と改めて感じました。

「力(忍耐)」と「バランス(勇気)」と「仲間同士の信頼」が揃ったとき、技が決まり、会場からの大きな拍手に包まれながら、体の奥底からこみあげてくる達成感や一体感を感じることができるでしょう。

そんな感動がたくさんたくさん生まれる運動会にしたいなと心から思います。

北小のすべての子どもたちが、笑顔で締めくくれる運動会に…

 


16:08
2024/09/18

「びしっときれいに揃う美しさ~中学年 団体演技~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

いわゆる「ギャングエイジ」と言われる中学年の子どもたち…自立心や仲間意識が強まることから、集団凝集性(集団のメンバー同士のつながり)が高まり、友だち関係を重要視するようになる時期です。本校の中学年の子どもたちも、全校の中で最もエネルギッシュに、昼休み等も「みんなで元気いっぱい遊ぶ」姿が見られます。

そんな元気な中学年の運動会団体演技は、「ダンス」と「フラッグを使ったマスゲーム」のようです。体育館を覗きに行くと、一生懸命「フラッグ」の練習に励んでいました。

中心になって指導してくれるのはM先生。「熱男~~!」というかけ声がぴったりの、熱血指導が魅力です。テンポのいい気合の入った明確な指導・指示で、子どもたちに演技のポイントを伝えていきます。子どもたちも集中力をもって練習に打ち込み、「短時間で効果的な練習」ができてるなと感じました。

 フラッグ(旗)を上げたり下げたり、回したり…また、隊形移動して回りながらフラッグを操作したり…なかなか忙しく大変そうですが、しっかり子どもたちはついて行っています。

指示の中に「右、左、」「前、後ろ」「内側、外側」「時計回り~」などの方向を示す言葉が頻繁に出てきます。私(校長)なら、「速いテンポで動きながら、次々と言われたら、頭がこんがらがる~!」とギブアップしそうですが、今まで築き上げてきた子どもたちとM先生の「息」というものでしょうか、子どもたちは普通に反応していきます。また、子どもたち同士が、教え合ったり、確認し合ったり姿もあちこちで見られて、仲間意識が育ってきていることも実感できました。

フラッグマスゲームの醍醐味は、全員の動きがピタッと揃う美しさですが、フラッグを振った時の「バサッ!」という音が、きれいに揃う美しさ、力強さ、心地よさも大きな魅力です。大きく、キレよくフラッグを振ることで「いい音」が出るので、子どもたちの動きも自然とキレのいい動きになってきています。

特に4年生の子どもたちは、中学年集団のリーダーとしての意識が高まってきているのでしょうか、3年生に手本を示すべく、一人ひとりの動きがとても大きく、メリハリあるものになっていた気がします。腕もピーンと伸びていてとてもきれいです。

マスゲームには、ちょっと残念なところもあって…、それは演技をしている自分たちには、「全体がどのように見えているか」がわからないことです。周りで見ている観客は「わ~~~、きれい!!」と感嘆の声をあげられますが、一生懸命演技している自分たちには、その美しさを感じることはできません。ぜひ、練習の時から、全体が写る動画を撮ってあげてほしいと思います。そして給食の時間なんかにその動画を見ながら、「自分たちの動きが全体的にはどう見えているのか?」が確認できますし、「びしっと揃っていることの美しさ」や、逆に「揃っていない…動きが中途半端…なんだかイマイチ…」みたいなところもしっかりと確認できて、振り返れるのではと思います。

運動会当日、中学年の子どもたちの「全力」と「協力」で、どこまでキレよく、「びしっと揃いきるか」…演技の完成を楽しみにしています。


17:07
2024/09/17

「はじめての綱引き~運動会たてわり種目~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

まだまだ暑い日が続いています。今日みたいに朝から太陽が照っている日は、運動場の熱中症計の数値はどんどん上がります。体育ができるのは、2校時ぐらいが限界で、3校時からは「活動禁止」になる日が多いです。

一方、体育館の方は、今まで熱中症指数が31℃を越え、「活動禁止」になったことはありません。本校の体育館は、午前中の日光をカーテンで遮光していることと、わりと風通しがよいことが功を奏して、暑い日でも熱中症指数が27℃~29℃くらいに収まっていてくれています。こまめな休憩と水分補給を心がけながら、なんとか運動会の練習ができています。

今日は全校が体育館に集まって、運動会の「たてわり種目」である「綱引き」の練習を少ししました。実は、本校の運動会で「綱引き」を行うのは本当に久しぶりで、おそらく全校児童が初めて「綱引き」をすることになります。

本校の運動会で「綱引き」が行われてこなかった理由が二つあります。一つはもちろん新型コロナ感染予防の理由。そしてもう一つは「芝生の運動場」であることです。「芝生」の上で全校が綱引きを行えば、確実に芝生は傷み、はげます。芝生運動場では「綱引きはご法度」というのが常識です。しかし、今年度は考えました。

運動会は一大学校行事ですが、子どもたちみんなが運動が得意で、運動会を楽しみにしているわけではありません。走ること(走の力)が苦手な子、リズムよく踊ったり、思い切り自分を表現したりすること(ダンス・表現の力)が苦手な子もたくさんいます。それなら「走」や「表現」以外にも、力を発揮できる場面(運動)があった方が、どの子も頑張れる楽しい運動会になるだろうと考えたのが「綱引き」=「力の競技」です。ただ、「芝生」の上では「綱引き」はご法度…難しいところです。

しかし、私(校長)と教頭先生は決めました。

「子どもと芝生とどっちが大事?」、「もちろん子ども。綱引き、させてやろ。」、「芝生がはげたら、責任とって、ふたりで芝生苗を植えなおそうや。」…二人の協議は終了。

教頭先生は、すぐに教育委員会に電話して、「うちは綱引きやります!」という有無を言わせない宣言と、「それで…何とかあとで芝生苗用意してもらうことってできますかね…。なんとかお願いします!」という厚かましいおねだりもしてくれました。運動会では超定番の「綱引き」も、本校でやる場合は、結構な覚悟がいります…。
 

さて、「綱引き」が初めての子どもたちに、「綱の持ち方」から「綱の引き方」、「綱への移動の仕方」などを丁寧に指導しなければなりません。仕切ってくれるのは「たてわり活動」担当のK先生です。K先生の指導は、いつも「みなさん、体操服はちゃんと着られてますか?」、「ちゃんと体操帽はかぶれてますか?」、「マスクは外していますか?」という小気味よいコマンド(確認)から始まります。活動の前に、きちんと「身なりが整っているか」をしっかり確認することで、子どもたちの気持ちもシャキッとして、「心の準備」も整います。

 

「綱引き」の説明の後、早速子どもたちは、実際に綱引きをしてみました。体育館なので、チームを小分けにして、何回かに分けて試してみました。綱のそばで、子どもたちを指導したり応援したりする先生や支援員さん、綱の後ろで、けがをしないように安全確保する先生たち、熱中症等、具合が悪くなっている子がいないか、始終子どもたちの様子を確認する先生、支援員さんたち…臨機応変にそれぞれが子どもたちを支えます。いつも心強い「チーム北小」のスタッフたちです。

 

子どもたちは、初めて行う「たてわり綱引き」に大興奮!そして何よりもとても楽しそうな表情。運動会で大切にしたい「全力」と「協力」のふたつの力を象徴するような雰囲気でした。

 

 そもそも芝生運動場では御法度の「綱引き」…。そう何回も練習はできません。あとはリハーサルくらいしか練習できません。ここからは6年生の力が重要になってきます。最上級生として、下学年の子どもたちにわかりやすく指示し、リード(牽引)し、団(チーム)の力を結集させられるよう頑張ってほしいと思います。


15:40
2024/09/13

「これだけ暑くても 今は秋 ~芸術の秋~ 」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今、校長名でちょっと堅めの文書を作るとき、暦の上では、「秋涼の候 皆様におかれましては…」と書き出すのが礼儀なのですが、まだまだ強烈な暑さが続く毎日、どこにも「秋」も「涼」も感じられなくて、なんとなくまぬけな文章に思えてきます。

今日も朝から太陽が容赦なくじりじりと照りつけてきます。こんな暑さにはやはり「日傘」がもっとも有効で、陰を作るだけでうんと暑さが和らぎます。登校時に日傘をさしてくる子が増えてきたように思います。

 

逆に、ハンディファン(手持ち扇風機)を持つ子は減りました。ファンを回したところで「熱風」しかこないのであまり効果がありません。熱暴走や突発的な発火なども心配です。暑さ対策を思うと、やはり「日傘」をお勧めします。「暑さ寒さも彼岸まで…」という言葉がありますが、その言葉通り、来週くらいからは涼しくなってほしいと心から願っています。

 

さて、学校では「運動会」モードが高まりつつありますが、通常の教科学習にも落ち着いて取り組んでいます。特に秋は「芸術の秋」ですから、図画工作での作品づくりにも力を入れています。

2年生教室を覗くと、何やら楽しそうに絵づくりに取り組んでいる姿がありました。作品のテーマは「はさみアート」。まず白画用紙を思いのままに切ります。ぐにゃぐにゃに切ったり、ぎざぎざに切ったり、ぐるぐる丸く切ったり…何か「具体物」をイメージして形を切り取るのではなく、とにかく「自由に思いのままに…」です。次に、自由に切った白画用紙を、黒い画用紙に、置いたり並べたりしながら、そこからイメージできる「世界」を絵にしていきます。例えば、「海の中」だったり、「宇宙」だったり…自分のイメージで世界を設定し、あとはその世界が楽しくなるように、いろんなものを描き加えていく…そんな絵の作り方です。


 

