一気に春めいてきた今日この頃…。今年度、最後の登校日になりました。私(校長)にとって特別な日です。でも「最後」とか「特別」ということを少しでも考えると、何かがこみあげてきそうで、「とにかくいつも通り!」を言い聞かせて校門に立ちました。
しかし、北小の愛すべき子どもたちの方が、なかなか「いつもどおり」を許してくれません。最初の「特別」は1年生のKHさんでした。「校長先生、今までありがとうございました。これあげる…。」といって、「つくし」をプレゼントしてくれました。今日はそれだけでも胸にグッときます…。

ここから、子どもたちの情け容赦のない「愛」が続きます。小さなお手紙を手渡してくれる子、時間をかけて描いてくれたであろう「私の似顔絵」をプレゼントしてくれる子、団体さんで「お礼のお手紙」やプレゼントを持ってきてくれる子…「最後」を考えたくないのだけど、子どもたちのあどけない可愛い笑顔が、私(校長)をどんどん「感傷的」の方へと持っていきます。



もらった「つくし」を手に、必死でのんきで楽しいことを考えようとして頭に浮かんだのは「♬つくしのこが恥ずかし気に顔を出します~♪」という、昔懐かしのメロディでした。「よし、修了式の挨拶はこれで行ってしまおう!」と決意し、頭の中でキャンディーズの名曲「春一番」の歌詞を思い出しながら、ちょっとした振付も一緒に考えだしました。
「修了式」は、「一年間の学習を修了したので、次の学年へと進級できますよ。」ということを証明する「修了証」を授与する式です。と同時に今年度一年を振り返る式でもあります。

各学年の代表者(今回は1組の出席番号1番の者)一人ずつに壇上で「修了証」を授与します。トップバッターは、1年生ANさん。きれいな姿勢にきれいなお辞儀、私(校長)の目をずっと、まっすぐに見ながら「修了証」を受け取ります。一人目から、こんなに完璧で、見事な「受け取り方」をしてくれるので、また胸の奥の方からぐっとくるものがこみあげてきて、私の涙腺を攻めてきます…。そんな気持ちをぐっとこらえながらなんとか5人の修了証授与を終え、いよいよ「校長講話」です。
演台まで用意してもらっているのに、壇上にいてはまた「感傷モード」に入ってしまうので、さっさとステージを降りて子どもたちのところへ…ここからは一気に「綾小路きみまろ」モードに切り替えて、早速、キャンディーズの「春一番」をおかしな「振付」で熱唱します。
♪雪が解けて 川になって 流れていきます つくしのこが 恥ずかし気に 顔を出します。
もうすぐ春ですね。 ちょっと気取ってみませんか♬
私(校長)が5年生の時流行ったアイドルの歌です。今から約50年前の曲です。子どもたちどころか、たいていの先生たちも「聴いたことのない曲」ですが、なんとなくコミカルな振り付きで歌うので、子どもたちもニコニコ笑っていてくれます。


こんなふざけた「校長講話」ばかりしているのは、自分でもどうしたものかと自己嫌悪に陥ることも多々ありましたが、「校長の話は長くて、つまらないもの」というのが世間一般的だと考えると、「今度はいったい何をしやるんやろ?」とわくわくできる方がまだいいのではないかと…自分勝手な流儀を貫いてきました。私(校長)が「校長講話」で伝え続けてきたのは、「やると決めたら『中途半端』でなく『全力』でやる!」ということだったかもしれません。(ちなみに、修了式が終わった後、私(校長)に近い世代のK先生とS先生に「校長先生、キャンディーズの「サビ」のところの振り付け、間違ってましたよ。正しくはこうです!」とジェスチャー入りで指導を受けました。やはり『中途半端』ではだめですね…。)
校長講話の最後は、一年間の〆(しめ)も兼ねて、全校が一体となって、「♬ウルトラソウル!♪ハイ!」×3連発(しかもジャンプ有!)で締めました。昨年度の運動会からなんとなく「北小の定番」になった校長と子どもたちの「ウルトラソウル!ハイ!」のかけあい…それも今日でやり納めとなりました。
ふざけた「校長講話」の後は、生徒指導主任のH先生が、「春休みの生活」や「来年度に向けて」について、きちんと子どもたちに伝えてもらいました。(大事なことはいつも校長以外の先生たちがきちんと伝えてくれます…なんともかたじけない…)その後は、入学式で歌う歌の練習を少しして、これで「修了式」が終わるかなと見せかけておいて…。
今度はなんと数名の5年生がステージに上がって、私(校長)への餞別の言葉を話し始めてくれるではありませんか…。そして、卒業式でも全校で歌った「さようなら」を子どもたちが「全力」で歌ってくれました。いつ、どんな時も子どもたち一人ひとりの顔をくまなく見るのが癖になっている私(校長)ですが、今日は一切見ることができませんでした。…見てしまったら号泣してしまいます…。