思いのままに切った画用紙の形を「何に見立てて画面を構成するか」が最も大切なポイントですが、作品を楽しくしてくれるのは、やはり「変化」だと思います。「大きさ」に変化をつけて、画面の中に「大きなもの」「中くらいのもの」「小さなもの」を配置すると、画面に迫力が出たり、奥行きが生まれたりします。また、「向き」に変化を持たせて、「まっすぐ」ではなく、「ななめに」、「曲げて」配置することで、動きが生まれたり、スピード感が出たりします。写真の作品はとっても「変化」があって、楽しい作品に仕上がっています。

 

決裁をとるために回議に回っていた、4年生の学級通信の中にも「芸術の秋」を見つけました。
 

 

いわゆる「クロッキー」と呼ばれる速写の作品です。「スケッチ」との違いは、やはり「速く」描くところです。だいたい10分以内に描き上げます。対象をよく見て、できるだけシンプルな線(1本線)で描きます。美術の世界では、「ものの形を素早くとらえる」訓練としてする「クロッキー」ですが、小学校においては、「よく観察する」「集中力を持続させる」という点でも効果があります。写真の作品は、かなりよく見て描いたのでしょう。形もとれていますし、上靴特有の柔らかな感じも出ています。すばらしい作品です。

運動会に、芸術に、教科学習に…大変忙しい2学期ですが、子どもたちの学習や活動が、しっかりと実を結ぶよう、子どもたちの楽しさや成長につながるよう、我々教職員一同、しっかりと指導・サポートしていきます。


15:59
2024/09/12

「地域の方々と地域を学ぶ~5年生田んぼのこ学習~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

暑い日が続いていますが、田んぼの稲はぐんぐん育ち、収穫の時期を迎えています。本校の米づくり体験田も、建部南町の種村さんのお世話になり、9月20日(金)に無事に稲刈りができる運びとなりました。

子どもたちは、春に田植え体験をさせていただきましたが、その後の田んぼの管理や稲の世話はすべて種村さんにお任せし…つまり子どもたちは、米づくりの本当に大変な部分や苦労は知らないまま、お米の収穫だけをさせてもらうことになります。(いわゆる「いいとこ取り」です)

今日まで子どもたちは、総合的な学習の時間の「探求学習」として、体験田に出かけて、稲の生長や田んぼの環境について観察したり、インターネットで「米づくり」について調べたりしながら学習を進めてきました。

 今日は、田んぼをお世話いただいている種村さんや、地域の農業委員さんやJAさんの力をお借りして、自分たちの観察や学習を通して、出てきた疑問や調べてもわからなかったことについて、質問に答えていただく機会を作っていただきました。


 

「植えたときは3~5本ぐらいだった苗が、今はとてもたくさん増えているのはなぜか?」、「なぜ、お米はいくつも種類(品種)があるのか?」、「田んぼに水をいれたり、抜いたりする理由はなんですか?」、「稲が大きくなるまでに一番工夫(苦労)したことは何ですか?」などなど、いろんな質問をぶつけて、地域の米づくりの専門家たちに、一つひとつ丁寧に教えてもらいました。

意外だったのは、説明の中に、昔から農業においては普通に使われている「数の単位」が出てくるのですが、子どもたちはもちろん、先生たちも初めて聞く言葉がありました。

例えば、田んぼや畑の広さを表す「1反(たん)」や「1畝(せ)」、「1町(ちょう)」という単位。田んぼは「反」で表すのが基本で1反=およそ20m×50m=1000㎡です。1反の10分の1、つまり10m×10m=100㎡の広さを「1畝」といいます。逆に1反の10倍=10反のことを「1町」とよんで、広さは100m×100m=10000㎡になります。

子どもたちが習う算数の「広さの単位」でいえば、「1a(アール)」=10m×10m=100㎡=「1畝」、「1ha(ヘクタール)」=100m×100m=10000㎡=「1町」=「10反」ということになります。

このことがわかってないと、「…みんなが田植えをしてくれた田んぼはだいだい「1反」やけど、みんなが植えた部分だけでいうと、だいたい「2畝」くらいかな…」という説明が「?????」になってしまいます。

 

子どもたちは、説明を聞きながら、一生懸命メモに取っていました。

田んぼの観察の時に撮った写真を見せて、「この虫はなんですか?」とか「この赤いものはなんですか?」といった質問もあり、こういう時にはタブレットは、とても便利だなと思いました。

 でも、子どもたちには「もう少し、自分たちで探求してほしいな」と思う部分もありました。

例えば、「稲一束から何粒くらいお米がとれますか?」とか「体験田でとれるお米は、ごはん茶碗何杯分くらいになりますか?」という質問。一束にできる米粒の数は、実際に自分で数えてみれば分かりますし、それがわかれば田んぼ全体でとれる米の数や量もわかります。あとはインターネット等で、ごはん茶碗一杯分のごはん(米)の量や粒数を調べれば、5年生なら十分計算で求められます。

「わからないことは質問する」というのは、それ自体「正解」だと思いますが、まず自分たちで「考えられるだけ考える」ことが大事だと思います。「本当にわからないことなのか?」、「今の自分たちの力で解決できるのではないか?」と検討、吟味、探求できる力をつけてほしいなと思っています。国語にしても算数にしても、今まで学んできたことを活用すれば、結構なことができたり、わかったりすると思っています。

子どもたちの「探求心」をどうかきたてるか、「活用力」をどう伸ばすか…これは我々「先生」の授業(構想)力にかかっているところでもあります。

子どもたちのために、たくさんの質問に対応してくださった種村さん、高村さん、梅原さん、雲林院さん、本当にありがとうございました。


15:31
2024/09/11

「熱中症指数 危険域の昼休み ~6年生の熱き想い~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

相変わらず残暑は厳しく、毎日熱中症計の数字とにらめっこしながら子どもたちの活動を見守っています。今日はロングの昼休み…子どもたちは暑さなんか関係なく、めいっぱい体を動かしたいという「本能」に満ちあふれているのですが、残酷にも熱中症指数は31℃オーバーの危険域に達したため、「外出禁止令」が出てしまいました。学校も少しでも子どもたちの楽しみになればと、テレビアニメを全館放送で流し、教室で見られるようにしています。低学年の子どもたちには、結構好評なようで、教室で静かにテレビアニメを楽しんでいる風景が見られました。中学年は、運動会のダンスのビデオでしょうか、電子黒板に写される映像を食い入るように見ている子たちも多かったです。

 去年の今頃は、「外出禁止令」が出されると、だめだとわかっているのに、校舎内をあそび場にして、「鬼ごっこ」をする子たちがたくさんいて、廊下を走る音がやかましく鳴り響いているような昼休みでしたが、今年はそんな子どもたちがほとんどなく、それなりに過ごし方を考えてくれているようでした。毎日毎日、全教職員が「廊下は歩きましょう!」と言い続けてきた成果が今ようやく出てきた感じがします。子どもたちに「根負け」することなく、地道に「全教職員が言い続ける」ことの大切さを感じています。

 

そんな昼休みでしたが、6年生だけは事情が全く違います。昼休みは、全員体制で運動会の準備を進めてくれています。6年生教室に行くと、電子黒板に資料を映してミーティングをしている子どもたちや、応援ついて書かれたプリントを確認しながら、一人で下学年に応援の説明をする練習(シミュレーション)に没頭している子、ペットボトルを使った応援グッズを製作する子どもたちなどなど…「一生懸命」に満ちたすばらしい風景がそこにありました。

 


廊下の掲示板には、「運動会へのあゆみ」と銘打って、運動会に向けて自分たちが取り組んだことを振り返りながら、その「足跡」をしっかりと残していく掲示がなされていました。「エンジンのかかりが悪く、みんなが本気になるのに長く無駄な時間を費やした過去の失敗」を教訓にしながら、一日一日を大切に、「全力」と「協力」の2つの力で、「みんなが楽しい!最高の運動会にしたいという、6年生の熱い思いが伝わってきます。

 

また、ミーティングルームでは毎日、別の作業が進んでいて、各団のスローガンが書かれた大きな横断幕や団旗の製作が進められています。子どもたちがそれぞれの役割をもって、手間のかかる作業を黙々と進めている姿は、本当に最高学年としての落ち着きと頼もしさを感じるような風景でした。
 

6年生が、小学校最後の運動会にかけている思いには、周りの人間が思っている以上に熱いものがあると感じたロング昼休みでした。「あ~、もっとこうしておけばよかった…」そんな後悔だけはしたくないと強く思っているんだろうな…そんな6年生の姿が本校の「誇るべき校風」を創っていってくれます。6年生の皆さん、心から「お疲れさま」そして「ありがとう」。


16:31
2024/09/10

「運動会の練習が始まりました!」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日から運動会の練習が始まりました。お天気は申し分ないのですが、問題は「暑さ」…熱中症指数が31℃を越えたら、どれだけ子どもたちにせがまれても「屋外活動禁止」になります。

朝、校門で子どもたちを迎えている時間でも、「太陽の力」は半端ではありません。ジリジリ肌が焼けそうな感じです。そんな中、子どもたちは学校まで歩いてきてくれます。「暑い中、よう来てくれたね。ほんとお疲れさん。」と思いながら、「おはようございます!」と声をかけます。子どもたちは、学校に登校するだけで、かなりお疲れの様子で、あまり元気な挨拶は返ってきませんが、あまり気になりません。それより、「汗だくで赤い顔をしてる子はいないかな…。」と心配のほうが先に立つので、無事に登校してきてくれるだけで、ほっとしています。

朝から早速、高学年が徒走(短距離走)の練習を始めました。

6年生からコースを使った練習です。久しぶりに、みんな揃って「よーいドン!」…なんとなくワクワク感がみなぎっています。走るのが得意な子は「よーしやるぞ!」、苦手な子は「また、いやな季節がやってきた…。」心中は様々でしょうが、「全力を尽くす」「全力を応援する」子どもたちであってほしいです。

 

5年生は、体育館横の陰で、スタート練習です。高学年になると、「徒走」のイメージも「かけっこ」から「短距離走」みたいに、本格的に変わるのか、走り方(フォーム)を意識しながら、真剣に取り組む表情が印象的でした。教室での学習でもしっかり地に足つけて、真剣に取り組んでいる5年生…運動会での活躍と成長を、私(校長)はかなり期待しています。

しかし、熱中症指数計の値は30℃寸前に…子どもたちの様子を、ひやひやしながら見なければなりません。教頭先生に「3,4時間目は外の練習は無理ですね。」と伝えました。

 運動場には、休憩用のテントを4張たてました。昨日の退勤時間間際に、体育主任のT先生が「休憩テントを立てたいので、手伝える先生はお願いします。」と頼んだので、先生たちが総出で立ててくれました。「テント作業は意外に危険なので、けがをしないように軍手をするように。」という私(校長)の言いつけも、みんなちゃんと守ってくれます。この先生たちのチームワークのよさが本校の強みです。

 

3時間目は低学年の運動会練習。外は暑くて無理ですが、体育館の熱中症指数は26~27℃…大丈夫そうです。低学年は、団体演技(ダンス)の練習から始めました。

オリエンテーションでのT先生とK先生のダンスを見てから、子どもたちは踊りたくて仕方なくなっていました。1回目の練習とは思えないくらい、みんなノリノリで張り切っています。もちろん、この勢いになかなか乗れない子どもたちもいますが、先生たちにサポートしてもらって、これから少しずつ覚えて、自信をつけていってほしいと願っています。

 

先生や支援員さんもみんな、子どもたちと一緒に踊ります。みんながダンスを覚えて、「苦手さん」にしっかりと寄り添えるよう、一緒に踊ります。

とことん子どもたちと一緒に、とことん子どもたちに寄り添って、本校の先生やスタッフは、苦労と手間を惜しみません。これまた本校の強みです。

 

 

子どもたち自身も、先生たちに負けていません。早速昼休みに3年生がリレーの練習に自主的に取り組む姿が見られました。

いつもみんな遊びを楽しんでいる3年生。「みんなでがんばる」素地ができているようです。幸運にも風が出てきて、熱中症指数は30℃未満に…。昼休みは、子どもたちの楽しそうな歓声が響く運動場の風景となりました。

 そこに6年生の姿はありません。6年生はリーダーとして、それぞれの役割分担にしたがって、各所で運動会の準備をこつこつと進めていてくれます。

一日一日、子どもたちや先生たちの「一生懸命」が少しずつ少しずつ積みあがっていって、大きな大きな力となり、運動会当日には「感動」という大輪の花を咲かせてくれます。

「為すことによって学ぶ」…運動会は最高の「学びと成長」の場です。


16:34
2024/09/09

「慣用句って難しい…でも面白い~3年生国語~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日、3年生の国語で「慣用句」の学習をしていて、とても面白そうだったので参観させてもらいました。

慣用句とは、「習慣として長い間広く使われてきた、ひとまとまりの言葉・文句や言い回し」のことで、また「2つ以上の言葉が結び付き、全体としてある特定の意味を持ったもの」のことを言います。

おそらく外国にも慣用句やことわざはあると思いますが、日本語は慣用句の種類がとても多く、外国人の皆さんが、日本語をマスターするための一つの難関になっているとも言えます。

長く勉強した割にほとんど英語すら話せない私(校長)に比べて、母国語と日本語を話せるバイリンガルの外国籍の子どもたちを、日ごろから「すごいな。」「すごく頑張っているな。」と思うのですが…外国籍の子どもたちもさすがにこの慣用句には、頭の中が「???」になって、理解に苦しんでいるようでした。しばらく外国籍の子どもたちを応援しながらサポートしていました。

授業では、教科書の慣用句の例から一つを選び、辞書でその意味を調べて、最後は自分でその慣用句を使った文を考えるというものでした。「かみなりを落とす」や「猫の額(ねこのひたい)」を調べている子が多かった気がします。最後はそれを画用紙の短冊に書いていました。


慣用句やことわざは、表現を豊かにし、その意味や感情をより具体的に、共感的に伝えてくれます。また、慣用句やことわざは生きるための「知恵」や「教訓」を知らせてくれるものでもあります。

子どもたちには、慣用句に興味をもってもらい、自分の言葉や文章表現を豊かなものにしてほしいと願います。例えば、体の部位を使った慣用句…例えば「口」を使った表現を集めてみると、「口がすべる」、「口がかたい」、「口をはさむ」、「口がさびしい」、「口がへらない」、「口がわるい」、「口に合う」、「口に出す」、「口から先にうまれる」…などなど、「口」だけでも結構な数の慣用句が見つかります。同じように「耳」「目」「手」「足」「首」など体の部位別に、あるいは動物や虫別集めてみると楽しく学べるかもしれません。ぜひ「自主学習(自主勉)」にお勧めします。

 

我々大人も今一度、慣用句について振り返ってみるのもいいかもしれません。結構間違った使い方をしてしまっているものがあるようです。私(校長)自身も恥ずかしながら、最近まで間違って使っていたものがありました。主なものを紹介すると…(×は間違った解釈 〇が正しい解釈)

   話が煮詰まる…×議論に行き詰っている様子 →〇「議論が十分になされ結論寸前の様子」

   役不足…×薬や仕事に対して実力不足 →〇実力に対して役や仕事が軽い

   潮時…×もう観念するべき時(否定的) →〇ものごとを変えるのにいいタイミング(肯定的)

   情けは人のためならず…×情けをかけることは、その人のためにならない。→〇人に情けをかけると、巡りめぐって最後は自分のためになる」

 

それから、言い間違いしている慣用句も結構ありました。

   ×怒り心頭に達する → 〇怒り心頭に発する

   ×采配をふるう → 〇采配を振る(ふる)

   ×足元をすくわれる → 〇をすくわれる

   ×間が持たない → 〇間が持てない

   ×的を得る(える) → 〇的を射る(いる)

   熱にうなされる → 〇熱に浮かされる

   愛想(あいそう)をふりまく → 〇愛嬌(あいきょう)をふりまく

   上には上がいる → 〇上には上がある

 

たぶんもっともっと勘違いしている慣用句があるんだろうなと思います。…いくつになっても勉強ですね。やっぱり日本語は難しくて、そして奥深いです…。


14:10
2024/09/06

「いよいよ来週から!~低学年 運動会オリエンテーション~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日の5校時、1,2年生が運動会のオリエンテーションを行いました。来週から始まる運動会の練習や取組に向けて、目標を共有したり、見通しを持ったりするためのものです。

 最初に、団体演技で踊るダンスを若手のT先生とK先生が披露してくれました。はつらつとしたキレッキレのダンスに子どもたちは釘付けになり、途中からは自然と手拍子も起こって、とても盛り上がりました。「早く踊りたいな…。」とワクワクしている子どもたちの気持ちが伝わってきました。

T先生とK先生の2人は、さほど息も切らさず、ずっと満面の笑顔で、2曲連続でダンスを踊ってくれました。そんな2人を見ながら、還暦ヘルニア持ちの私(校長)は、「すごいなあ、いいなあ。自分も昔はキレッキレに踊れたのに…。」と、もう戻ってはこない「若さ」を大変うらやましく思っていました。

 

 

学年主任のF先生が、ダンスの曲に込めた思いも話してくれて、子どもたちは俄然やる気になっている感じでした。

次に、運動会までの練習スケジュールと運動会の目標や約束をF先生が説明してくれました。

大きな紙に打ち出された「運動会までのスケジュール表」が1,2年生教室に貼り出されます。見通しが持てないと不安になる子どもたちもいますから、このスケジュール表はとてもありがたいものになります。低学年の運動会の目標は、「楽しく助け合って、高め合おう」です。そしてそのために①時間を守ろう②よく見よう・聞こう③応援し合おうという3つの約束を大事にしていきます。とても明確でわかりやすく、子どもたちの心にストンと落ちたようでした。

今日はT先生とK先生の2人がダンスを踊ってくれましたが、低学年の先生たちはみんな踊れます。ダンス担当の先生に任せるのではなく、どの先生も、一人ひとりの子どもにしっかりと教えられるように、みんなが覚えます。夏休み中に、何度も集まって、先生たちみんなでダンスを考えたり、覚えたり、また子どもたちの発達段階を考えながら、綿密に練習計画を立てたり…かなりの時間と手間をかけてくれました。それほど、運動会を通して、一人ひとりの子どもに大きな自信と充実感を持たせてあげたいと願っているからです。運動が得意な子も苦手な子も、どの子も自分なりの目標をもって精一杯取り組み、大きな達成感と仲間との一体感が味わえる運動会にするために、先生たちは「本気」です。「学校の働き方改革」と逆行してるな…と申し訳なく思いつつ、やっぱり北小の先生たちは私(校長)の誇りです。
 

先生たちの「本気」が伝わってこそ、子どもたちが「本気」で動き出します。そして子どもたち自身が、七転八起しながら最上級の「全力」と「協力」を生み出してくれます。

それなりに長い時間のオリエンテーションになりましたが、1年生も2年生も集中を切らすことなく、姿勢を崩すこともありませんでした。2学期が始まってまだ5日目…、すでに子どもたちの足がちゃんと地についていることがとてもうれしかったです。