子どもたちにしても、先生たちにしても、「どうしてここまで私みたいなものを大事に扱ってくれるのか…。」…嬉しいやら、申し訳ないやら…。ただただ心から「感謝」であり、「幸せ」です。
子どもたちの前で、なんとかかんとか泣かなくてすんだとことにどこか少し安心して、職員室に戻ろうとした時…。最後の「ラスボス」は1年生の子どもたちでした。「校長先生~!」といつもの可愛い声で私(校長)を呼び止めます。孫よりかわいい1年生の子どもたちに囲まれては、本当にもう涙腺に「栓」は効かなくなってしまいます。たくさん1年生に話をしてあげたかったのですが、話し出すと、やっぱり号泣しそうで…必死でこらえながら「校長先生も1年生が大好き~!」だけ大きな声で伝えました。1年生からは分厚~い「お礼の手紙」文集をもらいました。「幸せ」なこと、このうえなしです。
ちなみに私(校長)には、3人娘がいますが、まだ孫はいません…(泣)。


今年度は、校長自身が、子どもたちの成長と、学校や先生たちの思いを「毎日」綴っていこうと決意してこの「校長ブログ」を始めました。私(校長)にとって、北小の子どもたちは大切な、大切な「宝」であり、また学校の先生方も大切な、大切な「仲間(同士)」であり「宝」です。学校では、子どもたちはいろんな困難に出会いながらも、仲間どうし支え合って、一つ一つ階段をのぼるように成長していきます。その一歩一歩の歩みを先生たちが目立たないように、後ろからそっと支えています。先生たちの思いや努力は、「陰ながら…」の部分が多いので伝わらないことがよくあります。そんな先生たちの思いや努力を多くの方に伝えるのが、まさしく私(校長)の仕事だと思って、このブログを綴ってきたようにも思います。思いのほか、見てくださる方が多く、多い時は1日1000以上のアクセスがありました。学校行事や参観日の保護者の皆様の感想等を読ませてもらいながら、だんだんと、「子どもたち」と「先生たち」、そして「保護者や「地域の皆さん」の思いがつながってきているな…「一体感」が生まれてきているなと感じるようになりました。ブログを通じて、「子どもたちの成長」や「学校の思い」について、少しは分かってもらいやすくなったのかなと、厚かましく思ったりします。
その「校長ブログ」も今日で最終回となります。全く「読み手」の都合を考えない、だらだらと文章の長いブログを、毎日根気強く読んでくださった皆様に心より感謝いたします。
最後に、2年間務めさせていただいた八日市北小の「校長」としての結論です。八日市北小学校の子どもたちは、素直で人懐っこく、いろんなこと(力)をどんどん吸収していく、「伸びしろ」たっぷりの素晴らしい子どもたちです。そして、子どもたちを支える先生たちも、子どもたちへの愛情に満ち、教育に「手間」をかける覚悟ができている素晴らしい先生集団です。どうか安心して子どもたちを預けてください。2年間、本当にありがとうございました。