 来週からのブログは、「運動会ネタ」が多くなりそうです…。


16:01
2024/09/05

「秋の自然遊び ~1年生 虫ムシ大捜索~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は1年生の生活科の学習にお邪魔させてもらいました。運動場周辺で、生きものを探します。相変わらず暑いですが、今日は少し「秋らしい風」が吹いていて、心地よかったです。WBGTも26℃と落ち着いていました。運動場にはたくさんのアキアカネ(赤とんぼ)が舞っていて、子どもたちが来るのを待っていてくれているかのようでした。私(校長)が運動場に出ると、何人かの1年生が、いつものように「校長先生~‼」と言って走り寄ってきてくれました…この可愛さは、もはや「目に入れても痛くない」レベル。孫を溺愛するおじいちゃんみたいな気分になっています。

子どもたちのお目当ては、どうやらコオロギやバッタのようです。目を付けたのはフェンス沿いの溝…しかしあまりムシはいませんでした。その代わりカエルはたくさんいて、ピョンピョン跳び回ります。

「わ~!カエルや!」と子どもたちは声に出すわりには誰もカエルを捕まえようとしません。「カエルは気持ち悪いからイヤ!」…残念ながらカエルは子どもたちに不人気のようです。

 

 少し背の高い草むらを探す子どもたちもいました。なかなかいいねらいです。日中は気温が高すぎるので、ムシたちは、草の茂った涼しいところや石の下に隠れています。

何かを見つけたのか、子どもたちが追いかけ回しています。支援員のO先生の「ムシはそうっと近づいて、気づかれないようにして捕るんやで…」みたいなアドバイスが聞こえてきそうです。

 

 

しばらくすると、「校長先生~見て見て!コオロギ見つけた~!」と子どもたちが見せてくれました。とても立派なコオロギでした。「そのコオロギさん、オスかな?メスかな?あとで調べてごらん。ポイントはお尻やで!」と子どもたちに宿題を出しました。

私(校長)は、オンブバッタをゲットしたので、子どもたちに、「このバッタは、噛みも暴れもしない、一番おとなしいバッタやから、ムシが苦手な人でも、手に持てるよ。頑張ってもってみたら?」と投げかけると、「ほんと~?」と怪訝そうな顔をしながらも、何人かの子どもたちが初めてバッタをもつことができました。

虫ムシ大捜索は、楽しいばかりではありません。自然の中には一見、とてもかわいくて、美しいムシでも、絶対手を出しちゃいけないやつもいます。いわゆる毒虫といわれるムシです。

何人かの子どもたちがしっかり見つけてくれました。そして、「校長先生、このケムシ、さわってもいいの?」とちゃんと聞いてくれました。「よく分からないものには近づくな、触れるな!」…自然遊びの鉄則です。触る前に、ちゃんと確認した1年生…危機管理ができていて、えらいえらい。

私(校長)が見に行くと、それはイラガという蛾の幼虫でした。八日市では昔から「ヤツガシラ」とか「オイラ」と呼ばれているやつです。

 

 もはや「芸術品」とよべるきれいな緑色の美しいケムシです。でもこいつに刺されると結構痛いし、たくさんの毒毛が残るので厄介です。

自然の中の「危険」を知るのも、とても大切な勉強です。そういうことが分かってくると、素足にサンダルで草原に入るなんて、むちゃなことはしなくなります。

 明日あたり、「昨日のコオロギさんはオスやった?メスやった?」と子どもたちに聞こうと思っています。


14:38
2024/09/04

「表現する・発信する!~高学年の夏休み新聞から~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

2学期3日目。今日はお天気がいい分、気温も上がりました。昼休みの熱中症指数WBGTは運動場で約28℃、体育館で約26℃…これからもこのへんぐらいで勘弁してほしいところです。

子どもたちは、少しずつ暑さにも慣れ、「学校生活」のリズムを取り戻してきたように思います。教室から聞こえる詩の音読の元気な声や、昼休みに運動場で仲間と一緒にはしゃいでいる明るい声を聞いていると、あたりまえのはずの「学校の風景」なのに、「やっぱり、この感じが学校のよさなんだな…。」としみじみ思います。

さて、昨日は下学年の「夏休み絵日記」を紹介しましたが、今日はその続きで、上学年の「夏休み新聞」を少し紹介しようと思います。

4年生のUさんの「わたしの夏休み」です。4年生も、しっかりと文章をかけている人が多くて感心しました。Uさんの新聞に惹かれたのは、最後のまとめを、「目標に向けて頑張れた夏休みでした。」と締めくくっていることです。どの子にとっても楽しいことがたくさんあった夏休みだと思いますが、自信をもって「目標に向かって頑張れた!」といえる人はなかなかいないんじゃないかと思いました。

「ピアノ発表会…頑張って練習してきたので、本番も緊張せずに力を出し切れてよかったです。」

「剣道の昇級試験…うまく出来るか不安だったけど、絶対に合格したかったので、一番大きな声を出して、気合で頑張りました。」

「アルバイト…。毎年、夏休みはおじいちゃんの職場のバイトに行っています。…おじいちゃんに喜んでもらえてよかったです。」

たくさんのことに「全力」で「挑戦」し、満足感や充実感を得ているUさんの力強さ、たくましさが伝わってきました。


 5年生では、Nさんの「夏休み新聞」に強い「探求心」を感じ、引き込まれてしまいました。

 

家族旅行の楽しい思い出を書くだけでなく、そこで興味を持ったことにぐいぐい食い込んでいく「探求心」がすごいなと思いました。「探求」とは、ものごとに「興味関心」をもち、「疑問」を抱き、解決のために「調べ」「まとめ」、そして「発信」する…という一連の行動です。Uさんは「ワイン風呂のワインはアルコールを飛ばしているのか?」と疑問を持ったり、山形県のワインについて調べまくって、まとめて…さらに、直売所の人と話し、「デラウエア」や「巨峰」の旬の情報まで手に入れたり…そのコミュニケーション力も圧巻です。

「総合的な学習の時間」の学習が目指しているのは、まさに、この「探求力」だと思っています。素晴らしい新聞でした。

 

 

 

 

最後は6年生の「夏休み新聞」です。

さすがに6年生の新聞は、内容も盛りだくさんでどれも読みごたえがあるのですが、中でもOさんの新聞は、「新聞」というより、もはや「作品」といったほうがいいほどの、工夫とこだわりと手間のかかった超大作でした。文章量は多くありませんが、巧みなイラストや吹き出しから生まれる「テンポ・リズム」や「ストーリー性」が秀逸でした。「自分の好きなこと、やりたいことをやりつくした!」という感じがします。本当にあっぱれ!です。

 

夏休みの思い出に浸りながらも、教科学習も本格始動しました。来週からはいよいよ運動会の取組も始まります。「どの子もやる気と粘りをもって取り組める運動会」にするために、教職員一同、全力で子どもたちを導き、サポートしていきたいと思っています。

 


17:13
2024/09/03

「文章を綴る 思いを伝える」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

 今日は、午前中ずっと市の校長会議だったので、子どもたちの学習や活動がまったく見られず残念でした。放課後の時間に、校舎をうろうろしながら、子どもたちの「夏休みの作品」などの掲示を見ながら、子どもたちの楽しかった夏休みに思いを馳せていました。運動場から聞こえてくる学童の子どもたちの遊ぶ声が、心地よく耳に響いています。

 2年生教室の廊下掲示板には、「夏休み絵日記」が貼られていました。

 

一人2枚(2日分)、夏休みの思い出を日記にするのですが、まず感心したことは、みんな「結構な長さの文章」が書けていることです。しかも、字がとても丁寧なことも素晴らしかったです。楽しかった思い出を全部詰め込むように「思い出の絵」もしっかり描けています。絵日記の内容は、夏休みに出かけた家族旅行や、キャンプの思い出が多かったです。

 そんな「絵日記」の中で、特に私(校長)の心に留まったものを紹介したいと思います。

 

Oさんの絵日記から>

 僕は、わじまのじいじいの家へあそびに行きました。じしんでつぶれた家やかたむいたでんちゅうを見つけました。すごいじしんがあったんやなとおもいました。こんなじしんがきたらこわいなとおもいました。

・・・後略

 

 能登の地震の大きな傷跡を実際に見て、感じたことを綴っています。実際に目にしたからこそ「すごい」や「こわいな」に重みを感じます。

 

 

Tさんの絵日記から>

 …バドミントンの大会にでました。ぼくはよせんリーグで3回かつことができ、よせんを1いでつうかすることができました。

けっしょうトーナメントにでましたが1回せんでまけてしまいました。とてもくやしかったです。

でも、3回かつことができたし、れんしゅうしたこともちゃんとできたことがよかったです。

つぎもがんばります。

 

 私(校長)の始業式のオリンピックの話で、「負けをきちんと受け入れる」、「悔しさをバネに、前向きに次に向かう」という趣旨の話をしましたが、そんなことわざわざ言わなくても、2年生のTさんは、ちゃんとわかっています。「負けて悔しい…でも練習してきたことがきちんと出せた!また次がんばるぞ!」…次に向かう前向きな気持ちを綴っています。とても素晴らしいと思いました。

 

何もかもがどんどん便利で手軽になっていく今の時代。ややもすると、子どもたちの文字文化も「マンガの吹き出し」やSNS等の「単語(短文)の会話」などに見られる「短文・省略中心の文字文化」に飲み込まれそうです。低学年の時期から、しっかりと文章を綴る…文章で思いを伝えることを大切にしていきたいと改めて感じました。「文章を綴る力」は「書くこと」でしかつきません。「書き慣れること」を大切にしていきたいと思います。どうしても書字が苦手なら、ワープロでも構わない…とにかく自分で「文章を綴る」ことを積み上げていってほしいと思います。


17:02
2024/09/02

みんな おかえり!~2学期のスタート~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

長かった44日間の夏休みが終わり、久々に子どもたちの元気な笑顔が、学校に戻ってきました。「さあ、始まるぞ~!」って感じで、ハイテンションで登校してくる子はなく、逆にあからさまに「だる~…」って感じでうなだれてくる子もなく、びっくりするくらい「普通」に、「平常通り」に登校してくる子どもたちでした。「元気がない」という感じでなく、「落ち着いている」…そんな感じを受けました。

それぞれの教室の黒板には、担任の先生が書いた「みんな おかえり!」の文字が、子どもたちを温かく迎えてくれます。

 

 

 

迷走しっぱなしの台風10号は、熱帯低気圧に変わり、本市には大きな影響もありませんでしたが、やはり「酷暑」はすぐに戻ってきて、まだ朝の早い登校時間でも、直射日光のもとでは、かなり厳しい暑さでした。2学期の始業式は、熱中症や感染症のことを考え、大事をとって各教室でのリモート始業式にしました。全校が一堂に会せないのは淋しい気がしましたが、保健のH先生の「暑さ対策と感染症対策」の大切なお話もあったので、暑さに耐えながら聞くのではなく、涼しい教室で集中して聞けたので、それはそれでよかったと思いました。

 

 

 

2学期最初の校長ブログは、始業式での「校長の話」を載せさせていただきます。

 

『 この夏休みにはいろんなことがありましたね。前半は、パリオリンピックにくぎ付けになりテレビばかり見ていました。8月8日には宮崎県沖で大きな地震があり、南海トラフ巨大地震に関しての臨時情報が発表され、日本中が地震発生を心配しました。夏の甲子園、高校野球では北小の校区にある滋賀学園高校が大健闘しました。野球だけでなく、「滋賀学の応援」が話題になり、その活躍がなんだかとても誇らしかったです。逆にとても悲しい事故もありました。夏の終わり、東近江市内の中学生が水の事故で亡くなりました。将来のある若い、若い命が奪われました。ご家族や学校の仲間の気持ちを思うと、やりきれない気持ちになります。心からご冥福をお祈りします。

 

さて、オリンピックの話に戻しますが、今回のオリンピックでは、「日本のお家芸」とよばれる柔道や体操、レスリングだけではなく、フェンシングや馬術、それにスケートボードやブレイキンなどの新しい競技でも、日本選手がたくさんのメダルを獲得し、大活躍しました。オリンピックをテレビで観戦し、競技する選手の姿にたくさんの感動をもらえた人もいたのではないかと思います。校長先生も、様々な競技に声援を送り、選手の競技する姿や試合後のインタビューの姿に感動し、学ばせてもらうことがたくさんありました。校長先生が大切だなと改めて思った三つのお話をします。

 

●一つ目は「好きなことに挑戦し、自分の可能性を広げる」ということです。

スケートボード女子ストリートで金メダルを獲得した中学3年生の吉沢心(ここ)さんは、6年生とは3歳しか年が離れていません。自分が小6だった3年前の東京オリンピックで、メダリストの技が、自分が普段やっている技であることに驚き、自分も競技に出てみようと思ったというエピソードがあります。誰にとっても自分がとことん熱中して取り組んでみることが、将来の自分に大きな影響、大きな夢を与えることになる、自分自身の可能性を広げることにつながるのだと改めて感じました。

●二つ目は、「諦めない」こと、「全力をつくす」ことの大切さです。

勝負には勝ち負けがつきものです。たとえ勝つことができなくても、最後まで諦めることなく必死に競技する姿に心を打たれました。改めて、メダルを目指すこと、勝つことが全てではなく、最後まで全力を尽くすこと、自分が一つ一つの試合とどのように向き合うかが大切であると思いました。試合後、勝ち負けに関係なく、お互いの「全力」「健闘」を称えあう選手の姿に心を動かされました。

●三つ目は「感謝の気持ちを表す」ということです。

競技の後のインタビューやSNSへの投稿のなかで、選手自身を支えてくれたスタッフ、共に戦ってきた仲間や、家族に対しての感謝の言葉が心に残りました。たくさんの感謝の言葉の中で、校長先生が一番感動したのは、この人の言葉です。それは、卓球女子団体の銀メダル、女子個人銅メダルを獲得した、早田ひな選手です。

早田選手は、女子個人戦で痛めていた左腕の状態が悪化し、ラケットも持てない状態になってしまい、一時は出場が危ぶまれましたが、早田選手自身はもちろん、日本チームスタッフの懸命なリハビリや、痛み止めの注射などの治療のおかげで、個人戦では見事銅メダルを獲得し、団体戦でも負担の少ないダブルスに出場し、銀メダル獲得に貢献しました。

そして、そんな早田選手に対して、早田選手ができることを探りながら練習相手を務め、誰よりも寄り添い、励まし続けたのが、リザーブ(補欠)を務めていた木原美悠選手です。

 

<ちょっとこの写真を見てください。> …卓球女子団体戦の表彰式後の記念写真

 

卓球女子団体戦の表彰式の後の記念写真です。団体戦で見事、2大会連続銀メダルを獲得した早田選手、平野選手、張本選手の3人にまじって、木原選手も一緒に写っています。コーチや医療スタッフも一緒に写っています。そして、銀メダルは本当は3人分しかないのに、4人ともメダルをかけています。実は、早田選手がかけているのは、早田選手が個人戦で勝ち取った銅メダルです。早田選手は勝ち取った銀メダルを、木原選手にかけてあげたのです。

裏方として共に戦ってくれた木原選手への感謝の気持ちを込めて、「団体戦の表彰式で、4人でメダルをかけて記念写真を撮りたい。」と強く願った早田選手の行動でした。早田選手自身が、3年前の東京オリンピックで自分自身経験した、リザーブとして、選手の気持ちを考えて支えること、いざという時のために自分も練習すること、見通しの立たない立場の難しさを知っているからこその、木原選手への感謝の姿でした。

常に感謝の気持ちをもって、仲間として協力し、支えあう…銀メダル以上に世界に誇れる、日本チームとしての素晴らしい力を見せてもらった気がしました。

 

さあ、2学期が始まります。2学期といえば、運動会です。今年の運動会も昨年度同様、「二つの力」を大切にして、「みんなにとって最高に楽しい!」運動会にしてほしいと思います。「二つの力」…皆さんはもう分かっていますよね。そうです。「全力」と「協力」です。精一杯頑張りましょう。

そして、逆に次の2つの言葉は絶対使わないようにしましょう。

一つ目は、「だって」。「だって…〇〇やから…」という、うまくいかない理由を人のせいにしたり、言い訳したりする言葉。

二つ目は、「どうせ」。「どうせ、自分は〇〇やから…」という、自分の力をあきらめてしまう言葉。

「だって」と「どうせ」という言葉が出てこないように、いつも自分をしっかりと振り返りながら、相手の気持ちを考えながら、決してあきらめることなく前向き(ポジティブ)に頑張っていきましょう。

 運動会が終わったとき、勝っても負けても、日本卓球女子チームに負けない素敵な学級・学年写真が撮れることを願っています。

これで、校長先生のお話を終わります。長い話をしっかりと聞いてくれてありがとうございました。』

 

 11時半の学年下校。子どもたちを見送った後、1学期と同じように、下駄箱の靴を整えます。



 整頓する必要がないくらい、はじめからきちんと整っています。北小の子どもたちの素敵な「普通」…「平常通り」です。明日からまた子どもたちと毎日会えます…とても嬉しい気持ちです。


17:36
2024/07/19

「1学期終業 ~健康・安全で楽しい夏休みを!~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

本日で、令和6年度1学期の終業式を無事に終えることができました。

蒸し暑い中でしたが、子どもたちは集中力を切らさず、整然としたいい終業式になりました。

 

できるだけ短時間で終えたかったので、校長の話は、

「できるだけ時間を短くしたいので、めっちゃ早口で話しますが、集中して聞いてくださいね。」と前置きすると、全学年姿勢を正して、「全力で聞く」モードに切り替えてくれました。そんな子どもたちの姿に思わずこちらが恐縮してしまいました。ほんとにありがたいことです。

実際は、だいぶ省略してして話してしまいましたが、用意していた原稿をこのブログにそのまま載せたいと思います。

 

<校長講話>

皆さん、おはようございます。いよいよ今日で1学期が終わります。明日からは待ちに待った夏休みです。皆さんにとって、この1学期はどんな学期になりましたか?学年が一つ上がって、新しい学級、新しい担任の先生で始まった4月、あれから3か月以上たちました。

 

1年生は、すっかり小学校生活に慣れましたね。毎日楽しそうに学習している1年生の笑顔とシャキッと姿勢がいいところ、そしていつも「校長先生~!」と声をかけて、寄ってきてくれることがとてもうれしかったです。

2年生は、1年生のお兄さんお姉さんとして、やっぱりしっかりしてきたなと思っています。集中力やテキパキ動く行動力がついてきたと思います。毎日欠かさず野菜のお世話ができましたね。「校長先生、見て見て!こんなにミニトマトとれた!」と嬉しそうに報告に来てくれるのがとてもうれしかったです。

3年生は、とにかく元気でした。昼休みにいつもみんなで、先生も一緒になってみんなで遊んでいましたね。みんなで遊ぶことや学級会を通して、だんだん「仲間意識」が育ってきて、クラスで協力できる力がついてきたと思います。

4年生は、ホール子やもりのこ学習など、実際に体験して楽しく学べることが増えましたね。また、上学年に上がって、改めて「やるべきことをきちんとやる」「けじめをつける」など、自分たちを律することの大切さを考え、上学年としての自覚を新たにできた1学期でした。2学期の運動会での活躍が楽しみです。

5年生は、学習やいろんなことに、前向きに積極的に取り組めるようになりましたね。4月、5月…と時間が経つほど、5年生の教室の雰囲気が明るく、あったかくなっていくのがよく分かりました。しっかり高学年としての「たよりがい」が出てきました。

最後に6年生。6年生はいつも「みんなが楽しい!八日市北小学校」という学校目標を意識していてくれて、児童会や委員会、縦割り活動などで、自分たちの力で「楽しさ」を創り出そうと自主的積極的に行動していてくれることがとてもうれしいです。また、学習とそれ以外の時間できちんと気持ちを切り替えることができて、いつも授業中6年生教室に入ると、そのみんなが落ち着いている雰囲気が、とても居心地がよく、幸せな気持ちになりました。

 

「みんなが楽しい!八日市北小学校」を目指して、それぞれの学年がそれぞれに頑張り、それぞれに成長した1学期だったと思います。自分のことばかり考えていた自分が、友達の気持ちを考えられるようになったとか、今まで学級でひとつにまとまるなんて考えてなかったけど、学級のみんなの気持ちが一つになった瞬間が味わえたとか、学校全体を「楽しく」するために、最高学年としていろいろ考えて、行動に移せたとか…、自分の中の「みんな」の範囲が、意味が少しでも広がった実感があったらいいですね。

また、「楽しい!」というのは、ただ「おもしろい」というだけのものじゃなく、勉強が分かる、できるというのも「楽しい」ですし、「友だちがふえる」というのも「楽しい」です。自分自身が成長したと思えることも「楽しい」ですし、だれかに「ありがとう」と言ってもらえることも「楽しい」です。「楽しい」はいっぱいいっぱいあります。無限にあります。この1学期、自分にとっての「楽しい」がたくさんさくさんあったのなら、本当にうれしいですね。

 

それから、学校全体でよかったなと思うことは、この1学期、みんなで「ありがとう」という言葉が大事にできたことです。「ありがとうメッセージ」や「ありがとう週間」の取組で、「ありがとう」がいっぱい増えました。「ありがとう」という言葉は、言った方も、言われた方も気持ちよく、みんなを幸せな気持ちにさせる魔法の言葉です。これからもどんどん広げていきたいですね。

校長先生自身も、皆さんにたくさん「ありがとう」を言ってもらいました。特に多かったのが「校長先生、毎日、下駄箱の靴をそろえてくれてありがとう」という言葉です。

校長先生は、皆さんに「きれいに揃っている、整っている風景を気持ちいい」と思ってほしいから毎日靴を整頓しています。きちんと整っている、きれいに掃除が行き届いていることを気持ちいいと思えれば、毎日のそうじも、トイレのスリッパを整えることも自然にできてくると思っています。

校長先生のそんな思いに気づいてくれた人から、自分の靴をきちんと整えてくれるようになってきて、友達の靴が乱れていたらそっと直してくれる人まで出てきました。今では校長先生が、ほとんど整頓しなくても、全員の靴がきちんとそろっている学級が増えてきました。毎日意識して靴をそろえることや、毎日の掃除を懸命に頑張っていてくれる人たちに心から「いつもありがとう」と言いたいです。

 

他にも少しでも学校の環境を整えようと自主的な行動を起こしてくれたボランティアマン率いるボランティア委員会の活動も、ある日、道路に散乱しているたくさんのゴミをきれいに拾って片付けてくれた5年生の5人の行動も、校長先生にとっては、とてもうれしいことです。北小の誇り「北小プライド」だと思っています。本当に「ありがとう」と言いたいです。

さあ、明日から、いつもより長い夏休みが始まります。どうか皆さん、事故や病気に十分気をつけて、ちゃんと「自分の命」を自分で守って、9月にまた元気な顔を見せてください。楽しい夏休みを!

 

後半はH先生から夏休みの生活について「健康」「安全」「計画」の3点にしぼってお話をしてもらいました。最後には1学期の思いでスライドショーもあって、しっかりと1学期を振り返ることができました。

 

終業式の後は全校で大掃除です。終業式での私(校長)の話も意識してくれたのか、どこのそうじ場所を見に行っても、みんな一生懸命大掃除をしていてくれました。

 


 明日から44日間の長い夏休みが始まります。事故や病気がなく、健康で安全に有意義な夏休みにしてほしいと切に願っています。

 保護者の皆様、地域の皆様には、1学期間、本校教育に対する格別なご理解とご協力をたまわり、深く感謝申しあげます。本当にありがとうございました。ご家族そろって、どうか元気にお過ごしください。

 


18:07
2024/07/18

「それぞれに1学期をしめくくります。~節目って大事ですね~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日で給食も終わり、今日からは半日校時。いよいよ明日は1学期の終業式です。

今日はどこの学級も「お楽しみ会」や「1学期の打ち上げ」を楽しんでいるようでした。

 

「2-1パーティー」と称して、いろんな出し物(発表)が行われたり、学級でレクリエーションを楽しんだりしていました。3年2組の教室は「夏祭り広場」と化し、教室内にいろんな「遊びコーナー」が設けられていて、お店側とお客側に分かれて、交代しながら楽しんでいました。

 

 

 

私(校長)は、4年生のG先生に1時間もらって、4年生の子どもたちと「仲間づくりプログラム」(PA)を楽しみました。いろんな「遊び」や「挑戦」を通じて、「みんなが楽しい!」のために大切なことは何かを探っていきました。「体験」と「振り返り」を繰り返しながら、自分たちの学級集団を見つめ、仲間づくりの大切なことに一つずつ気づいていきます。1回きりでは効果も薄いので、2学期も定期的にさせてもらえたらなと思っています。

 

 

 もちろん学期末は「お楽しみ」だけではありません。3つの「あ」のひとつである「あとしまつ」もしっかりやらなければなりません。明日も大掃除の時間がとってありますが、それでは足らないので、今日も各教室でいろんな「あとしまつ」が行われていました。

 

 

 

 机の引き出しを洗ったり、机や椅子の脚についたほこりをとったり、1学期間お世話になった道具や備品、教室をきれいにします。いつのまにか砂(泥)だらけになっている下駄箱もきれいに掃除しないといけません。どの学年も、どの子も落ち着いて丁寧に作業していて感心しました。

 今日で期末個別懇談も終わります。保護者の皆様、お忙しい中時間をとっていただき本当にありがとうございました。1学期間の子どもたちの頑張りの証である「あゆみ」をもらって、「あとしまつ」もきちんとして、気持ちよく夏休みを迎える…やっぱり「節目」って大事ですよね。


11:55
2024/07/17

「応援団長にかける熱い思い ~信頼できる最高学年~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

そろそろどこの教室も1学期の「がんばった会」や「お楽しみ会」モードに入ってきて、各教室からは楽しくにぎやかな笑い声や歓声が聞こえてくるようになりました。そんな中、6年生のある教室だけは、何やら真剣かつ神妙な雰囲気に包まれていました。教室に入ってみると、どうやら2学期の運動会の応援リーダーを決める演説会と選挙のようです。

応援リーダーの長、つまり応援団長に立候補したのは7人の子どもたち。一人ひとり、団長になりたい理由や意気込みを力説します。どの立候補者も緊張気味に、声を震わせながら、それでも思いの丈を一生懸命伝えていました。



運動会の応援団長というのは、6年生にとってとても「特別な存在」です。約200名の青組(赤組)の長であり、団(組)をまとめ、みんなを鼓舞する最高責任者です。普通に考えれば、大変なプレッシャーがかかる大役で、できれば「勘弁願いたい」と思いそうですが、7人もの子どもたちが立候補しました。そのことだけでもすごいなと思ってしまいます。子どもたちの心には過去5年間の運動会の「応援団長」がいます。それは子どもたちにとって最も「かっこいい人」であり、「憧れの存在」であります。その「憧れの気持ち」が子どもたちを揺り動かします。「自信はないけど、不安だけど、最後だから『あそこ』をめざしたい!」…子どもたちの一大決心です。演説する子どもたちの緊張した表情と震えた声から、その思いの強さが痛いほど伝わってきました。

 

私(校長)はよく覚えています。昨年の運動会前の放課後、私が運動場フェンスの修繕をしているところに、普段は大人しそうな5年生の女の子がやってきて、「校長先生、私、来年応援団長やりたんです。ちょっと応援コールするから聞いててください。」…そう言って、両手を広げながら大声で「〇〇コール一発~!フレ~!フレ~!…」と始めました。突然私のところにやってきて、突然「応援団長がしたい!」と宣言し、唐突に応援コールを始める女の子に少々面食らいましたが、応援団長に憧れるまっすぐなその笑顔に、「素敵な子だな。」と心から思いました。

 

あれから1年。その女の子は、今教室の前に立って、応援団長にかける思いを力いっぱい伝えていました。その力強い表情に、こみ上げるものを感じ胸が熱くなりました。「素敵な子だな。」ともう一度強く思いました。

 

7人の演説を聞く学級の子どもたちも真剣そのものでした。一人ひとりの思いをしっかり受け止めつつ、運動会練習での団(組)全体の動きも見通し(想像し)ながら…それぞれ団長を託す一人を決めたようでした。仲間どうしの強い『絆』を感じる学級(学年)集団に育ってくれました。本当にうれしい限りです。

 もちろん、私以上に子どもたちの思いや成長を身近に感じている担任のF先生は、今日もまたボロボロ…感激の涙を流して子どもたちに想いを語っていました。こんなF先生もやっぱり素敵です。F先生の涙にもらい泣きする前に教室をあとにしました。


15:12
2024/07/16

「夏休みまであと少し!~しっかりとまとめと確かめを!~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

いよいよ1学期の最終週になりました。今週の土曜日から実質夏休みに入ります。

午前中の教室をのぞきに行くと、たいてい「学期のまとめ」や「たしかめ(復習)」をしています。子どもたちにとっては、夏休みまでの最後の試練であり、「がんばりどこ」であるテストやテスト直しです。

1年生は、数を数えるところから始まり、数の分解や簡単な足し算・引き算を勉強しました。

 

園時代にはなかった「テスト」という形式にも少し慣れてくれたかな…。それにしても1年生はみんな姿勢よく、習ったばかりの平がなで自分の名前をしっかり書けているのがえらいです。

 

2年生は、「時刻と時間」の復習中でした。「今何時?」という時刻はすぐに答えられても、「何分経った?」「2時間35分後の時刻は?」などと時間を聞かれると、なかなかすぐには答えられません。時計の文字盤とにらめっこしながら考えます。「あと何分?」とか「何分後は?」にこたえるにはやはり「アナログ時計」が絶対便利です。「時刻」を知るだけなら「デジタル時計」もありですが、「時間」を計るなら絶対「アナログ時計」です。子どもたちは午前・午後という意味も学習しました。ちなみに「午(ご)」は、昔の時の刻み方でいう「午(うま)の刻」のことで、子(ね)0時→丑(うし)2時→寅(とら)4時→卯(う)6時→辰(たつ)8時→巳(み)10時→午(うま)12時→未(ひつじ)14時→申(さる)16時→酉(とり)18時→戌(いぬ)20時→亥(い)22時→子(ね)0時…となって、「午」はちょうどお昼の12時にあたり、それより前を「午前」、後を「午後」、まさに12時ジャストを「正午」というようになっています。

時計の長針は「5分刻み」に「5,10,15,20、…」と数えることが多くなりますが、これがこのあと九九の5の段につながります。

 

 

3年生は、計算の復習を頑張っていました。3桁の足し算や、あまりのある2桁÷1桁の計算などの復習です。プリントにたくさん問題があるので、子どもたちは、「まだまだある…疲れる~…」って表情になりがちですが、四則計算は「速く、正しく、簡単に」できないと使い物になりません。

 


計算は「やり方が分かる」だけでは、「生きるための武器」にはなりません。とにかく「鍛える」しかないのです。「なんでこんないっぱいせなあかんの…?」と弱音を吐く子がけっこういますが、甘えてちゃダメです。集中して繰り返してトレーニングあるのみです。学習でもスポーツでも、「準備体操(ウォーミングアップ)」や「基礎練習(トレーニング)」は省くことはできません。頑張りましょう!

 

5年生になると、算数がどんどん「数学」に近づいていきます。数の仕組みや計算の法則、比例の関係や図形の形(辺・角)などなど…ここで大事なのは、1~4年生までの算数が、全部きちんと理解できていることです。算数(数学)は「完全積上げ教科」なので、「分からないところ」を残したまま先に進むことはできません。F先生がしてくれている「昼休み算数教室」の意味もここにあるわけです。

 楽しみな夏休みですが、「宿題さえクリアすればいい。」ではなく、この1学期をしっかりと振り返り、「自分に必要な学習」をしっかりと意識して、「やるべきことはやる」という夏休みにしてほしいと思います。


12:35
2024/07/12

「自分の言葉で文を綴る ~高学年の紹介文から~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日は朝早く出勤したので、だれもいない校舎を巡りながら、掲示してあるものをじっくり見て回ることにしました。

 

それぞれの委員会からは、ポスターによっていろんなお知らせがされています。結構まめに更新されていて、子どもたちがいろんな企画をしながら、自分たちで運営してくれていることをうれしく思いました。こんなふうに子どもたちからの「発信」が多いことも本校の自慢「北小プライド」のひとつだと思っています。

廊下だけでなく、教室の中に掲示してあるものもゆっくりと見させてもらっていると、5年生の国語科の成果物でしょうか、「八日市の名所を紹介する新聞?」に目がとまりました。


太郎坊宮や本町商店街、二五八祭などについて紹介する新聞(パンフレット風)が多かったのですが、それぞれきちんと「自分の言葉で文を綴っている」ことに感心しました。情報はネットから調べてくるんでしょうが、それをそのまま「写す」のではなく、人に紹介する(お勧めする)という「目的意識」や「相手意識」をもって、自分の言葉で「再構成」できているなと思いました。また、文章の言い回しなどは、よく教科書の教材に出てくるような言い回しが活用されていて、「普段の国語の学習が生かされてるな。」と思えたこともうれしかったです。

本校では、今、「国語学習の汎用性を高める」ことがひとつのテーマになっていて、「国語学習の単元のゴール(出口)にどんなことを設定するか」、また「国語の学習と、他の教科の学習をどう結びつけるか。」を考えながら学習計画を立てています。今回の新聞も担任の先生たちが「国語の学習を活かす学習」として仕組んでくれたものだと思います。

 

先日、大学の先生をしている知り合いと話した時、「最近の学生は、すぐにネットにある文章をコピペ(コピー&ペースト)して、適当なレポートを書いてくるから困る。自分で文章を書く力がついてないねん!」とかなり愚痴っていましたが、その話を聞きながら、「う~ん。その通りやろなあ…小学校でどんな力をつけておくべきか、もっと責任もって考えなあかん…。」と思ってしまいました。

そんなことがあったので、今日子どもたちの「自分の言葉で綴られた文章」を見せてもらって、ちょっと安心したわけです。

最後に図書室に行くと、いつの間にか6年生が「本の紹介カード」を作って掲示してくれていました。

 

これまた国語で学習した「風切るつばさ」というお話の紹介カードでした。見出しやお勧め文が工夫されていて、またとても見やすく丁寧な字で書かれた「本の紹介カード」は、ついつい目にとまって見入ってしまいます。「自分の言葉で、文章(思い)を綴る」…どの学年でも大事にしながら、子どもたち一人ひとりにしっかりとつけていきたい力です。


13:32
2024/07/11

「『みんなが楽しい!北小』を自分たちが創る!~北小フェスティバル~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

昨日のロング昼休みは、レクリエーション委員会主催の「北小フェスティバル」が行われました。この企画は、「みんなが楽しめる」遊びコーナーや発表を全校に募集し、そこに手を挙げた子どもたちが、自主的に「ゲームコーナー」や「ステージ発表」などを運営しながら、全校で楽しむという、いわば「夏祭り広場」のような企画です。


「的あてゲームコーナー」や「フリースロー大会」などのスポーツ系企画があったり、タブレットをうまく使ったクイズや占いのコーナーがあったり、それぞれの好みに応じて楽しめるいろんな遊びコーナーが準備されました。それぞれのコーナーに先生たちが張り付くこともなく、すべて「自分たち」の運営で進めてくれました。

中でも一番観衆を集めていたのは「ステージ発表」で、有志によるいろんな発表を見ることができました。4年生のS君の独唱から始まり、次に2年生有志のダンス、そして4年生有志の合奏と続き、最後のトリは5年生有志のダンスでした。

 

 

こういう全校の前での発表を「ひとりで」やってやろうと決意してやり切ったS君の勇気もあっぱれですし、全身でダンスを楽しむ2年生の可愛らしい姿はとても微笑ましかったです。また、少しの時間をうまく使って練習を重ねたであろう4年生の合奏の努力の跡も素敵でした。最後の5年生有志のダンスは、キレッキレで、途中でバック転が入るなど、かなりレベルの高いダンスを見せてもらいました。自分の好きなことや得意なことを、全校の前で堂々と表現しようとする心意気がとても頼もしく思え、大切にもっと広げていきたい北小の校風(北小プライド)だなと強く思いました。

この「北小フェスティバル」は、昨日のブログに書いた、子どもたちの「社会力」を育てるいい機会になったなと、とてもうれしく思っています。2学期以降も、子どもたちの「社会力」におおいに期待したいと思います。


16:46
2024/07/10

「未来の市長選挙 ~6年主権者学習~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

140年ぶりに民法が改正され、令和4年(2022年)41日から成年年齢が18歳に引き下げられたことは記憶に新しいところですが、それに先んじて平成28年(2016年)に選挙権年齢が「満18歳以上」に引き下げられました。18,19歳の若者にも国政の重要な判断に参加してもらうための国策ですが、そのことに伴って小学校の「社会科」の学習も大きく変わりました。

以前ですと、6年の社会科は「歴史」分野の学習が中心で、年度の後半に憲法や国政に関する「公民」分野の学習をしていましたが、ここでの「公民」の学習は、自分の将来のための事前知識としての意味合いが濃かった気がします。国会の仕組みや三権分立について学ぶものの、どこか何となく「大人になってからのこと」…つまり「他人ごと」ととらえているような感がありました。

しかし、選挙権年齢が「満18歳以上」になってからは、特に「主権者」としての意識醸成のための新たな学習(主権者学習)が必要になりました。「まだまだ小学生じゃないか・・・といっても6年後には、『清き一票』を手にして政治に参加する立派な主権者」になるわけですから、「他人ごと」ではなく、「自分ごと」として政治の仕組みや、まちづくりのしくみが分かっていないといけません。自分たちが生きる「社会」のことを自分ごととしてとらえ、みんなが求める「社会」が実現するよう、自分たちの「代表者」を決めるのが「選挙」です。まずは、その「選挙」の仕組みを知り、「選挙」を身近に感じるところから「主権者学習」を進めます。

 

今日は、市の選挙管理委員会の方に来ていただき、選挙の意味や仕組みについてレクチャーしてもらった後、実際に「未来の市長」を選ぶ選挙を模擬体験させてもらいました。市長候補の大役を務めてくれたのは、MさんとIさん。それぞれの公約を訴える選挙演説は堂々としていて、なかなか見事なものでした。この演説を聞いて、6年生はどちらの候補に投票するか考えて、決めました。

 

選挙管理委員会から用意してくださった選挙グッズは「本物」ばかりでした。投票所入場整理券の発行や、鍵のかかる投票箱の準備、それから「本物」の投票用紙が出てくる「本物」の投票用紙交付機や投票所の設営まで、実際に行われている選挙と同じ設定で体験させていただきました。



「選挙管理者」や「選挙立会人」、「名簿対照係」や「投票用紙交付係」まできちんと役割分担して、模擬選挙をやってみました。投票所の設定が「本物」なので、模擬体験と分かっていても、なんだか少し緊張してしまう感じでした。やはり「本物」の効果は絶大だなと感じました。


本来、国民の権利である選挙権…その権利が18歳以上のすべての国民に与えられたことは大変意義深いことだと考えますが、実際、若者の投票率は30%ほどだと聞きました。まだまだ「自分ごと」としての意識は育っていないようです。

本校では、社会科における「主権者教育(学習)」に力を入れることはもちろんですが、「自分たちの学校(社会)を自分たちの力で創る。」、「自分たちで大切なことや、守るべきルールを考える。」…そんな力を養うことを大切にすることで、社会参加の意識を醸成していきたいと考えています。

子どもたちに必要なのは、今の社会に適応する力(=社会性)なのではなく、社会に主体として関わっていく力(=社会力)だと思っています。

今日は本当にいい体験をさせていただきました。選挙管理委員会の方々に厚くお礼申しあげます。

 


16:03
2024/07/09

「1学期のまとめをしっかりと~昼休み算数教室~」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

いよいよ夏休みまで10日を切りましたが、昼休みの図工室では、「昼休み算数教室」が開かれています。積み上げ教科である算数の学習…、分からないところや苦手なところをそのままにしておいては、これから先が困ります。夏休みを迎える前に、子どもたちにしっかりと力をつけてあげたいという算数専科教員のF先生の思いで「昼休み算数教室」が開講されることになりました。当初は、希望する高学年の子どもたちのみが対象だったのですが、今は4年生の子どもたちにも対象を広げ、結構な人数で学習をしています。(4年生については、宿題等のやらなければならないことをやりきれてなくて、強制参加になっている子もいます…あらあら…)担当してくれているのは、F先生に加えて、教務のH先生と支援員のIさんの3人です。


 6年生は、立体の体積の単元や、最近の新しい単元である「データ活用」(平均値や中央値、最頻値などの学習)の復習に取り組んでいる子が多かったです。特に「データ活用」の学習は、保護者の皆さんの子ども時代にはなかった学習で、「中央値?最頻値って何?」という感じだと思いますが、令和の時代に生きる子どもたちの将来には結構マストな学習になると思われます。

5年生は、コンパスや分度器を使った図形の作図などに取り組んでいる子がいました。4年生は1億より大きな数の問題や、(  )を使った計算式の復習に取り組む子が多かったようです。

昼休みは、友達同士で思いっきり遊んでほしいというのが本意ですが、夏休みを前に、苦手なところを復習しておこう、やろうと決めたことをしっかりとやり切っておきたいというような自分にとっての「価値づけ」や「必要性」を感じて、自主的に「昼休み算数教室」に参加する子どもたちの頑張る気持ちは素晴らしいと思います。

また、学期末特に多忙な担任の先生に変わって、教務部の先生たちが子どもたちのために一肌脱ぐというのも本校のよさ(強味)のひとつです。

「分からないことが分かるようになる」、「苦手なことが克服できる」というのが、「楽しい!」のど真ん中にあることだと思います。残り数日、できる努力は全部して、すっきりした気持ちで夏休みを迎えてほしいと思います。


17:01
2024/07/08

「命を守るために ~6年生 着衣泳から学ぶ~

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

いよいよ1学期も残すところ10日を切り、子どもたちは学習のまとめや、あとわずかな水泳(水遊び)の授業を楽しんでいます。6年生も今日が最後の水泳学習でした。そして最後に行ったのが「着衣泳」。服(体操服)を着たままプールに入りました。本来ならば、体操服なんかじゃなくて、がっつり長袖長ズボン(特にジーンズなんかが一番いい)で、しかも靴を履いたまま水に放り出されるのが「着衣泳」なのですが、プールの水を汚すわけにもいかないので、「体操服+裸足」のスタイルで行いました。

 

服を着たまま泳いでみて感じることは、とにかく「服はぬれると異常に重くなる」ということと、服が大きな抵抗になって前に進みにくいということです。今日は裸足で半ズボンですからまだましですが、ジーンズに長靴だと本当におぼれそうになってパニックになります。

担任のK先生は、6年生相手ですから、ちゃんとデータに基づいて子どもたちに話をしてくれます。

「昨年度の水の事故は1300件以上で、命を落とした人は700人を越えます…。水の事故の半分以上が命を落とす事故になっています。不意に海や川に放り出されると、うまく泳げず、焦ってパニックになって、もがけばもがくほど体は沈んでいきます…。」

 

「着衣泳」の目的は、服を着たまま泳げるようにすることではありません。自分の命を守るために、助けが来るまで、とにかく「浮いて」いられるようにすることにあります。

「おぼれてる(流されている)人を見つけて、警察や救急車を要請してから、到着するまでの時間は平均5~6分。その5~6分、浮き続けていることが命を守ることになります。」と、K先生の話は具体的で説得力があります。

海や川に放り出された時、命を守るための最も力強いアイテムがペットボトルです。2Lなら言うことないですが、500mLでも十分機能します。ペットボトル1本を浮き輪代わりに確実に浮いていられます。人がおぼれている(流されている)ところに出くわしたら、助けに飛び込むのは絶対NGです。ロープを投げたり、今回のようにペットボトルを投げ入れたりするのが正解です。(もちろん助けを呼ぶことも絶対です)
 

 

もうすぐ夏休みです。家族旅行やキャンプ、海水浴などなど楽しいことがたくさん待っていると思いますが、「お天気」や「自然のこわさ」を十分わかったうえで、安全に楽しんでほしいと願います。今日の着衣泳の学習は、自分の命を守るために必要不可欠な学習ですが、決してそのような事態にならないよう、十分気をつけて夏休みを楽しんでほしいと思います。


15:52
2024/07/05

「子どもたちは、もちろん「宝」。でも新任先生も本校の「宝」です」

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長

今日の午後は、新任先生のG先生の研究授業を行いました。研究授業というのは、G先生が考えに考えた授業を先輩の先生たちに見てもらって、放課後に指導助言してもらうような授業です。

今日は道徳の授業で、「決めつけないで」という教材を使って、「思い込みや偏見で判断したりすることが歪んだ見方になることを知り、誰に対しても分け隔てをせずに相手の思いや願いを理解して接する公正・公平な態度をもつことによって、一人ひとりのよいところが発揮され、笑顔あふれる集団になっていくことについて考え合うものでした。


たくさんの先生たちに参観され、かなり緊張したと思いますが、若者らしくはつらつとした表情と声で授業を進めてくれました。子どもたちもそんなG先生の緊張や一生懸命が分かるのでしょう…いつもより張り切って頑張ってくれました。

「新任の先生は、経験がないから授業力や生活指導力が心配…。」、正直そんな不安もあるかもしれませんが、誰にでも「最初」はあります。今年は体育主任の大役を務める3年目のT先生も、元気いっぱいに明るく楽しく1年生の担任を務めている2年目のT先生もにも、「最初」があって、教師という仕事に夢を描きながらも、最初は緊張と不安の毎日を過ごしていたのです。また、「初めて」だからこそ、誰よりも一生懸命に、より準備を丁寧にしているところもありますし、何よりも「若さ」は最大の武器です。

私(校長)も、この北小で教師としての「最初」を切らせてもらいました。「若さとパワー」しかなく、当時の教え子たちにはいっぱい無茶をさせたなと思います。保護者の皆さんにもいっぱい怒られました。それでも「子どもたちのために一生懸命」というのだけは自信があって、それさえあれば子どもたちはついてきてくれるし、子どもたちが「教師としての私」を育ててくれました。現在の保護者の皆さんの中にも、私(校長)の教え子は何人もいてくれます。私(校長)は、「あの頃は、無茶苦茶しててごめんなさい。」と謝りたいことが多いのですが、教え子たちは「あの時はとても楽しかった。」と言ってくれます。いつの時代も「一生懸命」に勝るものはないです。「一生懸命」ならそのうち必ずうまくいきます。

本校の先生たち全員が新任の先生のことを、子どもたちと同じように「宝」だと思い、全員で教え、支え、育てることに一生懸命になっています。相担のK先生は、指導相談役として、毎日遅くまでG先生の授業準備や学級事務についてサポートしてくれています。また、教務で、中学年部のリーダー先生を務めるH先生は、副担任のようにG先生の教室に入り、学習指導や生徒指導の一つひとつをアドバイスしてくれています。当然、G先生に授業の方法等について直接指導する初任者研修担当のT先生もいてくれます。たくさんの先生たちがG先生の悩みを聞いてくれているところをよく見かけます。みんなG先生を大切に育てようと一生懸命になっていてくれます。

周りの先生たちの思いに応えるように、G先生は毎日努力しています。子どもたちは正直ですから、授業が面白くないと、やっぱりだれてきます。そんな子どもたちの姿に、自分の責任を感じ、気持ちが凹んでしまう日も多いでしょうが、G先生はめげずに努力を続けています。今日の授業を見ていて、そんなG先生の頑張りが、子どもたちにも伝わってきているなと感じました。

 


教材の主人公の心情を考えながら、「決めつけや思い込み」、「分け隔てなく公平公正であること」について一生懸命考え、最後には自分たちの中の「決めつけや思い込み」について振り返りもしっかりとしていました。子どもたちの成長と同じように、これからのG先生の成長に大いに期待したいと思います。


17:13
12

学習ができるWEBページ